2010年05月22日

不健全図書専門書店

つばぜり合いが続いている東京都の条例問題ですが、結局の所問題をややこしくしているのは、「不健全図書は取り扱わない」と言う小売・流通の態度にあります。
これがあるために、建前上単なる「自主規制のお願い」でしかないはずの指定が、発禁と同じ効果を持ってしまっているわけですから。


と言うわけで、このシステムを打破する上で、政治活動以外のあり得る道というのを考えてみました。
これは不健全図書を流通する経路を確保し、場合によって付加価値をつけて制度を骨抜きにすると言う目標に、有効と思われる存在です。
オニールよろしく、三段階でまとめてみました。

なお、全てネット上の存在なのは、運営コスト削減が容易なのと、そもそもこんな代物は、リアル店舗を持っていても足かせにしかならないからです。


Foundation1:データベース化と入手経路の確保
まず、不健全図書をデータベース化します。また、同一作者別作品、同一シリーズ別作品での指定状況を網羅。勿論、各都道府県別の参照性は命です。
そして、月ごとに行われる指定のたびに更新を行い、データを蓄積します。

ここで重要なのは、作品データと共に、入手可能な場所を附記すること。AMAZONでシレっと売られているならよし、そうでないならアダルトサイト等の入手可能先を記す必要があります。

この段階では、サイト運営から入る収入はアフィリエイト程度。(指定された作者の別作品を掲載するのは、このためでもあります)少年犯罪データベースさんがそうであるように、手間ばかりかかるボランティア状態となるでしょう。


Foundation2:不健全図書の取り扱い
出版社と取引できる立場があるなら、専門店として経営するのは不可能ではないかと思います。
基本的に指定されると販路をなくし、最悪裁断行きと言うのが現状。指定された作品をバッタ屋よろしく買い叩き、専門サイトとして経営すると言う手は割とあり得るかと思います。
勿論、一冊単位では赤字にしかなりませんから、当初は契約者相手に月ごとにセットで送付、と言ったサービスが中心になるでしょう。例:東京都指定パック、全国指定パック(重複は抜きます)など。
売り込み先としては、各出版社や地方自治体などが考えられます。(あと、規制派団体と反規制派団体)

また、宣伝効果で不健全図書という非常に魅力的な商材が話題になれば、ある程度売上も期待できるようになります。何しろ、実質独占販売なのですから。例えば今次の運動のように、大きく制度が話題になっても、実際どう言う本が指定されているのか、まとめて見られるサイトも購入経路もありません。しかし、それを気軽に買えるサイトがあったら?
この考え方で行くと、各所でやり玉に挙がった本も集中的に扱えば、商品の親和性も高く売上が見込めるかもしれません。公共機関等にやり玉に上げられた本は、版元に突っ返される事が多いですから、これまたバッタ屋方式で安く仕入れられるはずですし。

なおこの時、サイトを18禁にするのでなければ、トップに「民主主義の根幹である行政機関監視と言う指名に鑑み、当サイトはあらゆる顧客に書籍を提供します」などと謳っておく必要があります。収益を上げられれば一番ですが、政治的主張を前面に出し、警察だけでなくISPも「うちにトラブル持ち込むと、徹底的に争うよ?」と威嚇する必要があるからです。


Foundation3:サイトの役割終了
2と3の間が開き過ぎなのは、3つにまとめようとしたことの弊害なわけですが。
Foundation2が大きな収益を上げられるようになれば、当然新規流通も出てくるでしょう。上で書いたように利益が出るとすれば独占故であり、独占は新規参入を呼ぶのが理です。最終的にはもっと使い勝手の良い所や、既存サイトの特設コーナーとして併設されたりして、利益は分配されこのサイトは役割を終えて縮小していくはずです。
まあ、法人としては斜陽になるわけですが、それが非常に喜ばしいこととなるのは言うまでもないでしょう。



基本的な考え方として、この3つは以下の3つの目標に対応しています。

1,最低条件は物自体が高コストでも入手可能であること。そうでなくては、我々は「その取り扱いが適切かどうか」を判断することができません。これは、民主主義国家としては自殺行為です。(なお、児童ポルノは既にこう言う扱いです。摘発されると国会図書館でも閲覧停止となり、国民は三権の判断が適切かを事後チェックする事が出来ません)

2,次の目標は、対象物が継続的かつある程度普通に入手でき、指定権力が常に監視の目に晒されること。規模の問題と言う事も出来ますが、Foundation1の段階では通販サイト頼みであり、リンクの維持も簡単ではありません。ついでに、入手先の明示は規制派に便利に使われて終わりという可能性もあります。

3,これは勿論、「不健全図書」指定制度の崩壊です。指定自体が話題の一環となって購入のモチベーションとなるようであれば、「我々は検閲をしているわけではない。単に要望を述べているだけ」と言う役人の逃げ口上が、自分に跳ね返るだけです。
我が国は民主主義国家であり、思想と表現の自由を奉じる先進国です。何が健全で何が不健全かを、国や自治体に決めてもらう必要などありません。毛沢東語録が億単位で普及したり、宗教指導者が不愉快に思った本が作者と一緒に焼かれるような国は、単に非効率な野蛮国でしかないのですから。



まあ、これは基本的に思いつきを文章にしただけで、実際に作るとなるとサイト運営の時間も経費も捻出できないんですけどね。
ただ、最近絶賛逃げ出す人が続出中の出版社の中の人などが、まだ結構額の大きい退職金を突っ込んで起業する、などと言う時には、十分あり得るプランかなあとは思います。出版社や取り次ぎとのコネクションが武器なわけですし。



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