2009年09月30日

「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」 第3巻感想

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc3
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc3


1巻2巻の感想はこちらから

1巻が名作、2巻が推敲不足で残念という感想だった「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」ですが、3巻が出たのでその感想を。
刊行間隔が1→2巻の時と同じだったので、不安を持ちつつ読みました。

1巻同様、各キャラクターにきちんと出番を用意し、こなれた形で話を回していきます。いきなり大量のキャラを投入してとっちらかってしまった2巻の反省が、きちんと活かされていますね。

今まで影が薄い事この上なかった男友達も、ピンポイントで存在感を出しています。

「おいおい。デートにタキシードを着ていかないと、ダサいとか言って帰っちゃうヒロインもいるんだぜ?」

例の三作目ですね。タキシードじゃなくてスーツでしたが。あのシステムは、本当に酷かった…… 女性向けにクラスチェンジしたあとは、ちゃんと遊べるシステムに昇華されていましたが。


この作品は、「理想の楽園」であるギャルゲー世界が現実に投影された時に、両者に生じる割と痛めの軋轢がテーマです。今回最初に来る問題は、「進路」。
勿論、これがシナリオに組み込まれている作品も多いですが、描かれていない作品においては、大体「突っ込むと洒落にならない矛盾が生じる」デンジャラススポット。

あとは、ファッションセンス……って、W.L.O.(感想はこっち)と同じパターンかよ!
ちなみに、こちらの解決法は「親戚の女の子に教えを請う」でした。うわ~、嫌になるほど現実的~。教えてくれるけど馬鹿にされまくる所とか、主人公にシンクロ率が上がりすぎです。

一方で、1巻から続く根本的命題「誰を選ぶか」も、中々エッジな踏み込みが為されています。
これがいわゆるラブコメと違うのは、主人公の側に圧倒的な責任と引け目があるからでしょう。何しろ、主人公は彼女たちを「自分に好意を持った存在」として、現世に召喚してしまったわけです。従って、誰かを選ぶ=誰か以外選ばないと言うのは、恐ろしく身勝手な行為に他ならないわけです。一方で、「誰も選ばない」と言う選択肢が、もっと最低でなんの解決にもならないのも言うまでも無し。
これはギャルゲーという代物が根本的に背負う因果、または業。メタフィクションとは、こうでなくてはいけません。

ちなみに、その罪悪感は今「現実」にある人間関係としては不健全そのもの。その辺への突っ込みも、ちゃんとされています。
あと、最近では設定上存在感の薄い「社会」もろとも封殺されて省みられない、近親相姦のタブーがらみも。そう、「障害」は本人達の気持ちなんでものではなく、周囲の、社会の目線。って言うか、社会的属性に基づく障害が、社会的な物以外であるわけがないんですよ。この辺は最近とんと描いてくれるシナリオが少なくて残念に思ってましたが、ちゃんと扱ってくれて嬉しい限り。

おまけに、ロリキャラが自分の不自然さを嘆きつつ主人公に選択肢を突きつけるシーンなど、鳥肌が立ちました。ぶっちゃければ「抱けるのか?」と言うお話ですが、リアルワールドで突きつけられると、本当に洒落にならないクリティカルブロー。モニターの向こう側と違いますので、"of course!"とか選択肢を選んで、あとは笑いながら見ているわけには行きません。そもそも、ゲーム中の「設定を忠実に反映」していた場合、成長障害という業を彼女に背負わせた事にもなるわけです。二次元と三次元の交錯が、タイムファンタジーにも似た悲喜劇を生み出す一瞬。ああ、もう、素晴らしいったら!

ちなみに、この部分については最終盤にある回答が出るのですが、それを見て「どれがフラグになったんだろう?」とか考えた私は完璧なギャルゲ脳。だって、物理法則も過去の事実も、主人公の選択一発で変化しちまうのがギャルゲーってもんじゃないですか!
でも、キャラ属性的に、あのイベントは攻略対象外へのシフト宣言じゃないかと思うんだ。(最低)

ちなみに、一点だけ意地悪なことを指摘すると、設定上「リアル」を意図的に弾いている部分があります。
それは、ヒロイン達のセンス。一応、合法ロリキャラが浮いてしまうと言うのを1巻でやって居ますが、それ以外も突っ込むとマズイ部分があるのです。例えば、主人公は自分のファッションセンスの無さに悩んでいますが、ギャルゲー世界のヒロイン達は、それに輪をかけて酷いはずなのです。また、ヒロイン達のアニメ顔も、そのまま三次元に移すと、美人とは言い難くなるはず。
この辺まで「リアル」にすると、痛さレベルがさらにアップし、現実の風圧に主人公とヒロインが滅茶苦茶にされる話にできるはず。ですが、まあそんなことされても誰も幸せになりませんしね。


閑話休題、この巻は2巻読了時の引っかかりを感じさせない、できの良い一冊でした。
設定のとっちらかりは相変わらずですが、重要な部分はきちんと伏線が活きていますし、エンディングで上手くまとまっています。
文章の乱れにしても、露骨に引っかかる所はありませんでした。あるいは、本文の勢いで気にならなかっただけかもしれませんが、どちらにせよ好内容なのは間違いないでしょう。

きちんと次につながる伏線(シナリオ起動問題)と、未解決の課題(咲と理恵)を提示していますし、次巻以降も期待大。ワクワクしながら続刊を待ちたいと思います。

ところで、ギャルゲネタについては、もう少しパロディの作品名などを仕込んで、マニアックに行っても良い気がします。まあ、それをやるとシナリオラインが割れたり、色々引っかかってくるので仕方ないのかもしれませんが。
でも、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の4巻(感想はこちら)程度のは、仕込んでもいいと思うんですよ。少なくとも、翔也のセリフ中でくらいは。だって、これを読んでいる連中は、そう言うのを喜ぶ層に他ならないはずなんですから。

しっかし、今回登場の某氏の運命には、羨望と哀切を禁じ得ません。これは、一定年齢超えた読者共通の思いなのでは?
良く、年収一千万円無いと結婚できねえならリアル女なんぞ要らねえよ!と強がるオタクがいますよね。でもお前、大好きな萌えキャラに「年収一千万円あったら結婚してあげる」とか言われたら、迷わず「血を吐きながら準備OK」って感じで、ガンパレードマーチ歌いながら仕事とか起業とか頑張っちゃうだろ!?ってな事を、常々思っていたり。
まあ、実際読んで見て下さい。

以下、関連動画(笑)






この作者の、他の作品に関する感想はこちら




  

Posted by snow-wind at 22:00Comments(0)TrackBack(0)読み物

2009年09月30日

記事が意味不明になる時 有人ロケット計画

日本も有人ロケット、前原国交相が検討表明(読売オンライン)

前原国交相が有人計画に意欲を示した、と言う内容で、これ自体は普通の記事です。
ところが、何故かこう言うことが書かれてまして……


>宇宙開発担当の前原国土交通相

>宇宙開発を担当する大臣が、日本独自の有人宇宙開発に踏み込んだ発言をしたのは初めて。


文科相ならともかく、なんで「国交相」の枕が宇宙開発担当?国交相なんて、航空管制とかで絡むくらいじゃ?と思って調べてみたら、前原国交相は宇宙開発担当相を兼任してたんですね。議員余ってるんだから、ポストは分けて投げろよ……

とにかく、こんな記事一つ取ってみても、マスコミの宇宙開発に対する理解の低さが垣間見えるわけです。記事読んで疑問に思わなかったんでしょうか?役職名を理解しているなら、「宇宙開発担当相を兼任する前原国交相」か、もっと単純に「前原国交相兼宇宙開発担当相」と書いたはず。
こんな理解度では、今後この計画が進んだ時も、馬鹿でもわかる「予算の数字」以外の評価ができるとは思えません。またいつもの悪夢か……

なお、有人計画については、ここで書いたとおり実績ある分野を潰さないなら、どんどんやって欲しいと思います。

新規技術の開発は、もはや開発しすぎて低効率しか残っていないインフラ整備よりはるかに経済波及効果も大きいので、上手く予算を捻出して欲しいもんです。
だからって、固体技術放棄とかは勘弁な。


  
タグ :宇宙

Posted by snow-wind at 20:00Comments(0)TrackBack(0)宇宙

2009年09月29日

宙のまにまに 感想

宙のまにまに Vol.1
宙のまにまに Vol.1

アニメや漫画で天文部というと、「なんかロマンチックそうな部活」として使い捨てられる、お手軽文系小道具です。

別に、それが悪いと言う事ではありません。「星の瞳のシルエット」(いつの間にか、刊行レーベルが変わってますね)なんか、大好きでしたし。

とは言え、基本的に宇宙好き的方面で期待する事もなく、このアニメもスルーしておりました。

ですが、結構よさげな評判を聞いて翻意。今回視聴してみたので、その感想を。


・第一話
冒頭、セルだったらスタッフが死ぬであろう事間違い無しの、カメラ回り込みによる星空のアピールからスタート。CGの時代になって、こう言うのがやりやすくなって、本当に良いことです。
この時点で、幼なじみのフラグが垣間見え、ニヤニヤが思わずこぼれます。
ただ、オープニングは微妙かも。いきなり惑星の縮尺が滅茶苦茶に乱舞するのは良いとして、何故か星空を見るシーンで望遠鏡が一度も出てこないのが引っかかります。

しかし、オープング開け、屋上から舞い散る金紙の星に作画の本気を見せつけられ、一気に引き込まれます。あ、これなら別に恋愛の踏み台でもいいか。
他にも、パンする本棚が無駄に遠近感を持ったCGだったり、力の入れ方が素敵です。主人公が読んでる本は、講談社文庫の……クトゥルフ神話かな?

一話は、主人公が過去の真相一発でツンからデレに変化する、必要にして十分な内容でした。ここで無理に引っ張らずに、次回の新入部員集めへ繋げるのは良いですね。本当に、安心して見ていられます。

スタッフロール、名前の横に恐らくそのスタッフの星座マークをつけるのは、アホな女性誌みたいですが、雰囲気作りに一役買っているので○。こう言う小ネタは大事です。


・第二話
主人公を想う、いかにも少女漫画のライバルキャラと言った女の子が登場。この人物は配置だと、主人公は朔ではなく美星の方ですね。
一話前半ラストで彼女が入部し、天文部は正式発足。これまで15分1サイクルで小課題を解決していく形で、非常にテンポが良いです。ネット上の評価にあったように、この飽きさせ無さと構成の堅実さは、深夜アニメではなくゴールデン向きですよね。

ところで、前話から登場していた「数少ないガジェット」の双眼鏡ですが、今回アップになってみると、VIXENの天体双眼鏡でやがりますよ。これですね。三脚入れると3万超えるので、部費としては結構ギリギリかと。
これ見て大興奮する江戸川君が実に「男の子」していて、部員キャラに不足しがちな浪漫(ロマン、ではなく)分を補っています。そして、そのロマンを呼び起こすのが美星。一方、主人公は「静寂」や「暗闇」と言う、天文のキーワードを並べながら、視聴者にアピール。「知っている夜は蛍光灯の明かりの中」と言うセリフはグッと来ます。それこそが、電気を消して星空を見上げる事の、感覚的な楽しさそのものですから…… そしてこちらには、小夜先輩がくっついて柔らかに微笑みかけるという構図。
上手い人物配置ですね。


・第三話
美星のせいで無駄に注目の的になり、部活をエスケープした主人公は、生徒会長と出会う。
まあ、天文部の活動というのはあれでかなりヘビーですので、成り行きで入ると苦労するのは当然。夜遅くまで男女の部員が一緒にいるせいで、要らぬ雑音を浴びせられたりすることもあるんでしょうね。
BLOG主は男子校だったので、天文部の連中にそう言う視線が浴びせられるのは、見たことなかったですが(笑)

それにしても、やっぱり絵が綺麗。


人物は結構適当(崩してなんぼの絵柄ですし)なんですが、背景、特に光やガラスの写り込みなんかにかなり力が入ってます。
バスが無駄にCGでグリグリ動いてたりする辺り、好きでやってる感じでしょうか。

後半はプラネタリウムに行く話で、相変わらず一話で二度美味しい構成。
最後の傘の場面でウルっと来てしまい、悩んだあげくこれを購入してしまいました。これで私の傘もプラネタリウム!

外から見ると単なるこうもり傘というのが、ポイント高いと想います。


・第四話
内容は、合宿とそれにまつわるドタバタ。
姫の逆ギレは、唐突感ばかりが先行した感じ。美星のお約束で落とすのは想定内ですが、シナリオラインとしては不要な凸凹だった気が。

この回については、天の川の描写が素晴らしかったと言うだけで、もう十分でしょう。
足元の暗闇から場面から、湖面から空へと駆け上る天の川につなぎ、ついでにヒロインの魅力をアピール。いやあ、気持ちの良いシーン繰りです。


・第五話
生徒会長の言いがかりで、天文部の活動が休止に。

ええと、真面目に訊きたいのですが、徹夜の活動後雑魚寝とか、当たり前じゃないんですか?少なくとも、大学の演劇サークルの連中なんかは、良くやってますよね?高校だと、そんなに問題になる物なんですか?
あと、生徒会長に活動休止命令権なんて無いと思うんですが。それは、許認可権を握ってる学校当局の権限ですよね。

と言うか、雑魚寝だけで何も問題が起きていないのなら、それこそ処分を下すのはマズイでしょう。処分があったという書類が残り、学校側にもダメージが出ます。

後半の文芸部を招待しての観測会は、やっぱり丁寧に考えられた内容。銀河鉄道やギリシア神話を折り込み、星空のキャンパスに物語が浮かび上がる。それは、天体観測のもう一つの側面でもあります。プラネタリウムにおける、解説のメインですしね。


・第六話
新学期が始まり、美星の知り合いが新任教師として赴任。
合宿帰りのイベントは、映像特典ですか。商売の方法として堅実ですね。……iTmsで売ってくれないかな。

さて今回は、草間先生が絡む恋愛ネタで引っ張りつつ、文化祭での入賞と部費増額を狙った活動に話の中心がシフト。やはり、目標を明確化してシナリオが作られているので、物語を見失うことなく、集中してみていられます。堅実ですよねえ。
なんか、主人公がいつの間にかモテモテになってるのは、納得できませんが。

ところで、主人公がボンヤリしながら読んでいた教科書の文章は、キング牧師の演説についてでしょうか?

この話は、主人公が今までで最悪のへたれ行動を起こした所で〆。主人公の動きを課題達成最大の問題にするパターンですが、脇役達が育ってきているので、問題は出ません。むしろ、姫の視点でもどかしさを感じるのが正しい楽しみ方になっていきそうです。


・第七話
プロローグで、草間先生の過去、美星との出会いが明かされます。最低でも8年前なので…… うん、ナイスロリコン!
前回イラストから、ジメジメした話一直線になったらどうしようかと思いましたが、主人公がきちんと反省しているので、その心配はなさそうですね。



絵は相変わらず綺麗ですが、やはり線が減ってきています。ただ、この教室内にドームを設営する時のレイアウトを説明するシーンのように。上手く(必然性をもって)CGを使っています。

そして、今回一番活躍したのは草間先生。レギュラー唯一の大人として、実に良い表情で二人にちょっかいを出してます。通報されたという過去も相まって、全力でダメな大人を演出。ただし、力点はあくまで「大人」です。さじ加減が絶妙ですね。
委員長も、年長者としてフォローに回り、なんだかんだで江戸川も出番多し。姫は…… 頑張れ!超頑張れ!!結局身を引き気味にサポーターへ横滑りし、視聴者の同情を一身に集めるポジションへ。


・第八話
文化祭本番。
がやがや感は力が入っていて、楽しく見る事が出来ました。マッスル焼きそば食べたいなあ。多分、マッスルだから肉(脂肪分)はほとんど入ってないってオチなんでしょうけど(笑)
ところでプラネタリウム、ピンホール型って、星座線の投影出来ましたっけ?色も変わってましたけど。やるとしたら、カバーを丸ごと付け替えることになりそうな。
ですが、観客の反応の書き方とか、暖かでとても良い感じです。「今晩星見てみようかな」は、プラネタリウムを見た後の感想としては、最大級の賛辞ですよね。

ただ今回、顔に投影された星が歪むところは、計算がおかしかったですね。あごから首への移動時におけるジャンプもなかったですし、それっぽく適当なエフェクトを欠けていただけみたいです。CGが毎回上手く使われていただけに、ここは残念。

そして、結局天体望遠鏡を手に入れ損なってがっかりした所で、部活同士の横のつながりに話をシフトし、エンディングへ。


・第九話
野木城高校が天文台まで持っているきちんとした部活なのを見ると、天体望遠鏡一つ無い蒼栄はちょっと無理がありますよね。
ちょっと気になったのは、月を見る時の映像。屈折式望遠鏡なら、月が他の画面と同じ形でなければおかしいのでは?21時に沈むなら、上弦の月ですよね?

随分望遠鏡のアップでVIXENロゴを強調すると思ったら、やっぱりスポンサーですか。
凄く正しいタイアップの形だと思います。部室に置かれていた月刊 星ナビも、アストロアーツが協力企業だったんですね。


・第十話
この作品は学園ものですが、「部活物」なので学年がバラバラ。修学旅行がイベントにできないというのは、やっぱり哀しいですね。
そう言えば、ときメモ4も同級生以外が混じってますから、その辺悲しい思いをしそう。

とか思ったら、それも映像特典か!畜生、上手い商売しやがって!(褒め言葉)

ところで、江戸川がいつも抱えている一眼レフは、生意気なことにNikonなのですが、ロゴは「Nihon」。協賛企業に、し損なったんでしょうかね。イメージ的に……と言うことなんでしょうか。

最後の観望会については、伏線が特典の回になっていて、破壊力が半減しているのが残念です。
でも、文芸部の眼鏡っ子二人は、良い味出してましたね。


・第十一話
今度は冬の合宿です。
雪山って、冬場は天候が相当アグレッシブだと思うんですが、そう言う所で観測やるものなんですか?
高見沢女子の眼鏡さんは、今時「外したら美人」と言う希少属性。ある意味、江戸川と良いコンビです。
あと、彼女たちの「共学って、そこら中カップルだらけなんでしょ?」には大爆笑。はい、私もそう言う認識でした。

晴れ間から覗いた星空は相変わらず良いのですが、九話の観測会の時と、明確な区別が欲しかった所。
あと、波動砲は、さすがにちょっと……
望遠鏡にフラッシュをくっつけて光の矢にしたのでしょうが、音を立てて伸びて行くのはあんまりじゃないかと。


・第十二話
え、部長の過去も映像特典!?
ええと、さすがに、物語上重要なパーツは、そっちに投げない方が良いのでは?第十話のときもそうでしたが、本編の展開に支障を来すのは本末転倒だと思います。

雪国の温泉、キツいですよね。入らなければ凍死、入れば火傷かというようなあの感覚。なので、私はああ言う所の温泉は嫌いです。どっちにしても体に毒としか感じられなくなるので。

一方、部長はクライマックスイベントをこなして、彼自身のエンディングへ。主人公パートの雪景色よりも、部長パートの予備校風景に冬の寒さを思い出させる、自分自身の青春が憎い!!

閑話休題、「ぐるりと星が巡ったね」でまとめるセンスが、本当に素敵です。
土星の揺らぎがやたらリアルなのは、実際の観測映像をそのまま使ったからでしょうかね。

ラストは一話の最初に戻って幕。連載途中の作品のせいか、やはり締まりは余り良くありませんが、とりあえず12話の作品としては上出来かと。


・全体
やっぱり、宇宙ネタは極めて弱いですね。出てくる名前も各星座のα星程度で、もっとこうセンスオブワンダーと言うか、宇宙魂のような物は全然無し。うんちく話も、星座がメインでいわゆる宇宙のことはなし。固有運動とか軌道面とか銀河円盤とか、簡単で面白いネタは沢山あったと思うのですが。

と言うわけで、全体的に面白かったのですが、やっぱり天文ネタは作品に消化するのは難しいよなあ、と溜息が先に来る感じでした。

作品自体の出来は良いだけに、やっぱりモヤモヤしてしまいます。デジタルの使い方を見るに付け、天文はアニメとの相性が、決して悪くないと思うのですが。



  
タグ :アニメ宇宙

Posted by snow-wind at 22:00Comments(0)TrackBack(0)アニメ・映像系

2009年09月28日

W.L.O. 世界恋愛機構 ファーストインプレッション

W.L.O. 世界恋愛機構
W.L.O. 世界恋愛機構

ここのところ、ギャルゲーでは外れを引き続けています。ラブプラスは面白いですが、結局PCゲームでは連戦連敗。
今回取り上げるこのW.L.O.が終わると、BALDRSKY Dive2まで、やる予定のソフト無し。自分の選定能力を、根本から疑う必要が出てきそうな勢いです。正に崖っぷち。

と言うわけで、1ルートプレイし終わったところでの感想です。
馬鹿みたいに長いので、これでは出たばかりの続編というかファンディスク(これの情報が、手を出したきっかけ)にたどり着くのは、まだまだ先になりそう。

冒頭、イベント直後でカップルが大量発生している学校で、無聊をかこっている主人公がうらやみを発散している所からスタート。そこにやってきた政府関係者が、「恋愛せよ。然らずんば死を!」と言った感じで迫ると言うのがつかみになります。落ち物の変形ですかね。

ところが、そいつが「恋愛せよ」と訴えるターゲットが、なんと隣に住む仲の悪からぬ幼馴染。
……チョットマテヤ。
てめえ、思いっきりフラグがあるじゃねえかよ!!何が”恋愛など無縁”だ、こらこのクソボケ!!

と、例のコピペのような怒りを主人公に感じる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
やっぱね、主人公には名前入力が必要だと思うんですよ。そう思いません?そうじゃないと、結局彼女は「俺の」幼馴染じゃない、という事実が浮き彫りになってしまうわけで…… 「黒田」って誰だ!?

それよりも、彼らは高校(恋愛云々の話からすると、中学かも)…… じゃない、「学園」の三年生みたいなんですが、受験良いの?発情してる場合なの?社会のコース分岐的に死ぬ気なの?てめえらも、「受験生だから」と歯ぁ食いしばって、モテない現実を言い訳しながら無味乾燥な方程式に没入しろよぉぉぉぉぉ!!

……失礼。BLOG主は下手に進学校な男子校出身なので、「受験生」とか言う単語が「恋愛」と混ざると、マグネシウムを水に放り込んだ時のような拒否反応が起きることが。
ちなみに、世界設定的に、少子化が進展しすぎて受験が形骸化した世界だと言うことが、直後に解ったりします。それはそれでショッパそうな世界ですが。

とまあ、明らかにギャルゲーやる精神状態じゃなくなりつつあることを自覚しつつ、プレイ続行。これもみんな、この幼馴染「愛奈」さんが、素晴らしい萌え幼馴染なのが悪いんです。


「おめでとう。あなたには恋愛をする自由と、義務が与えられたわ」

オープニングのラストを飾るセリフが、いきなりこれ。パラノイア(TRPG)が思い出されたのは、絶対気のせいでは無いと思います。

でも、少子化対策だったら、恋愛なんて言う不確実な方法のサポートをするよりも、配偶子提供を義務化して、工場で作っちまうとかの方が早い気が…… ← もてねえSFオタらしい発想です。
これも一応、「実の子」の方が愛情が、と言う説明が付いてたりしますが。まあ、動物行動学的には100%正しいので、結構説得力があります。(笑)


とまあ、設定を見れば解るとおり、基本的にお馬鹿なノリで話は進みます。送りつけられる ダッチワイフ 恋愛補助ロボット、金で買収される両親、主人公をいじりまくるメイドトリオ……
ですが、割と言っていることは真っ当。解りやすく言うと、「おめえ、彼女とか作れないと人生灰色よ?」という事。どう考えてもプレーヤーに対する嫌がらせですが、一々ごもっともな御高説で、納得するしかない感じ。むしろ、「俺は恋愛なんか……」という主人公が良い感じにうざく見えてきて、W.L.O.側に感情移入。これは、上手い構成です。

実際問題、初期のギャルゲ(ときメモなんか)が端的に示しているように、”ダメ人間が恋愛するなら、努力と更正が不可欠”なわけですよ。その意味で、”協力はしてやるからてめえも存分に努力しろよ”と迫るW.L.O.の言葉には、一々重みがあります。
まあ、更正するのも努力するのも画面の向こう側の黒田君だから、プレーヤーには何の関係も無いんだがな!

失礼。どうも黒くなるなあ……
もっとも、こう言うのを見て、「W.L.O.は居ないけど、リアルの自分だって!」と思う人間は、絶対いるでしょう。ここで書かれている、ドラクエの例えのように。ゲームもまた創作の一種で、当然受け手の行動に影響を与えずにはおきません。勿論、規制論者が言うような強力効果論はナンセンスですが、そもそも実生活に何の影響を及ぼさない創作なんかに、存在価値なんかないわけで。例えそれが、「現実との落差から来る絶望」だったり、「数日ぼうっとして仕事が手に付かない状態」だったりでも、強い感情・影響を引き起こせたら、その時点で「意味」は間違いなくあるわけで。

でも、「所有して良い漫画は7タイトルまで」は、いきなり死亡フラグですから!そこまでして恋愛したくねえ!と言うか、アイデンティティ捨ててまでする恋愛に意味あんのか!?
ま、主人公はあくまでも一般人の設定なので、これで良いのかな。オタクにこれぶつけたら、完全に踏み絵ですよね。

後、メイドトリオに囲まれての、世間話の練習と称したフリートークタイムとか、結構死にたくなるだろ、これ……
まあ、主人公は会話のきっかけ潰しすぎだと思いますが。明らかに、仲良くなるどころか、間を持たせるつもりすらねえ(笑)

後はまあ、肌ケア講座とか、「そんな面倒なこと継続できる奴は、こんなゲームやりませんよねえ」とか思いつつ鑑賞。うーむ、ある意味主人公とのシンクロ率が凄いなあ。それに、怖いですよねえ、周りの目線。こんな高校三年生の後期にもなってイメチェンで登校とか、目出し帽かぶりつつ、ドラム缶積み込んだピックアップ運転してペンタゴンに近づく位の度胸が必要です。(だからこそ、さりげなく褒めてくれた幼馴染の愛奈さんが、天使に見えたわけですが)
これに限らず、出てくる改造・更正プランは全て努力を要する物になってます。あったりまえの話ですが、嫌なリアルさだだ余り。
まあ、逆を言えば、そこまで努力すれば、そりゃ彼女くらいできるでしょ。突っ込んだリソースの量が成果を分けるのは、どんな「ゲーム」でも同じなわけで。

それにしても、最初に出てくる選択肢が、美少女メイクささせられた上で「女性として生きてみないか?」に対する物ってのは、幾ら何でも面白すぎると思います!勿論、YESと答えると即バッドエンド。制作者は、良く解ってます。

と、非常に面白いのですが、実はここで大きな問題があります。
つまり、ヒロインがほとんど出てこないのです。海兵隊 W.L.O.の素敵訓練風景がずっと続くのですが、幼馴染の愛奈さんを含め、序盤はヒロイン候補が画面に全く出てきません。一応、W.L.O.の班長は出ずっぱりですが、既に学園物でも何でも無し。男友達は何度か顔見せがあるのに(主人公をコスプレ扱いしたりとか……)、何故に女性キャラが出てこないんでしょう?正直、存在忘れかかってしまいます。
勿論、「アタックするのは更正が済んでから」というのはその通りなのですが、友人づきあいと言うか、日常会話くらいあるでしょ?

ただ、逆を言うと、各パート・各話ごとに目的や段階を明確化し、余計な贅肉を削いでいるとも言えます。特に、昨今プレイ時間の長いゲームで良く見る、水増しと言うか推敲されてないだけのダラダラした文章を読まされている印象をほとんど感じません。これは、かなり大きい利点ですよ。

さて、話が進むとヒロインも出そろってきます。幼馴染はかなり空気ですが、画面に出ているシーンは多いので余り気にならず。
一方、画面に出る機会はわずかなのに、ぶっちぎりで存在感があるのが妄想少女の優梨子さん。



得意技は、上記の通りの白昼夢(と鼻血)。
と言うか、この子はだいぶ価値観が現実離れしているので、安心して(?)ギャルゲーらしい気分で見ていられると言うのが大きいですね。
幼馴染の愛奈さんなど、本人はともかく友人連の言葉がキツすぎて(あんた可愛いんだから主人公なんかと釣り合うわけねえじゃんとか、必死にイメチェンしている主人公を憐憫の目で見ていたり、とってもリアル、と言うか的確な内容)胃が痛くなってきますから。本質的な所で現実逃避を許さないそのシナリオは素敵ですが、さすがに全編その調子だと、ねえ?だから、優梨子さんは救世主に見えるわけで。

一方、幼馴染への言い寄りは、激しい抵抗(主に、主人公本人の)を一つ一つ打破していく総力戦。「そこで引いてどうする!」とハッパをかけるW.L.O.の面々が、男らしすぎて素敵です。って言うか、フラグ立っとんねんで?アタックしろよ、アタック!目の前に横っ腹晒した輸送艦がいるのに、魚雷撃たない潜水艦がどこにいるかってレベルだで?あるいは、そのものずばりで「兵は拙速を尊ぶ」。



超が付くほど、正論でございますわ。
と言うか、ここまで言われて劣等感に沈む主人公、理解は出来るんですが、「ダメだこりゃ」としか言えないですよね……
結局、主人公のやることは全て裏目で、全部幼馴染にフォローされているのが泣けてきます。ただ、幼馴染のはずなのに、相手の語る思い出を主人公が思い出せないのは、伏線なのかな?おかげで、愛奈の「幼馴染」と言うアイデンティティが揺らぎかかってますが。


一方、ライバルキャラのイケメンは、小憎らしいほど最適手で押してくる完璧超人。やり口が、さわやかに汚くて最高です。勿論、卑怯という意味ではなく、マキャベリ的な合理性。ゲームのルール的に許されてるんだから何が悪い、と言いたげに、幼馴染の攻略に邁進します。
でも、あのイケメンがやってる事って、ときメモで主人公がやってる事と一緒なんですよね。有り余るパラメータで相手を攻撃し、周囲の女子に邪魔されないように愛想を振りまく。背景キャラその1みたいな主人公が、勝てる相手ではありません。溜息が出るほどの実力差。(だからこそ、W.L.O.と言う作劇上のオプションが必要なわけで)

ただ恋愛の、「容赦ない戦争」としての側面を前面に押し出すと、勝っても負けてもプレーヤーのカタルシスは得られにくくなります。(ときメモは、やってる事はあれでしたが、少女漫画の世界観を乗っけて、上手くデコレートしてましたよね)その辺をどう処理するかが気になったり。
幼馴染については、もともと好意を持っていたという前提のもと、主人公の努力でそれに応えられるようになった、と言うシナリオライン以外ありえないかなあ。


などと、色々楽しみつつ、最初は流れで選択肢を選んでいたら、W.L.O.のライバル組織エース・アリサ&その妹サラサのルートに。だって、学園祭のイベントなら、メイド喫茶よりも演劇の方が、絶対に面白いじゃないですか。それに、サラサが可愛かったもので…… ちなみにこの子は、典型的な病弱系。ついでに人と話すことに、なれておりません。

これって、メイドトリオに、「自分よりコミュニケーション能力の低い相手だから、安心して話せるんですね、ゲロ野郎」くらい言われるであろう流れだと思うんですが。何故か、お咎めは無し。そこは一応、ファンタジーとして触れちゃいけない一線でしょうか?
でも、アリサの無理難題をズタボロになってこなした主人公はきちんと格好良かったので、シナリオの筋は通ってます。

それにしても、結局文化祭と主人公をサポートし続けた幼馴染、報われませんねえ。最後の段階でも、背中を押してくれたのは彼女なのに。どう考えても、フラグブレイクしてるのは主人公なわけで。泣けてきます。
これはやっぱり、幼馴染のルートは最後に取っておくべきですね。と言うか、破壊力大きすぎるんですよ、この子。どうしてここからこの子のルートに分岐しないんだろう、みたいな展開を、終盤でも平気でぶつけて来やがりますから。


協力してくれる愛奈さんに、「こう言うとき、幼なじみって恥ずかしいよな」とほざく主人公。それに対する答えが、これ。


そして、止めの一言。

主人公てめえ!!!


今この場で思いつきましたが、「そう言うヒロイン」って、アリじゃないですか?他のキャラは、そのキャラのルートでしか攻略不能。でも、特定のヒロインだけは、他全キャラのシナリオ山場から分岐してルートイン可能。真のヒロインとしての実力を見せつけられる、みたいな。単純にシナリオ量が倍になりますが、「ある一人のヒロイン」を猛烈にプッシュして見せる方法論としては、これ以上ないほど強力になるかと。
まあ、そんな物量作戦を敢行できるメーカーが今時あるかと言われたら、無理でしょうけども。


と言うわけで、サラサのルートをクリアしたんですが、欠点も一応。ラストが、結構もたつく感じです。文化祭の終了からクライマックスになだれ込むかと思いきや、割とどうでもいいエピソードで水増しされていて、肩すかしに。
また、最終的なヒロイン決定の選択肢が出て、今度こそと思っても、また無駄に時間が……
クラスのドタバタは別に良いのですが、ヒロインとの関係で、山は越えているのに要らない足踏みを見せられるのは苦痛です。このシナリオ、中盤までで終わっていれば最高なのに……

恐らく、エロシーンを突っ込む尺が足りなくなって、無理矢理話を引っ張ったのだと思うのですが、それでああもだらけてしまっては本末転倒かと。


この辺とかも。新兵二人のツーマンセルでは話が進まないのは確かですが、そここそW.L.O.が介入してチャッチャと進めろと。もう結論は出てるんですから。


後、一枚絵のクオリティが割と酷かったりもするのですが、これは立ち絵が良い(楽しく動く)ので相殺。

結論としては、終盤のもたつき以外は大満足でした。他のキャラの場合は終盤もピリッと締まっているかもしれませんし、何より幼なじみのルートを終えるまでは続けたいと思います。
ただ、開始画面でクリア済キャラのグラフィックが変わるので、全員クリアしたら何かありそうなんですよね。結構時間がかかりそうです。



  

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2009年09月27日

ノベルゲームという矛盾 「真剣で私に恋しなさい!」全体感想

真剣で私に恋しなさい! 初回版
真剣で私に恋しなさい!


積みゲー処理が一段落し、やっと新作に手が回るようになりました。
と言うわけで、「まじこい」こと「真剣で私に恋しなさい!」の感想です。

実は「みなとそふと」の作品は合わないことが多かったので敬遠していたのですが、各所で紹介されていた画面写真などが面白すぎて、手を出しました。

さてこのゲーム、ネタの濃厚さもさることながら、凄まじいのはそのボリューム。開始30分足らずで、男性キャラ女性キャラ各十名余りが乱れ飛ぶ有様。勿論、以後順調に増殖しますが、描き分けはきちんと為されており、混乱はありません。

ネタについては、一々取り上げるときりがありませんが、5分に一回は笑わせる覚悟の物量戦です。それでいて、オープニングムービーまでの段階で、5時間近く消費するのも相変わらず。
初っ端からして、主人公の部屋に白いヴァーチャルボーイと赤いXBOX360が並んで転がってるくらいですし。

まあ、あっちこっちにネタがベタベタ貼られていますから、細かく上げるのはやめておきます。とりあえず、例としてあげるのは一つだけ。



ですが、プレイ中ずっと笑えて、楽しめて、クリックするのが嬉しくて仕方なかったと言うことは、書いておきたいと思います。それで十分でしょう。

サブキャラを含め、キャラはみんな魅力的。男も女もです。
ただ、ひたすら小賢しいだけの上に、「僕って努力してるでしょ」「頑張って色々考えてるでしょ」オーラを画面のこちら側にまき散らしてくる主人公は、うざいだけでしたが。
何偉そうにしてんだこの小物は、と言う感想しか出て来ないのが困った所。

と言うわけで基本的に楽しかったのですが、やはり、私には決定的に合わないなあと感じる部分がありました。
それは、フォーマットの問題です。
ここのソフトは毎回、「物語」を描けていません。モラトリアムの、いつまでも浸っていたい楽しい日常を描く力は凄いのですが、そこから発展しないのです。
いつかは終わる学生の仲良しグループなので、未来の破綻、少なくとも組み替えは必然。ですが、その破綻を描くことは、楽しいシナリオを連ねる本領と矛盾してしまいます。言葉を飾れば「成長」とか「再出発」とか言えますが、結局矛盾は解消されません。。

要するに、ここのソフトは(そして、日常ギャグを売りとする同系ギャルゲー自体がそうですが)萌え四コマやドラえもんのような、止まった時を描いているのです。永遠に続く楽しい時間。変わらず続く日常……
そのため、本来的に、大きな物語を描けません。エピソードを連ねても基本的なキャラの関係が変わらないというのは、この手の話の必須条件です。そうでなければ、永遠に続く幸せな時間は崩れてしまいますから。

しかし、恋愛がメインとなるギャルゲーの場合、それは許されなくなります。
カップルの成立や、もっと露骨にはエロシーン。そう言った関係の変化がなければ、ギャルゲーとして機能しません。勿論竹熊健太郎の言う「回転寿司システム」(主人公が、回転寿司のように、エピソードごと使い捨てのヒロインを食っていく)のような手もありますが、それは永遠に続く幸せな日常や、仲間達との生活を描くことと矛盾します。

このため、場面場面は面白いにも関わらず、一本のシナリオラインを描かない、エピソードという「点」を連ねただけの、散漫な話が展開してしまいます。特に、毎日のキャラ選択など、完全に短編集状態ですし。
実際、個々のエピソードは面白いですが関連性が薄く、終盤の「恋愛」描写、つまり関係性の変化も、とってつけたような印象がぬぐえません。これは、評判の良いつよきすなんかでも、全く同じでしたね。フカヒレは最高ですが、メインのシナリオラインに全く絡まず、物語上の必然性はゼロ、みたいな。

そもそもノベルゲームはその名の通り、長編小説のフォーマットで作られます。そのため、エピソードを集積しただけの「物語でない」描写を行うには、全く向いていないのです。


つまり、まとめると、問題点は二つに集約されます。

1,ひたすら楽しい、永遠に続く日常を描くなら、「物語」は不要になる
2,「物語」を入れないなら、ノベルゲームにならない


これは、開発メーカーやジャンルの問題ではないと思うわけです。
ゲームで物語を描くため方法論だったノベルゲームで、四コマ漫画のようなとりとめのないエピソードを重ねる、物語を必要としないものを表現しようとする事に無理があるのではないかと。

となると、それこそ四コマ漫画のような、エピソードを並べて見せるだけの表現に特化した、ゲームの方法論が必要なんじゃないかと思います。

と言うわけで、感想は結局いつもと同じ。無闇に面白いのに後半は投げやりで、物語としては問題外。ネタの連続を楽しむために買うべし、と言う事になります。
あ、一応繰り返しておきますが、買う価値は十分あると認めた上での事ですからね。

後、個人的に毎回気になる、「今時古くさいではすまない攻略キャラ指定システム」が相変わらずなのは、どうかと思います。シナリオ制御方法として稚拙(自然な分岐もへったくれもない)ですし、誰のルートか一目瞭然でゲーム性も皆無。ブランドの伝統にするようなものではないと思います。
共通部分と分岐後は普通に選択肢が出、しかも一々楽しいだけに、なんでルート分岐にだけアレが採用されてるのか、本当に不思議。


個別ルートの感想は、また後日。



  

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2009年09月26日

TGS 東京ゲームショウ2009に行ってきました

東京滞在は予定より長引いた物の残りわずかとなり、行けるイベントには行っておこうという欲目が出てきます。
と言うわけで、スルーする予定だった東京ゲームショウに出かけてきました。まあ、お目当てはときめきメモリアル4なわけですが。

以下、レポートとなります。勿論、メインはときメモ4。

着いたのは、渋滞もあって11時過ぎ。ですが、そんなにまたされることもなく入場。形だけの荷物チェックが無ければ、はるかに楽なのに。あれによって低減されるリスクが、かけるコストに見合っているかは、相当な疑問が残ります。

閑話休題、まずはときメモ4をやりにKONAMIブースに一直線。
105分待ちと言うことでしたが、丁度ステージではときメモ関連のトークショウが行われており、退屈せずに待つことが出来ました。今回のヒロインの一人、「皐月優」の声優「滝田樹里」さんが冗談で「一緒に帰って、後輩に噂とかされると恥ずかしいから」と言ったのに金月真美さんが苦笑とか。苦笑するしかないのは、観客の方です(笑)

さて内容ですが、プレイ時間は10分なのでこちらこちら以上の情報を、そんなには得られませんでした。ただ、そこが言及して無い点で、気付いた所を幾つか。

まず、幼なじみの大倉さんですが、部活に入部するとマネージャーとして入ってきます。(選んだのはサッカー部)完全にサポートキャラとしてひっついてくれるようで、嬉しい限り。ただし、電話帳のカテゴリは「女の子」ではなく「友達」。いやまさか男の娘と言う事は無いと思うのですが、落とせるんですよね!?とか制作者を問い詰めたい所。
また、彼女に二回電話してみたのですが、一回目と二回目で微妙に反応が違いました。一回目で「デートしよう」と言って断られたあとなので、一作目の伊集院と同じパターンで落とせるのかもしれません。

次に、「声かけモード」には男友達も登場し、一緒に帰るとパラメータが上がるようです。また、電話をすることもでき、この際はストレスが減ったというようなことを主人公が言っていました。

それと、地味なシステム面として、パラメータ上昇はかなり低め。ラブプラスの、彼女になる前に近い微妙な数値。とても、「夏休みまでに運動120」とかを目標にしていた一作目の感覚では、プレイできません。多分皐月優さん何かを落とす場合には、相当気合を入れていく必要があるんじゃないでしょうか。

また、「リッチ」で購入するアイテムによって、パラメータに補正がかかります。私は
「カジュアルシャツ(10リッチ。一月の小遣いは20リッチ)を買ってみた所、魅力が+5されました。なお、アイテムによる補正分は、パラメータ欄で(+5)のような形で表示されます。

次に、キーレスポンスはかなり良好。コマンド選択も割り込み会話もストレスなくこなせます。
ただし、開発中のためか読み込みは長めで「NOW LOADING」はイベント前に必ず見せられます。これは、携帯機の限界でしょうね。本当、何故これが据え置き機でないのかと……
ちなみに、前記のトークショウによると、イベントの数は5000以上。シリーズ1だそうです。

ところで、PVに全ヒロインが並んだ映像が出てたんですが、全員ほぼ全く背の高さが変わらないんですよね。余り記号的にしたくないと言うことかもしれませんが、さすがに特徴がなさ過ぎる気がしました。あれは、どうなんでしょうね?

あとは、トークショウの内容から少し。
主題歌を歌うアイドルユニットは、はっきり言って違和感バリバリ。なんで主演声優さんじゃないんでしょうね?そう言う恥ずかしい世界観なわけで、AKBもどきの似非アイドルなんて要らないと思います。
トークショウで歌&ダンスを披露していましたが、最初流れていたオープニングムービーが舞台上の映像に切り替わった瞬間の違和感は、「イラッと来る」を通り越してブーイングまで行きそうな感じ。あれは無いと思います。


「そもそも、ギャルゲーちゅーのは僕たち、実際の女の子を想像して疑似恋愛をしたいんじゃなくて二次元の女の子との恋愛をするために遊んでるんだもーん。馬鹿だなあ、ときメモの映画なんか観に行くわけないじゃないか
             がっぷ獅子丸「悪趣味ゲーム紀行」 92頁


とまあ、そう言う話ですね。

あとは例によって、愛情は金額で示してもらおうか おっと。 購入は義務です市民 じゃない。 信者と書いて儲けると読む と言うか、心的奴隷を作り出す悪しき資本家の収奪商法製品(もうこれで良いや)も、展示されてました。上のリンク先にもあった、二万越えの限定版の類もそうですが、過去作品のフィギュアやサントラなども、4の発売に合わせて順次発売されるようです。
ちなみに、展示されていたのは、藤崎・朝比奈・光・白雪・華澄さん。

まあ、作品に金を出すにやぶさかではないのですが、当時10万出しても欲しかったPS版の限定版を、昨年GEOで398円で入手した身からすると…… おっと。
是非とも同志諸君には、ゲーム業界の前衛たらんとの意気のもと、二本買い・三本買いを敢行し、続編を出すための礎になって頂きたい!!

あ~、私はもう良いですわ。PS3で完全版、とか言われたら、「犬とおよび下さい!」とか叫びながら、家電量販店に予約しに行きますけどね。

最後に、プレイ後はアンケートを書かされます。これが終わるまで次の人を入れないせいで、待ち時間が長くなってるわけですが。あと、ブースを出る時にときメモのうちわがもらえます。


さて、以上がときメモ4関連になりまして以下適当に見てきたその他のゲームについて。



・FRONT MISSION EVOLVED
一言で言うと、「これはないでしょ」
鈍重なくせに重量感の皆無なヴァンツァーが、ノタノタと画面内を動き回り、反動を感じさせない豆鉄砲のようなサブマシンガンと小型ミサイルを撃ち合います。
ロボゲー好きに解るように言うと、「ダッシュをほとんど使わないガングリフォン」の動きで「ガンダムのバルカン」程度の爽快感のメインウェポンと、「カルネージハートのミサイル」のような遅いミサイルを撃ち合うゲームです。しかも、ヴァンツァーが無駄に大きく、狭い通路で味方同士が渋滞を起こしたり。
とにかく、爽快感もスピード感も重量感もない、無い無いづくしの唖然とする内容でした。
パンフによると開発率は「?%」で、発売未定。なので、まだまだチューニングすると思うのですが、あんな状態ならプレイアブル出典など、するべきではありません。私は、完全に様子見に決定しました。


リトルバスターズ! Converted Edition
開発度100%のはずが、TGS直前(最中?)で発売延期という、非常に不吉な状態になってます。

ここについては、注意点が一つ。
ポスター配布があるので、目当てで行く人も居ると思うのですが、ぶっちゃけポスターは余ってます。

セガブースは非常に混んでいるので、一見配布物の受け取りなんか無理に思えます。ですが、このタイトルに関しては、ぷよぷよの横からブース内に並ばずに入ることができます。(試遊台がないため)
そして、映像上映中のモニター前にて、ポスターが配られています。何というか、一般タイトルに包囲されて、とても居づらそうにしているコスプレのコンパニオンさんが哀れでした。
15時半の段階で、四角いイベント会場に良くある巨大ゴミかごみたいなカートに、ポスターが山積みになっていたので、明日も余裕でゲットできると思います。
まあ、コンシューマ移植のあれを目当てに、TGSに行く人はあまり居ないって事でしょうか。


ドラゴンクエストIX 星空の守り人
会場ではスペシャルゲスト「ハッサン」を配布していますが、人が多すぎて近寄れません。時間入れ替え制のようなので、次の入れ替え時間を聞いておくといいと思います。
ちなみに、私は諦めました。


・ファミスタワイヤレス
DOCOMOの携帯向けです。並ぶ時間が10分とかだったのでふらりと立ち寄ってみましたが、ゲームになりません。
対戦をやったのですが、同期を取るためか、ボタン入力からバットが振られるまで、0.3秒ほどの遅延があります。


ウォーシップガンナー2 ポータブル
鋼鉄の咆哮シリーズの最新作。
大方の予想どおりというか、PSPの小さな画面で設計は無茶です!特に、砲塔の高さを変えて立体的に甲板を埋めるようなテクニックが、非常にやりにくいです。また、PSPのアナログスティックの操作性もあって、狙い撃ちが非常に困難。駆逐艦で出撃した所、見事蜂の巣にされました。
システムはウォーシップガンナー2そのままで洗練されているのですが、携帯機では無理がありすぎます。


・整理券が必要なブースについて
FFやレベルファイブ、キングダムハーツなどは、会場一時間以内に整理券が尽きます。遊びたいなら、開場前に並んでおきましょう。


・駐車場
高速を下りたあと、右折→直進→左車線から陸橋へ。
一度入り損なうと、十分ほどかけて周囲をぐるっと回らないと、入場できません。ちなみに、陸橋経由でしか駐車場には入れません。車で行く人はご注意を。




さて、全体としての感想ですが、人はあれだけ多いのに、どうも活気に欠ける感じです。
やはり、動画配信等が整備され、「行ってはじめてわかる」情報というのが、少なくなっているせいでしょうか。実際私も、大体の情報は業者日の報告や口コミで知っており、自分の目で確認すると言う程度の気持ちでしたし。

それこそ昔の各種発表会のような、最新情報を求めるギラギラした雰囲気は全くなくなっています。これはこれで成熟だと思うのですが、各社数千万かけてあそこに出展する意味があるのかは、かなり疑問です。勿論、ユーザーとしても同様。うちに限らず、ネットニュースやBLOG記事で通り一遍のことは知れるわけです。出向けば当然、+αの情報を得られるとしても、コストに見合うかは微妙でしょう。

ただ、トークショウなどのイベントを目当てに行くのなら、結構意味があるんじゃないかと思います。上記のときメモ関連など、聞いているだけで十分面白かったですし。




  

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2009年09月25日

世界を滅ぼすのは、天使 equality now について

くたばれFGM(NC-15)

上記のFGM(女性器切除。アフリカのあれ)に関する記事に、「児童ポルノ」を巡る一連の事件の戦犯、EQUALITY NOW の名が出てきて、ビックリしました。以下は、それに関するエントリーです。

さて、最初に一つ書いておかねばならない事を。

自分を殺そうとしている相手が、普段どれだけ善人であろうと、どれだけよそで善行を積んでいようと、自分の身を守る事をためらう理由はありません。
ですが、同様に、その殺人犯に救われた誰かからすれば、自分を救った人間がどんな無慈悲な殺人をしていようと、感謝して当然と言うことになります。

旧約聖書の黙示録で、世界を滅ぼすのは悪魔でなく天使、と言うのは実に示唆的ですね。(もっとも、そもそも滅ぼさせているのは神だろうという、クリティカルなポイントもあるわけですが……)

以上を前提に、イクオリティ・ナウの活動について書きたいと思います。

それと、FGMに関する論議はリンク先と同意見。「習慣」や「文化」が尊重に値するのはあくまでも中立的な(毒にも薬にもならない)場合。近現代の論理と正面から相反するなら、それはもう淘汰されるべき因習・迷信でしかないでしょう。


上記の記事で興味を持ったので、この団体の「功績」について軽く調べた結果、以下のことが解りました。

設立は、公式サイトにあるように1992年。
それ以来、同サイト内の活動記録にあるように、何度も積極的にキャンペーンを打っている。(同ページ内をFGMで検索すると、大量に出てくる)
また、FGMに対する1ページを設け活動の中心に位置づけている。


つまり、知っておかねばならないこととして、我々の敵である「EQUALITY NOW」は、一面ではとても立派な活動を行っている、実績と名声のある団体なのです。勿論、彼らが「善意」と「信念」で動いていることも、忘れてはなりません。これは、二重の意味でやっかいな事です。


勿論、その背景には、キリスト教右派の価値観があります。しかし、それを宗教対立に転化しない理性はきちんと見せています。上記の公式ページでも、FGMはイスラム教と本質的には関係ない、と説明しています。

また、背景にある思想がどうであろうと、その実績を否定することはできません。
例えば、日本で孤児の養育や女性保護などと言った社会福祉の基礎を築いたのも、キリスト教系の団体でした。ああ言う人達は、使命感や正義感を武器に損得勘定抜きに切り込んでいきますから、結果救われる人も多いのです。困ったことに……

この辺が、以前書いた、電波呼ばわりして終わりにはできないと言う事の一つでもあります。


と言うわけで、記憶に留めるべきは二つ。


1,EQUALITY NOWは、真っ当な実績を多く上げている団体。
2,だから、「専門家」として各所に影響力を行使できる。


従って、対抗言説としては、以下の通りになるでしょう。


1,表現規制は、彼らの『実績』とは無縁の領域である。
2,彼らはメディア論の専門家ではない。科学的な検証に耐えられるデータは扱えない。


要するに、彼らはあくまでも「現場」の専門家なのです。目の前で進行している人権侵害に対し、フットワークの軽さで切り込んでいく、典型的なNGOです。それは尊敬に値する訳ですが、繊細なメディアの影響論や科学検証を行う力量はありません。
理念として女性差別・蔑視への対抗を掲げていますが、それらがどう生起するかを研究してきたわけではありません。端的に言って、「原因ぽく思えるもの」を叩いているだけです。

もっと単純に言えば、こう言うことです。
18禁ゲームのような目に遭わされている人間を救うのが得意だからと言って、18禁ゲームの影響について口出しするのはお門違いです。ゲームは現実とは違います。


と言うか、活動歴を見た瞬間解りますが、彼らのメインフィールドは、エロゲーどころかコンピュータもろくに普及してない後進国ですよ。

それにしても、活動歴などを見ると、内部がきちんと統一されていないのではないかと思えてくるのですよね。
明らかに切迫度も被害の大きさもバラバラな活動が、入り混じっています。恐らく、先進国におけるどーでもよさそうな内容の活動(エロゲー叩きは典型)は、宣伝戦略なのでしょうが……
キャンペーンの有効性検証とか、やってないんじゃないでしょうか?もともとが少人数で始めたフットワーク命の団体だったはずなので、大規模になって収集がつかなくなってる感じです。本当、エロゲーなんかにリソースを割いてて良いんですか?買春ツアーには熱心に取り組んでいるようですから、東南アジア辺りを優先すべきだと思うんですが。アグネスが言っているとおり、被害者の数と惨状たるや、大変な事に成っているのですから。

繰り返しますが、実績のある団体だからこそ、踏込むべきでない領域に突っ込むのは慎重であるべきでしょう。フェミニズムに対する、ネガティブキャンペーンも良い所です。



切除されて (ヴィレッジブックス N キ 2-1)
切除されて

こう言うのを読むと、逆説的に、EQUALITY NOW そのものを攻撃する事の難しさが見えてきます。
「あんな団体消えて無くなれ」と叫んだとして、「表現の自由」と「アフリカで苦しんでいる女性の救済」を秤にかけられると、不利にならざるを得ないからです。勿論これは、秤にかけさせるような形で自身を宣伝している、EQUALITY NOW の汚さそのものなのですが。


P.S.
ちなみに、トップページからたどれるプレスリリースで、エロゲー攻撃がまた掲載されていますね。

Equality Now Calls on New Japanese Administration to Ban All Games That Promote Violence Against Women and Girls

女性・少女に対する侵害行為を促進する「全ての」ゲームを禁止しろ、と来ましたよ……
下手に「実績」を与えるから、こう言うことになるんです。完全にベルリン会議になっちゃいましたねえ。

まあ、ここに何を言っても無駄なので、我々は政府や関連団体に対して、意見を言っていくしかないでしょうね。
EAが、オーストラリア政府に対し、あまりにも真っ当な抗議行動を行っているように。

裏切り者のソフ倫さん、商売の領域って言うのは、こうやって守っていく物なんですよ?
ここで、ベセスダワークス(FALLOUT3の開発元)の人が、言っている通りね。



他の表現規制関連エントリーはこちら



  

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2009年09月24日

メタ花盛り 「勇者と探偵のゲーム」感想

勇者と探偵のゲーム (一迅社文庫)
勇者と探偵のゲーム (一迅社文庫)


最近、一番フィーリングが合っているのが一迅社文庫。今までも、いくつか取り上げてきましたが、今回も中々の一品。大樹連司「勇者と探偵のゲーム」です。

例によって聞いたことのない作家さんですが、「ぼくらの」ノベライズをやった人みたいですね。
正直、鬼頭莫宏描くイラストは、雰囲気が合っていないように思えますが。

さて、内容は、当世ラノベ風のねじれた「インベーダー・サマー」と言った所でしょうか。
それにしても、AMAZONに並ぶインベーダーサマーの古本が、ほとんど一円って…… 良い作品なのに。

閑話休題、内容紹介。
狂った知事が作った狂った装置によって、「勇者」と「探偵」が出没する物語世界に組み込まれてしまったある町で、「事件」に関わった高校生が残す記録、と言うものです。

理屈は全く不明なまま、毎日のように「勇者」が高次元の何とかとか宇宙からのほにゃららとか、人間の根源的有象無象などと死闘を繰り広げ、探偵が密室殺人を解決する狂った町。そして、その狂った事件が「解決」されると、それらが象徴する「日本問題」と呼ばれる何かも解決され、世界は日本に有利に書き換わる。

つまるところ、この装置のお陰で異常発展した日本で、しかし物語からは阻害されて傍観者でしかない高校生達が、そんな世界に反逆する話です。これを現実のあれやらこれやらの象徴と評したら、作者が大喜びするのは間違いなし。良くできたメタフィクションですね。

その名を授かってから十数年。ライトノベルは、暗号を解こうとするコンピュータのように、「それっぽい設定」の順列組み合わせを使い果たして来ました。それが一段落して、メタフィクションへと、一気に食指を伸ばしているのでしょう。これも、SFが辿った道に近いですねえ。
特に昨年出た「AURA」辺りから、見る機会が増えた気がします。勿論、共時性という奴でしょうが。市場が飽和した時にとんがる方向としては、王道ですしね。

何にせよ、世界からの疎外感や物語の渇望、「平凡な死」が許せないという憤りなど、とても共感しやすい内容になっています。ヴィヴァ・中二精神!

設定段階で解るとおり、ラノベの構造を使ったメタフィクションで、しかも中々良質。物語展開は最初から既定路線をなぞるわけですが、意外性で売るような内容では無いので安心して読めます。あくまで大切なのは、主人公達の行動の説得力ですから。挿入されるラノベの引用に、本気イラッとしたら楽しめた証。良くできてます。

ただ、それだけに、最後の最後で無理矢理意外性を入れようとしたのか、さらにもう一枚メタの層を重ねたのは失敗だったかもしれません。メタラノベを書ききった段階で十分一冊の本としてまとまっているのですから、徒に要素を増やす必要はなかったかと。

あとは、世界の改変が、ほとんどの場合法案の制定と言う形を取っているのが気になりました。
法律が出来たり条約が破棄されるというのは、問題の解決そのものではないはず。憲法9条の改正というのだけは懸案の解決、と言えるかもしれませんが、日教組の解散とか弾道弾迎撃法案の通過とかって、問題の解決なんでしょうか?日教組との和解(実はとっくの昔にやってるんですけど、和解……)とか、北朝鮮の核放棄確定とか、そう言う形でないとおかしいのでは?少年法の成人年齢引き下げというのも、世界を動かす改変なら「少年犯罪の激減」とかでないとおかしいはずです。
何でもありで世界を改変する理不尽の象徴のはずなのに、やる事が妙にせせこましい上に解決になって居なそうなので、気になってしょうがありませんでした。何か、日米安保も破棄してるみたいですし。


と、不満点もありますが、淡々とした怒りを抑えた文体は読みやすく、それでいて厭世的な雰囲気描写もバッチリ。理不尽な、二重の意味で「現実」を映す世界の物語を十二分に楽しめました。

次回作があったら、読んで見たいと思います。



他の、その他のライトノベル関連エントリーはこちら



  

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2009年09月23日

ヘリオトロープ 二人クリア

ヘリオトロープ -それは死に至る神の愛-
ヘリオトロープ -それは死に至る神の愛-

三葉ルートをクリアしました。

幼馴染最高!
ただ、それ以外の要素については、色々と突っ込みどころが多すぎます。

まず、やっぱり主人公には共感するのが難しいですね。
幼馴染ルートのはずなのに、なんで幼馴染の仲間をぶっ殺しまくってるんでしょう?特玩に全く同意できないと言いながら、思いっきり肩入れしてますし。一応三葉に会うためと言う理屈はついているのですが、言い訳にしか見えない辺りが相当問題。
口先で言ってる事に行動が伴わない主人公は、本当に不快です。お前はキラか!

それと、中盤のゴタゴタ。結局、「切れて本気を出して大逆転する主人公」と言うフォーマットは、「酷い事になるまで本気を出していなかったゲロ野郎」と言う評価と表裏一体。
これは、前回も書いた、シナリオ進行が特に後半もたついて、イライラが募る構造をしている事で増強されています。

そして後半は、とにかく長い!
どうでもいい些末な展開をダラダラ描写し、折角盛り上がった流れを一々断ち切ってくれます。大結晶の話とか、明らかに不要でしょう。話がまとまったらとっととアクションシーンに入って物語に巻きを入れないと、見ている側がだれてしまいます。

それで居て、失踪した家族との回想シーンの一つもないので、主人公の苦悩が全く伝わってこない片手落ち……

何かもう、色々と未熟すぎるんですよ。キャラも、シナリオも。
中二展開・中二シナリオ自体は嫌いじゃないのですが、基礎的な技術不足が如何ともしがたし。

日常シーンでの幼馴染はちゃんと描けていて、最初期待しただけに残念至極です。

さすがに疲れてしまったので情報を調べたら、この後ルートが二つあるみたいですね。
ですが、今更知りたい真相等も無いので、ここでギブアップさせてもらいたいと思います。ついでに、続編(?)に当たる「alter ego」はこれに輪をかけて評判が悪いようなので、スルー決定。

パソコンゲームは、当たり外れが激しいですよねえ。



他の、その他のヘリオトロープ関係エントリーはこちら




  

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2009年09月22日

納期優先? 「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」第2巻感想

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc2 (ファミ通文庫)
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc2


一巻の感想はこちら


結局BK1では品切れのままだったので、立ち寄った本屋で購入。期待にまかせて読破しました。
だって、帯の段階でリアル幼馴染登場とか書いてあるんですよ!?二次元の幼馴染と三次元の幼馴染!そんな両手に花、ギャルゲーの主人公だってそうはありません。


なのですが、とても残念な感想を最初に。
文章が、荒れてます。恐らく、一発当てて続編を急かされたのでしょう。主語の混乱、描写の重複、文章の切れの悪さ…… 明らかに、推敲と編集が足りていません。
一巻の段階で実力があるのは解っているのですから、ちゃんとクオリティ上げてから出版しましょうよ。そんな事だから、縮小再生産に陥るんですよ。
ここ一番でのセリフが、リズムの微妙なおかしさで破壊力半減とか、勿体なくて涙が出ます。

不足気味なキャラクターの説明(復習)も。せめて、「明石葵」と「伊藤まこと」の二重称号は、繰り返し説明すべきだったかと。

しかし、シナリオ自体は相変わらず良くできています。
前回のゆうき関連のシナリオを拡張する形で、狂った世界・設定同士のコンフリクトを描く手堅い内容。何故手堅いかと言えば、前巻で「主人公」が複数存在し得ることが解った段階で、この展開は避けがたいからです。

それにしても、「現実の」幼馴染は、ヤンデレ風味でちと期待はずれ。狂っているのは、彼女が属する世界ではなく、彼女自身に見えてしまいました。現実という最強の設定を背負っているのですから、理恵と同じような方向性で迫るだけで、十分にドラマになったはず。

一方、赤丸急上昇が、前作で要らない子だった高橋さん。唯一「ギャルゲヱの世界」と無縁なリアル女ですが、それだけに主人公に対する突っ込み役として男を上げています。いや、女の子ですけどね……

また、色々迷走していながらも、最後の展開はとても綺麗にまとまっています。
やっぱり、基本的なシナリオ構築能力は高いんですよ。

ただそれだけに、詰めの作業を削ればもったいなさはうなぎ登りになるわけで。設定やキャラのとっちらかりっぷりも、もう少し整理すれば一気に読みやすくなったと思うのです。


これだと、主人公の恋愛も一段落して世界改変の核心に迫る内容となるであろう三巻は、もっとグダグダになりそうで怖いです。執筆期間も、今作と同じわずか四ヶ月ですし。

いや本当、勿体ないですよね。



この作者の、他の作品に関する感想はこちら




  

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2009年09月22日

ダムの話

基本的に、自分たちの住んできた場所が水底に沈められるとなれば、多くの人間は反発する。
でも、あちこちにダムはできる。
理をもって説くか、札束で頬を張るか、強制収容で暴力を行使するか、方法は色々あるけれど、とにかく「住民の反対」を鎮圧して。
要するに、「住民の反対」と言うのは、その程度の扱いしかされてこなかった物。障害ではあるけど、GO/NOGO判定に関わる物とは見なされてこなかった。これは大前提。いいか悪いかは別として。

で、例のダム計画中止についてだけど、全く同じ事が起きる。
そりゃ、ダムができる事を前提に動いていた諸々が止まるんだから、それをもとに人生設計していた人達はたまったもんじゃない。
でもそれは、ダムが出来る何てことは夢にも思わず、父祖の土地に暮らしていた人間にダム計画が降って湧くのと、変わるものではない。「住民の反対」を金科玉条とするならば、そもそもダム計画など認可すべきではない事になる。

何が言いたいかって言うと、計画中止を理由とする「住民の反対」をあんなに取り上げて、意味はあるのかという話。

計画中止に伴う経済的不合理の話は、いくらでもすればいいと思う。それは検証可能な数字の話で、結果的に「完成させた方がはるかにマシ」と言う事になるなら、それで良いと思う。維持費の問題もあるし、一筋縄ではいかないけど、それこそ政策論争。

でも、「住民感情」を前面に出しての報道ラッシュは、どう考えても意味がない。それは、被害者遺族の事ばかり報道して視聴者を煽りまくる、犯罪報道と変わらない。結局短期的な感情論が盛り上がるだけで、検証にも報道にもならない。勿論、そう言う側面も重要なんだけど、住民というのも利害関係者の一部でしかないわけで……


後、政策転換の妥当性に関する話と、個人補償の話は分けて考えないと。
端的に言って、国には契約を破棄する権利も、政策を転換する自由もある。政権交代のある、民主主義国家だから当然。ただし、その場合、憲法にあるように、被害を受ける人には補償を行う必要がある。これは矛盾無く両立する話。なので、意図的に混同した話をされると、なんだかなあと思う。

特に、「契約相手は自民党ではなく国であって、方針変更は許せない」と言う自治体や土建屋のセリフには、残念ながら冷笑しか浮かばない。
だって、仕事や補助金を取るために日参していたのは、国ではなく「自民党の先生」方の所でしょう?政権交代のリスクを見込めなかったのなら、単に先見の明がなかっただけ。投資とはそう言うもの。「自己責任」と言うのは、その自民党が大好きだった言葉。法律に定められた違約金もらってとっとと引っ込みなさい、としか。


勿論、公共事業削減による契機への悪影響という重大な問題はあるけれど、それはここで論じるべき問題ではない。それこそ、もっと経済効率の良い事業に回せば良いだけ。また、中止になった場合行われる生活再建事業も、立派な公共事業。


9/26追記
工事経費については、こう言うのもあるみたいですね。治水効果について、国交省の資料を上げているのが興味深いです。あと、予算消化率と進捗率を故意に混同している言う指摘は、良くある話だけに、唸ってしまいました。
八ッ場ダムについて流されている情報の誤りについて
保坂元議員のBLOGでも、取り上げられてます。カトゆー家断絶さん経由)



増山たづ子 徳山村写真全記録
増山たづ子 徳山村写真全記録

素人がオートフォーカスの安物カメラで写して回ったとは思えない、凄まじいパワーを秘めた「ダムに沈む村」の記録写真集。この方は、最近亡くなりました。
反対運動が下火になり、ダムに沈むことが決定して段々と人口が減っていく村を淡々と撮影した、ただそれだけの写真集です。「ひぐらしのなくころに 礼」の「賽殺し編」の舞台、と言えば解る人には解ってもらえるでしょうか?歌だとさだまさしの「水底の町」(リンク先はyoutube)、ゲームだと「僕と、僕らの夏」など、このテーマの名作は結構多いです。やはり、大きな力に押しつぶされて故郷を失う体験というのが、強いインパクトを残すからでしょうね。




  
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2009年09月21日

ヘリオトロープ ファーストインプレッション

ヘリオトロープ -それは死に至る神の愛-
ヘリオトロープ -それは死に至る神の愛-


積みゲー消化も進んできましたが、まだPCゲームが続きます。まあ、崩している間に発売されるゲームも増えて、結局山はいつまでも無くならないわけですが。

AZEL(パンツァードラグーンRPG)を起動してもいいのですが、この前バーニングレンジャーの画面ガクガクぶりにガッカリしたばかりなので、躊躇ったまま。

と言うわけでヘリオトロープです。とりあえず一回クリアしたのですが、フラグを立てきれずにバッドエンドに。うーん、常に幼馴染を優先して、一箇所だけ転校生との先約を守っただけだったのですが……
まあ、良いでしょう。後述しますが、ハッピーエンドを見るまでプレイするつもりです。


実は、ノベルではなく「ゲーム」がやりたかったのでAlter Egoをプレイしようと思ったのですが、こっちの方が時代が先らしいので先にプレイ。これもはやりの分割商法ですかねえ。

ちなみに、テキストに誤字が結構あって気になりますが、パッチは無し。(9/5現在)
諦めてそのままプレイしましょう。

さて、起動するとまずはBALDRSKY(関連エントリーはこちら)と似た感じの、ノイズがかったオープニングムービーが流れます。
ですが、これはサイバーパンクではなく、多分現代ファンタジー(?)。具体的に言うと、FEAR社のTRPG辺りで良く見かける嫌な雰囲気が、背筋に冷たいものを這わせます。

まあ、「神の愛」ですしねえ……

ですが、そんな事は勿論事前にリサーチ済。それでもたじろぐ自分を叱咤しつつプレイ開始すると、「深夜にホラーゲームをやってりる主人公の所に、ピッキングで押し入ってくる幼馴染」と言う、ジョーカー満載のギャルゲ展開がスタート。OK BOSS. そう言うノリなら、何のてらいもなく当方に受入の準備有り!

などと思ったのは、勿論だまされただけです。
幼馴染も失踪した父親も、どこかの機関の異能工作員。世界の裏で超能力が文字通り火花を散らし、世界の明日は素敵カラーのブラッドレッド。

しかし、僕も私もとっても大好き中二病(あ、言っちゃった)全開のシリアスシーンばかりかと思うと、さに非ず。オープニングの正当派ギャルゲノリこそブラフですが、お気楽で軟派なネタをきちんと挟み、緩急を取って飽きさせません。この辺のバランス感覚は、ニトロプラスよりも好みですね。

ただし、やっぱりこの手のシナリオの悪癖は健在。
主人公、人殺しをしないと誓って防御だけに剣を振るうのですが、この欺瞞性が酷すぎます。何しろ彼は、二大勢力の殺し合いに参加し、「片方に」飛んでくる弾だけを撃ち落とし続けるんですよ。当然、主人公に保護される側は無傷。主人公に撃ち落とされる側は、攻撃を無力化されて虫けらのごとく殺されていきます。この状況で、自分は人殺しをしていない、と胸を張る主人公は、端的に言って最低の卑怯者でしょう。単に、自分で手を汚していないだけです。ガンダムSEEDかよと言う話です。

とは言え、さっき書いたとおり、シーンの緩急が上手くついているので、悪印象は長持ちしません。弥縫策という話もありますが……


さて、ギャルゲーとしての出来ですが、これは一言で表すことが出来ます。

幼馴染が素敵なギャルゲーに、○○な物など無い!

過去のエピソード、生活習慣、主人公への接し方、全てがマーヴェラス。最高です、三つ葉さん。幼い頃から続く、深夜の廃墟で催すお茶会に主人公として参加できるなら、金も命も人生も、全く惜しくはない所存。

>「あたしだけは、ずっとここにいるから……ね」

もう、このセリフのところで、エンドロールが流れてもいいと思いましたよ!

それだけに、主人公が許し難かったりするわけですが。最重要アーティファクト「二人の思い出の場所」を、ライバルキャラに大公開とか、万死に値でしょう。しかも、それを全然反省していないというか、やらかしたことの重さを理解してないあたりが特に。
あげくに、自分のことを最優先してくれる幼馴染にやっちゃいけないタイミングで逆ギレとか…… そのまま、画面がガンシューティングに移行してくれと思ったほど。勿論、リロード警告が点滅するまで、主人公の脳天に全弾撃ち込む方向で。

結局の所、このへんは主人公の人格の問題で、上記のシナリオ的欠陥と同根ですね。
つまり、問題点はそこに集約されていて、他は問題無くまとまっていると言うことです。

勿論、「こう言うシナリオ」特有の、世界の罪だの神様がどうのだという話は突っ込みどころ満載(ネモが目覚めるなら、「神も見捨てた」一次大戦や、「史上最大の宗教戦争」二次大戦頃の方が遙かに説得力があるでしょう)ですが、それは言わないお約束。ロボット物に突っ込んではいけないのと同じです。「もう少しリアル」を求めるのはオタクのサガではありますが。


文章も、拙い部分はありますが一応及第点。バトル物のお約束をきちんと踏まえています。
シナリオ進行も、伏線が見えすぎている(ドリーの正体は、ブラフだと思ってたのですが……)嫌いはありますが、まあ許容範囲。

ただ、シナリオは少し引っ張りすぎですね。繰り返しに近い無駄な展開や、余計な描写が多すぎます。典型例は、クライマックス近くで暴走した主人公が、脇役にあっさり敗北する所。この辺は、お約束で手早く処理すべきかと。それこそ、「本気を出させてもらおう」→「やったか!?」→「所詮は人間の力か」くらいで良いはずです。

これと直後の展開もあって、主人公の暴走が恐ろしく安っぽくなっています。あんなに簡単に改心されては、正に悪い意味で中二病としか評しようが無くなるでしょう。

結局、この辺の状況がコロコロ変わる描写は、設定が複雑なのではなく単に煩雑で整理できていないのが原因でしょう。
組織間の対立構造とヒロイン二人をまとめる所までは上手くできているのですから、背後の事情ももう少し工夫すれば良かったのだと思います。
レーヴァテインと裁断者の役目かぶりなど、明らかに後者が余計ですし。


ただし、これだけは言っておく必要がありますが、プレイ中退屈で気が逸れたり、マウスを放り投げたくなる事はありませんでした。シナリオの引っ張り方や訴求力は、及第点なのです。

多く出てくる不満も、はまりかけているからこそ出てくる系統。最近やったるいが智を呼ぶ(感想はこちら)やスマガ(同じく感想はこちら)に比べると、はるかに楽しめました。
なんだかんだ言ってこの手の中二ノリが好きだというのもありますが、ちゃんとハッピーエンドを見てから終わりたいと思います。


  

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2009年09月20日

東京マグニチュード8.0 最終話感想


東京マグニチュード8.0 (初回限定生産版) 第1巻 [BD] [Blu-ray]
東京マグニチュード8.0


前回の続き。

最終話に来て、ようやく自宅の崩壊映像。第一話と同じ構図を使い、基本に忠実に演出していますが、手遅れ感多し。日常の崩壊は、最終話でやる話ではないでしょう。むしろ、今までの描写が観光地の崩壊ツアーだったのが問題なわけで。主人公の学校の描写も、第一話で学校の描写が薄く、今回のような構図の一致もなく、半端になっていましたし。

それにしても、画面が暗すぎるような。もっと明るくして、荒廃の細部を描写して欲しい所。

そして、悠貴の幻影は、演出方法として最低最悪。
前回のラストで、主人公の幻覚というのが解っています。ですから、今回のこれは、幻影との会話は主人公が行う自己の内面との対話に他なりません。
ところが、その会話内容は、悠貴が一方的に優しい言葉を話すという物。これじゃ、主人公はただの痛い子です。

再会の演出も、最初に主人公に「悠貴を守れなくてゴメンナサイ」の一言でも言わせておけば良いのに。
両親が、主人公だけでも生きていてくれてありがたい、と思っているのは解ります。ですが、弟を任せた長女が自分だけ生きて戻ってしまったわけで、葛藤がないのは嘘でしょう。何より、あの描写では、愛情を画面上で示してもらえない悠貴が不憫です。主人公の無事を喜ぶ描写は有り余っているのに、悠貴の死を悼む描写は、主人公以外にありません。

結局、主人公が自己内対話で自分を許してしまい、(悠貴の幻覚が口にする感謝とは、そう言う事です)周囲の誰も彼女を責めないと言うのは、余りにぬるい。
勿論、主人公を責めるのは、「現実的には」理不尽でしょう。ですが、物語としてみた場合、主人公の立場は、「一番守らねばならなかった弟を、守れなかった姉」です。ミッション・インコンプリートで最終回を迎えてしまったのです。
それを、「主人公が生きていただけでも幸運」と言う描写で固められては、10話も重ねてきたサバイバルは何だったのかという話になります。

物語で提示された初期の課題は、「二人が家まで生きて帰ること」。それが果たせなかった以上、相応のリアクションがなければ、話にならないじゃないですか。しかも、サバイバルの過程で、役に立ったのは主人公ではなく、圧倒的に弟です。だから、主人公の負債を清算するイベントと言う意味でも、納得の行くものを用意する必要があったはずです。

そして、弟からのメールをクライマックスにするのなら、悠貴の幻影は、この話で、少なくともあんな形で喋ってはいけなかったはずです。そうしなければ、生身の悠貴が残した言葉は余りに軽くなってしまいます。


何というか、この作品、見事なまでに失敗していますよね。
震災という大きなテーマを扱いきれずに持て余し、一番重要なキャラクターを殺してお涙ちょうだいで、強引に山場を作ったようにしか思えません。だって、結局悠貴の死は原因不明で、震災なんか関係ないですから。せめて、震災で医療が十分に受けられず…… と言うような程度の関連性すら持たせないスタッフは、アホなんじゃないでしょうか?

最後の学校の風景も、花瓶の置かれた机の多さを、もっと強調して欲しい所。

そして、正に最低としか言いようのない、「弟が死んで主人公は成長しましたよ」としか言いようのない、安易なラストシーン。もう、あまりのがっかり度合いに、溜息しか出ませんでした。

大体、あれは成長できていません。
どう言うことか?

決意するだけなら猿でもできます。問題は、それを実行に移せるかどうか。そして、物語の構成として、主人公は、悠貴の愛や自分の至らなさに気付き、関係を変えようとした所で、悠貴を失っているのです。

つまり、弟との関係を変えるという、成長のための目標は、達成できないまま不戦敗に終わっているんです。だから、あれを成長というのは、欺瞞でしかありません。家族のありがたみを知る?無くしたら、ありがたみが解るのは当たり前です。その前に知って守れてはじめて成長でしょう?あれじゃ、単なる焦土の正論じゃないですか。

作画を見る限り、お金もそれなりにかけてもらっています。個々の描写では良い物が多数ありましたし、「ちょっとだけ未来」の演出として、救助ロボも上手かったと思います。(ロボ好き少年は全くの無意味だったけど!)
それなのに、この始末。大体、たった11話で物語的に破綻させられるって、ある意味凄いですよ。本当もう、なんでこんな事に……


  

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2009年09月20日

オーストラリアは凄いなあ

「Left 4 Dead 2」、オーストラリアで「審査拒否」の判定に

>ゲームに対しては現状で最高レベルのMA 15+の基準に合致しなかったため、「審査拒否(refused classification:RC)」の格付が下されたという(同機関の最高レベルであるR18+の対象となるのは映画のみ)。つまり、Left 4 Dead 2は今や、オーストラリアでの合法的な販売、レンタル、プロモーションが不可能であることを意味する。


政府が一律に出版物を事前に調査し、基準に合致しなかったものの頒布を禁止することを、検閲と言います。日本の場合ですと、「事後ならOK」「単に一部店舗(コンビニとか)で売るのを禁止するだけならOK」と言う理屈で、これの弱い版がまかり通ってますが、当然異論は多数。

ところが、オーストラリアの場合、事前検閲で完璧につぶせるんですねえ。いや、さすが英連邦の一角。自由主義なんてクソ喰らえと言いたげな、揺らぎのないファッショっぷりがたまりません。

とりあえず、こう言うのは他山の石として、嘲笑いつつ火の粉が此岸まで飛んでこないように警戒すべきかと。

笑い事じゃないんですよ。
こんな事があり得る国で、エッジな表現のゲームが作れるわけがありません。同時に、まともなゲームスタジオは、オーストラリアのユーザーをメインターゲットとするゲームを作ろうとは思いません。リスクが高すぎますから。

結局、文化的・産業的には自殺政策に他ならないと、理解するのは容易でしょう。

ただ、OGバーカと笑って終わらせるのも、勿体ないかなと思います。
むしろ、政府としては、こう言うアホな政策に対してこそ、圧力をかけるのが正しいかと。中国よりは、聞く耳を持つでしょうしね(苦笑)

理由ですか?今回はL4Dですが、例えばデッドライジングなんかも、同じ目に遭うことは、容易に想像が付くわけです。それが「非関税障壁」でなくて、一体なんでしょう?ゲームやアニメは日本の誇り・海外に誇れる文化だというのなら、(言ってましたよね、自民も民主も)その受け入れを阻止し、況んや文化爆弾呼ばわりするような連中に、圧力をかけなくてどうするんです?
それこそが、政府が行う真っ当な外交活動と言うものでしょう。

まあ、クジラとかゲームとか、そんな(国家間の問題としては)正直どうでもいい話で対立が起きるなんてのも、馬鹿馬鹿しい話ではあるわけですが……



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2009年09月20日

幼馴染、だと……?

例の、ときメモ4の話です。

なんと、今回の「良雄」キャラは、この子らしいのです。

落とせますよね?
落とせるんですよね?
落とせないなんて事、あるわけないですよね!?

幼馴染がナビキャラ扱いで落とせないとか、続 初恋物語 修学旅行(※)の拷問成長ツアーじゃあるまいし、まさかないですよね!?

ただ、KONAMIは、ときめきメモリアル Girl's Sideで、一番の萌えキャラである弟(良雄と同じナビキャラ)を落とせるようにしなかったという前科があるので、安心は禁物……

とにかく、落とせなかったらボロカスにけなす事にするとして、絶対買おうという誓いを新たにしましたよ。
ときメモで幼馴染キャラがいるとあっちゃあ、買わない理由は無いですからね!


※「続・初恋物語 修学旅行」
幼馴染のナビキャラを使い倒し、小学校~大学までの各時代で「初恋」を成就させるために頑張る、真面目なギャルゲー。ただし、システムの無茶さ加減(修学旅行中と言う短期間で、ときメモ並のデータドーピングを要求される)で超クソゲーシリーズにも取り上げられた。
ただし、実はそれすらもカモフラージュ。真骨頂は、幼馴染のナビキャラの異常なまでの健気さと一途さ。そして、パーフェクトクリア後に明かされる衝撃の真実により、全国精々一万二千人ぐらい幼馴染好きゲロ野郎どもに絶賛されたメイ作。その内、きちんとレビューを書こうと思います。

「続・初恋物語~修学旅行」ソング・コレクション
「続・初恋物語~修学旅行」ソング・コレクション

AMAZONに作品自体のパッケ絵が無いので、サントラのリンクを貼っておきます。
実は、全キャラにテーマソングがあったり、力は入ってるんですよ。原画 も、凄く綺麗ですし。


  

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2009年09月19日

これ自体は大賛成なのですが…… 教員免許更新制廃止へ



川端文科相:教員免許更新、廃止も含め見直し作業へ(毎日新聞)

何かを良くしようとする時、究極的には方法は二つしかありません。
つまり、金をかけるか、手間をかけるかです。
そして、我が国は資本主義国ですので、これは同一と言って良いでしょう。ボランティアなら金がかからない?それは介護に見るとおり地獄への舗装道路ですので、やるなら共産主義国でやって下さい。金をかけずに人を使うことに慣れた現場は、間違いなく荒廃します。

と言うわけで、ここ十数年でボロボロにされた教育現場の再生に当たって、これは非常に良いことです。
無駄な作業を減らすというのは、他に使える労力を増やすのと同じ事ですから。
更新のための講習やテストは、金と手間を食います。本来「教育」にかけるものを食い潰して……

無駄な事務作業、無駄な手続き、無駄な書類仕事…… 社会の問題を全て押しつけられた教育現場は、既にパンクしています。全国学力テストがサンプルではなくセンサス(全数)調査だったこと等も、大きな負担ですね。

ですから、民主党政権になってこれらが変わっていくことは、願ったり適ったりなわけです。
勿論、更新制はそのままでも、教師の数を増やせば何の問題もありません。むしろ、それが王道でしょう。しかし、そんな予算が湧いて出るなら、最初からこんな問題は出てこないわけで。


ところが、非常に不吉なことがセットになっておりまして。

> 民主党は代替制度として教員養成課程の6年制化や、免許保持者にさらに2年程度、大学院で学ばさせる仕組みなどを提案している。

ハッハッハ。ありえねえ!
6年制と言うのは、医師や弁護士(ロースクール含めると6年)、薬剤師と同等の資格と言うことです。教員というのは、それらと同じだけの負担をかぶせられてまで、目指したい物でしょうか?
むしろ、その激務というかブラックぶりから、教員養成系は志望者減一直線です。

職員の質を向上させたいのなら、待遇を上げる。こんな当たり前のことが、ないがしろにされすぎていますよね。
こう言うことを書くと、教師の待遇は高すぎる、などと言う妄言が飛んでくるのですが、これこそ戯言なのです。日本の教育費は先進国中最低ランクで、にもかかわらず基礎学力はトップクラス。つまり、世界的に見て質の良い教員・質の良い教育システムだった、と言えるのです。

そして、6年制と言うことは、就職では不利になります。新卒至上主義社会では、二年間のロスは致命的です。教員に必ず採用されるわけでない以上、余りにリスキーです。ただでさえ、滅茶苦茶な政策で司法試験がタチの悪いギャンブルと化しているのに、これ以上同様の犠牲者を増やしてどうするんでしょう?
まともな損得勘定の働く人間なら、6年制の教員養成課程など進もうとしないでしょう。学費だってかかりますしね。

結局の所、教育にせよ医療にせよ、金を突っ込まなければ良くなりようがありません。それを忘れて、現場の負担を増やしてきたのが今までの「失政」の淵源なわけで、政権交代が為った以上、根本的に方針を変えるしかないでしょう。

財源?格差が大きくなってるんですから、逆進性の少ない所得税や法人税増でやるしかないでしょう。それで政府支出が増えれば、最終的にはプラスになるわけですし。



  
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2009年09月18日

これって自滅じゃないの?「疑似児童ポルノ」摘発


「児童に見える成人女性」のポルノ映像に絡んで、逮捕者が出ました。
例によって、マスコミがセンセーショナルな表題を付けてますね。

「疑似児童ポルノ」初摘発=ヌード写真家ら逮捕-わいせつDVD頒布容疑・警視庁(時事通信)

「疑似児童ポルノ」を全国初摘発 頒布容疑で写真家らを逮捕(産経新聞)

疑似児童ポルノ:全国で初の摘発 容疑の写真家逮捕(毎日新聞)


ですが、概要は以下の通り。上記、毎日新聞からの引用です。

>少女に見える成人女性のわいせつな「疑似児童ポルノ」を頒布したとして、警視庁保安課と四谷署は17日、東京都渋谷区幡ケ谷3、写真家、力武靖容疑者(48)ら2人をわいせつ図画頒布容疑で逮捕したと発表した。(強調筆者)


はい、一目瞭然ですが、「児童ポルノ」は、何の関係もありません。


単に、陰部が映っていた図像が「わいせつ物」に該当し、逮捕された。それだけです。
ついでに、容疑者は否認しています。

>「映っているのは陰部ではない」と容疑を否認しているという。

一見して陰部と区別が付かなければ、陰部じゃなくて逮捕できる、と言う実績作りを狙ったのかな?と思いますね。実際、精巧に作られた性器の模型は今でも「わいせつ物」扱いで規制対象なので、容疑者の言葉が本当でも、有罪になる可能性があります。

しかし、児童ポルノ法は(少なくとも現行では)被害者保護を目的とする法律です。だから、「未成年に見える30歳の女性」には何の関係ありません。


閑話休題……
本題ですが、この記事表題の付け方などは、特に怒る必要はないんじゃないかと思います。
何故なら、彼らの意図は置いておいて、(センセーショナルな見出しの方が受ける、と言う以上のものではないと思いますが)これは警視庁の失策じゃないかと思うわけです。

何故か?

彼らはかねがね、「児童に見える」「悪質な」ポルノを規制すべきだ、と主張してきました。
そして、そのためには、児童ポルノ法の改正が必要だ、と叫んできたわけです。

一方、反対派は、「それは猥褻規制でやるべき事」「『被害者』がいないのだから、児童ポルノ法の範疇ではない」と主張してきたわけです。

そして今回、警視庁は、陰部(に見える何か・笑)の映っている「疑似児童ポルノ」を、現行法で取り締まれることを、自ら証明したわけです。

こう言うことをやった段階で、彼らは負けです。
何故なら、今回の事件で……

被告有罪 → きちんと取り締まれるじゃないですか。
被告無罪 → 「悪質」でないと、裁判所が言ってるわけですよね?(「猥褻物頒布」を理由に争うわけですから、無罪判決が出るとはそう言う事です)

と言う事になるからです。

ですから、これはむしろチャンスだと思うわけです。
確かに表題はセンセーショナルですが、この新政権発足の話題が多い時期。どうせ、すぐに忘れられます。また、国民の印象に残った場合でも、「悪い奴が居るけどちゃんと取り締まられた」と言う事にしかなりません。
むしろ、警視庁が話題を作ろうとして自滅した観が強いので、生暖かく見守っていればいいと思います。

警察官僚も、今は、捜査可視化法案と言う核爆弾の迎撃以外に手を回す余裕はありません。
繰り返しますが、この検挙によって、慎重論は大きな論拠を得たことになるのですから。


以下、傍論と言うか懸念。


まあ、大技として、「現行法では取り締まることが難しいから起訴猶予」と言う手を使う可能性は、ありますが。私が規制派なら、この手を取ります。ついでに、マスコミに当該映像を流させれば完璧です。「現行法では問題無い」と警察がお墨付きを与えた映像ですから、ゴールデンタイムでも流せますよ。当然、視聴者はその「悪質さ」に喫驚し、雪崩現象が起きるという寸法です。

まあ、まさか、首都の治安を担う組織が、そんなナチスまがいの宣伝工作をしたりはしないだろうと思いますけどね。さすがに、幾ら何でもそこまで腐ってないでしょ?
上で書いたとおり、そんな暇もないでしょうしね。


もう一つ、自民党が、今回の選挙におけるネガティブキャンペーンのように、イデオロギーしか売りのない政党に成り下がった場合、この辺を蒸し返してくる可能性はあります。
そうなると、本当に面倒になりますけどね。公明党が二つに増えるようなもんですから。
石破議員辺りの、残った数少ないまともな人材が党をまとめて、堅実な保守政策に回帰してくれればいいのですが……

民主党が失敗した時、政権を持っていく先が、弱小政党かイデオロギー政党かその両方兼任かしか残っていないとか、そう言う洒落にならない事態だけは避けてもらいたいもんです。それこそ、SPD衰退後のワイマール共和国みたいになっちゃいますからね。


自由からの逃走 新版
自由からの逃走 新版

「自由」な状態は、不安で不確かで不安定です。誰かが決めた良識や常識や倫理に従う事を強制された方が、悩む必要が無く余程楽かもしれません。ですが、そう言う社会になった時、次に「公共の敵」にされるのはあなたかも知れません。そしてその時、それに逆らう「自由」は失われています。

この本は古典ですが、ナチスに関する分析の中では、救いの無さでは相当なもの。何度も紹介している、ドーキンスの神は妄想であると一緒に読むと(特に、宗教の帰依の進化論的考察部分)、著者達のメッセージと裏腹に、真っ黒な気分になれるかも。



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2009年09月18日

ときめきメモリアル4 公式サイトオープン

http://www.konami.jp/tokimeki4/

2001年、ときメモ3の大失敗。
2007年、ときメモオンラインのもっと酷い失敗。(閉鎖)

それらを乗越えて、続編が作られたと言うことを、まずは喜びたいと思います。

しかし、一つ疑問があるわけで。つまり、

・何故PSP?

と言う事です。
「ラブプラス」なら解ります。ですが、ときメモは、一人の空間を確保し、据え置き機でプレイするのが向いているシリーズです。GBやPSP、i-modeのリメイクは、正直相当アレな感じでした。逆に、携帯性を重視する作りだとすれば、ときメモシリーズの意味があるのでしょうか?

と言うか、こんなシリーズの続編を喜んで買う人間は、次世代ハードなど当たり前に持っている、ゲームマニアのクソ野郎どもです。今更一般層の取り込みなどと血迷った事を考えるのでない限り、大容量で攻め立ててこそだと思うのですが。

単に安く上がるからと言う理由で携帯機を選んだなら、思い切りしっぺ返しを食うのでは?
そう言う手抜きがどう言う反応を呼び起こすかは、ときメモオンラインで懲りて然るべきだと思うのですが。



後は、ときメモオンラインであれだけ「ときメモらしさ」と可愛らしさを両立したグラフィックを作っていたのに、何故こう言うデザインになったかも疑問ですよね。「問題はグラフィックじゃない」と言うのは、クソゲーハンターが言っていたように、ヒットしたゲームだけに許される結果論でしかないわけで。


最後に、これは好みの問題かもしれませんが……
舞台が「きらめき高校」って、辛くないですか?
つまり、15年以上前に何度も「卒業」した学校なわけですよ。まるで、OBなのに教室で一緒に授業を受けさせられるような、居心地の悪さを感じませんか?
同じ学校と言うことで旧作のキャラでも出てきた日には発狂しそうになりますよ。

「すいません、僕はあの頃から一歩も前に進めてません!」

みたいな、そう言うどす黒い感情がわき上がってくる様が、今から目に浮かぶのですが……


とりあえず、購入は鉄板で決定済ですが、色々と期待しきれない所があります。
KONAMIには、今まで散々煮え湯を飲まされてますしね…… まるで、ときメモ一作目で楽しませてもらったという借金を、分割払いで返済しているかのように。



ときめきメモリアル
ときめきメモリアル(PSP)

↑何やらプレミア気味になっているときメモ一作目のベタ移植。でも、普通にPS版を買って、PS2で動かした方が、普通に楽しめますよ。だって、電車の中とかでやらないでしょう?


  

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2009年09月17日

スマガ ファーストインプレッション

スマガ 通常版
スマガ 通常版


るいは智を呼ぶの選択肢の無さを罵った後で、Nitro+のゲームでもないと思うんですが、積みゲー処理月間につき。

内容は、「人生やり直しアドヴェンチャー」。妙にポップなセンスで統一された公式ページにひかれて…… 結局放置していた一本です。


開始直後の内容は、

真っ黒画面にCQコールで謎の女の子(?)と会話

不思議な世界で記憶喪失の状態で空中を落下

地面に激突して死亡

不思議空間で「パジャマでお邪魔」を聞きながら幼女な神様とご対面

と、不条理全開。
なお、幼女神様に萌えはありません。

そして、何やら怪獣に襲われる閉じた世界で、世界の守り手である魔女と学園生活する、ニトロらしいシナリオに突入。絵が好みでないのが難点ですが、相変わらずキャラも立っていて楽しめそうです。

能力を制限された神様、「前世の記憶がある者は叩き出す」と言う世界のルール。世界の中心にある「カールツァイス」は、名前そのまんまの鉄アレイ型プラネタリウム投影機。
実に、裏にある事実を期待させるラインナップでワクワクさせられます。

ただ、不満もありまして、物語構造が完全にメタフィクションなのに、選択肢に意味がありません。
何度も生き返る主人公、さらには主人公を失っても「次の主人公」が落ちてくる構造など、果てしなく典型的。にもかかわらず、肝心の「画面のこちら側」は、ひたすら読み進めるだけで、世界への干渉方法を与えられていません。選択肢は、現段階では意味を持たないように作られてますから。
よって、ここが一番の不満点。あ、絵が好みじゃないのが二番目ですが、それは言っても詮無いことなので。


とりあえず、一周終わった段階では、センスは見事ですが好みと少し違うかなあ、と言う印象。基本的な作りや完成度はいつものニトロなので、それを踏まえて手を出せば、外れを引くことは無いと思います。

ま、ボチボチ進めてみるつもりです。


  

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2009年09月16日

イクオリティ・ナウの弊害 選択議定書批准をめぐって

今日の東京新聞に載っていた記事です。(WEBには未掲載)
全国260の女性団体が、民主党に女性差別撤廃条約の選択議定書批准を要望する陳情を行いました。OECD加盟国で批准していないのが米国と日本だけであること、前回の勧告で、差別的法体系や賃金格差について厳しい批判を受けたことが、合わせて指摘されています。


私は、非効率な社会システムを憎みます。ですから、不合理で不平等な差別は許せません。不平等を解消させるための逆差別も、やりすぎない限り、マクロな視点で見れば効率を上昇させると理解しています。

そして、この国の政治システムが、民法の差別規定をはじめとする不平等を是正できていない以上、国際機関に直接訴える選択議定書のシステムは有効(と言うか、使わざるを得ない)だと思っています。

しかし、そのように思っているにも関わらず、私は彼女たちの血を吐くような訴えに賛成できないんです。
なぜなら、担当委員会には、イクオリティ・ナウがぶちまけた電波をそのまま勧告に入れてしまうような委員がおり、しかもそれを質せる体制がとられていないと言うことが、前回の勧告で明らかになってしまっているのですから。

この勧告に関する、当BLOGの記事はここ

ですからこの点では、私は電波新聞である世界日報(彼らの選択議定書への意見はここ)や、最低の差別主義者である赤池まさあきと、同じ側に立つ羽目になってしまうわけです!

と言うか、こうしてみると、イクオリティ・ナウや協力した委員は、本当は差別解消を妨害したいんじゃないかと思えて来ます。
普通に、言い逃れのできない差別規定や厳然として存在する労働格差に的を絞っておけば何の問題もないのに、表現の自由などと言うクリティカルな部分に攻撃を加えたら、賛成派を切り崩すことになるのは明白でしょうに。

これは、勧告の中身を見れば、一目で違和感がわくと思います。

例えば、良く批判される慰安婦問題への勧告は、もともとこの活動を支持している左派には受けいれられている問題なので、味方を減らすことはありません。
外せば敵を減らせると思いますが、勧告の一貫性(以前から繰り返し解決勧告を出しているので、今更引っ込められない)や国際問題化している(イギリスの一議員のイチャモンと違い、米議会で取り上げられ、しかも日本のアホな議員達が意見広告で油を注いだ)と言う前提があるので、難しいでしょう。

他の勧告については、真っ当な内容が並び、また支持層と親和性の高い内容となっています。
もっとぶっちゃけた言い方をすれば、左派に喜ばれる内容です。

ところがここに、表現の自由という触れちゃいけない左派の絶対防衛戦に、直接砲撃をぶち込むような内容が紛れ込んでいるわけです。
最初から敵に回ることが確定の右派だけでなく、左派からも反対意見が飛んでくる羽目になるのは、火を見るより明らかでしょう。(そもそも彼らは宗教を基盤とする極右に近い存在です。極左とも親和性があるので、右とか左とか言うのは不毛ですが)これでは、勧告で取り上げられた他の現実的な問題を、解決させたくないとしか思えません。

結局、言いたいことは今までの繰り返しになってしまいます。
日本の抱える問題も理解しないまま、自分の価値観を押しつけるためだけに、十字軍を仕掛けるのはやめて下さい。
女性差別の改善というこれ以上無いほど現実的場面で、あなた方のような狂信者の出番はありません。


何かこの辺は、現実的な問題への対処から出発したのに、左翼セクトが入り込んで滅茶苦茶になってしまった、大学紛争の歴史を思い出させますね。




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