2010年03月02日
ガンダムUC 第一話先行上映感想
![機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 1 [Blu-ray]](http://rcm-images.amazon.com/images/P/B002TZRF5M.09.MZZZZZZZ.jpg)
機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 1 [Blu-ray]
原作小説
なお、感想の前に注意点2点。
まずこのガンダムユニコーン、原作小説は文庫でお求めやすくなっていますが、文庫になっているのは1巻2巻だけ。次巻以降の出版予定は発表されておらず、恐らく映像の進行と並行させる物と思われます。続きが気になった場合、(私の事です!)3巻以降だけ別カバーで買う羽目になるので注意。
もう一点は、映画館で鑑賞すると、発売前にBLU-rayを買えると言う特典(?)がありますが、販売価格は定価。上記リンクのとおり、予約商品は3割以上値引きされているので、焦って買う必要は無いと思います。
あ、もう一点だけありました。これ、映画の日やレディースデイでも値段が変わらないので注意!!
映画の日で、他の映画が全て千円になっているのに、これだけ千二百円で、一気に見る気が失せかかりましたよ。一時間で他の映画より割高ってのは、さすがに、ねえ?
と言うわけで、内容の感想です。
原作小説は、「普段ガンダムもどきを書いてる作者がガンダムを書いたら、普段より数倍面白かった」と言う変わった代物でした。ちなみに、私はこの作者の他の作品は嫌いなので、(参考文献に「ユダヤ人と日本人」とか入ってる段階で、ねえ……?)その辺を割り引いて下さい。
そして今回のOVAですが、原作からの改変は二点にまとめられます。
「時間が無いので、設定の説明は全部省きました」
「ガンダムなので、主人公を○○病にしか見えなくしてみました」
”○○”には、精神とか厨二とか、好きな言葉をお入れ下さい。要するに、ニュータイプ的なアレです。ストレートに「クソガキ」でも可。
確かに、絶賛されているとおり、映像は素晴らしいです。冒頭のスタークジェガンの武装パージや、パイロットの操作ギミック。コロニーの景色やアクションシーン。クシャトリヤ無双(笑)の三次元機動。どれをとってももの凄い完成度です。これなら確かに、映画館で上映したくなろうという物。
一方で、主にSFがらみの設定説明が省かれているため、展開は性急かつぞんざい。オードリー(偽名)が飛び込んだ通路は何なのか、彼女の状況は何が危険だったのか、特殊部隊の解説、ロンドベルとの関係、財団とアナハイムの関係(アナハイムは財団の一部門でしかない)、可変モビルスーツがなんなのか…… 場面場面にきちんと意味と設定があるだけに、原作を読んでいないと非常に厳しいです。
例えば、ジェガンがギラズールに向けて発砲するシーンで慌てて静止しようとする僚機や、設定を知らないとアホにしか見えない、「わざわざMSのハッチを開けてランチャーを撃つ可変MS」(特殊部隊の兵員輸送用なので、機体の武装は機関砲程度しかない)など、凝っているだけに勿体ないです。重要人物のはずのロンドベル新人隊員なんて、セリフも説明も全て省かれ、ただのモブ扱い。
それと、主人公…… 厨二病と自閉症を併発したようなあの造型は、どう考えても失敗じゃないかと思うのですが。原作が、ニュータイプっぽさがほとんど無い基本的には普通の少年だった事もあり、違和感と嫌悪感が凄い事に。だって、明らかに近寄りたくない奴ですよ。
原作ではDQN気味だったミコットさんが可愛かったのは嬉しい誤算(あの髪型じゃ宇宙服着れないだろ、と言うのは触れない方向で)ですが、それだけに主人公の悪印象がまた……
その他の点については、おおむね「ガンダムの映像作品」としてチューニングするための、正しい判断かと思います。主人公とオードリーの分離→合流シーケンスをまとめたり、全員ゴルゴ13かというレベルのマンハンター無双を省いたのは、大正解でしょう。後者なんて、特殊部隊がガンダムよりタチの悪い無敵っぷりのため、力の象徴がMSで無くなってしまっている上、映像化しても古い方のエヴァ映画版前半みたいな、陰惨な内容にしかなりませんからね。
逆に、カーディアスの長広舌は、聞き手の主人公がアレな事もあって、もっと削って良かったと思います。
ですが、繰り返しますがメカニックは絶品。
贅沢を言うなら、やられ役のMS達があまりに柔らかすぎる、と言う程度でしょうか。折角損害が細かく画面上で表現されるのですから、もっと丁寧に壊れて欲しかった。やられパターンも、コクピット直撃かエンジン爆発だけですしね。武器を失って撤退したり、大破してパイロットが脱出したりと言った、多彩さが欲しかったと思います。これは、原作自体がクシャトリヤ無双なので仕方ない所ですが……
あと、ビームライフルの描写は非常に格好良いのですが、照射時間が長いため(それが格好良さの中心なのですが)ビームサーベルの存在意義が消えてますね。あのビームライフルの描写は、「馬鹿みたいに長いビームサーベル」に他ならないので。赤熱→破砕の描写とか滅茶苦茶格好良いですし、サーベルによる格闘戦も外連味たっぷりで魅せるので、どうでも良くなりますが。
とにかく、バランスの悪さが目立つ物の、基本的には非常に力の入った、できの良い作品でした。
不満の大きさは、評判を聞いて期待が大きくなりすぎたのと、映画の日不適用のショックが大きいでしょうし。
ただ、話としてはまだ始まっても居ず、ユニコーンガンダムが起動したところで終了。原作では売りの政治劇も設定自体が語られない状況で、単品で1200円払うのはちと厳しい感じです。結局の所、上映時間は1時間を切るわけで。
今後の展開にしても、小説を読んで、補完として作品を見る程度で良いかなあ、と感じました。その場合、ネット配信は高いですし、レンタル開始を待つのが正しい気がします。
なかなか、映像作品の値段設定というのは難しいですよね。
2009年12月30日
マイケル・ムーア「キャピタリズム」 感想
帰省は、東京でしか観れないものを観るチャンスです。
それなりに名前も売れているのに、全国で2館しか公開していないという段階で、色々と察して欲しいドキュメンタリー映画。
いやあ、最初に一番大きなネタバレ(?)書いちゃいますけど、エンディングでインターナショナルを流しちゃうって時点で、もう脱帽するしかないじゃないですか。だって、これアメリカで作って、アメリカで公開してるんですよ?なのに、「インターナショナル」。妙に曲調がカントリーなのが示唆的だったりしますが、その蛮勇に乾杯。
映画で示される事実認識と主張は以下の通り。
1,サブプライムの本質は、金融機関の詐欺
2,監視・規制機関は役割を果たさず、暴走を黙認または幇助
3,原因はキャピタリズム(※)だよね
4,民衆の力で、キャピタリズムに毒されたふざけた政府をぶっ飛ばしましょう
※映画内の「キャピタリズム」は、資本主義と言うより、過度の自由主義、ロウィの言う利益集団自由主義
とりあえず、感想と評論については、二つの側面に分けようと思います。
つまり、「プロパガンダ」としての評価と「社会に対する提言」としての評価です。
まず、プロパガンダとしての側面。
これはもう、今までの作品と同様、非常に面白いです。主張内容を捨象して見た場合、場面の切り取り方や話の展開のさせかたが本当に巧み。レーガンを哀れな操り人形扱いしつつメリルリンチの会長をクローズアップしたり、ルーズヴェルトの第二の権利憲章を格調高く映してみたり、訴え方を心得ています。皮肉の効いたネタ映像にしても、キリストに「神聖なる」キャピタリズムの教義を言わせるシーンなど、もう圧巻。
「イエスよ、このものはずっと苦しんでいるのです」
「残念だが、持病は保険の適用外だ」
みたいな。
映像の使い方、ユーモアの効かせ方が楽しいです。もっとも、相変わらずやり過ぎの面は多く、金融機関に押しかけて「CEOを市民逮捕しに来ました」と正面玄関から入っていく所などは、正直笑えません。アメリカ人なら笑えるんでしょうか?CG合成されたブッシュが国民を脅すシーンも、ちょっと安っぽすぎて不愉快だったり。まあ、滑るネタがあるとだけの言う事ですが。
データ・数字を最小限しか出さないのはあいかわらずで、これは不満点なのですが、「数は力なり」のプロパガンダにおいては大正解でしょう。「おめえら選挙行けよ」が一番大きな主張ですから、「一番の馬鹿」に合わせて組み立てるのは基本になります。総じて、プロパガンダとしては良くできていると思います。
もっとも、既に「マイケル・ムーアの映画」と言う時点で、同じ政治的主張の人間しか見ない可能性は高いですが。
ちなみに、私が一番凄いなと思ったのは、下院議員(議場外でカメラに写る姿は、くたびれた貧相なおばちゃんです)が口角泡を飛ばして、議会で金融機関救済法案を批判するシーン。
「ここはどこだ?アメリカ議会だ。ゴールドマンサックスの重役会議じゃない。法の規制を取り払って、何も条件を付けずに国民の税金を渡す?この法案内容は何だ!?恥を知れ!」
とまあ、そんな内容です。
他の議員のもそうですが、怒りをストレートに表し、他の議員と何より国民に訴える姿は、感動的ですらあります。代弁者として仕事をし、その内容によって再就職如何(選挙結果)が決まるという、専門家の面目躍如ではないでしょうか。主張内容は別として、(実際、反対の主張をする議員達も、十分「格好良い」のです)ああ言う論戦が見られるというのは素晴らしい。まあもっとも、結局反対議員の多くが買収されたり「説得」されたりして、救済法案を再可決してしまうのですが。
さて、もう一方の社会に対する提言としての評価なのですが、これは「結論は正しいけど、色々すっ飛ばしすぎだろう」または「同意できるけど、理由は違うな」という感じです。
映画内で取り上げられた事実と対策は、幾つかあります。
事実
↓
対策
の書式で書くと、以下のとおり。
金融機関は、国民を詐欺にかけてるよ
↓
ちゃんと取り締まろうぜ。当たり前だろ?
でも、取締機関は連中の出張所になってるよ
↓
ここは民主主義国家だから、ふざけた馬鹿どもは落とそうぜ。連中はそれを怖がってるよ
それ以前に、企業がやりたい放題やってて、労働者の生活は滅茶苦茶だよ
↓
もう、命がかかる所まで行ったら、実力行使で対抗するしかないよね
そもそも、キャピタリズムってどうなのよ?
↓
あんなもの、伝統でも何でも無いよ。合衆国憲法は、むしろ社会主義的理想主義を掲げてるよ。
だから、ファウンディング・ファーザーズ(「建国の父達」アメリカで最も重い権威を体現する)の理念に戻ろう
これらについて、私はおおむね賛成します。
3番目、実力をもった抵抗については批判もあると思うのですが、実際問題生存権がガリガリ削られている状況で、座して死ねと言っても無理でしょう。そもそも、そう言う状況(国家が国民を脅かす)時のために、市民が武装する権利は担保されてるんでしたよね?別に実力行使を賞賛するつもりはありませんが、(映画内で出てくるロックアウトは、労働組合が普通に採る戦術なので、全然アリだと思いますけど。そもそも、あの解雇通知が違法だし……)「革命の安全弁」である福祉を切ったら、そりゃ争乱も起きますよ。
そんな事は、物理現象みたいな自明の理なので、良いとか悪いとか言う以前でしょう。だからこそ、福祉とか競争規制はどんな資本主義国家でも採用されているわけで。国家の体を為してない、失敗国家は勿論別ですが。
ただし、その主張の仕方・見せ方に色々問題があるのです。
例えば、サブプライムで家を失う人は色々出てきますが、何故かその事情を語りません。(どうだまされたかとか)私としては、個々の事情なんかどうでもいいのですが、だったら何故個人にスポットを当てるのだろう、と思うわけです。最終的な執行・差し押さえ段階だけ見せれば、どんなに合法で合理的でも冷酷に見えるわけで、軸がぶれてしまいます。
なお、単に欲に目が眩んでサブプライム破綻した人間が多かったとしても、それが金融機関を弁護する理由にはなりません。ネズミ講に引っかかる人間はアホですが、それで破産する人間が大量に出たら大変なので、ネズミ講は違法でネズミ講を主催する奴は犯罪者です。それと同じ理屈で、「絶対損をしないように見える博打のコイン」を売って回る連中は、適切な規制の下に置かれるべきと言うだけの話です。
他にも、「デリバティブ」の説明を放棄していたりするのも気になります。単純化したモデルを提示すれば、要するに「複数のレースに渡って馬券をどう買うかの組み合わせに、場外の賭博屋が絡んでくる理論」だというのは、簡単に説明できると思うのですが。基本的にはゼロサムゲーム(ハイハイ。外部要因でプラスにもマイナスにもなりますよ。でも、その時点でギャンブルと言う本性の方がより深く見えてくるわけで)なわけですし。
さらに、代替としてカソリックの教義と生産管理方式が提示されるのは、なかなか趣深いですが、どうしたもんかと。
前者については、カソリックのローマを中心とする集金システムは、資本主義そのものだろうという突っ込みを入れたいですよね。勿論、プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
後者については、生産管理方式が機能するためには、従業員の固い紐帯や個々人の能力に大きな差がないと言った、幾つもの条件をクリアする必要があります。後、小規模にまとまっている事。巨大な社会の中でメジャーになれる物では決してないので、ああ言う煽りはどうかと思いました。
とまあ、この辺が引っかかったわけです。しかし、ではどう言うのなら満足か、と言う批判が跳ね返りますよね。
これについては、「社会の維持が困難になるから、適切な規制レベルに戻そう」と言う話にするのが、一番広い範囲の同意を得られたのではないかと思います。
上に書いたように、生存権まで食い込むような搾取を受ければ、暴動経由革命と言う、とてもやっかいな事態が発生しかねません。少なくとも、暴動段階で十二分に大被害です。アメリカは銃社会で、その銃は建前上国家や強者を監視し、威嚇し、身を守るために持たれているのですから。(しかしまあ、考えてみると、弱者がもっとも協力に武装している国が、もっとも小さな政府=弱者救済クソ喰らえな体制と言うのは、実に興味深い事です)
そうでなくとも、映画内で出てくるエピソードで、「俺は法律を守らせるのが仕事なのに、法律からフリーハンドで金をかすめ取ってる連中の使いっ走りなんかできるか!」(大意)と言って、強制退去事務を拒否する保安官なんかが出てくるわけです。又、虫食い状に荒れていく町に業を煮やし、封鎖を打ち壊し、銀行の管理者を追い払って家を取り戻してしまう住民の話も。
ここで、明言はされませんが、実力行使に及べば暴動になりかねないという判断で警察が撤退する様子は示唆的です。
法律があっても、人民(合衆国憲法のpeople。社会主義用語じゃないよ)がその権威を認めなければ、もはや執行は不可能。(軍なり警察なりの実力をもって執行しても、見えない所で無視されていたちごっこ)行き着く先は秩序の崩壊です。と言うか、それがいやだからこそ、「大多数が反対するものは、そもそも法律にできない」民主主義という体制が、近代になって採用されて行ったわけです。そこを掘り崩せば、できあがるのは正に非効率で競争力のない社会です。そんな社会の到来を防ぐ事は、ファウンディング・ファーザーズの理念にも合致します。そこで何故、少数派であるカソリックの理念だの、社会主義の呼びかけ(まあ、これは「キャピタリズム」へのアンチテーゼなんでしょうが)が出てくるのかと。
宗教とか、反「資本主義」(あくまでもカギ括弧突きですが……)とか言う、半分電波みたいな物を持ち出されると一気に説得力を減じてしまうので、この辺はなんとかして欲しかったですね。正直、理論展開について行けませんでした。
とまあ、感想は以上の通り。とにかく、非常に「面白い」映画であった事は確かです。数人で観に行って、色々解釈を戦わせたり(どこまでが思想のコアで、どこまでがプロパガンダ用のスローガンなのかとか)すると、なお楽しめると思います。
監督のバックボーン、政治的立場、主張内容…… 「現代アメリカの一つの政治勢力」の視線というのを、良くまとまった形で見せてくれていますから。
なんだかんだ言って、日本のマスメディアは政治的主張をほとんど行いませんから、(産経が「右」で朝日が「左」?ちゃんちゃらおかしいです。あんなのは、正規分布内の誤差でしかありません)ああ言うはっきりした物言いの作品は、見ていて非常に面白いですよ。勿論、プロパガンダであると解った上で楽しむ姿勢・度量と、監督の主張との誤差が許容範囲内かが重要ですが。
最後に、パンフレットは札束を象った結構凝った物なので、手に取ってみると良いかもしれません。プレゼントキャンペーンの賞品に「宝くじ一万円分」が入っていたり、あの辺の皮肉の効かせ方はやっぱり上手いですね。
タグ :映画
2009年11月21日
ささめきこと 第7話 「少年少女」 感想

ささめきこと
前話までの感想はこちら
今週は、アケミちゃんのサービスカットから開始です。
胸はどうなってるんだという突っ込みは、するだけ野暮ってもんでしょうね……
こうして見ると、ポイントゲッターとして、彼女(?)が実に便利なキャラである事が解ります。シリアスに良し、ギャグに良し、画面に華も出る。なんでこんな良いキャラを、原作は五巻であんな風にしちゃったんでしょうね……
アニメ版はどうせそこまで行かないでしょうが、作品の今後が非常に不安だったり。
それにしても、アケミちゃんの妹(小学生)の肉食系っぷりには、戦慄を覚えるわけですが。
サービスカット、なのか、これ?
閑話休題、今回のネタは、アケミちゃんと主人公の練習デートという、ラブコメ鉄板のはずが色々間違っている代物。
恥じらいの表情から着替えにミルク飛び散りまで、お約束を一通りこなすアケミちゃんの芸達者っぷりに乾杯。
女装少女と言う素材が、結局の所少女に「女装」とタグを貼っただけの物だという、身も蓋もない事実も、いい加減頭の中にちらついてくるわけですが……
一応今回の話は、二人がデートしているおかげで、取り残されて寂しい思いをしている風間がキーなんですが、余り目立たず。一応、今後の関係変化への伏線なんですが、もう少しこの話単品でギャグ以外の落ちを加えたほうがよかったかも。
なお今回の作画ですが、おなじみの崩し絵多用に加えて、こう言う手法も出てきています。この辺、省力化の誤魔化し方が上手いですね。さすがこなれてます。
アケミ「実は女の子じゃありませんでした」
オ○テガ「それはそれで……」
ガ○ア「そもそも、こんなに可愛い子が女の子のわけがない!」
マ○シュ「おっぱいなんて飾りです!」
実は、話としては相当グダグダで、ネタのゴリ押しでまとめた感じ。見ていて面白いから、何の問題もないんですけどね。
でも、鳥追さんは冒頭のモブシーンしか出てきてないんですよね。うん、あれは良くないので次回に期待で。
その他のささめきこと関連エントリーはこちら
2009年11月17日
ささめきこと 第6話 「二人の夜」 感想

ささめきこと
前話までの感想はこちら
公私(他のゲームとか)共に立て込んでいて遅れましたが、6話の感想です。
今回、冒頭から絵が動いていません。さらに、遠近感が狂った絵が混じるなど、低予算のしわ寄せが段々と顕在化しつつあります。
その辺は、崩したギャグ絵を多用する事でしのいでいるようですが、見ているこっちは割とドキドキ。
さて、話の内容は、ドジっ子好きの風間狙いで、主人公達が特訓を行うというしょうもないと言う物。バナナの皮を前に冷や汗を流す主人公が不憫です。
それにしても、この特訓、衆人環視の屋上で行われてるんですよね。閉じた世界と見せかけて、ちゃんと周囲に一般的な世界が存在し続けて居る事をアピールしているのは、さすがです。
そこを押さえておかないと、禁忌が禁忌として機能しなくなってしまいますからね。(同性愛が当たり前の、他者を排除した閉じた世界を構築すると、主人公が悩む必要がなくなってしまう)
下、相変わらず男性性が排除された図柄ですが、風間コールには女生徒の声も入ってるんですよね。ギャグシーン特有の物と割り切る事もできそうなので、作品性の象徴と判断するべきかは保留という所。
一方演出面では、風間の表情を描かず、主人公の反応で内面を間接的に描写しているのが、美しかったと思います。ただ、やはりそれだけだと弱いので、「風間は嘘をついた」と言う主人公の内面独語が挿入されているのは、仕方ない所ですかね。
後半も、ギャグとシリアスが半々の配合。これは、原作通りの主人公兄s。ただ、シーン割りは原作通りなのですが、風呂場のシーンのようなサービスカットはかなり強調されています。この辺、営業的に仕方ないんでしょうが、ちょっと軸がぶれています。余りにそう言う部分を強調して主人公が親父(男)臭くなってしまうと、百合として成立しなくなってしまいますから。
ただ、オチも原作通り綺麗にまとまり、相変わらず作品全体としては非常に安定しています。意外性はありませんが、安心してみていられるのは良いですね。
それにしても、舞台は夏なんですよねえ。窓の外が平気で氷点下に食い込む植民島にいると、違和感が酷い事になります。薄手の布団だけで寝てるシーンとか、寒そうに見えて仕方ないという……
そうそう、指摘アイドルのキョリちゃんこと鳥追さんの出番は、今回ほとんど無し。く、一番オリジナルの出番を作りやすい子なのに。まあ、次回に期待と言う事で。
でも相変わらず、この馬場のぼる
その他のささめきこと関連エントリーはこちら
2009年11月06日
ささめきこと 第5話 「friends」 感想

ささめきこと
前話までの感想はこちら
第5話は、大きなイベントがあるわけではありません。女子部却下の善後策についての進まない話し合いと、風間家の家庭の事情が明かされるだけです。ですが、こう言った日常描写の回は絶対に必要。と言うか、この回は彼女たちの「日常」を形成するための話になります。
当然、面白さが劣るわけでもありません。むしろ、小ネタの仕込みが自然にできるという強みがあります。
後半の山である、以下のシーンなどその典型。
犬猿の仲の凸凹コンビによる、料理対決一本勝負。
結果はまあ、大方の予想どおりと申しましょうか……
朋絵さんは、実は男って事にした方が違和感無さそうなほどナイスガイですね。
一方、主人公の妄想のオッサン臭さも相当な物。
結局この作品、「百合キャラの片割れは男らしい」というスタイルになっているせいで、安心してみていられるのかもしれませんね。それは逆に、百合物ならではの描写を削いでしまうことにもなるわけですが、そこはノスタルジックなイメージ統一で良くカバーしていると思います。
主人公の部屋に置いてあるのが、CDコンポやデジタルプレーヤーではなくレコードプレーヤーだったりするのはその典型。直後の夕日に染まる団地の風景も、作品の色を良く映していると思います。
そして、風間の家にも飾られているツーショット写真。らき☆すたで、かがみの部屋に飾られていたプリクラを思い出しました。
携帯で撮ったはずなのに、わざわざフィルムに落とすレトロ感こそ!
ペギー葉山の名曲「学生時代」(リンク先はYOUTUBE。改めて聴くと、この作品にぴったりですね)を思い出させるような、ノスタルジーとしてのソフト百合、何でしょうか?一昔前の少女漫画風、と言うのは褒め言葉として使って良いのかな?
ひどい妄想オチや風間の顔芸も活かしつつ、最後はきちんと締めて終了。
ラストシーン近辺のこの辺では、鳥追さんがとても印象的。幸せそうにたこ焼きをほおばる姿と背景の切ない街の灯が、良くマッチしてます。
普通これは、夏祭りの帰りなんかに使われる背景ですが、理由は題名が示すとおり。
彼女たちは、友達と楽しく過ごす時間を手に入れた訳です。「登場人物が全員百合」なのではなく、「同じ価値観をもつ仲間が集まっている」と言う事。今回の話は、そう言う世界観のエクスキューズなのかもしれません。
勿論、だからこそそこには鳥追さんの存在が不可欠なのでしょう。価値観は共有しないけど、それを受けいれて友人として共にある彼女は、この作品で最も大事なポジションを任されていると思います。
さて、今回の次回予告は意味不明でしたが、この後ってどう言う展開でしたっけ?
その他のささめきこと関連エントリーはこちら
2009年10月30日
ささめきこと 第4話 「4+1」 感想

ささめきこと
前話までの感想はこちら
第4話です。
思い出のお面で前回のエピソードを思い出させつつ、今週も静かに始まりました。
風間は、アケミちゃんの写真撮ってたんですねえ。しかもフィルムで。
さて今回のストーリーは、アニメになってから私の中で赤丸急上昇の「きょりちゃん」こと鳥追さんが、風間を焚き付けます。校内の美少女リストを提供し、「恋人候補をさがしてみよう」と煽るわけです。
……って言うか、鳥追さんのポジションが、「恋愛サポーターの友人」になってますね。もっと具体例を出すと、「好雄」キャラ。
なお、そのリストからはしっかり漏れている、むかつくブリッ子(が死語って本当ですか?)のみやこ姫。
黒いキャラは基本的に嫌いじゃないんですが、この子はなあ……
なんか、
それにしても↑のシーンの、男全員白抜きの紙粘土状態の絵は、余りにこの作品の本質を示しすぎていて、思わずニヤニヤ笑いがこぼれますね。
「誰だお前!?」と言いたくなる王子様っぷりの、朋絵さん。男前だなあ。(違)
そして、この話のもう一つのトリガーを引くのも、彼女になります。
「見たよ。昨日の」
と言うわけで、朋絵さんに率いられ、「やむを得ず共学校に入ってしまった女の子が好きな女子のための部活」と言う、ナチュラルに気が狂った代物の設立に巻き込まれる主人公。
あー、女子校ってそう言う理由で選ぶもんなんだ…… って、男子校をそう言う目でしか見れない腐女子の心にシンクロできた!?
それにしても、それは共学校の男子的には、悪夢のような存在じゃないでしょうか?
……あ~、なるほど。逆から考えれば、女性が「三次元に興味はない」と公言するオタクを憎む心情にも、上手くシンクロできますね。「おめえらいらねえんだよ!」と、言われてるに等しいわけですから。
閑話休題……
「そこの君、女子部に入らないかッ!?」
「お断りだなー!」
一方、やはり一服の清涼剤は鳥追さん。揺るぎのないノーマルっぷりで、朋絵の要求を華麗にスルー。「だが断る」と言うよりは、「陸軍は拒否する!
そしてそして、待ってましたのアケミちゃん。女子に興味のある女子をいぶり出すため、告白してみて反応を見るという地獄行脚。
って言うか、告白してきた相手を脅迫してこき使う主人公マジ鬼畜。
↑一コマだけ出てくる、ヅラ非着用状態のアケミちゃん。
こりゃ、無しでも余裕で行けますねえ。
なお、今回はいつものピアノソロに女声コーラスが重なる演出が多く、ギャグとシリアスの中間を上手く強調していました。
ラストのコーラスは「女子部」と言っていたので、正式な挿入歌なのかな?スタッフロールには何も書かれていませんでしたが、いずれ発売されるんですかね?
今回も密度の高い内容で、終始楽しく見る事が出来ました。
また来週。
その他のささめきこと関連エントリーはこちら
2009年10月23日
ささめきこと 第3話 「ファーストキス」 感想

ささめきこと
第3話冒頭は第1話冒頭に戻り、朋絵とみやこのラブシーン目撃から始まります。
それにしても、このクラスの男子は可哀想すぎませんか?
可愛い女の子がことごとく百合…… 鳥追きよりさん(風間の基準では、余り可愛くないそうですが)くらいしか、異性愛者がいませんよ?一番可愛いのはアケミだしなあ。
と言っても、風間は奇行の度が割とひどいので、ノーマルだったとしても色々苦労しそうですが。
鏡相手にキスの練習をする風間を、遠くから見守るクラスメート……
せめて、トイレでやろうよ。
今回は、作画がかなり省力化されているのが気になりました。冒頭の使い回しはともかく、多くの場面がデフォルメ絵・止め絵で枚数を稼いでいます。もっとも、それ出来にならないシーンを必死に作っているのが解るため、決して印象は悪くありません。
どう考えても低予算アニメでしょうから、仕方ない所ですよね。労力を選択的に投下するなら、当然前話のような回に注力すべきな訳ですし。
この絵なんかも、デフォルメされてるくせに解剖学的に正しい骨格標本が、良い味出してます。
たまに肌が死体色になってましたが、まあその程度はご愛敬。
それに、本当に力を入れるべきシーンでは、気合抜群なんですよ。
音楽も含めて、まことに持って良い仕事。これですよ、これ。
そして次回は、やっと「女子部」の発足となるようで。個人的にみやこが好きでないのですが、アケミちゃんも再登場するし、朋絵さんは世界観を破壊気味ですが楽しいので、結構楽しみですね。

ちなみに、光の国の巨人に頼らなくても、↑こう言う物を使うと安心。
空気分子は通すけど、感染症の心配はナッシング!
……何でもあるなあ、AMAZON.
他の、その他のささめきこと関連エントリーはこちら
2009年10月18日
iTunesセオリー 海外アニメの有料配信
日本アニメ違法アップロードへの最善策は海外での有料配信(ASCII)
月額7ドルで日本アニメを放送1時間後には見れるサービスが、海外で成功を収めているようです。
ポイントとしては、月額で見放題と言う所でしょうか。あくまでもストリーミングですが、何度も繰り返し見れると言う事です。当然、旧話も見れるわけで、かなり便利ですね。ストリーミングだと時間飛ばしができない可能性はあるので、そこだけは気になりますが。(あとから伏線を確認するときなど、これができないと使い物にならない)
勿論、後年また見たいと思ったら、現物を買えと言う事でしょう。棲み分けとしても理に適っています。
前提として、日本企業側が捨て値で権利を卸している事があると思うので、手放しには喜べません。ただ、この成功モデル自体は、非常に説得力があります。
iTunesが大成功を収める前、音楽の有料配信は商売にならないだろうとまで言われていました。それに対してAPPLEが、安価で客の利便性を損ねないプロテクトの製品を投入して、今の土台を築いたのは、有名な話です。
このサービスも、それに沿っていますね。要するに、正規品は、質やサービスの面で、海賊版には圧勝できる力を持っているわけです。
それを、客に喧嘩を売る低品質路線を取れば、そっぽを向かれて当然なわけで。日本の各種サービスがやらかしてきた事については、ここがぶった切ってますね。唯一成功したモデルはガラパゴスを利用した着うたですが、あれこそ「情報端末と言ったら携帯くらいしか持っていない、情報弱者を搾取するモデル」ですし。長続きはしません。それこそ、iPhoneが他キャリアでも利用可能になるだけで、蒸発するでしょう。
それにしてもこのサービス、同様のものを日本でやったらどうなるんでしょうね?
字幕をつけるコストは要りませんし、無料の物はCMが入ると言うのも、理に適っています。
記事中ではネット文化の違い云々言われていますが、実際は、国内だと放送との競合が厳しいからでしょうね。テレビで見てくれる客が減れば、代理店の飯の種が減ってしまいますし。
ある程度ユーザー数が集まれば、新番組をそこで流しても、深夜アニメ程度の視聴者は集められるのではないでしょうか?そもそも深夜アニメは、どうせ大部分は録画視聴でCMなんか見ていないわけで、作品が直接金を引っ張れるようにするのが正しいわけで。
そうなると、1話当たり100円程度出すユーザーを10万人集めてやっと1話分。純粋に制作費をこれでカバーするのは、勿論きついです。ただ、関連売上を考慮に入れれば、行ける気もするんだけど。
結局は、代理店を通さずに金を集める方式をどうするか、って話なんですよね。経産省は、現状分析をやったあと、どう動いてるんでしょう……
さて純粋に視聴者側としては、「違法コンテンツ撲滅って言うけど、(安価で便利に)見る方法がないじゃん」と言う思いがあるわけです。
それこそ、今まで出ては消えたクソみたいな内容のアレコレは、お呼びじゃないわけです。iTunesの良い所は、違法物以上の便利さと品質を確保している所なわけで。少なくとも、「同じくらい便利」だったら、合理的なお金(iTunesはCDに比べて半分~2/3程度)を払う人間は、決して少なくないですよ。
例えば、私はネット上で漫画を読むことは、ガンガンオンラインくらいしかないのですが(アレだって読みにくくて嫌い)、違法スキャンを読む人間の気持ちもわかります。だって、この島は、雑誌や本の発売日が本土から数日遅れるんですよ!?
2chのスレでも見よう物なら、ネタバレの嵐で巡回もドキドキです。アニメにしたって、全国一律の放送日・時間でない以上、余計な格差が生じるわけです。
結局これらは、物理的な特性(電波帯域の地域割りや流通にかかる時間)による制約なわけで、光ファイバーでバイパスできるなら、ユーザーは利用するに決まってるわけです。
別にこのサービスでなくても良いのですが、もういい加減、使う気になるまともなサービスを、展開しても良い時期だと思うんですがねえ。
ちなみに、余り関係ない話ですが、ゲームは同時発売なので、この島に来ても余り困りません。通販で注文してると、数日遅れで泣きを見ますけどね……
タグ :アニメ
2009年10月16日
ささめきこと 第2話感想

ささめきこと
第1話の感想はこちら。
と言うわけで、切ない百合作品の雄(ひどい語義矛盾)である、「ささめきこと」の第2話です。
服を買うのに付き合わされて赤くなる村雨さんとか、相変わらずニヤニヤできるシーンが目白押しです。
この作品実は、凄く素直な「障壁のあるカップル未満」のセオリーに、従ってるんですよね。好きな相手が同性という事が障壁としてちゃんと描かれるというのは、大事な事だと思います。
勿論、ナチュラルに百合百合で世界の常識が音を立てて崩れている萌え四コマ系も、大好きですが。
原作では相手の好みの問題が前面に出ていますが、カップル成立後は当然周囲の目線・社会的障壁に話の中心が移る物と期待しています。まあ、胃が痛くなるような場面も出てきそうですが。
さて今回は、原作通り最萌えキャラであるアケミちゃんが登場。
ああ、本当に可愛いなあ……
ちなみに、唯一のレギュラー男性キャラです。
三次元だと大問題になる声質も、二次元なら声優さんで無問題ですよね!!
でも彼、凄く男もとい漢らしいんですよ。今回も、委員会とその後の問い詰められるシーンで、真っ直ぐな視線で主人公に応えてますし。
緊急時の走り方から悲鳴まで、無意識領域が思い切り女の子してるのがアレですが……
なお、次回以降活躍の場がある蒼井あずささんも、顔見せ登場してますね。
抱えているのは若きウェルテルの悩み
ところで、この作品では希少種である、ノーマル女子の鳥追きよりさんが、ピンポイントで良い仕事してます。画像的な突っ込み役と言いますか。
この、とらねこ大将(©11ぴきのねこ
実は、かなり背が低い所もポイント。
さて、今回もピアノソロ中心の音楽が、良い仕事をしています。画面・セリフと音楽のギャップが強調されていて、主人公の心情を綺麗に演出しています。勿論、アスファルトに落ちる影のシーンのように、映像も高水準でまとまっています。総合芸術(笑)の面目躍如ですね。
見ていて楽しくて仕方がないので、来週も楽しみでなりません。
他の、その他のささめきこと関連エントリーはこちら
おまけ
今回最強の萌えシーン。
本当、色々と反則過ぎると思います。
2009年10月10日
ささめきこと 第1話感想

ささめきこと
ささめきことは、倉田英之の新作アニメです。単行本発売時に、彼が帯の推薦文を書いていたのを憶えている方もいるのではないでしょうか?
非常に幸せなことに、その彼がアニメ化を担当する事になったわけです。原作は勿論、かみちゅ!
倉田英之はオリジナルにこだわる事に定評があったわけですが、こう言う形の原作つきなら、何も問題無く期待できるというものです。
さて作品内容は、ナチュラルに百合な学園物。
基本構造は、「主人公 → 幼馴染 → 可愛い女の子」という物で、これだけなら普通ですが、真ん中の幼馴染も♀なわけです。
幼馴染「別に珍しくないでしょ?」
だそうです。
言われてみれば、確かに…… って、次元境界線があいまいでいけませんね。
映像は、残念ですがこの前まで見ていたハルヒや宙のまにまにに比べると、やはり落ちます。決して下手ではなく、淡い色遣いもマッチしていますが、パッと見の印象はどうしても弱いですね。
一方で、ピアノの独奏を中心とした音楽は、雰囲気に綺麗にはまり、心を浮き立たせます。
この、鉛筆の滑る音と重なる所なんか、特によいですね。
この辺の雰囲気は、かみちゅの時も感じましたが、往年の宮崎アニメを思い出させます。
ここに限らず、静かにゆたう清浄な空気と、止まったような懐かしい時間の組み合わせが全シーンに通底しており、ブレがありません。
アニメでだいぶ増量された、手袋人形のようなミニキャラによるシーンも、どこか切なげな雰囲気をまとっていて違和感なし。
とにかく、原作の魅力を理解し、映像化することでさらに高めようという気概の感じられる一品に仕上がっています。
このクオリティならば、安心して次回以降も視聴できますね。
原作どおり、最萌えキャラであるアケミちゃんも登場するようですしね!
他の、その他のささめきこと関連エントリーはこちら
2009年09月29日
宙のまにまに 感想

宙のまにまに Vol.1
アニメや漫画で天文部というと、「なんかロマンチックそうな部活」として使い捨てられる、お手軽文系小道具です。
別に、それが悪いと言う事ではありません。「星の瞳のシルエット
とは言え、基本的に宇宙好き的方面で期待する事もなく、このアニメもスルーしておりました。
ですが、結構よさげな評判を聞いて翻意。今回視聴してみたので、その感想を。
・第一話
冒頭、セルだったらスタッフが死ぬであろう事間違い無しの、カメラ回り込みによる星空のアピールからスタート。CGの時代になって、こう言うのがやりやすくなって、本当に良いことです。
この時点で、幼なじみのフラグが垣間見え、ニヤニヤが思わずこぼれます。
ただ、オープニングは微妙かも。いきなり惑星の縮尺が滅茶苦茶に乱舞するのは良いとして、何故か星空を見るシーンで望遠鏡が一度も出てこないのが引っかかります。
しかし、オープング開け、屋上から舞い散る金紙の星に作画の本気を見せつけられ、一気に引き込まれます。あ、これなら別に恋愛の踏み台でもいいか。
他にも、パンする本棚が無駄に遠近感を持ったCGだったり、力の入れ方が素敵です。主人公が読んでる本は、講談社文庫の……クトゥルフ神話かな?
一話は、主人公が過去の真相一発でツンからデレに変化する、必要にして十分な内容でした。ここで無理に引っ張らずに、次回の新入部員集めへ繋げるのは良いですね。本当に、安心して見ていられます。
スタッフロール、名前の横に恐らくそのスタッフの星座マークをつけるのは、アホな女性誌みたいですが、雰囲気作りに一役買っているので○。こう言う小ネタは大事です。
・第二話
主人公を想う、いかにも少女漫画のライバルキャラと言った女の子が登場。この人物は配置だと、主人公は朔ではなく美星の方ですね。
一話前半ラストで彼女が入部し、天文部は正式発足。これまで15分1サイクルで小課題を解決していく形で、非常にテンポが良いです。ネット上の評価にあったように、この飽きさせ無さと構成の堅実さは、深夜アニメではなくゴールデン向きですよね。
ところで、前話から登場していた「数少ないガジェット」の双眼鏡ですが、今回アップになってみると、VIXENの天体双眼鏡でやがりますよ。これ
これ見て大興奮する江戸川君が実に「男の子」していて、部員キャラに不足しがちな浪漫(ロマン、ではなく)分を補っています。そして、そのロマンを呼び起こすのが美星。一方、主人公は「静寂」や「暗闇」と言う、天文のキーワードを並べながら、視聴者にアピール。「知っている夜は蛍光灯の明かりの中」と言うセリフはグッと来ます。それこそが、電気を消して星空を見上げる事の、感覚的な楽しさそのものですから…… そしてこちらには、小夜先輩がくっついて柔らかに微笑みかけるという構図。
上手い人物配置ですね。
・第三話
美星のせいで無駄に注目の的になり、部活をエスケープした主人公は、生徒会長と出会う。
まあ、天文部の活動というのはあれでかなりヘビーですので、成り行きで入ると苦労するのは当然。夜遅くまで男女の部員が一緒にいるせいで、要らぬ雑音を浴びせられたりすることもあるんでしょうね。
BLOG主は男子校だったので、天文部の連中にそう言う視線が浴びせられるのは、見たことなかったですが(笑)
それにしても、やっぱり絵が綺麗。
人物は結構適当(崩してなんぼの絵柄ですし)なんですが、背景、特に光やガラスの写り込みなんかにかなり力が入ってます。
バスが無駄にCGでグリグリ動いてたりする辺り、好きでやってる感じでしょうか。
後半はプラネタリウムに行く話で、相変わらず一話で二度美味しい構成。
最後の傘の場面でウルっと来てしまい、悩んだあげくこれ
外から見ると単なるこうもり傘というのが、ポイント高いと想います。
・第四話
内容は、合宿とそれにまつわるドタバタ。
姫の逆ギレは、唐突感ばかりが先行した感じ。美星のお約束で落とすのは想定内ですが、シナリオラインとしては不要な凸凹だった気が。
この回については、天の川の描写が素晴らしかったと言うだけで、もう十分でしょう。
足元の暗闇から場面から、湖面から空へと駆け上る天の川につなぎ、ついでにヒロインの魅力をアピール。いやあ、気持ちの良いシーン繰りです。
・第五話
生徒会長の言いがかりで、天文部の活動が休止に。
ええと、真面目に訊きたいのですが、徹夜の活動後雑魚寝とか、当たり前じゃないんですか?少なくとも、大学の演劇サークルの連中なんかは、良くやってますよね?高校だと、そんなに問題になる物なんですか?
あと、生徒会長に活動休止命令権なんて無いと思うんですが。それは、許認可権を握ってる学校当局の権限ですよね。
と言うか、雑魚寝だけで何も問題が起きていないのなら、それこそ処分を下すのはマズイでしょう。処分があったという書類が残り、学校側にもダメージが出ます。
後半の文芸部を招待しての観測会は、やっぱり丁寧に考えられた内容。銀河鉄道やギリシア神話を折り込み、星空のキャンパスに物語が浮かび上がる。それは、天体観測のもう一つの側面でもあります。プラネタリウムにおける、解説のメインですしね。
・第六話
新学期が始まり、美星の知り合いが新任教師として赴任。
合宿帰りのイベントは、映像特典ですか。商売の方法として堅実ですね。……iTmsで売ってくれないかな。
さて今回は、草間先生が絡む恋愛ネタで引っ張りつつ、文化祭での入賞と部費増額を狙った活動に話の中心がシフト。やはり、目標を明確化してシナリオが作られているので、物語を見失うことなく、集中してみていられます。堅実ですよねえ。
なんか、主人公がいつの間にかモテモテになってるのは、納得できませんが。
ところで、主人公がボンヤリしながら読んでいた教科書の文章は、キング牧師の演説についてでしょうか?
この話は、主人公が今までで最悪のへたれ行動を起こした所で〆。主人公の動きを課題達成最大の問題にするパターンですが、脇役達が育ってきているので、問題は出ません。むしろ、姫の視点でもどかしさを感じるのが正しい楽しみ方になっていきそうです。
・第七話
プロローグで、草間先生の過去、美星との出会いが明かされます。最低でも8年前なので…… うん、ナイスロリコン!
前回イラストから、ジメジメした話一直線になったらどうしようかと思いましたが、主人公がきちんと反省しているので、その心配はなさそうですね。
絵は相変わらず綺麗ですが、やはり線が減ってきています。ただ、この教室内にドームを設営する時のレイアウトを説明するシーンのように。上手く(必然性をもって)CGを使っています。
そして、今回一番活躍したのは草間先生。レギュラー唯一の大人として、実に良い表情で二人にちょっかいを出してます。通報されたという過去も相まって、全力でダメな大人を演出。ただし、力点はあくまで「大人」です。さじ加減が絶妙ですね。
委員長も、年長者としてフォローに回り、なんだかんだで江戸川も出番多し。姫は…… 頑張れ!超頑張れ!!結局身を引き気味にサポーターへ横滑りし、視聴者の同情を一身に集めるポジションへ。
・第八話
文化祭本番。
がやがや感は力が入っていて、楽しく見る事が出来ました。マッスル焼きそば食べたいなあ。多分、マッスルだから肉(脂肪分)はほとんど入ってないってオチなんでしょうけど(笑)
ところでプラネタリウム、ピンホール型って、星座線の投影出来ましたっけ?色も変わってましたけど。やるとしたら、カバーを丸ごと付け替えることになりそうな。
ですが、観客の反応の書き方とか、暖かでとても良い感じです。「今晩星見てみようかな」は、プラネタリウムを見た後の感想としては、最大級の賛辞ですよね。
ただ今回、顔に投影された星が歪むところは、計算がおかしかったですね。あごから首への移動時におけるジャンプもなかったですし、それっぽく適当なエフェクトを欠けていただけみたいです。CGが毎回上手く使われていただけに、ここは残念。
そして、結局天体望遠鏡を手に入れ損なってがっかりした所で、部活同士の横のつながりに話をシフトし、エンディングへ。
・第九話
野木城高校が天文台まで持っているきちんとした部活なのを見ると、天体望遠鏡一つ無い蒼栄はちょっと無理がありますよね。
ちょっと気になったのは、月を見る時の映像。屈折式望遠鏡なら、月が他の画面と同じ形でなければおかしいのでは?21時に沈むなら、上弦の月ですよね?
随分望遠鏡のアップでVIXENロゴを強調すると思ったら、やっぱりスポンサーですか。
凄く正しいタイアップの形だと思います。部室に置かれていた月刊 星ナビ
・第十話
この作品は学園ものですが、「部活物」なので学年がバラバラ。修学旅行がイベントにできないというのは、やっぱり哀しいですね。
そう言えば、ときメモ4も同級生以外が混じってますから、その辺悲しい思いをしそう。
とか思ったら、それも映像特典か!畜生、上手い商売しやがって!(褒め言葉)
ところで、江戸川がいつも抱えている一眼レフは、生意気なことにNikonなのですが、ロゴは「Nihon」。協賛企業に、し損なったんでしょうかね。イメージ的に……と言うことなんでしょうか。
最後の観望会については、伏線が特典の回になっていて、破壊力が半減しているのが残念です。
でも、文芸部の眼鏡っ子二人は、良い味出してましたね。
・第十一話
今度は冬の合宿です。
雪山って、冬場は天候が相当アグレッシブだと思うんですが、そう言う所で観測やるものなんですか?
高見沢女子の眼鏡さんは、今時「外したら美人」と言う希少属性。ある意味、江戸川と良いコンビです。
あと、彼女たちの「共学って、そこら中カップルだらけなんでしょ?」には大爆笑。はい、私もそう言う認識でした。
晴れ間から覗いた星空は相変わらず良いのですが、九話の観測会の時と、明確な区別が欲しかった所。
あと、波動砲は、さすがにちょっと……
望遠鏡にフラッシュをくっつけて光の矢にしたのでしょうが、音を立てて伸びて行くのはあんまりじゃないかと。
・第十二話
え、部長の過去も映像特典!?
ええと、さすがに、物語上重要なパーツは、そっちに投げない方が良いのでは?第十話のときもそうでしたが、本編の展開に支障を来すのは本末転倒だと思います。
雪国の温泉、キツいですよね。入らなければ凍死、入れば火傷かというようなあの感覚。なので、私はああ言う所の温泉は嫌いです。どっちにしても体に毒としか感じられなくなるので。
一方、部長はクライマックスイベントをこなして、彼自身のエンディングへ。主人公パートの雪景色よりも、部長パートの予備校風景に冬の寒さを思い出させる、自分自身の青春が憎い!!
閑話休題、「ぐるりと星が巡ったね」でまとめるセンスが、本当に素敵です。
土星の揺らぎがやたらリアルなのは、実際の観測映像をそのまま使ったからでしょうかね。
ラストは一話の最初に戻って幕。連載途中の作品のせいか、やはり締まりは余り良くありませんが、とりあえず12話の作品としては上出来かと。
・全体
やっぱり、宇宙ネタは極めて弱いですね。出てくる名前も各星座のα星程度で、もっとこうセンスオブワンダーと言うか、宇宙魂のような物は全然無し。うんちく話も、星座がメインでいわゆる宇宙のことはなし。固有運動とか軌道面とか銀河円盤とか、簡単で面白いネタは沢山あったと思うのですが。
と言うわけで、全体的に面白かったのですが、やっぱり天文ネタは作品に消化するのは難しいよなあ、と溜息が先に来る感じでした。
作品自体の出来は良いだけに、やっぱりモヤモヤしてしまいます。デジタルの使い方を見るに付け、天文はアニメとの相性が、決して悪くないと思うのですが。
2009年09月20日
東京マグニチュード8.0 最終話感想
![東京マグニチュード8.0 (初回限定生産版) 第1巻 [BD] [Blu-ray]](http://rcm-images.amazon.com/images/P/B002JQL3LS.09.MZZZZZZZ.jpg)
東京マグニチュード8.0
前回の続き。
最終話に来て、ようやく自宅の崩壊映像。第一話と同じ構図を使い、基本に忠実に演出していますが、手遅れ感多し。日常の崩壊は、最終話でやる話ではないでしょう。むしろ、今までの描写が観光地の崩壊ツアーだったのが問題なわけで。主人公の学校の描写も、第一話で学校の描写が薄く、今回のような構図の一致もなく、半端になっていましたし。
それにしても、画面が暗すぎるような。もっと明るくして、荒廃の細部を描写して欲しい所。
そして、悠貴の幻影は、演出方法として最低最悪。
前回のラストで、主人公の幻覚というのが解っています。ですから、今回のこれは、幻影との会話は主人公が行う自己の内面との対話に他なりません。
ところが、その会話内容は、悠貴が一方的に優しい言葉を話すという物。これじゃ、主人公はただの痛い子です。
再会の演出も、最初に主人公に「悠貴を守れなくてゴメンナサイ」の一言でも言わせておけば良いのに。
両親が、主人公だけでも生きていてくれてありがたい、と思っているのは解ります。ですが、弟を任せた長女が自分だけ生きて戻ってしまったわけで、葛藤がないのは嘘でしょう。何より、あの描写では、愛情を画面上で示してもらえない悠貴が不憫です。主人公の無事を喜ぶ描写は有り余っているのに、悠貴の死を悼む描写は、主人公以外にありません。
結局、主人公が自己内対話で自分を許してしまい、(悠貴の幻覚が口にする感謝とは、そう言う事です)周囲の誰も彼女を責めないと言うのは、余りにぬるい。
勿論、主人公を責めるのは、「現実的には」理不尽でしょう。ですが、物語としてみた場合、主人公の立場は、「一番守らねばならなかった弟を、守れなかった姉」です。ミッション・インコンプリートで最終回を迎えてしまったのです。
それを、「主人公が生きていただけでも幸運」と言う描写で固められては、10話も重ねてきたサバイバルは何だったのかという話になります。
物語で提示された初期の課題は、「二人が家まで生きて帰ること」。それが果たせなかった以上、相応のリアクションがなければ、話にならないじゃないですか。しかも、サバイバルの過程で、役に立ったのは主人公ではなく、圧倒的に弟です。だから、主人公の負債を清算するイベントと言う意味でも、納得の行くものを用意する必要があったはずです。
そして、弟からのメールをクライマックスにするのなら、悠貴の幻影は、この話で、少なくともあんな形で喋ってはいけなかったはずです。そうしなければ、生身の悠貴が残した言葉は余りに軽くなってしまいます。
何というか、この作品、見事なまでに失敗していますよね。
震災という大きなテーマを扱いきれずに持て余し、一番重要なキャラクターを殺してお涙ちょうだいで、強引に山場を作ったようにしか思えません。だって、結局悠貴の死は原因不明で、震災なんか関係ないですから。せめて、震災で医療が十分に受けられず…… と言うような程度の関連性すら持たせないスタッフは、アホなんじゃないでしょうか?
最後の学校の風景も、花瓶の置かれた机の多さを、もっと強調して欲しい所。
そして、正に最低としか言いようのない、「弟が死んで主人公は成長しましたよ」としか言いようのない、安易なラストシーン。もう、あまりのがっかり度合いに、溜息しか出ませんでした。
大体、あれは成長できていません。
どう言うことか?
決意するだけなら猿でもできます。問題は、それを実行に移せるかどうか。そして、物語の構成として、主人公は、悠貴の愛や自分の至らなさに気付き、関係を変えようとした所で、悠貴を失っているのです。
つまり、弟との関係を変えるという、成長のための目標は、達成できないまま不戦敗に終わっているんです。だから、あれを成長というのは、欺瞞でしかありません。家族のありがたみを知る?無くしたら、ありがたみが解るのは当たり前です。その前に知って守れてはじめて成長でしょう?あれじゃ、単なる焦土の正論じゃないですか。
作画を見る限り、お金もそれなりにかけてもらっています。個々の描写では良い物が多数ありましたし、「ちょっとだけ未来」の演出として、救助ロボも上手かったと思います。(ロボ好き少年は全くの無意味だったけど!)
それなのに、この始末。大体、たった11話で物語的に破綻させられるって、ある意味凄いですよ。本当もう、なんでこんな事に……
タグ :アニメ東京マグニチュード8.0
2009年09月14日
東京マグニチュード8.0 視聴開始
![東京マグニチュード8.0 (初回限定生産版) 第1巻 [DVD]](http://rcm-images.amazon.com/images/P/B002JQL3LI.09.MZZZZZZZ.jpg)
東京マグニチュード8.0
アニメ会のpodcastで面白そうに話されていたので、視聴開始。youtubeで見れる環境は、放映途中で評判を聞いた場合非常に便利。
まず、作画が非常に力が入っているのに驚かされます。第一話の科学未来館の段階で、ちゃんと現地取材をして描いているのが良く解りますね。食べ物が美味しそうに描けているのもGOOD.
ただ、オープニングの崩壊した東京の風景が、地震で壊れたように見えないのはNGでしたが。あれは、長期間風雨にさらされたか、砲撃を受けて放置された感じですよね。
一方キャラでは、確かに評判どおり主人公の弟・悠貴君がピカイチ。健気で可愛くて(性的な意味ではなく)ああ、昔可愛い弟が欲しかったっけなあ、などと思い出したり。小学校の時とか、仲の良い弟がいる友人って、羨ましくありませんでしたか?
第一話:夏休みに弟を連れてお台場に来た女子中学生の主人公が、大地震に巻き込まれる。
テレビに映るチデジカはギャグとしても、お台場の理由はフジテレビがあるからなんでしょうかね?そう言う企画物は地雷原なので、少し警戒。
しかし、最後の最後まで地震を起こさず、ラスト30秒で次に繋げるのは手堅くて良いですね。
ちなみに、かなりダメな感じに描写されている主人公ですが、私は結構共感できました。思春期の厭世観を上手く表していると思います。セリフから、中学受験の戦争を勝ち抜いたのに、当然続く大して面白くもない日常に疲れているのが伺えます。ええ、中学受験というのは本人のモチベーションなんて望めない代物ですから、その気持ちは良く解ります。
と言うわけで、つかみはOK. 即第二話に進みます。
第二話:主人公ははぐれた弟を発見。
今回登場の日下部真理さんが、実に気っぷの良い姉御。序盤で主人公二人に大人の同行者を付けたことで、安心して見れるようになりましたね。上手い配置です。
真理さんのバイク便の中身は、少し気になります。バイクを起こした時の表情から、ケーキだけではない可能性が。
それと、災害時でもワンセグが見れるというのは、スポンサーの宣伝シーンですかね?
また、主人公達が休んでいたのは、フジテレビの大階段ですね。
第三話:帰宅困難者となった主人公達は、水上バスに乗船。日の出桟橋から徒歩での帰宅を目指す。
大量の帰宅困難者の発生、お台場の孤立。この辺は、政府のシミュレーションどおりですね。
ただ、水上バスの運行も開始され、復旧は順調。どうドラマを作って行くかが疑問になってきます。
ところで、真理さんの子どもは既に死んでそうですね。となると、二話でバイクを起こす時の表情は、そっちの方の意味かな?
第四話:芝公園の避難所で物資を入手。帰宅ルートを確認し、移動を開始。
海保も陸自を展開を終えているようで、やはりドラマを作りにくそうです。少なくとも、お約束の治安崩壊ネタは、こうなると使えません。
主人公が不安でパニクっているのは解るのですが、弟と真理さんが必死に雰囲気を良くしようとしているだけに、ダメさが際だってしまっています。和解の前提ではあるんですが、ちょっと食傷。
東京タワーの崩壊は…… やっぱり、無理矢理イベントを作ろうとしたことの弊害ですね。周囲のビルが無事なのに倒れる上に、被害の描写が半端で、無理矢理いれた感が大きいです。
第五話:次に向かった避難所は、主人公の学校。
ここまで、一回も血が流れていません。
別にはだしのゲンのようなエグイ映像を流す必要はないのですが、あれだけ被害が出ているのに、包帯に滲んだ血の描写もないとなると、大分リアリティが削がれます。勿論、リアルなら良いってもんじゃありません。リアルだからと言って、避難所で偉そうにふんぞり返る役立たず町会幹部とかを出しても、不愉快なだけですし。。
ですが、画面を賑やかすために被害は大きくするのに、細かい描写がアンリアルに重くないのが、問題なんだと思います。
ついでに、今まで上手く作品内に入れ込んでいた宣伝(ワンセグ・地デジ)を、今回はテロップ流しという最低の手法で行っているのも気になります。
何もできない主人公の描写や、学校が非日常空間に化ける雰囲気作りなどはちゃんと描けているだけに、勿体ないです。
壊れてしまったお婆さんとか、派手でないエピソードは、短時間で丁寧にまとめてあってウルっと来ました。こう言う方向性は正しいと思います。
第六話:三軒茶屋が家事になっていると聞き、焦る真理。また、事務所に立ち寄った真理は二人をおいて帰るように、同僚に勧められる。
今回は、視聴者がそろそろ思い始める、「真理は二人をおいて帰るべきでは?」の疑問を解決する回。この話に限らず、こなすべきイベントは堅実にこなして来ています。回想シーンによる決意表明は、ちょっと弱かった気がしますが。
それにしても、毎回毎回都合良く余震が起きすぎですよね。必ず大きな建物がタイミング良く倒壊するのと合わせ、繰り返しギャグみたいになってしまっています。
第七話:六本木を経由し渋谷に向かう三人は、ロボマニアの少年ケントと出会う。
第一話で如何にもという感じで出てきた捜索用ロボットが、やっと登場。死者が最初の八百数十名から十六万まで増えるのは、実にリアルです。阪神を思い出しますね。
ただ、関東大震災を超える死者数というのは、かなり無理があるかと。当時より人口密度は上がっていますが、建物の耐震性と防火体制がまるで違います。そもそも、関東大震災の死者は大部分が火災。自衛隊の早期展開で治安も維持されているようですし、そこまで増える理由が画面からは伝わりません。上空からの映像でも、火災はほとんどありませんし。
ケント君も、真っ直ぐで格好良い理系少年。彼があった災害は三年前らしいので、現在から見るとギリギリ未来ですかね?
第八話:悠貴が倒れる。
今まで出てこなかった、鉄火場たる病院にシーンが移ります。ところが、これがまた……
第五話の感想で書いたとおり、画面が綺麗すぎるのです。医者の白衣も患者の包帯も、血の一滴も付いていません。おかげで、雰囲気が台無しに。主人公の格好が、回が進むごとに少しずつ薄汚れていっているのに感心していただけに、これはないです。
それにしても、ロビーで医者が診ていたのは、悠貴でしょうか?服の色は同じなのですが、二人がボンヤリ遠くから興味無げに見ているだけなので、違いますよね。「呼吸・脈無し」で付けられたトリアージタグが黒。つまり、あの患者(悠貴?)は、手の施しようが無く死亡確認と言うことです。
しかし、そうでなかったとしても、これは悠貴は死んでる描写ですよねえ。真理さんのセリフと良い、見えない表情と言い。他の子を孫と思い込むお婆さんは、この伏線とも言えますし。
ただ、三人が合流するシーンで、重傷者を運ぶヘリが舞い降りています。ここは思わせぶりなカットだったので、実は悠貴は運ばれていただけ、と言う可能性も……
第九話:三軒茶屋に到着。真理の家族の死亡を確認。
悠貴が重要な役割を果たしますが、彼が主人公の見ている幻影だとすれば、彼女の強さまたは成長を示す事になりますね。
そして、またしても悪い癖。火事に巻かれて死んだ人間が大多数の避難所に並んでいる死体が、恐ろしく綺麗なのですが……
醜い死体を出せと言うのではなく、見えない・見せないことで演出するべき所でしょう。何というか、テレビドラマのフォーマットなんですかね?役者がやる事が前提のドラマでは、死体の顔や一部は必ず綺麗なまま画面に映さねばならないという鉄則があります。でも、これアニメなわけで。
そして、娘はともかくお婆さんまで何の問題もなく生きていたのは、展開上少し疑問。悠貴の死の重みを増すためでしょうか?
第十話:両親は無事だった。再会のために避難所に行った主人公は、悠貴の死を思い出す。
もう前回で悠貴の死はほぼ確実になっているわけで、ここの姉弟の会話は辛すぎます。手遅れなんだよ。何もかも遅すぎるんだよ!
ですが、ちょっとこれは引っ張りすぎでしょう。Aパート終わりには真相を明かすべきだと思います。見え見えのまま続けられると、食傷気味に。
そしてまた、余りにタイミング良く起きる余震と、タイミング良く崩壊する建物……
だから、何回同じパターンを繰り返すのかと!少しはひねれと言いたくなります。地震だから毎回余震+倒壊というのは、余りに発想が貧困。火事とか電線の断裂とか水道管の破裂とかガス漏れとか、毎回目先を変えることは出来るはずです。
そして、真相は完璧な死亡確定。トリアージタグが黒。倒れた時、真理さんが脈や呼吸を確認していた段階で、既に危篤だったのでしょう。
それにしても、これからどうドラマを作るのかと思ったら、全11話らしいですね。追いついた直後に終わるとは!
アニメの公式サイトって、全何話予定かを告知しているのを見たことが余り無いのですが、何か理由があるのでしょうか?
タグ :東京マグニチュード8.0アニメ
2009年09月13日
涼宮ハルヒの憂鬱24話 「涼宮ハルヒの溜息V」 感想

涼宮ハルヒの溜息
今回も、前回の終了時点から唐突に開始。
これはもう、DVDなりでまとめてみろと言われてるわけですよね?最初から、テレビ放映なんかで見るな、と……
期待していたシャミセンは、やっぱり楽しく描かれていました。仕草が普通の猫そのままなのが良いですね。長門からずり落ちかかってよじ登る様子とか。
「夢落ちです」
天然の片鱗を見せる古泉。本作品は、突っ込み役がキョンに集中する構造ですから、実は彼もポジションとしてはボケ役なのですよね。
この格好付けたポーズの次のカットが、これを横から見たどこか間抜けな図というのも、狙った画面作りでニヤリとできます。
今一話がわかって居なさそうな、みくるの顔が可愛いのもポイント。
キョンの妹は、久しぶりの登場。こうしてみると、やっぱりプレシア・ゼノサキスに似てますよね。
一方、ここ最近全く感情を表さず、壊れかけをアピールしてきた長門が、久々に何らかの感情を発現。
自分の言葉が真実である保証がない、と言う言葉が示すのは、キョンに対するいらだちでしょうか?
「消失」をキョンを巡る三角関係の爆発として描く場合、この辺の描写は大きな意味を持つでしょう。
それにしても、ここで古泉が語る水面下抗争の話は、原作では「分裂」で止まったままですよね。第何期までやるつもりか知りませんが、伏線を活かせるのは随分先になりそうです。
ところで、一巻最後の、キョンがハルヒに秘密を話すシーンって、このタイミングでしたっけ?
でもま、そんな事は良いか。アニメオリジナルの、キョンを横目でうかがいながら入口で待ってるハルヒは良いですね。
その他のハルヒ関係エントリーはこちら
2009年09月06日
涼宮ハルヒの憂鬱23話 「涼宮ハルヒの溜息IV」 感想

涼宮ハルヒの溜息
長門は素手で柵をこじ開け、欺瞞工作がおろそかになるくらい壊れてきているのをアピール。
とは言え、毎回突発事態を相手に光速移動で対処させられては、エンドレスエイト無しでも、疲労が蓄積するという物かもしれません。
キョン、そこはアップじゃダメだ。ちゃんと、引いて撮らないと!
それにしても、一見低解像度の遠景シーンでも、水面の写り込みがちゃんと描かれている辺り、やっぱり力が入っています。コピーして水の濁りをフィルターで表現、なのかな?それにしても、微妙な歪みがあるので、ちゃんと描いて居るようにも見えます。
もっとも、作画に力が入っているからと言って、この未来のエージェントはうろたえ過ぎだと思いますが……
そして、その作画を存分に活かし、視聴者に大してDQNぶりの過去最大級にアピールするハルヒ。今までのような、「DQNな事を言っているが絵面は完璧な美少女」ではありません。
思わず拳を振り上げるキョンに感情移入できる、酷いアンチヒロインぶり。これも、暴走における長門の対ハルヒ行動の伏線でしょうか?
このシーンでキョンを止めるのが、いつものように長門ではなく古泉とみくるというのも、また意味深。
ですが結局、原作通り単なる痴話喧嘩として処理されてしまうわけで、微妙ですよねえ。喧嘩のシーンの演出(霞のかかったような光処理)からして、あっちが「気の迷い」という扱いなのでしょうが……
そして今週も、適当としか言いようのない所で話はぶつ切れになり、以下次号。
「溜息」は、あと2話くらい続くんでしょうかね?エンドレスエイトをダラダラやった後だけに、切れ味良く全二話か三話でまとめるべきエピソードだと思ったのですが。
これでは、時間稼ぎと言われても仕方ないかも。結局、原作通り馬鹿丁寧にエピソードをなぞっているだけで、面白みは足りていません。
何というか、非常に微妙な感触です。
その他のハルヒ関係エントリーはこちら
2009年09月03日
今夏はアニメが大豊作 「サマーウォーズ」感想

僕らの夏の夢/ミューズ
山下達郎の主題歌が、こんなにしっくり来るとは思いませんでした。
「時をかける少女」(正直、主題歌は微妙だと思います)より、この点では間違いなく勝っています。
「宇宙へ」を見損なったせいで、東京で見た映画はヱヴァ2回目とこのサマーウォーズという状況。うん、オタクとして、完全に正しい状況ですね!
さて、ヱヴァ「破」でアニメってやっぱり良いものだ、と感慨にふけった人は、必ずこれを観に行くべきです。予告編で放っていた輝きは、決して偽物ではありません。
内容は、一言で言うと、コテコテの「アニメ映画」。
今よりさらに技術が発達し、アバターを介したネットワークがインフラとなっている世界で、数学的才能はあるが内気な主人公が、ガールにミーツして世界を救う、そんなコテコテの物語。あ、家族礼賛も入ってます。
とにかく、全編アニメの文法に溢れた無茶な力押し展開の連続。しかしその力押しは演出と相まって非常に効果的。皮肉な笑いを浮かべる前に、楽しい笑いや手の平の汗に昇華されます。
あれだけ数の多い大家族を出しながら、各キャラの描き分けも短時間でソツなくこなし、空気と化しているキャラはいません。あ、完全に「三枚目を通り越して邪魔者」になってる奴は、一人いましたが。
とにかく、格好から動きまで、きちんと記号化して一目で理解できるようにし、とても丁寧にイメージを構築しています。割烹着とか、生意気そうな目(+ゲーム機)とか、妊娠中とか、アロハとか……
でも、カズマは絶対女の子だと思いますよね!?
展開も、山場をいくつか用意し、それぞれ主役を変えて「要らない子」を作らない堅実な作り。まあ、おかげで中盤主人公とヒロインが空気になってましたが、ちゃんと伏線は張ってるので問題なし。
また、各山場についても、とにかく見ていて楽しくなるギミックを多数盛り込み、全く飽きさせることがありません。100テラFLOPSの大学用サーバー(NEC製・笑)とか、漁船を池に浮かべて(水冷式だから!)電源にするとか、自衛隊の「ちょっと言えない部署」からちょっぱってきた、10GBPSの衛星回線アンテナ乗っけた兵員輸送車とか、ハッタリのきかせ方も絶妙。
ちなみに、スタッフロールを良く見ると、自衛隊の「ちょっと言えない部署」が、一体どこか解ります(笑)。
それにしても、一つ一つの描写の気持ちの良いことと言ったら!
ネットワーク上で、一つの発言が、レスされ引用され転載されてもの凄い勢いで情報が集積していく様子とか、逆にネットワークの情報がズタズタになっていく様子の「映像」センスが、もの凄いです。
そもそも、どこか間抜けなアバターが大量に空間内を飛び回っている描写など、正に日本独自のサイバーパンク。この辺、電脳コイル
この映像の素晴らしさは、何もアクションだけではありません。旧家に親戚が集まる夕餉の光景や、蝉の声だけが空虚に響く哀しみに満ちた静かな夏の午後、蚊帳を吊った部屋にゆっくり差し込み始める朝日など、情景描写も力が入っています。もうあの光景は戻らないと知っていても、夏休み毎に帰った親の実家にまた行ってみたくなりました。
「帰りたいのは故郷ではなくて、幸せだったいつかの時間」(安孫子三和「レイニー・デイ」 みかん絵日記 花とゆめCOMICS版 第3巻
感情表現も実に漫画的・アニメ的ですが、それは幼稚と言うより愉快で、そして実に解りやすいです。
中身のない「謎」や、思わせぶりなだけの高尚ごっこも要らない。娯楽を、楽しさを、「アニメ映画」を作るんだという、制作者の気概が伝わってきます。
ラスト近く、「そうなるだろうな」と思っていたも、実際に「そうなった時」の感動に全て飲み込まれる逆転劇や、主人公の本気モードの泥臭くて格好良い描写など、本当に良いシーンが盛りだくさん。上映中、全く退屈しません。
いやあ本当、徹頭徹尾、見ていて気持ちの良い映画でした。
とにかく、見ていない人はオタクとして損失も良い所なので、是非鑑賞し、晴れ晴れとした笑顔で映画館から出てきて欲しいと思います。
なお、以下は些末ですが気になった点。
一つは、おばあさんが電話をかけまくるシーン。あれは、もう少し工夫して欲しかったかも。もともとお婆さんは存在感だけで十分強力なので、変に説教臭いことを言わせても、むしろマイナスかと。
黒電話の描写などは実に良いのですが、(あれは、停電時でもNTTから回線経由で電力が供給されるほど冗長性の高い機器。よって、ネットが大混乱でもびくともしません)ハッパをかける必要性が描写されていないので、どうにも違和感が残ります。電話をかけられる側が、「もうダメだ」と諦めかけている、と言った描写があれば別なのでしょうが。
もう一つは、「セントラルサーバーを持つ一元的なネットに、インフラ乗せるな馬鹿」と言う突っ込みですが、素直に飲み込むのが大人の対応でしょうね。暗号強度弱すぎないか?と言うのも含めて。
まあ、弁護するならば、一元的管理でないと、全ての情報を集約して公共料金支払いから全ての買い物一括提供は難しいという現実があります。あと、暗号強度については、「技術があってもそれを悪用しようとする人間はほとんどいない」という話でしょうか。
2009年08月31日
涼宮ハルヒの憂鬱22話 「涼宮ハルヒの溜息III」 感想

涼宮ハルヒの溜息
今回も、テレビシリーズであることを放棄したような、唐突なはじまり方。
完全に、「2時間映画を20分おきにぶった切った」ような構成になっています。映画を撮る話だから、あえてこうしてるんでしょうか?
これで、DVD発売時に2時間ぶっ続け編集で出すとか言うなら面白い試みでしょうが、以前の例からそれは望み薄。
さて内容ですが、映画を撮影していくだけなので、何ともコメントに困る所。今回は山場があるのでまだマシですが、週ごとの話題性としては、厳しいものがあるのでは?
もっとも、映像も演出も、あいかわらずの高水準。作品としてバランスが悪いとも言えますが、それは今期最後まで見てから評価すべきポイントでしょうし。
消失へ至るための前段階としても、反応が完全に機械的になっている長門の描写など、きちんと伏線が機能していますね。
一方、この辺の仕草はやけに人間的で可愛いので、戸惑ったりもするのですが。
可愛さで言うと、この朝比奈さんも相当なものでしたが。
さて、物語はハルヒの能力暴走第一弾・みくるビームが出てきて漸くアクセルがかかってきます。ビジュアル面でも、久しぶりの谷口・国木田コンビや鶴屋さんが登場し、賑やかな雰囲気に。
テレビアニメとは思えないぶつ切り感を除けば、真っ当な作品です。
ただこうしてみると、エンドレスエイトは20分ちょっとの枠で実に綺麗に起承転結を作っていたんだなあ、と思えてきて苦笑。
ここからは映画完成まで一直線の筈なので、来週を楽しみに待ちたいと思います。
その他のハルヒ関係エントリーはこちら
2009年08月24日
涼宮ハルヒの憂鬱21話 「涼宮ハルヒの溜息II」 感想

涼宮ハルヒの溜息
今週は、エンドレスエイトの最中よりもやる気が失われた態度で視聴開始。意外性中毒ですかねえ。
冒頭、はじまり方がおかしく何かの放送事故かと思ったら、前回のラストからそのまま繋がっているんですね。DVDでまとめて売る時、何か編集を入れるんでしょうかね?
「なんか、もう、どうでもいいです」と言う朝比奈さんの表情は、結構ツボ。まあ、ワンポイントギャグ担当ですもんね。
一方、長門は引き続き「不適切な行動」アピール。キョンのセリフと合わせて、伏線貼りに徹しています。
古泉は、まあ毎回おなじみ、思わせぶりのように見えて単なる直球ストレートのセリフ担当。
「永遠にこのままが良い」と言う発言は、学園物として、彼らにも視聴者にも共通の思いでしょう。時間がきちんと流れ、いずれ確実になんらかの「終わり」を設定しなくてはならないハルヒという作品では、より大きな意味を持ちますしね。
ハルヒという、現実との折り合いを上手く付けられない風雲児と、現実が良いと言いながら非現実的世界、就中ハルヒが好きでたまらないキョン。この矛盾した関係は、永遠に続けるのは不可能なわけで。
ただ、本当に「そのまま」続刊が出ずに時間が静止したままという現状だと、たちの悪いギャグに思えてしまったり。
そして、淡々と、本当に淡々とCMどりや序盤の撮影が終わり、そのままエンディングへ。
前回と今回のつなぎと言い、2時間くらいのドラマを無理矢理ぶつ切りにしている印象。
これはこれで面白い試みですが、各話に山があるわけでも無し、そもそもこの「溜息」と言うエピソード自体大して面白くもないのが大問題。どうにも、今期の消化試合という印象がぬぐえません。
今期が終わってすぐに来期(あるいは、「消失」を映画でやるとか)の発表をしない限り、イメージ低下は避けられないのではないでしょうか?
その他のハルヒ関係エントリーはこちら
2009年08月15日
涼宮ハルヒの憂鬱20話 「涼宮ハルヒの溜息I」 感想

涼宮ハルヒの溜息
さて、「そう言えば、あいかわらず次回予告って無かったな」と視聴直前に気づいたハルヒの20話です。
いきなり運動会の場面から始まりますが、これってアニメのオリジナルですよね?
ひょっとして、オリジナルのエピソードを入れるのかな?と期待して居住まいを正しつつ、視聴開始。
お久しぶりの谷口・国木田コンビ。日陰で体育座りが非常に彼ららしくて、ああ、(エンドレスエイトではなく)ハルヒが始まったんだなあ、と言う実感が。
とりあえず、シートに上がる時は、靴を脱げ。
しかし、あの学校は第一期から引き続きブルマですが、違和感がありすぎるのでやめて欲しいなあと思ったり。
何より、ハーフパンツかスパッツのが、はるかに萌えるじゃないですか!
で、結局タイトルが出て今回の話が「溜息」の1だと言うことが解るわけですが、やっぱり「消失」は二期に回されたんですね。
まあ、大本命のあれを投入するなら、もうちょっと真面目に宣伝をしているでしょう。前に予想したとおりになりましたが、予想どおりだと少しつまらない感じ。勿論、常に裏切り続けて欲しいというのは、実に理不尽な要求なわけですが。
確かに、「溜息」であれば、あくまで一期の補完という位置づけの今次放送にはうってつけですしね……
それにしても、ハルヒが語る「文化祭は凄くなければダメ」と言う言葉は、我々オタクとの親和性が高い内容ですよね。
「なんで自分のスクールライフは漫画や小説や映画と違ってドブネズミ色なんだ?」と言う不満は、仮想現実過剰摂取症のオタクにとってありふれたもの。そんな仮想現実のアンリアルな楽しさをリアルに持ち込もうとするハルヒは、オタクの対極であると同時に極めてオタク的です。
ハルヒの行動がDQNそのものなのに憎めないのは、「見てくれが美少女だから」と言う身も蓋もない事実以外にも、この辺に理由があるのだと思います。
ハルヒさんの「今日のツンデレ」は、このショット。
具体的にどうなれば文化祭が楽しいのか、とキョンに聞かれた時、彼に向けた表情です。まあ、つまるところ「そう言う事」なのでしょう。
ところで、このカットですが、今回まるでカメラで撮影したような作りのショットがいくつか入っています。
カメラの揺れが見えるようなこの直前のカットと言い、どう言う演出意図なんでしょう?
「SOS団専用スマイル」は、本当に良い笑顔ですね。
これを見ると、今回の作画は、デフォルメを効かせる方向に力を入れているから違和感があるのかな?と思ったり。
ただ、このシーンでは上手く機能してますが、他ははっきり言って微妙。特に人物の構図がおかしな場面がちらほら見えます。古泉が身を乗り出している所とか、遠近法がおかしい気が……
少なくとも、エンドレスエイトの時の方が文句なしに凄かったというのは、どうなんでしょうね?
一方長門は、今回終始ほぼ全く無言で、目の前を見つめたまま。動きも不自然なまでに機械的で、非常に解りやすい絵になっています。ただ、あんまり長門を「壊して」しまうと、「消失」までの期間あれだけ活躍している事と齟齬が出てしまいます。
この辺は、上手く演出で処理できているようには見えず、残念。
最後に、本編とは関係ないネタですが、超光速航法を実現したければハルヒを宇宙船に…… の下りは、「銀河ヒッチハイクガイド」の不可能性駆動ドライブのネタですね。
そう言えば、確かに原作にもこのネタがありました。
「溜息」は特に見所もない、「朝比奈みくるの冒険」のネタ解説的エピソードなので、エンドレスエイトよりも期待度が低くなる感じ。
最後で上手く消失への引きを作らないと、今期自体が完全な失敗呼ばわりされてしまいそうです。
さて、「終わりよければ全て良し」に持って行けるかどうか。
ところで、前に紹介した「ドラえもん+エンドレスエイト」のWEB漫画が、大団円を迎えていました。
完結編(別冊兄弟拳blog)
本当に、ハルヒとそして藤子先生への愛に溢れた、素晴らしい作品です。オチの長門とか、「ドラえもん」らしすぎて涙が出ました。
初期のオタクにとってアトムがそうであるように、ドラえもんが読者世代に与えた文化的影響は、測りしれませんね。
小学館が全集発売を機に、こう言うのを集めたアンソロジーを作ったら、凄いものが出来るんじゃないでしょうか?
もともと先生存命中から、他の作家がドラえもんを描くなどと言う企画は良く雑誌でありましたし。(「のんきくん」の作者の描いた奴とか。それにしても、今調べてみたら、この人も死んじゃってるんですね……)

のんきくん
↑「のんきくん」自体も絶版で、リンク先のとおりAMAZONでも品切れ。
こう言うのを見ると、国でも自治体でもいいから、図書館を整備して収集・整理をきちんとやって後世に残して欲しいと、切に思います。
例の箱物も、作る場所みたいな下らない話はどうでもいいので、国が滅ぶまで存続できる収蔵図書館ととして仕切り直して欲しいですね。
政権交代後、方向転換が起きることを期待します。麻生政権の遺産と言うことで単に中止してしまうのは、さすがに勿体ないと思うので。
その他のハルヒ関係エントリーはこちら
2009年08月09日
涼宮ハルヒの憂鬱19話 「エンドレスエイト」(その8) 感想

Super Driver
この新OP(EDも)が可哀想なのは、完全に「エンドレスエイトの主題歌」になってしまっている所ですよね。かかっているのを聞いても、「あ、ハルヒの曲だ」ではなく「あ、エンドレスエイトの曲だ」と言う連想が最初に。
さて、今週もエンドレスエイトの時間がやってきました。
もう、前置きとかいいですよね?
妹がスカートをはいていたのは、今回が初めてでは?ピンクより白の方がいいのになあ……
なお、口のストローは、別にジュースを飲んでいるわけではなく、ただくわえているだけみたいですね。コップの中身も減ってないし。
ただ、直後の電話を受けるシーンでテレビの画像が全く動いていない所を見ると、どうも今回作画は手抜き気味なのかな、と言う不安が。
最初のエンドレスエイト(エンドレスエイトの第一話、と言うべきか)の時に書いた事を考えに入れなくても、キョンがみくるに向かって「あなたのために来ました」と言うシーンで、ハルヒが顔色一つ変えないのは、演出としても不適切では?
一方、結局呼び止めたまま何も言い出せないキョンに対しては、長門が一瞬表情を動かす演出あり。
期待しては裏切られ、観測者としてループし続ける長門は視聴者の化身。この辺は、きっちり作っていますね。
ところで、みくるが盆踊り会場で、思い切り「これがこの時代の夏期風物詩ですか」とか言ってるんですが……
そりゃまあ、脳にリミッター(ですよね、あの「禁則事項」連発発言の意味は)かけられるわけです。
今回も、何やら南米っぽいカブトムシ(?)を捕まえている長門。ですが、問題は顔の歪み。ここに限らず、今回歪んだ画像がかなりあります。等身や上半身/下半身のバランスは、良く崩れてますね。
今回の話は新人訓練なのかな?と思ってしまうと、「じゃあ、大事な話のわけがないからループは抜けないんだろうな」と言う予想をしたりして……
まあ、根本的にアニメの楽しみ方としては何か間違って居る感じです。「メタ」って言葉は万能じゃねえ!
ですが今回、浴衣選びも無くバイト後のシーンも短め。新展開の余地がある時間構成になっているのが気になりますよね。
一方、夜中のシーン。みくるのセリフがぶっ壊れており、長門より先に限界が来たかと思うような状況に。
15532回目と言うことは、前回から+4回。一回ごとの違いが大きくなってきてる描写?と思いましたが、どうせそう言うわけではないんでしょうねえ……
しかし、このシーンでもその後の天体観測でも、時間はかなり短縮されています。そして、今までで一番長い時間を残しての8/30突入。8回なのか?エンドレスエイトだからやっぱりループは8回なのか?と、また気持ちが盛り上がる辺り、良くできていると言えるでしょう。
あからさまにつまらなそうな団員達に戸惑いの表情を向けるハルヒの姿は、今までで一番きちんと描かれていますね。
そりゃまあ、こんな雰囲気で夏休みを締めくくられちゃ、やり直したくもなるでしょう。
そして、ハルヒを追って即座に立ち上がったキョンが見る、「別のループで見たハルヒ達の背中」。そのまま回想シーンを交えた心象風景まで重なって、ここまで来て何もできなかったら、キョンはピーナッツ野郎です。ええ、旧作映画版EVAのシンジ君なみに。
そして、ついに閉じた時間が打ち破られたシーンで、一番印象に残ったのが古泉の「良くやった」と言いたげなこの表情。
彼も長門と同じく、キョンとハルヒが主役の舞台には上がれない人間。ですから、我々視聴者に近い所にいると言えるでしょう。だから、見守るしかなかった主人公がやるべき事を成し遂げたシーンでは、彼に強く共感できるわけです。
そして、ツンデレと言うより仲間はずれにされかかった子どもの反応をさらけ出す、ハルヒのこの表情で〆。
ちなみに、前に予想したとおり、やっぱりループを抜けた今回、エンディングテーマは流れませんでした。
さて、エンドレスエイトが終わってしまったので、消失はやっぱりこの1.5期でやる事になるみたいですね。
勿論楽しみな反面、「次の」第2期で消失をじっくりたっぷりやるのかと言う期待もあったので、少し残念だったりします。
とりあえず、実験作としてはかなり面白かったですよ。同じ事をまたやられたら、さすがにコントローラを画面に投げたくなるでしょうが。
リアルタイムで見れたのは、実は結構幸運だったかと思います。DVDで一気に見たりしたら、途中で力尽きること請け合いですし、何より何話で終わるか解っていては、実験作としての価値すら無くなってしまいますからね。
ま、とにかく結構楽しかったのは間違いないです。来週から始まる本編を、ゆっくり待つとしましょう。
その他のハルヒ関係エントリーはこちら


