2010年03月19日
継続審議決定と、委員会での質疑応答
自公が継続審議に同意し、結論の先送りは決定しました。(リンク先は東京新聞の記事)しかしこれは裏を返せば、自公・都側も継続審議中に多数派工作や理論武装を進める用意ができたと言う事です。結局、前回書いたとおり、ここからが本番です。
そして、その総務委員会の質疑も、東京新聞が報道しています。
内容は、まあ予想どおりひどい事になっています。
見て行ってみましょう。
>都青少年・治安対策本部は、「幼く見える」といった主観的理由ではなく、年齢や服装などキャラクターの設定を基に「客観的に十八歳未満と判断できる場合だけ当てはまる」と説明。行政の拡大解釈による規制を懸念する声に対しても、「表現の自由を尊重するため、対象になる描写を厳格、限定的に定めており、恣意(しい)的な規制ではない」と強調した。
都が一元的に判断しておいて、「客観的」とは笑わせます。あの条文のどこが、「厳格」で「限定的」なのやら。典型的な下らない言い逃れです。
これがどのくらい「厳格」で「限定的」かと言えば……
>また、十五日に規制案反対の記者会見をした漫画家たちの懸念にも言及。永井豪さんの「ハレンチ学園」や、少年愛をテーマにした竹宮恵子さんの「風と木の詩」について、都側は「不健全図書の指定基準に照らして、規制の対象には該当しない」と答弁した。
ハレンチ学園が規制対象にならないとすれば、はっきり言ってザルです。あの破廉恥で下品でお下劣な(全て褒め言葉です。念のため)作品が「基準に照らして、規制の対象にならない」と言うのは、規制側が本来許容できる事では無いはずです。単に、「有名作家だから触らないでおきます」と言っているだけ。
大体、「基準に照らして」何故当てはまらないかをきちんと述べていない段階で、恣意的な運用を自白しているような物です。
そして、最後の内閣府の調査云々が、恐らく一番の問題です。
>内閣府の二〇〇七年の世論調査では、実在しない子どもへの性行為を描いた漫画について、規制を支持する回答は86%に上った。都はこれらの結果から「都民の合意を得られる」との認識を示した。
これは、前にも何度か取り上げましたが、典型的な誘導尋問によるでっち上げの世論調査です。
調査内容はこちら。
この調査の問題点をまとめると、以下のようになります。
1,方法が、個別面接聴取
無記名ですらなく、目の前に調査員が居て質問を行います。この状況で、「ポルノの規制は特に必要ない」と言った、世間的に歓迎されない回答は行いにくくなります。そもそも、面接方式は多数意見や聴取者の価値観に回答者が合わせてしまうことが多いため、こう言う調査では普通用いられません。
2,設問が誘導尋問
個別面接なので、設問は中立的である事を一層要求されるはずが(上記の通り、回答者が質問者の「期待」に反応してしまうため)むしろ逆になっています。
長いですが、質問内容を以下に引用します。
>(資料5を提示して、対象者によく読んでもらってから質問する。)
>【資料5】
>近年、子どもたちに悪影響を与える恐れのある以下に示すような情報(「有害情報」と言います。)が
>多くなっています。
>① わいせつ画像などの性的な情報
>② 暴力的な描写や残虐な情報
>③ 自殺や犯罪を誘発する情報
>④ 薬物や危険物の使用を誘発する情報 など
>雑誌、DVD、ビデオ、ゲームソフトなどの有害情報に対しては、現在、ほとんどの都道府県で条例
>により、有害図書類等の指定や青少年への販売禁止などの制限がありますが、罰則が弱い、各都道府県
>により規制がばらばらであるなどの指摘があります。また、インターネットの世界でも通信事業者やネ
>ットカフェ業者による自主規制などが行われていますが、業界団体に属していない業者は規制の対象外
>となっています。子どもがインターネット上の有害情報に携帯電話等でアクセスして被害にあうケース
>も増えています。
>一方、表現の自由等に配慮して、どのような情報であっても規制すべきでないという意見もあります。
>政府では、こうした状況を踏まえ、様々な取組を行ってきたとともに、平成19 年7月に「有害情報
>から子どもを守るための検討会」を立ち上げ、
>1 国の姿勢を示す
>2 社会全体として取り組む
>3 有害情報を適切に把握する
>4 有害情報の特性等に応じた対応策を講ずる
>5 表現の自由等に配慮する
>の5原則を掲げて検討を進めているところです。
まず初っ端で「近年、子どもたちに悪影響を与える恐れのある以下に示すような情報(「有害情報」と言います。)が多くなっています。」などと、何の根拠もない前置きを出します。
そして、「一方、表現の自由等に配慮して、どのような情報であっても規制すべきでないという意見もあります。」と言うアリバイ作りのような一文を除き、「規制が不十分である」と言う説明が続きます。
つまり、長々としたたわごとを一言にまとめると、このアンケートはこう言うことを言っているのです。
「有害情報を規制する必要があります。規制は不十分です。規制は強化すべきですか?」
これが、誘導尋問でなくてなんでしょう?社会学の研究でこんな調査票を提出したら、教授の雷が落ちるか学会で袋だたきにされるか、朝一番の発表に回されて聴衆が≒0になるかです。
3,質問項目の対称性すら維持していない
一般的に、人は中心か、「中心からややずれた」回答を選びたがります。
例えば「とても良い・良い・普通・悪い・とても悪い」と言う回答があった場合、回答は中心3つに集中します。
これが例えば「極めて良い・とても良い・それなりに良い・少しは良い・悪い」などと言う選択肢を用意すると、「悪い」を選ぶ人は少ないでしょう。そうすると例えば「調査の結果、大部分が良いを選んだ」(「悪い」以外を選んだ)と主張できるわけです。詐欺ですね。
そしてこの調査は、全く同じ真似をしています。
>〔回答票19〕インターネット上の有害情報が子どもの目に触れないように、国として規制を行う
>ことについてどう思いますか。この中から1つだけお答えください。
>(68.7)(ア)規制すべきである
>(22.2)(イ)どちらかといえば規制すべきである
>( 3.1)(ウ)どちらかといえば規制すべきでない
>( 1.4)(エ)規制すべきでない
>( 4.6) わからない
笑っちゃいますね!なお、括弧内はパーセンテージ。そもそも「規制すべきである」と言う内容が質問票に含まれているわけで、実に徹底しているのです。
なお、他の設問に先立って読んで貰う資料も酷いもの。
>【資料6】
>現行の法令(いわゆる児童ポルノ禁止法)では、児童ポルノの所持について、他人へ提供することを
>目的として持つこと等は規制されていますが、個人が自らの趣味として単に持っているだけでは処罰さ
>れません。
>これに関して、個人が持つだけであれば他に害を及ぼさないため現行のままで問題はないとの意見が
>あります。一方、被写体となる児童の権利を守る観点から、単に持っているだけでも処罰の対象とすべ
>きとの意見があります。
>【資料7】
>現行の法令では、実在しない子どもに対する性行為等を描いた漫画(コミック)や絵(イラスト)な
>どは、規制の対象となっていません。
>これに関して、実在しない子どもを描くのであれば、他に害を及ぼさないため、現行のままで問題な
>いとの意見があります。一方、これらコミック等が児童を性の対象とする風潮や児童に対する性的犯罪
>を助長するとの意見もあり、実在する子どもの写真やDVDなどと同様に規制の対象とすべきとの意見
>があります。
笑ってしまうほど、全部が誘導設問で固められています。
とまあ、このようなでっち上げと言って良い調査結果を基に、何を言うのかという話でしかありません。
最後に、東京新聞の本紙には、もう少し細かい質疑が掲載されているのですが、その非常に重大な部分を引用します。
26面 「総務委員会での主なやりとり」より
なお、最初の質問内容は、質問者の言い間違いか記者の聞き取りミスでしょう。正確には、「規制をしなければ、(中略)判断能力を阻害する」でなければ文意がおかしくなります。
―非実在青少年への規制が、性に対する判断能力を阻害するという科学的根拠はあるのか。
都 それは見いだせていない。だが、世論調査結果や業界の自主規制と言った社会的な要請も踏まえて、改正案を提案した。学問的な知見を待つまでもなく、都民の合意は得られると考えている。
何を言っているか解りますでしょうか?
都は、科学的根拠など無い。そんな物は必要ない。と、議員に対して言い放っているのです。そして、そんなものは無くても大衆は賛成してくれる、とまで。
語るに落ちたとは正にこのことで、連中は自分たちの偏見を条例という形で正当化しようとしているだけです。法規制はとても強い制限なので、その導入には厳密な根拠を要する。そんな常識以前の事が理解できない人間が、東京都で行政権を振り回し、立法に携わっているのです。
ルイセンコ学派(ソ連で支配的だった生物学の学派。マルクス主義に取って都合が良い理論だったため、事実を無視して正統派に祭り上げられた。ロシアがバイテクで大きく後れを取った元凶)じゃ無いんですから、少しは民主国家の公務員らしく振る舞ってもらえませんかね?
ここまで馬鹿にされて切れない議員も議員ですが、毒気を抜かれたのかもしれません。
まあ、審議会の段階ではもっと酷い暴論・暴言・妄想憂国譚がまかり通っていたので、今更という感じもしますが。
さて、これからのことですが、このように都側の論理や前提が滅茶苦茶なの事が、露骨に表に出てきたわけです。
我々はこれを前提に、「あんなひどい内容で賛成したりしないですよね?」「彼らが根拠とする世論調査は、こんなに酷い内容なのですが、ご存じでしたか?」「都庁自体が根拠などないと言い切っている以上、廃案しかありえませんよね?」と、手紙やメールで訴えて行くのが有効でしょう。
勿論、前回書いたとおり、そう言う反対論を張ってくれた議員さんには感謝を。賛成に回った連中には、やんわりとした抗議を。
それにしてもまあ、「根拠など無い(キリッ)」と言って通せると思っているらしい都庁の体質そのものが、私は怖くてたまりません。だって、行政機関、つまり権力が、科学的根拠など必要とすら考えず、活動していると言う事なのですから。
P.S.
これに平行して東京都青少年健全育成条例改正案についてと言う文書が出ています。
俺の邪悪なメモさんが書いているとおり、切り崩しを狙った内容でしょう。しかし、一度成立した条例は、「事前の説明」など何の意味もなく運用されます。だって、条例にそう書いてあるんですから。判例的にも、事前の答弁は参考資料程度です。
例えば「ああは言ってましたが、やっぱり都民からの要請も多いし、酷い内容が多いし、目的を達成できないから、バンバン指定していきます」と言えば、それで終わりです。大体、本当にあの文書のとおりの運用であれば、今回の改正など必要ありません。
何も変わらないのに改正を試みるような無駄なことをやるはずはない、と言う事は肝に銘じましょう。
他にも、都合の良い時だけ「みだりに」は「学術的」定義だから、と言って逃げてみたり、出版社が東京に集中することから来る懸念に効力は都内だけ、と確信犯的受け答えをしてみたり、不誠実そのものです。この場を取り繕ってなんとしても通してしまおうという、気持ちの悪い妄念は伝わってきますが。
こんな苦し紛れの言い逃れを許す意味はまるでないので、鼻で笑うしかありません。ただ、こう言う文書が出ていることを前提に、議員さんに手紙を書く時には、「都は文書でああ言っているが、そうなるという保証は条文上まるでない」「影響力を理解しているにもかかわらず、故意に過小評価している不誠実は注目に値する」と言った内容を付け加える必要が、出てくるでしょうが。
その他の表現規制関連エントリーはこちら。
そして、その総務委員会の質疑も、東京新聞が報道しています。
内容は、まあ予想どおりひどい事になっています。
見て行ってみましょう。
>都青少年・治安対策本部は、「幼く見える」といった主観的理由ではなく、年齢や服装などキャラクターの設定を基に「客観的に十八歳未満と判断できる場合だけ当てはまる」と説明。行政の拡大解釈による規制を懸念する声に対しても、「表現の自由を尊重するため、対象になる描写を厳格、限定的に定めており、恣意(しい)的な規制ではない」と強調した。
都が一元的に判断しておいて、「客観的」とは笑わせます。あの条文のどこが、「厳格」で「限定的」なのやら。典型的な下らない言い逃れです。
これがどのくらい「厳格」で「限定的」かと言えば……
>また、十五日に規制案反対の記者会見をした漫画家たちの懸念にも言及。永井豪さんの「ハレンチ学園」や、少年愛をテーマにした竹宮恵子さんの「風と木の詩」について、都側は「不健全図書の指定基準に照らして、規制の対象には該当しない」と答弁した。
ハレンチ学園が規制対象にならないとすれば、はっきり言ってザルです。あの破廉恥で下品でお下劣な(全て褒め言葉です。念のため)作品が「基準に照らして、規制の対象にならない」と言うのは、規制側が本来許容できる事では無いはずです。単に、「有名作家だから触らないでおきます」と言っているだけ。
大体、「基準に照らして」何故当てはまらないかをきちんと述べていない段階で、恣意的な運用を自白しているような物です。
そして、最後の内閣府の調査云々が、恐らく一番の問題です。
>内閣府の二〇〇七年の世論調査では、実在しない子どもへの性行為を描いた漫画について、規制を支持する回答は86%に上った。都はこれらの結果から「都民の合意を得られる」との認識を示した。
これは、前にも何度か取り上げましたが、典型的な誘導尋問によるでっち上げの世論調査です。
調査内容はこちら。
この調査の問題点をまとめると、以下のようになります。
1,方法が、個別面接聴取
無記名ですらなく、目の前に調査員が居て質問を行います。この状況で、「ポルノの規制は特に必要ない」と言った、世間的に歓迎されない回答は行いにくくなります。そもそも、面接方式は多数意見や聴取者の価値観に回答者が合わせてしまうことが多いため、こう言う調査では普通用いられません。
2,設問が誘導尋問
個別面接なので、設問は中立的である事を一層要求されるはずが(上記の通り、回答者が質問者の「期待」に反応してしまうため)むしろ逆になっています。
長いですが、質問内容を以下に引用します。
>(資料5を提示して、対象者によく読んでもらってから質問する。)
>【資料5】
>近年、子どもたちに悪影響を与える恐れのある以下に示すような情報(「有害情報」と言います。)が
>多くなっています。
>① わいせつ画像などの性的な情報
>② 暴力的な描写や残虐な情報
>③ 自殺や犯罪を誘発する情報
>④ 薬物や危険物の使用を誘発する情報 など
>雑誌、DVD、ビデオ、ゲームソフトなどの有害情報に対しては、現在、ほとんどの都道府県で条例
>により、有害図書類等の指定や青少年への販売禁止などの制限がありますが、罰則が弱い、各都道府県
>により規制がばらばらであるなどの指摘があります。また、インターネットの世界でも通信事業者やネ
>ットカフェ業者による自主規制などが行われていますが、業界団体に属していない業者は規制の対象外
>となっています。子どもがインターネット上の有害情報に携帯電話等でアクセスして被害にあうケース
>も増えています。
>一方、表現の自由等に配慮して、どのような情報であっても規制すべきでないという意見もあります。
>政府では、こうした状況を踏まえ、様々な取組を行ってきたとともに、平成19 年7月に「有害情報
>から子どもを守るための検討会」を立ち上げ、
>1 国の姿勢を示す
>2 社会全体として取り組む
>3 有害情報を適切に把握する
>4 有害情報の特性等に応じた対応策を講ずる
>5 表現の自由等に配慮する
>の5原則を掲げて検討を進めているところです。
まず初っ端で「近年、子どもたちに悪影響を与える恐れのある以下に示すような情報(「有害情報」と言います。)が多くなっています。」などと、何の根拠もない前置きを出します。
そして、「一方、表現の自由等に配慮して、どのような情報であっても規制すべきでないという意見もあります。」と言うアリバイ作りのような一文を除き、「規制が不十分である」と言う説明が続きます。
つまり、長々としたたわごとを一言にまとめると、このアンケートはこう言うことを言っているのです。
「有害情報を規制する必要があります。規制は不十分です。規制は強化すべきですか?」
これが、誘導尋問でなくてなんでしょう?社会学の研究でこんな調査票を提出したら、教授の雷が落ちるか学会で袋だたきにされるか、朝一番の発表に回されて聴衆が≒0になるかです。
3,質問項目の対称性すら維持していない
一般的に、人は中心か、「中心からややずれた」回答を選びたがります。
例えば「とても良い・良い・普通・悪い・とても悪い」と言う回答があった場合、回答は中心3つに集中します。
これが例えば「極めて良い・とても良い・それなりに良い・少しは良い・悪い」などと言う選択肢を用意すると、「悪い」を選ぶ人は少ないでしょう。そうすると例えば「調査の結果、大部分が良いを選んだ」(「悪い」以外を選んだ)と主張できるわけです。詐欺ですね。
そしてこの調査は、全く同じ真似をしています。
>〔回答票19〕インターネット上の有害情報が子どもの目に触れないように、国として規制を行う
>ことについてどう思いますか。この中から1つだけお答えください。
>(68.7)(ア)規制すべきである
>(22.2)(イ)どちらかといえば規制すべきである
>( 3.1)(ウ)どちらかといえば規制すべきでない
>( 1.4)(エ)規制すべきでない
>( 4.6) わからない
笑っちゃいますね!なお、括弧内はパーセンテージ。そもそも「規制すべきである」と言う内容が質問票に含まれているわけで、実に徹底しているのです。
なお、他の設問に先立って読んで貰う資料も酷いもの。
>【資料6】
>現行の法令(いわゆる児童ポルノ禁止法)では、児童ポルノの所持について、他人へ提供することを
>目的として持つこと等は規制されていますが、個人が自らの趣味として単に持っているだけでは処罰さ
>れません。
>これに関して、個人が持つだけであれば他に害を及ぼさないため現行のままで問題はないとの意見が
>あります。一方、被写体となる児童の権利を守る観点から、単に持っているだけでも処罰の対象とすべ
>きとの意見があります。
>【資料7】
>現行の法令では、実在しない子どもに対する性行為等を描いた漫画(コミック)や絵(イラスト)な
>どは、規制の対象となっていません。
>これに関して、実在しない子どもを描くのであれば、他に害を及ぼさないため、現行のままで問題な
>いとの意見があります。一方、これらコミック等が児童を性の対象とする風潮や児童に対する性的犯罪
>を助長するとの意見もあり、実在する子どもの写真やDVDなどと同様に規制の対象とすべきとの意見
>があります。
笑ってしまうほど、全部が誘導設問で固められています。
とまあ、このようなでっち上げと言って良い調査結果を基に、何を言うのかという話でしかありません。
最後に、東京新聞の本紙には、もう少し細かい質疑が掲載されているのですが、その非常に重大な部分を引用します。
26面 「総務委員会での主なやりとり」より
なお、最初の質問内容は、質問者の言い間違いか記者の聞き取りミスでしょう。正確には、「規制をしなければ、(中略)判断能力を阻害する」でなければ文意がおかしくなります。
―非実在青少年への規制が、性に対する判断能力を阻害するという科学的根拠はあるのか。
都 それは見いだせていない。だが、世論調査結果や業界の自主規制と言った社会的な要請も踏まえて、改正案を提案した。学問的な知見を待つまでもなく、都民の合意は得られると考えている。
何を言っているか解りますでしょうか?
都は、科学的根拠など無い。そんな物は必要ない。と、議員に対して言い放っているのです。そして、そんなものは無くても大衆は賛成してくれる、とまで。
語るに落ちたとは正にこのことで、連中は自分たちの偏見を条例という形で正当化しようとしているだけです。法規制はとても強い制限なので、その導入には厳密な根拠を要する。そんな常識以前の事が理解できない人間が、東京都で行政権を振り回し、立法に携わっているのです。
ルイセンコ学派(ソ連で支配的だった生物学の学派。マルクス主義に取って都合が良い理論だったため、事実を無視して正統派に祭り上げられた。ロシアがバイテクで大きく後れを取った元凶)じゃ無いんですから、少しは民主国家の公務員らしく振る舞ってもらえませんかね?
ここまで馬鹿にされて切れない議員も議員ですが、毒気を抜かれたのかもしれません。
まあ、審議会の段階ではもっと酷い暴論・暴言・妄想憂国譚がまかり通っていたので、今更という感じもしますが。
さて、これからのことですが、このように都側の論理や前提が滅茶苦茶なの事が、露骨に表に出てきたわけです。
我々はこれを前提に、「あんなひどい内容で賛成したりしないですよね?」「彼らが根拠とする世論調査は、こんなに酷い内容なのですが、ご存じでしたか?」「都庁自体が根拠などないと言い切っている以上、廃案しかありえませんよね?」と、手紙やメールで訴えて行くのが有効でしょう。
勿論、前回書いたとおり、そう言う反対論を張ってくれた議員さんには感謝を。賛成に回った連中には、やんわりとした抗議を。
それにしてもまあ、「根拠など無い(キリッ)」と言って通せると思っているらしい都庁の体質そのものが、私は怖くてたまりません。だって、行政機関、つまり権力が、科学的根拠など必要とすら考えず、活動していると言う事なのですから。
P.S.
これに平行して東京都青少年健全育成条例改正案についてと言う文書が出ています。
俺の邪悪なメモさんが書いているとおり、切り崩しを狙った内容でしょう。しかし、一度成立した条例は、「事前の説明」など何の意味もなく運用されます。だって、条例にそう書いてあるんですから。判例的にも、事前の答弁は参考資料程度です。
例えば「ああは言ってましたが、やっぱり都民からの要請も多いし、酷い内容が多いし、目的を達成できないから、バンバン指定していきます」と言えば、それで終わりです。大体、本当にあの文書のとおりの運用であれば、今回の改正など必要ありません。
何も変わらないのに改正を試みるような無駄なことをやるはずはない、と言う事は肝に銘じましょう。
他にも、都合の良い時だけ「みだりに」は「学術的」定義だから、と言って逃げてみたり、出版社が東京に集中することから来る懸念に効力は都内だけ、と確信犯的受け答えをしてみたり、不誠実そのものです。この場を取り繕ってなんとしても通してしまおうという、気持ちの悪い妄念は伝わってきますが。
こんな苦し紛れの言い逃れを許す意味はまるでないので、鼻で笑うしかありません。ただ、こう言う文書が出ていることを前提に、議員さんに手紙を書く時には、「都は文書でああ言っているが、そうなるという保証は条文上まるでない」「影響力を理解しているにもかかわらず、故意に過小評価している不誠実は注目に値する」と言った内容を付け加える必要が、出てくるでしょうが。
その他の表現規制関連エントリーはこちら。
2010年03月18日
『装甲悪鬼村正』 英雄編クリア

装甲悪鬼村正
前回の感想はこちら。
ええと、とりあえず一条さんのルート「英雄編」までクリアしました。
結構面白かったんですが、オールクリアまではしなくてもいいや、という感じです。
なんて言うか…… 確かに面白いんですよ。正宗の無茶ギミックとか、キャラの顔芸とか、良くできてます。力入ってます。間違いなく丁寧に作られた作品です。(背景の無節操すぎる流用だけは、どんなに批判されても仕方ない酷さだと思いますが)
ただ、肝心の正義と悪の相克の話がねえ……
申し訳ないですが、どう見ても「酔っぱらったラノベ」です。
正義とか悪とか言う言葉を投げ合ってますが、結局の所価値観の相違をどうしましょう、と言う話です。そして、残念ながら、内容はあまりに薄い。
薄いと感じてしまうのは、個人の価値観は提示されても、「社会」の観点が抜け落ちているからでしょう。
個人レベルでは殺人=絶対悪の方程式で処理できますが、それだけだと実はろくでもないことが起きる。その方程式に従わない絶対的な強者が滅茶苦茶やってるなら、こちらも一旦その方程式を引っ込めないと、誰も幸せになれないわけで。
殺人は絶対悪である、と言うそこまでの基礎固めは良いんです。ちゃんと世界観とシナリオを使って補強してあります。
ですが、主人公が一条を否定する資格は、実はない。正義は終わらない戦いを生む、と言いますが、あの世界では既に戦いが始まっており、それ以前に絶対悪である殺人が横行している。だとするならば、悪を減らすための悪は為さざるを得ないわけですよ。
それに向かって、偉そうに「正義なんてないから正義を名乗るな」とか言う主人公は、中二病にもほどがあります。マトモな政府・マトモな社会を作るために戦おうとしてる相手に、「お前も所詮人殺しだから正義なんて名乗るな」と言うのは、幼稚に過ぎるでしょう。もっと解りやすく言うと、「みんな正義を奉じて戦ってる中で、お前だけは悪と名乗れ」と言ってるわけです。アホか!
そもそも、正義のために行う殺人もまた悪、と言うのは実にもっともなんですが、既にそれを一条は自覚している。主人公が何がやりたくて喧嘩を売ったのか、私にはサッパリわからないのですが。
結果として、あのエンディング。新生大和の中核になるはずだったカリスマは地に墜ち、社会はバラバラで失敗国家まっしぐら。絶対悪の殺人は野に満ち、戦いは延々と続く。人殺しを重ねる戦い・革命が正義でないとして、じゃあそれが未然に叩き潰されたせいで発生した悪に、お前責任持てるのかと。
何とも、天を仰ぎたくなる代物でした。これ、「深い」話ですかねえ?これだったら、「俺ロリコンだから年増は死ね」(おおむね間違ってない要約)と言ってクトゥルフの邪神をぶっ飛ばしたデモンベインの主人公の方が、2^10倍くらい格好良いですよ。
社会のルールや倫理って、経済学的なマクロの損得計算でほとんど説明が付く物なので、「所詮多数決」とか言っちゃう冷笑主義はどうかと思います。
勿論、効用計算がおかしい代物も沢山ありますけど、(おなじみの宗教団体がばらまいてる奴とか)それらを否定するためにも論証可能な形で「正義」を提示した方が、座りがいいと思うんですけどね。
一例:機会費用(逸失利益)
「ある行動を選択することで失われる、他の選択肢を選んでいたら得られたであろう利益」
”悪人を斬り殺さない”と言う選択による機会費用は、「悪人がその後犯したであろう罪による被害の総和-人を殺すという罪の重さ」である。社会的には、「悪人だからと言って殺しても良いという認識が許容される危険性」が加わる。このためマトモな国家では、これをキャンセルするために、緊急時以外は法的に正当な手続きを経ない殺人は許容されない、と言う原則が徹底される。
2010年03月16日
都条例継続審議 最悪の事態は回避し、ここからが本番
何だか、アクセスカウンターが見たこともない値を示してます。普段の五倍以上、児ポ法改正論議の時の二倍くらい。
騒ぎが起きる度に、以前の騒ぎで注目していた層に加え、新規で上方に接した人が入って来ると言うことですかね。
この注目(うちのページではなく、表現規制問題について)が瞬間風速ではなく、毎回コンスタントに集まるようになれば、規制もそう簡単にはできなくなっていくでしょう。
さて、凄まじい反応に押されて、都議会の民主党が重い腰を上げました。青少年健全育成条例を考える会の抗議(リンク先は、保坂元議員のリポート)なども、効いたのでしょうね。
都議会の民主、継続審議を検討 児童性描写規制案
要するに、「児童ポルノが悪いのは当たり前でしょ?議論なんか必要ないよね」と通そうとしていた自公に対して、NOを突きつけたわけです。共産・生活者ネットは元々青少年育成条例の強化に反対してきた党ですから、この動議はまず通るでしょう。
そして、議会の過半数が「議論を深める」と決めれば、原案通り可決はあり得なくなります。内容に懸念があるとして議論を始め、何も修正させずに終われば、「無駄に騒ぎを起こしただけ」と言う事になり、賛成派からも反対派からも叩かれることになるからです。従って、例え民主党が原案どおりで良いと思っても、何らかの「懸念をはらすため」の修正を入れねばメンツが立ちません。
さて、今書いた内容から容易に想像できると思いますが、本番はここからです。
とりあえず、今後の展開は、以下の線分図で表すことができるでしょう。
(最良) ←良 (中間) 悪→ (最悪)
廃案 一部条項削除 継続審議 濫用防止条項追加 付帯決議のみ
理想は廃案ですが、これは結構難しくなります。規制派は、デマそのものですが「青少年が悪くなっている」、「悪質な表現物の悪影響がある」と主張しています。この前提は、完全無欠のデマですが、行政にとって都合が良く、口当たりの良い俗流若者論・文化論に則っています。つまり、「そう言う事にしておいた方が良い」、「そう言っておくと受けが良い」話で、この前提に立つ限り、「何もしない」(=改正案廃案)は難しくなります。
勿論、議員さんへの手紙には「廃案にしてくれ」と書くべきですし、私も書きました。しかし、それを当たり前の結果として期待するのは、都合が良すぎます。
最悪は、言うまでもないですね。「表現の自由に配慮する運用を望む」と言った、付帯決議だけで通してしまうパターンです。付帯決議など条例に書かれているわけでもなく、警察にとっては屁でもありません。無条件降伏しておいて、「せめて部下の待遇は丁寧にして下さい」というような物です。相手にそれを守る義理はなく、守らせる方法も存在しません。
悪い方に書いてある乱用防止規定は、元々この条例案自体が濫用するための曖昧な定義ばかりですから、意味がありません。例えば、秋葉原(私は、むしろ新宿で良く見かけましたが)刃物狩り点数稼ぎで有名な軽犯罪法は、第四条で以下のような規定を置いています。
>第四条 この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。
勿論、警察はこんな物を尊重しちゃいません。大体、法文がきちんと尊重されるなら、職務質問が「任意」でないわけがないですよね?都合の悪い規定は無視され、都合の良い規定は悪用される。と言うか、そう言う歴史上の教訓を経て、「あいまいで良いように解釈できる法律は作ってはならない」という原則が、法学の基礎になっているわけです。
ですから、上記軽犯罪法のような規定を置くのは意味がありません。表現を潰すのは簡単で、「条例違反になりますよ」と言う言葉と共に、出版者や団体に電話をかけるだけで良いのです。あるいは、逮捕した上で脅しをかけ、起訴猶予にでもしてやれば規定違反は表に出ません。歯止め規定が意味を持つのは裁判所に行ってからですし、逮捕された段階で人生は終了です。
従って、これから重要なのは、危険な条文をどれだけ削れ、あるいは完全廃案にどれだけ近い所まで条例を追い込めるかです。
現状の「議論を深める」と言うのは「うるさい奴らが沢山いるみたいだから、配慮したって姿勢は見せておこう」と言うレベルでしか無い可能性も高いのです。
ですから、この条例が6月過ぎにどうなるかを注目しておき、風向きがおかしくなってきたら叩き、良さそうなら激励する、と言うフィードバックを行うのが重要になります。
具体的には、これからの審議で、良いことを言ってくれた議員さんには、激励の手紙を書いたり、カンパをしましょう。妥協的なことを言った人には、やんわりと(ここ重要です。罵倒したら、迷っている味方は完全な敵に回るでしょう)抗議する必要があります。
逆に、自公の議員さんに弱気な発言や妥協的な物言い(正直その部分については私もどうかと思う、と言った)があれば、賛同したり、「本当に良い条例にするため、今回のは……」と言った手紙を送りましょう。後者は、元々自公の支持者で、今回の事があったからと言って、民主や共産を応援するのは嫌な人にお勧めです。
とりあえず長丁場になると思いますので、ニュースのキーワードを設定しておくなり、大手の規制反対派サイトをブックマークするなどして、何かあったら行動できるようにしておくと良いと思います。マラソンではないので、動きが少ない時には日常生活を普通に送り、疲れてしまわないように注意して。
本当、完全廃案にできたら、画期的な「勝利」になるんですけどね。
修正で通過させた場合だと、「勘違いして抗議してきた連中は多かったですが、説明したら皆さん解って頂けました」みたいなプロパガンダに使われてしまうのが、いつものパターンなので。

言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家 (中公新書)
最近読み返した本。戦中言論統制の大物・鈴木庫三を擁護した一冊ですが、読んで痛感するのは、規制側の理想や善意は、文化の荒廃を全く正当化しない、と言う当たり前の事です。
前にも書きましたが、私は規制派の使命感や理想、真剣さは否定しませんよ。ただ結局の所それは、「快楽殺人鬼に殺されるのと、使命感に燃えるテロリストに殺されるのは何が違うか?」と言う話でしか無いわけで。
その他の表現規制関連エントリーはこちら。
騒ぎが起きる度に、以前の騒ぎで注目していた層に加え、新規で上方に接した人が入って来ると言うことですかね。
この注目(うちのページではなく、表現規制問題について)が瞬間風速ではなく、毎回コンスタントに集まるようになれば、規制もそう簡単にはできなくなっていくでしょう。
さて、凄まじい反応に押されて、都議会の民主党が重い腰を上げました。青少年健全育成条例を考える会の抗議(リンク先は、保坂元議員のリポート)なども、効いたのでしょうね。
都議会の民主、継続審議を検討 児童性描写規制案
要するに、「児童ポルノが悪いのは当たり前でしょ?議論なんか必要ないよね」と通そうとしていた自公に対して、NOを突きつけたわけです。共産・生活者ネットは元々青少年育成条例の強化に反対してきた党ですから、この動議はまず通るでしょう。
そして、議会の過半数が「議論を深める」と決めれば、原案通り可決はあり得なくなります。内容に懸念があるとして議論を始め、何も修正させずに終われば、「無駄に騒ぎを起こしただけ」と言う事になり、賛成派からも反対派からも叩かれることになるからです。従って、例え民主党が原案どおりで良いと思っても、何らかの「懸念をはらすため」の修正を入れねばメンツが立ちません。
さて、今書いた内容から容易に想像できると思いますが、本番はここからです。
とりあえず、今後の展開は、以下の線分図で表すことができるでしょう。
(最良) ←良 (中間) 悪→ (最悪)
廃案 一部条項削除 継続審議 濫用防止条項追加 付帯決議のみ
理想は廃案ですが、これは結構難しくなります。規制派は、デマそのものですが「青少年が悪くなっている」、「悪質な表現物の悪影響がある」と主張しています。この前提は、完全無欠のデマですが、行政にとって都合が良く、口当たりの良い俗流若者論・文化論に則っています。つまり、「そう言う事にしておいた方が良い」、「そう言っておくと受けが良い」話で、この前提に立つ限り、「何もしない」(=改正案廃案)は難しくなります。
勿論、議員さんへの手紙には「廃案にしてくれ」と書くべきですし、私も書きました。しかし、それを当たり前の結果として期待するのは、都合が良すぎます。
最悪は、言うまでもないですね。「表現の自由に配慮する運用を望む」と言った、付帯決議だけで通してしまうパターンです。付帯決議など条例に書かれているわけでもなく、警察にとっては屁でもありません。無条件降伏しておいて、「せめて部下の待遇は丁寧にして下さい」というような物です。相手にそれを守る義理はなく、守らせる方法も存在しません。
悪い方に書いてある乱用防止規定は、元々この条例案自体が濫用するための曖昧な定義ばかりですから、意味がありません。例えば、秋葉原(私は、むしろ新宿で良く見かけましたが)刃物狩り点数稼ぎで有名な軽犯罪法は、第四条で以下のような規定を置いています。
>第四条 この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。
勿論、警察はこんな物を尊重しちゃいません。大体、法文がきちんと尊重されるなら、職務質問が「任意」でないわけがないですよね?都合の悪い規定は無視され、都合の良い規定は悪用される。と言うか、そう言う歴史上の教訓を経て、「あいまいで良いように解釈できる法律は作ってはならない」という原則が、法学の基礎になっているわけです。
ですから、上記軽犯罪法のような規定を置くのは意味がありません。表現を潰すのは簡単で、「条例違反になりますよ」と言う言葉と共に、出版者や団体に電話をかけるだけで良いのです。あるいは、逮捕した上で脅しをかけ、起訴猶予にでもしてやれば規定違反は表に出ません。歯止め規定が意味を持つのは裁判所に行ってからですし、逮捕された段階で人生は終了です。
従って、これから重要なのは、危険な条文をどれだけ削れ、あるいは完全廃案にどれだけ近い所まで条例を追い込めるかです。
現状の「議論を深める」と言うのは「うるさい奴らが沢山いるみたいだから、配慮したって姿勢は見せておこう」と言うレベルでしか無い可能性も高いのです。
ですから、この条例が6月過ぎにどうなるかを注目しておき、風向きがおかしくなってきたら叩き、良さそうなら激励する、と言うフィードバックを行うのが重要になります。
具体的には、これからの審議で、良いことを言ってくれた議員さんには、激励の手紙を書いたり、カンパをしましょう。妥協的なことを言った人には、やんわりと(ここ重要です。罵倒したら、迷っている味方は完全な敵に回るでしょう)抗議する必要があります。
逆に、自公の議員さんに弱気な発言や妥協的な物言い(正直その部分については私もどうかと思う、と言った)があれば、賛同したり、「本当に良い条例にするため、今回のは……」と言った手紙を送りましょう。後者は、元々自公の支持者で、今回の事があったからと言って、民主や共産を応援するのは嫌な人にお勧めです。
とりあえず長丁場になると思いますので、ニュースのキーワードを設定しておくなり、大手の規制反対派サイトをブックマークするなどして、何かあったら行動できるようにしておくと良いと思います。マラソンではないので、動きが少ない時には日常生活を普通に送り、疲れてしまわないように注意して。
本当、完全廃案にできたら、画期的な「勝利」になるんですけどね。
修正で通過させた場合だと、「勘違いして抗議してきた連中は多かったですが、説明したら皆さん解って頂けました」みたいなプロパガンダに使われてしまうのが、いつものパターンなので。

言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家 (中公新書)
最近読み返した本。戦中言論統制の大物・鈴木庫三を擁護した一冊ですが、読んで痛感するのは、規制側の理想や善意は、文化の荒廃を全く正当化しない、と言う当たり前の事です。
前にも書きましたが、私は規制派の使命感や理想、真剣さは否定しませんよ。ただ結局の所それは、「快楽殺人鬼に殺されるのと、使命感に燃えるテロリストに殺されるのは何が違うか?」と言う話でしか無いわけで。
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2010年03月14日
『装甲悪鬼村正』 ファーストインプレッション

装甲悪鬼村正
星空のメモリアがアレだったので、ガラリと趣を変えてアクション物をチョイスしました。
画面は巻物を横にしたようなワイド、文章は縦書き。グラフィックも和風に統一され、相変わらず雰囲気作りは上手いです。時折意図の良く解らないカタカナが混じりますが、良い意味での中二病精神。
物語も、なかなか面白く、飽きさせません。デモンベインがインチキアメリカ冒険活劇なら、これはインチキニッポン冒険活劇。勿論、この「インチキ」は褒め言葉です。スチームパンク的意味で。
なんですが、やっぱりニトロ+のゲームの欠点を引き継いでしまっていて、割とがっかり。
特に最初の二話で顕著ですが、戦闘シーンが長すぎます。そのため、操作できるわけでもない場面がダラダラと続けられ、「いいから話進めろよ」という気分が蔓延。本来「小説+機動的な演出」で面白いメディアとなっているゲームですが、戦闘シーンはどう頑張っても「アニメ-動き」にしかなりません。そこでゲーム性を放り込んでメディアの特性を出すのが常道なわけですが、ニトロ+は何故かその道を選ばないわけで……
結局は好みの問題だと思うんですが、どんなに派手な演出も凝ったギミックも、操作できないなら別に面白くはないんですよね。
ただ、ちゃんと緩急は付いていて、特に三話は戦闘メインでない事もあって見せてくれます。オチが一つしかあり得ない最終シーンも簡潔にまとめ、かなり好印象。
逆に最終章は、ヒロイン二人(従者を加えて三人)のやりとりが無くなるため、どうにも締まりません。ぼけと突っ込みがクルクルと入れ替わる会話劇が無くなるのは、ルート分岐後のギャルゲーの宿命とはいえ。
とりあえず、星空のメモリアよりはかなり先が気になる展開なので、最後までプレイするつもりです。
キャラでは、萌えは全く感じませんが、大鳥大尉と侍従のコンビが、やっぱり出色かと。
攻略対象キャラだと言う事をまるで感じさせないナイスガイっぷり、素敵です。
以下は、基本的にどうでも良い、設定面で気になった点。
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2010年03月13日
保坂展人氏、参院比例に擁立決定
保坂展人氏、参院比例へ 社民党都連合(産経新聞)
参院比例に保坂氏=社民都連(時事ドットコム)
前回の衆院選で、社民党の東京ブロックでの善戦を導いた保坂展人氏が、参院比例区で立候補することになりました。時事ドットコムだと社民都連の了解を得ただけのように見えますが、党本部が比例区転出の条件として提示したのが都連の了解だったわけなので、これで比例区擁立決定と言う事になります。
前回社民党は、参院比例区で二人の当選者を出していますので、保坂氏の名前が書かれた投票用紙が社民党内で1位か2位になれば、当選確定となります。一位はまず党首の福島女史でしょうが、衆院選で見せた集票力があれば、保坂氏の当選はあまり危なげ無いと思われます。勿論、我々が投票するのが前提ですが。(3/14 コメント欄での指摘を受け、修正しました)
ただし、「当選が確定だから社民には投票しなくて良い」では、勿論ありません!
前回も書いたとおり、選挙民と候補者の関係は、票と政策の交換です。社民党は、保坂氏はこの問題に関して民主党の枝野議員と並んで取り組み、反対派の急先鋒として活躍してきました。前回の衆院選では落選してしまいましたが、善戦したのはリンクを貼ったエントリーのとおり。
参院比例区は、個人名を書いても政党の票になると言う妙なシステムを採っています。つまり、保坂氏を名簿に載せるのは、その名前が社民への票を増やしてくれることを期待してのことです。
ぶっちゃければこうです。弱小政党である社民党は、他党が論点にしない「表現規制」という問題で、我々の味方をしてくれました。つまり、選挙民である我々に対し、政策と言う商品の納品は、既に済んでいます。
そして、「表現規制への反対」と言う政策・商品に対し、我々がいくらの値を付けるかが、投票行動に他なりません。いくらメールを送っても、手紙で正論を書いても、支払いの少ない相手に商品を納める義理はありません。料金の後払い、つまり投票が、一番重要な行動であることを肝に銘じて下さい。
また、ここでの投票の意味は、社民党と言う弱小政党の議席数にとどまりません。
全国で十万票単位の上乗せが期待できると解れば、他の党も表現規制に対し、慎重にならざるを得ません。それ以外にも、それなりの票数が示されれば、トップの方針転換があっても、社民党や他の規制反対政党は、その看板を下ろせなくなります。
繰り返しますが、保坂元議員を候補者名簿の良い位置に載せると言う事は、有権者に対するメッセージです。ここで成果が上がらなければ、我々は「口だけはうるさいが、味方してやっても得のないゴクブツシ」になってしまいます。少数派の利益こそ尊重されねばならない、と言う原則は、重要であるが故にまずは自分たちで守らざるを得ません。
この問題にノーと言うために、その力を示すために、できる限り投票して下さい。
P.S.
勿論、他の規制反対を明言する議員さんに投票するのも悪くありません。
しかし、党として反対を掲げ(残念ながら、民主は旧自民と同じく大規模な派閥の集合で、足腰が定まりません)選挙ベタの保坂氏をわざわざ名簿に登載する社民党への投票は、メッセージとして非常に明確になります。
全国各地の反規制派議員が1000票ずつ上乗せされるよりも、保坂氏の名前に10万票の上乗せがある方が、はるかに解りやすいアピールになります。
既に支持政党や支持する候補者が決まっている人は、その信念を貫くのが当然だと思います。
ですが、参院選で反表現規制の立場から投票する場合、どうしたら一番有効かと言えば、保坂氏・社民党に投票することだと言えるでしょう。
なお、保坂氏は今回の東京都の条例についてもアクションを起こしつつあります。特に、御用学者の前田が彼の法務委員会での発言を捏造した事については激怒しており、間違っても、表現規制派におもねることはありません。
東京都条例で「非実在青少年・創作物規制」の動きが加速(保坂展人のどこどこ日記)
(3/17追記)
保坂氏自身のBLOGで、比例区への変更と制度の説明エントリーがアップされました。解りやすくまとまっているので、是非ご覧下さい。
「参議院選挙比例」と「衆議院比例」の制度の違いとは(保坂展人のどこどこ日記)
その他の表現規制関連エントリーはこちら。
参院比例に保坂氏=社民都連(時事ドットコム)
前回の衆院選で、社民党の東京ブロックでの善戦を導いた保坂展人氏が、参院比例区で立候補することになりました。時事ドットコムだと社民都連の了解を得ただけのように見えますが、党本部が比例区転出の条件として提示したのが都連の了解だったわけなので、これで比例区擁立決定と言う事になります。
前回社民党は、参院比例区で二人の当選者を出していますので、保坂氏の名前が書かれた投票用紙が社民党内で1位か2位になれば、当選確定となります。一位はまず党首の福島女史でしょうが、衆院選で見せた集票力があれば、保坂氏の当選はあまり危なげ無いと思われます。勿論、我々が投票するのが前提ですが。(3/14 コメント欄での指摘を受け、修正しました)
ただし、「当選が確定だから社民には投票しなくて良い」では、勿論ありません!
前回も書いたとおり、選挙民と候補者の関係は、票と政策の交換です。社民党は、保坂氏はこの問題に関して民主党の枝野議員と並んで取り組み、反対派の急先鋒として活躍してきました。前回の衆院選では落選してしまいましたが、善戦したのはリンクを貼ったエントリーのとおり。
参院比例区は、個人名を書いても政党の票になると言う妙なシステムを採っています。つまり、保坂氏を名簿に載せるのは、その名前が社民への票を増やしてくれることを期待してのことです。
ぶっちゃければこうです。弱小政党である社民党は、他党が論点にしない「表現規制」という問題で、我々の味方をしてくれました。つまり、選挙民である我々に対し、政策と言う商品の納品は、既に済んでいます。
そして、「表現規制への反対」と言う政策・商品に対し、我々がいくらの値を付けるかが、投票行動に他なりません。いくらメールを送っても、手紙で正論を書いても、支払いの少ない相手に商品を納める義理はありません。料金の後払い、つまり投票が、一番重要な行動であることを肝に銘じて下さい。
また、ここでの投票の意味は、社民党と言う弱小政党の議席数にとどまりません。
全国で十万票単位の上乗せが期待できると解れば、他の党も表現規制に対し、慎重にならざるを得ません。それ以外にも、それなりの票数が示されれば、トップの方針転換があっても、社民党や他の規制反対政党は、その看板を下ろせなくなります。
繰り返しますが、保坂元議員を候補者名簿の良い位置に載せると言う事は、有権者に対するメッセージです。ここで成果が上がらなければ、我々は「口だけはうるさいが、味方してやっても得のないゴクブツシ」になってしまいます。少数派の利益こそ尊重されねばならない、と言う原則は、重要であるが故にまずは自分たちで守らざるを得ません。
この問題にノーと言うために、その力を示すために、できる限り投票して下さい。
P.S.
勿論、他の規制反対を明言する議員さんに投票するのも悪くありません。
しかし、党として反対を掲げ(残念ながら、民主は旧自民と同じく大規模な派閥の集合で、足腰が定まりません)選挙ベタの保坂氏をわざわざ名簿に登載する社民党への投票は、メッセージとして非常に明確になります。
全国各地の反規制派議員が1000票ずつ上乗せされるよりも、保坂氏の名前に10万票の上乗せがある方が、はるかに解りやすいアピールになります。
既に支持政党や支持する候補者が決まっている人は、その信念を貫くのが当然だと思います。
ですが、参院選で反表現規制の立場から投票する場合、どうしたら一番有効かと言えば、保坂氏・社民党に投票することだと言えるでしょう。
なお、保坂氏は今回の東京都の条例についてもアクションを起こしつつあります。特に、御用学者の前田が彼の法務委員会での発言を捏造した事については激怒しており、間違っても、表現規制派におもねることはありません。
東京都条例で「非実在青少年・創作物規制」の動きが加速(保坂展人のどこどこ日記)
(3/17追記)
保坂氏自身のBLOGで、比例区への変更と制度の説明エントリーがアップされました。解りやすくまとまっているので、是非ご覧下さい。
「参議院選挙比例」と「衆議院比例」の制度の違いとは(保坂展人のどこどこ日記)
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2010年03月11日
『星空のメモリア』 ギブアップ

星空のメモリア
ファーストインプレッションはこちら。
適当に選択肢を選んでいたら、こももちゃんのルートになりました。選択肢一発で分岐するんですねえ。「遊び」の一切無い、コストカッターな仕様です。
でまあ、感想としては、「もういいや」ですね。絵や音楽もそんなに悪くないし、メアは凄く良い子なんですが、全クリする気は起きません。調べてみた所、メアルートの開放は結構手間がかかるみたいですし。
そもそも、馬鹿みたいに展開が冗長で、付き合いきれないというのが本音。ルート分岐直後に予想できる真相を明かすのに、どれだけ回り道をしているのかと。日常パートがしつこく入り込んでくるのも、無意味なイベントの繰り返しも、一々軸がぶれて回り道する会話も、もう沢山です。
それにしても、メア以外のキャラクターはちょっと酷すぎると思います。衣鈴とこもも先輩は、「ちょっとアレな所がある」くらいですが、他の連中は全くもって酷いもの。
多少話が通じそうに見えるこさめにしても、要するにやっていることは日和見主義のコウモリ。全員の味方のような顔をして、洒落にならない内通をして回るので、不愉快で仕方ありません。中立なら中立でいろ、全員に対して味方面するなと、吐き捨てたくなってきます。で、あれだけのことをやっちまっておいて、責任とりませんしねえ。怒りを抑えて美少女無罪を言い渡す主人公はまあ仕方ないとしても、自分を責めて謝罪と反省くらいはして貰わないと、プレーヤー側は好感度を維持できないと思うんですが?
マキャヴェリを引くまでもなく、「中立」は美味く描かないと全員から嫌われるポジションになるわけで、これもまた拙さの一つ。
折角天クルを部に昇格させたのに、まるで活動をする気のないヒロインとか、誰得?「二人で星を見られればいい」とか、存続のために走り回った仲間達に喧嘩売ってますよね、明らかに。
キャラ以外の問題点としては、基礎的な文章力の不足。
どうも、目の前の重要情報を放っておいてどうでも良い雑談を続ける、という悪癖が見られます。例えば、あるキャラをあるキャラに引き合わせるためにある場所に来たはずが、その事を完全に放置したまま(地の文で触れる事もなく)口実だった天体観測を延々と続ける。あるいは、「あれが何だかわかるかね?」などと言うセリフのあとに、どうでも良いモノローグに移行したまま話が戻ってこず、シーンが切り替わってしまったり。
素人の小説で良く見るパターンですが、商業でこれはなあ。
ペース配分も非常に平坦で、ヤマを作れていません。中盤に入っても、どいつもこいつも人の話を聞かないという不快ポイントは相変わらず。上記の欠点と相まって、文章に無駄が多すぎて話が進まず、イライラさせられます。
で、期待した天文成分・魂にしても、とても満足のいくものではありません。
「星が好き」と「星座が好き」はだいぶ違うと思うんですが、登場人物はほとんど後者。素敵だのロマンティックだのと言う形容詞ばかりで、天文サークルとしてはどうなんだという疑問がムクムクと。部長は理系寄りの話をしてくれそうなのに、出番無いですしねえ。
例えば、前半の大きな山である蒼勧誘イベントですが、「過去の星空」を見せたいなら、こう言うの使えば一瞬なんですが…… 国立天文台が公開している、天文ファンおなじみのフリーウェア。(地球を「離陸」して、ホイールバックでひたすら視野を広げていくと、結構感動できますよ)天文部なら、知らないはず無いと思うんですがねえ。視聴覚室を使えるんですから、立体投射までできますよ。
あと、プラネタリウム一夜漬けは、無理以前におかしいだろうと。余裕が五日あると言う設定なのに、何故無理矢理一日なのかが解らず、盛り上がる物も盛り上がりません。プロジェクトの詰めに一日、買い出しに一日、目立つドームを最終日に回し、ピンホールや投影装置を先に作成…… と言う方法を取らない理由が解らないのですが。彼らだって、文化祭の時にはそう言う手順で作っていたはずですし。
根性と青春パワーは大好きですが、まだその出番でない時に使われても、?マークが踊るばかりになってしまいます。
あげく、作ったのは結局ピンホール式なんですよねえ。ピンホール式じゃ、物理的に違う時代の星空は映せねえよ!!三億年前の星空を、とか言われたら、どうするつもりだったんだか……
「今日は惑星観測をします」と言っておもむろに月に望遠鏡向けるとか、ギャグですよね?ギャグでやってるんですよね!?
この画像とかねえ…… 一度でも天体観測をしたことがあれば、こんな絵は描けないはずなんですよ。これ、宇宙から見た地球の映像をモデルにしたのが一目瞭然です。徹夜上等の開発状況なら、浮かんでる月を見る機会なんていくらでもあるでしょうに。
別に、普通のゲームなら、真夜中に三日月が中天にかかっていたり、正中線から外れたラインで欠けている月が描かれていても苦笑するだけです。でも、天文が重要なキーワードになる作品で、これはない。
最後に…… 俺に選択肢を寄越せダボがぁぁぁぁぁ!!!
どう考えても万人から愛されるようなキャラじゃない蛆虫級のうざい義妹や、押しつけがましくてこれまた殴りたくなる同級生がいるのに、出現を制御できないってどう言う事ですかね?選択肢を選ばせた上で、場面ごとのメイン人物が決まるならいいんですよ。それは、登場する選択肢を選んだPLの自己責任ですから。ですが、ほぼ全てが強制イベントでこいつらに引きずり回されていると、プレイが苦痛でしかなくなってきます。
何のための「ゲーム」ですか?選択肢ですか?
あの、弾よけの砂袋以下の価値しかない妹にしても、選択肢で徹底的に排除できれば、印象は全く変わるんですよ。例えば、無理矢理ついてくると言うシーンが幾つもありますが、あそこで排除する選択肢を入れ、シュンとなってトボトボ1人で帰っていくシーンを入れれば、PLの罪悪感に訴えて愛着に変化させる事もできるのに。あまりにも、話のもって行き方が下手だと思います。
いやあ、評価できるポイントもちゃんとあるんですけどね。
メアの存在・設定をきちんと個別ルートでも活かしている所とか。まあ、合わなかったと言う事なんでしょう。
2010年03月09日
宇宙・青春・黒歴史 『ほうかごのロケッティア』感想

ほうかごのロケッティア (ガガガ文庫)
「ROCKET BOYS」が「夏のロケット」をぶち上げて、勿論「天の光は全て星」です。
内容説明終わり!
と言うわけにも行かないので、ちゃんと説明します。
作家のやりたい放題が信条なのか、玉石混淆どころか、地雷に囲まれた砂金の採取地みたいな様相を呈しているガガガ文庫。ある意味、実にあそこらしい一冊です。
舞台は、本土から遠く離れた南の島。
その本土から流刑にされたように集まる高校生達が、色々な事情を抱えて衛星軌道投入可能なロケットの打上を目指す話です。何という王道!燃える展開!!
ところでこの設定、思わせぶりな設定が色々ありながら、宇宙開発ともロケットとも何の関係も無かった「この青空に約束を
閑話休題、まあどの程度「それっぽい」かは、物語序盤のターニングポイントとなる、ロケット部の部室に並んでいた本を見れば一目瞭然でしょう。
以下、言及されている物。
ハインラインの「宇宙船ガリレオ号
最近再刊された、フレデリック・ブラウンの「天の光はすべて星
前に紹介した事もある「遠い空の向こうに
五十嵐貴久「2005年のロケットボーイズ
野尻抱介「ロケットガール
川端裕人「夏のロケット
あさりよしとお「なつのロケット
そして、18禁ゲームの「ロケットの夏
その他の専門書については、何しろ専門書なので複数あったり検索に引っかからなかったりで、割愛。
同時に、部室に置いてあった、「オレンジ色のキャップと翼のついたロケット」は、モデルロケットの導入モデル、αIII(楽天に画像があります)ですね。これ、なかなか面白いアイテムですよ。主人公が言っているとおり、打ち上げると、たかが数十メートルの高度なのにもの凄く心動かされるものがあります。
モデルロケット協会の名前も出てきますよ。(まあ、実際のあの協会については、良くない話もあったりしますが……)
どの辺をターゲットにした小説かは、ご理解頂けると思います。
ちなみに、主人公達が最初にここを訪れた時に流れているのが「オネアミスの翼
まあ、その筋の人に向けた書き方としてはあざとさ全開ですが、そもそも「その筋」はろくに人数も居ないはずなので、大丈夫かと心配になったり。
他にも、キューブサットの打上が困難になっている状況を「シャットダウン」と言っていたり、まあニヤニヤできる用語がばらまかれています。
ただし、これはあくまでも話の半分。残り半分は、毎度おなじみ「AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~
勿論、これは打ち破られるべき日常の象徴。物語の「現実」担当で、そこで発生する問題や人間関係を使って、ロケット打上への動機付けや楽しさを盛り上げていくという寸法。
文章力はまあ普通で、細かい描写は大きく削っており、「書き込み切れていない」部分も多いですが、ジュブナイル全開のこの物語においては、むしろ相応しいでしょう。
それにしても、中盤以降~終盤へのお約束過ぎる雪崩込みや、散りばめると言うよりばらまかれたオマージュやパロディなど、作者が本当にこう言う話が好きだと伝わってくるのは非常に好感度が高いです。ああ言うエピローグが書かれているのもそうですね。ラノベの基本戦略は「一発当てたらシリーズ化してボロボロになるまでしゃぶり尽くす」ですが、あのエピローグはそれを不可能にします。しかし、アレがなければ締まらない。青春小説として片手落ちとなってしまう。作品の完成度を優先すると言う当たり前の姿勢が、真っ直ぐで眩しいです。
ロケットや関連技術の説明も、最低限はおさえつつSF特有の詳細さは大胆にかっさばく辺り、一所懸命ライトノベル・ジュブナイルとして成立させようとしているのも良いですね。
やりたい放題やって、続編も不可能という案配ですが、この雰囲気の作品をまた書いて欲しいですね。
2010年03月07日
議員さんに手紙を書く時に…… 大事な所だけ
表現規制に関して、議員さんへのメール・手紙送付が活発化しています。
一方で、効果がでなかったり、それどころか逆効果になってしまうような場合も多くなっているようです。
そこで、簡単に防げるポイント・注意事項だけ書いてみたいと思います。
1,嘘を書かない
下に書くポイントは、全て本当の事を書いて下さい。
下手な嘘をつき、それがあとから発覚すれば、運動に大被害を与えます。嘘の統計やインチキな世論調査・非科学的な方法を批判する以上、同じ所まで落ちてはいけません。
例えば、別名を使って複数送ったり、選挙民と偽ってあちこちにメールを送るような真似です。ネットでもアナログでも、嘘は結構な比率でばれると言う事をお忘れ無く。
議員さん達は横の連絡もありますから、「あれ、この人(この文字・この文章の癖)、うちにも選挙民だって言って手紙送ってきてたよ」などと言う事態は普通に起きますからね。
2,自分の立場を書きましょう
手紙は手紙です。ビジネスでもプライベートでも同じですが、まず自己紹介から入ります。
その時、自分がどう言う立場で手紙を送っているかを明確にしましょう。無記名は問題外です。
露骨な事を書けば、「どんなアピールできる立場か」を表明すると言う事です。
例えば、該当するなら必ず書くべき立場として、「選挙民」という物があります。
○○していただけるなら次回必ず投票します、○○していただけないのなら今後は投票しません、○○を期待して投票させていただきました…… これが、一番有効な立場です。我々一般人が持つ最大の力は投票権で、これに比べれば正論も科学的事実も力は数段劣ります。
逆を言うと、何を置いてもまずは自分の選挙区の議員さんに手紙を送るのが、大切と言う事になります。
「業界関係者」というのも、該当するなら「使える」立場です。ある職業の人間としての懸念表明を受けた場合、背後にいる同じ業界の人間を考慮に入れざるを得なくなります。
ですが、当然関係ない業界の場合は、書いても無駄と言うか、後述する「余計な情報」です。勿論、弁護士の立場で違憲の疑い濃厚と指摘、と言ったパターンは使えます。
どれにも該当しない場合は、△▽を憂慮している者、××に注目している者、と言った立場を出すしかありません。これは要するに「無関係な人間」ですが、同じような立場の人間から多く手紙を送られれば、「この問題は、こう言う立場で注目している人間が多くいるのだな」と認識される事になります。
3,余計な事は書かない
まず第一に、目的はあくまでも今回の条例案への反対だと言う事。
第二に、論点を増やせば、それだけ悪印象を持たれる機会が増えてしまう事。
最後に、議員さんも秘書さんも忙しく、長文はそれだけで悪印象である事が挙げられます。
特に二番目は重要です。前に詳しく書きましたが、関連団体への罵倒などは厳禁です。
また、現状への反対も、今回はあまり詳しく書かない方が良いでしょう。都の青少年育成条例は、非常に多くの問題を抱えています。しかし、それはすでに長く運用され、「実績」を積み重ねています。何より、制定に関わった議員さんも多くいます。いくらムカついても、「今回は」スルーしましょう。あえて書くとすれば、「現状でも多くの問題が指摘されているが」程度にしておきましょう。具体例をどうしても挙げたいとするならば、「基準があいまい」「遊戯施設への立ち入り規制は親子のコミュニケーションを阻害」と言った、割と良く指摘される議論に絞りましょう。
「現状でも反対」の相手は、今回言う事を聞いてやってもどうせ票にはならない、と言う現実的な読みをされてしまいます。
三番目は、FAXが禁止なのと同じ理由です。手紙を読むというのは、議員さん本人ならその時間、秘書さんなら時給がかかる事になります。つまり、負担(コスト)なのです。味方になってくれそうな人に、大きな負担をかけてはならない。これは当然です。
4,送りすぎない
例えば、選挙区の議員さん全員に送るのは危険です。何故なら、1人が投票できるのは1票だけだからです。何かの拍子に「あ、その人うちにも送ってきてた」などと言う話になった場合、信用は地に墜ちます。
また、これは常識だと思いますが、同じ問題について何度も同じ人に送ってはいけません。
最低限、前回手紙を送った時と状況が変わり、「前回に付け加えるべき事」が出てはじめて送りましょう。
あ、議会での質問や投票に対して、お礼の手紙を送る場合はまた話が別です。
とまあ、すぐにできる簡単な注意点としては以上です。
パブリックコメントと違い、議員さんへの手紙は「意見」の送付ではありません。「お願い」や「取引」(票と政策の交換)ですから、自ずと書式は違ってきますよ。
以上、何かの参考になれば幸いです。
他の表現規制関連エントリーはこちら。
2010年03月06日
戦場のヴァルキュリア2 ファーストインプレッション

戦場のヴァルキュリア 2 ガリア王立士官学校
前作の感想はこちら。
さて、前作でひどい目にあった物の、他の評判の良いSRPGも見あたらず、結局二作目にも手を出しました。まさか、前作あれだけ指摘のあった諸々を、改良してないわけはないだろう、と言う予想もありますし。
結論から言うと、この予想はある程度当たりでした。
マップは戦略性が増していますし、兵科間のバランスも再調整。(今度は、突撃兵が強すぎる気がしますが……)何より、高ランクの条件が大幅に緩和され、同時に撃破ボーナスや拠点占領ボーナスが増強されて、攻略パターンと目標に幅が出たのが大きいです。
戦闘での活躍に応じてクラスチェンジの条件が満たされるようになったので、使い分けも重要性を増しました。また、拠点からの再出撃など戦略の幅が広がると共に、AIの行動パターンも改良。SRPGとしては非常に堅実に進化してます。
回避の頻発による戦略性の低下(元々命中にランダム性があるので、これは明らかに不要)、バリゲードの裏側や匍匐状態の目の前から攻撃してもダメージ低下が有効なシステムなど、放置された欠点もありますが。
一方シナリオはと言うと……
いやだからさ、戦争終わってないのに、なんで正規軍が壊滅し要塞も吹っ飛んだガリアから、帝国軍撤退してるのよ!?
みたいな話や、士官学校はエリート校だろうとか言うツッコミは、ある程度許せる感じです。ま、前作で耐性ついてますしね。物流止まりかかってるのに、脳天気にパン屋の配達やってる主人公とかは、思わず拳銃向けたくなりますけど。
とは言え、彼は救国の英雄なのに昇級一つ貰ってない上(退役時まで少尉!!)、大公殿下は無意味な自己満足行動で部下を死なせても眉一つ動かさない無能なので、忠誠心を求めるのも酷でしょう。
そして、キャラクターはというと、これは良い点と悪い点が併存。
まず、反乱軍のメンバーがサクラ大戦の敵役みたいな扮装をしているため、お気楽戦争もどきシナリオで気になりません。この割り切り方は正しいでしょう。
同時に、前回「設定は作ったけど描写は面倒だからやりません」みたいなひどい状態だったキャラクター達に、個別イベントが大量投入されています。このおかげで、各キャラに愛着が持て、使う気になったりならなかったりする事ができます。
と、ここまで書いて気づかれたかもしれませんが、問題はその描き方。
どうも、どのキャラも「一工夫ひねろうとして、ひねっちゃいけない所をねじ切っちゃった」みたいな、残念な連中ばかりです。例えば、「性格と兵種が一致しない」と言う特徴がおよそ1/3位のキャラに当てはまってしまう事に、何か疑問を覚えなかったのでしょうか?
あとまあ、細かく気になる所は幾つかあるのですが、現時点では総じて楽しく遊べています。馬鹿みたいに固い上に回避を連発するボスと剣甲兵には、PSP叩き付けたくなりましたけど。
とりあえず、前作よりははるかに好印象で進められそうです。
2010年03月04日
石原は前からあんなですよ
例の東京都の滅茶苦茶な表現規制問題ですが、知事が自民のお手盛り質問に答えて、もの凄い事を言ってますね。
東京都の議事録ページの、川井しげお自民党議員の質問の所です。4:27:00辺りから。
ポルノに表現の自由を主張するのは自由のはき違え、だの、「おぞましい」から規制しようだのと、いつもの石原節。
それにしても、映像を見ると、もう完璧にろれつの回らない半痴呆状態だと見て取れるんですが…… あんな状態の人間の言葉を、ツッコミもなく垂れ流すマスコミは、何やってるんですかね?
一つ驚いたのが、作家という肩書からか、石原のこの発言に驚いている人も多いようだと言う事。保守的な言動のおかげで、ネットでは「解っている人」と言う認識があったのかもしれませんが、彼はいつでも「俺の認識=正義」と言う内容をぶちまけているだけですよ。左右問わず、一番ろくでもない種類の人間です。
今までも、若者文化や性的表現に、噛みつきまくっているわけですし。
まあ、昔は口先だけは若者の味方と言ってましたがね。何の事はない、その時言っていた「青年」「若者」というのは、自分自身の事に他ならないわけです。自分がそのカテゴリから外れれば、手の平を返すだけの事。その程度の人間です。(まあ、文学者が人徳溢れる存在であるわけがない、と言う身も蓋もない見方もできますが)
岡林信康が「クソくらえ節」で行っている揶揄が非常に適切ですので、引用。
>ある日 おエラい小説家 選挙に立ってこう言った
>青年の国 作るため わたしゃ文学捨てたのよ
>甘えるな この野郎 甘ったれるなこの野郎
>弟つれて選挙やるなど ジジィのやることだ
(放送禁止歌文庫版
、P222より)
私が聴いた事のあるライブ音源では、「青年の国を」と歌っていました。
ちなみに、最初に都知事選に立った時も、「石原裕次郎の弟」をアピールしていましたねえ。
最初から権威におもねってサブカルチャーなど叩き潰したくて仕方ない人ですから、これを機に期待するのなんかやめましょうね。と言うか、戸塚ヨットスクールをはずかしげもなく支援している人が、「児童の保護」なんて、本当に考えるわけ無いわけで……
とりあえず、これまだ条例提出段階。都議会は去年の選挙のおかげで少数与党でありまして、そのまま通過はまずあり得ません。地元の議員さんに手紙を送るなどして、対処していきましょう。間違っても、メールボムやヒステリックな言葉遣いにならないように注意して。
それと、言いたかないですが、感情剥き出しで迫ってくる相手を前にして、規制される側を「お前らがやり過ぎたからこんな事になったんだ」というのは、不毛どころか有害な事ですよ。対象として上げられるのは、同人誌や"過激な"ゲーム、ジュニアアイドルのDVDや少女漫画ですね。関連スレでもボチボチ見かけるんですが。
今回の発端である「性暴力ゲーム規制」の時もそうですが、規制派はそれこそ戦前並の統制を敷きでもしない限り、満足しません。むしろやり玉に上げられた対象については、一緒に戦おうとか支援しようとかするのが王道です。ソフ倫への非難と一緒にしてはいけません。あれは、言わば敵前逃亡に対する批判です。煮詰まった状況で、「誰が最初に引き金を引いたか」を問題にしても、何の意味もありません。ガヴリロ・プリンツィプに一次大戦の全責任があるわけでも、聖地管理権問題が起きなければクリミア戦争が起こらなかったわけでもないのですから。
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東京都の議事録ページの、川井しげお自民党議員の質問の所です。4:27:00辺りから。
ポルノに表現の自由を主張するのは自由のはき違え、だの、「おぞましい」から規制しようだのと、いつもの石原節。
それにしても、映像を見ると、もう完璧にろれつの回らない半痴呆状態だと見て取れるんですが…… あんな状態の人間の言葉を、ツッコミもなく垂れ流すマスコミは、何やってるんですかね?
一つ驚いたのが、作家という肩書からか、石原のこの発言に驚いている人も多いようだと言う事。保守的な言動のおかげで、ネットでは「解っている人」と言う認識があったのかもしれませんが、彼はいつでも「俺の認識=正義」と言う内容をぶちまけているだけですよ。左右問わず、一番ろくでもない種類の人間です。
今までも、若者文化や性的表現に、噛みつきまくっているわけですし。
まあ、昔は口先だけは若者の味方と言ってましたがね。何の事はない、その時言っていた「青年」「若者」というのは、自分自身の事に他ならないわけです。自分がそのカテゴリから外れれば、手の平を返すだけの事。その程度の人間です。(まあ、文学者が人徳溢れる存在であるわけがない、と言う身も蓋もない見方もできますが)
岡林信康が「クソくらえ節」で行っている揶揄が非常に適切ですので、引用。
>ある日 おエラい小説家 選挙に立ってこう言った
>青年の国 作るため わたしゃ文学捨てたのよ
>甘えるな この野郎 甘ったれるなこの野郎
>弟つれて選挙やるなど ジジィのやることだ
(放送禁止歌文庫版
私が聴いた事のあるライブ音源では、「青年の国を」と歌っていました。
ちなみに、最初に都知事選に立った時も、「石原裕次郎の弟」をアピールしていましたねえ。
最初から権威におもねってサブカルチャーなど叩き潰したくて仕方ない人ですから、これを機に期待するのなんかやめましょうね。と言うか、戸塚ヨットスクールをはずかしげもなく支援している人が、「児童の保護」なんて、本当に考えるわけ無いわけで……
とりあえず、これまだ条例提出段階。都議会は去年の選挙のおかげで少数与党でありまして、そのまま通過はまずあり得ません。地元の議員さんに手紙を送るなどして、対処していきましょう。間違っても、メールボムやヒステリックな言葉遣いにならないように注意して。
それと、言いたかないですが、感情剥き出しで迫ってくる相手を前にして、規制される側を「お前らがやり過ぎたからこんな事になったんだ」というのは、不毛どころか有害な事ですよ。対象として上げられるのは、同人誌や"過激な"ゲーム、ジュニアアイドルのDVDや少女漫画ですね。関連スレでもボチボチ見かけるんですが。
今回の発端である「性暴力ゲーム規制」の時もそうですが、規制派はそれこそ戦前並の統制を敷きでもしない限り、満足しません。むしろやり玉に上げられた対象については、一緒に戦おうとか支援しようとかするのが王道です。ソフ倫への非難と一緒にしてはいけません。あれは、言わば敵前逃亡に対する批判です。煮詰まった状況で、「誰が最初に引き金を引いたか」を問題にしても、何の意味もありません。ガヴリロ・プリンツィプに一次大戦の全責任があるわけでも、聖地管理権問題が起きなければクリミア戦争が起こらなかったわけでもないのですから。
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2010年03月02日
ガンダムUC 第一話先行上映感想
![機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 1 [Blu-ray]](http://rcm-images.amazon.com/images/P/B002TZRF5M.09.MZZZZZZZ.jpg)
機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 1 [Blu-ray]
原作小説
なお、感想の前に注意点2点。
まずこのガンダムユニコーン、原作小説は文庫でお求めやすくなっていますが、文庫になっているのは1巻2巻だけ。次巻以降の出版予定は発表されておらず、恐らく映像の進行と並行させる物と思われます。続きが気になった場合、(私の事です!)3巻以降だけ別カバーで買う羽目になるので注意。
もう一点は、映画館で鑑賞すると、発売前にBLU-rayを買えると言う特典(?)がありますが、販売価格は定価。上記リンクのとおり、予約商品は3割以上値引きされているので、焦って買う必要は無いと思います。
あ、もう一点だけありました。これ、映画の日やレディースデイでも値段が変わらないので注意!!
映画の日で、他の映画が全て千円になっているのに、これだけ千二百円で、一気に見る気が失せかかりましたよ。一時間で他の映画より割高ってのは、さすがに、ねえ?
と言うわけで、内容の感想です。
原作小説は、「普段ガンダムもどきを書いてる作者がガンダムを書いたら、普段より数倍面白かった」と言う変わった代物でした。ちなみに、私はこの作者の他の作品は嫌いなので、(参考文献に「ユダヤ人と日本人」とか入ってる段階で、ねえ……?)その辺を割り引いて下さい。
そして今回のOVAですが、原作からの改変は二点にまとめられます。
「時間が無いので、設定の説明は全部省きました」
「ガンダムなので、主人公を○○病にしか見えなくしてみました」
”○○”には、精神とか厨二とか、好きな言葉をお入れ下さい。要するに、ニュータイプ的なアレです。ストレートに「クソガキ」でも可。
確かに、絶賛されているとおり、映像は素晴らしいです。冒頭のスタークジェガンの武装パージや、パイロットの操作ギミック。コロニーの景色やアクションシーン。クシャトリヤ無双(笑)の三次元機動。どれをとってももの凄い完成度です。これなら確かに、映画館で上映したくなろうという物。
一方で、主にSFがらみの設定説明が省かれているため、展開は性急かつぞんざい。オードリー(偽名)が飛び込んだ通路は何なのか、彼女の状況は何が危険だったのか、特殊部隊の解説、ロンドベルとの関係、財団とアナハイムの関係(アナハイムは財団の一部門でしかない)、可変モビルスーツがなんなのか…… 場面場面にきちんと意味と設定があるだけに、原作を読んでいないと非常に厳しいです。
例えば、ジェガンがギラズールに向けて発砲するシーンで慌てて静止しようとする僚機や、設定を知らないとアホにしか見えない、「わざわざMSのハッチを開けてランチャーを撃つ可変MS」(特殊部隊の兵員輸送用なので、機体の武装は機関砲程度しかない)など、凝っているだけに勿体ないです。重要人物のはずのロンドベル新人隊員なんて、セリフも説明も全て省かれ、ただのモブ扱い。
それと、主人公…… 厨二病と自閉症を併発したようなあの造型は、どう考えても失敗じゃないかと思うのですが。原作が、ニュータイプっぽさがほとんど無い基本的には普通の少年だった事もあり、違和感と嫌悪感が凄い事に。だって、明らかに近寄りたくない奴ですよ。
原作ではDQN気味だったミコットさんが可愛かったのは嬉しい誤算(あの髪型じゃ宇宙服着れないだろ、と言うのは触れない方向で)ですが、それだけに主人公の悪印象がまた……
その他の点については、おおむね「ガンダムの映像作品」としてチューニングするための、正しい判断かと思います。主人公とオードリーの分離→合流シーケンスをまとめたり、全員ゴルゴ13かというレベルのマンハンター無双を省いたのは、大正解でしょう。後者なんて、特殊部隊がガンダムよりタチの悪い無敵っぷりのため、力の象徴がMSで無くなってしまっている上、映像化しても古い方のエヴァ映画版前半みたいな、陰惨な内容にしかなりませんからね。
逆に、カーディアスの長広舌は、聞き手の主人公がアレな事もあって、もっと削って良かったと思います。
ですが、繰り返しますがメカニックは絶品。
贅沢を言うなら、やられ役のMS達があまりに柔らかすぎる、と言う程度でしょうか。折角損害が細かく画面上で表現されるのですから、もっと丁寧に壊れて欲しかった。やられパターンも、コクピット直撃かエンジン爆発だけですしね。武器を失って撤退したり、大破してパイロットが脱出したりと言った、多彩さが欲しかったと思います。これは、原作自体がクシャトリヤ無双なので仕方ない所ですが……
あと、ビームライフルの描写は非常に格好良いのですが、照射時間が長いため(それが格好良さの中心なのですが)ビームサーベルの存在意義が消えてますね。あのビームライフルの描写は、「馬鹿みたいに長いビームサーベル」に他ならないので。赤熱→破砕の描写とか滅茶苦茶格好良いですし、サーベルによる格闘戦も外連味たっぷりで魅せるので、どうでも良くなりますが。
とにかく、バランスの悪さが目立つ物の、基本的には非常に力の入った、できの良い作品でした。
不満の大きさは、評判を聞いて期待が大きくなりすぎたのと、映画の日不適用のショックが大きいでしょうし。
ただ、話としてはまだ始まっても居ず、ユニコーンガンダムが起動したところで終了。原作では売りの政治劇も設定自体が語られない状況で、単品で1200円払うのはちと厳しい感じです。結局の所、上映時間は1時間を切るわけで。
今後の展開にしても、小説を読んで、補完として作品を見る程度で良いかなあ、と感じました。その場合、ネット配信は高いですし、レンタル開始を待つのが正しい気がします。
なかなか、映像作品の値段設定というのは難しいですよね。
2010年03月01日
『星空のメモリア』 ファーストインプレッション

星空のメモリア
エロゲにおける売上と評価の格差 2001~2009年(sixtysevenの日記)で興味を持ったので、プレイしてみました。
口コミで継続売れ続け系は、AMAZONだとあっという間に在庫が尽きてプレミア祭になりますね。札幌は実在店舗が多くてまだマシですが、機会逸失を考えても、DL販売はもう少し普及して欲しい所。
って、なんかブランド潰れたんですか?市場状況は、順調に悪化して、ブランドは吹けば飛びますねえ。良作必ずしも売上に繋がらず…… 月面基地前に、いつ初夏は来るんでしょうか?
閑話休題、ファーストインプレッションです。
内容は、生まれ故郷の町に帰ってきた主人公が、再開を約した女の子そっくりの自称死に神に出会う、昨今珍しい正当派。ちなみに、「正当派」に”2009年にもなって、古式ゆかしいKANONもどき”とか言うルビが見えたとしても、あなたの視野に映った視覚情報は、多分一種の視覚障害です。私は治し方を知らないので、私に任せれても困りますが。
とりあえず、文章は水準確保。イラストは、立ち絵はそれなりですが一枚絵は割とグダグダ。と言うか、統一感がないのが一番辛い感じですが、背景は丁寧。音楽は、悪くない物のパッチを当てても再生がおかしい箇所有り。まあ、総じてそれなりのレベルです。
一方キャラクターは、立っている物の約一名がうざすぎて辟易。
ただし、あまりにひどいので「千波 うざい」で検索してみたら、対処法が載っていたので解決しました。ちなみに、その方法は「彼女の音声を50%ボリュームダウン」。こうすると、あの鬱陶しいセリフの数々が背景音にしか聞こえなくなり、全く気にならなくなります。(苦笑)
あと、キャラクターの半数が「特徴:人の話を聞かない」(-10CPくらい?)を持っているのが、一番の問題かもしれませんが。私の反応判定に-2くらいの修正が常につく事に……
あとは、主人公が「頭が良い」と言う設定なのに、問題対処能力が皆無というのも、非常に気になります。別に、いつもおなじみ劣等生だけどやる時はやるぜ!系なら問題無いのですが、事態がどう見てもオカルトなのに明らかに無駄な回り道をしたり、迂遠な方法を取り続けるのは……(だって、開始3分で死に神の正体って想像つくじゃないですか!)
あと、展開自体が一々もたつきます。妹関連のバタバタだけで、オープニングムービーまでの1時間以上を引き延ばす進行の遅さと相まって、イライラしてきます。
とりあえず、評判は良いので最後までプレイするつもりですが、これでオチが何のひねりもなく「僕の事、忘れて下さい」だったら、潰れて当然、と言う評価にしかならないと思います。
いや、冗談じゃなく、そのまんまの展開が粛々と展開してるんですよ。
星空のメモリア、感想の続きはこちら。


