2010年08月17日

うみねこのなく頃に 散 EP7 感想1 物語構造の整理

うみねこのなく頃に Episode4
うみねこのなく頃に Episode4

↑の小説版も売られてますが、構造を考えると、本当はリプレイ形式が一番正しい「ノベライズ」(?)じゃないかと思います。

前回までの感想等エントリーは、こちら

ブツそのものは漫画王の通販で勝ったので、届いたのは昨日。そこから、諸々の時間を削り取って、第7話をクリアしました。まあ、まだ完全には終わってないのですが。
と言うわけで感想ですが、その前に、構造のおさらいを。


前回までの前提

1,「事実」として確定していることは、六軒島にメンバーが入り、出てこなかったことと、第一話の内容のボトルメイルが「届いたという事」のみ。

2,二話以降の六軒島における事件は、「あり得た物語」を、各ゲームマスターが語っているだけ。

3,「ゲーム」所期の内容は、魔女の不在をプレーヤー側が証明すること。


メタ世界とは、つまりゲームマスター(GM)とプレーヤー(PL)がいる世界です。そこから、GMはNPCを、PLである戦人は「盤面」つまりそのシナリオ内でのPC戦人を操って戦いを繰り広げています。つまり、TRPGに他なりません。ここを理解すると、とても解りやすい話になってきます。

魔女の不在証明=GMを殺すことで、これはGMが管理する世界においては無理か無意味かのどちらか。つまり、PLの最終目的は「GMを倒すこと」ではあり得ません

まず、シナリオの所期目的として誰かを倒すことが示されたとしても、情報や伏線を張ってこれを覆し、PCに所期目的とは違う「選択」をさせるのは、TRPGの王道です。(勿論、所期目的をあえて続けると言う「選択」もあり、ドラマを生む)
特に、今回は敵が「GM」。GMは全てのリソースを操れるので、PL側を敗北させられないという事は、絶対にあり得ません。ゲームマスターは倒せないものなのです。GMが本来無敵であるはずの自身を倒せと言い出した段階で、自己矛盾に陥ります。つまり、GMは、倒されることを望んでいるか、GMを倒せと言うのは覆されるべき所期目的に過ぎないかの、どちらかと言う事です。

なお、GMであるベアトリーチェが何度もメタ世界を越えた部分で動いているのは、「ゲームマスター」と言う役自体が「ゲームマスターがロールプレイする役割(ロール)」に他ならない、TRPGの構造を示して居ると思われます。
GMは、PLの予想外の行動に「全て予定通りだ」とハッタリをかましてシナリオハンドルを行い、周到に張った伏線を回収してくれたPLに対して「うわ、その手があったのか!」と言いながら、「予定していた」有利な修正の適用を認めたりします。つまり、プレイ中のGMは、リアルの人格であるGMとは解離します。悔しがりながらの「名誉ある敗北」が、GMが目指すべきシナリオ管理と言われるのは、こう言うことです。

一方、ヱリカというプレーヤーや、それを焚き付けるベルン達は、シナリオをぶっ壊すことを目的とした問題プレーヤーに他なりません。

ヱリカは、ハンドアウトに「PC1の命を狙おうとする」と書いてあるのを盾にとって、全くシナリオ進行に協力せずPCアタックを続けるマンチキンの行動そのままに、「探偵」というロールを盾にシナリオを撹乱します。

あげくに、ゲームマスターの地位を奪い取り、「ルールだけには抵触しないようにしながら」世界観とシナリオを破壊していきます。ベルン達の場合、サブマスターとして登場しながら卓を乗っ取って暴れ出すと言う方法を取っていますね。

【TRPG】崩壊セッション【替え歌】
こんな感じ↑のアレ。まあ、上記動画では、迷惑プレーヤー/GMが原因ではない崩壊パターンが多い気がしますが……


まとめ:
所期のシナリオ(ベアトGM)は、最終的にベアトが倒されるない(恐らく、「魔女がなくとも事件は可能だが、魔女の不在は証明できない」とするルート)事を落とし所としていたはずである。あるいは、戦人が伏線を回収して、やりたかった恋愛シナリオ(まとめの場面が悔恨の言葉一つで済むので、初心者にもロールプレイが簡単?)ルートに進んでくれることを望んでいた。
これ自体は王道で、一理ある敵を相手にした時、その陰謀は挫くが和解の道も提示するというシナリオラインに当たる。しかし、このシナリオ進行は失敗し、PLはGMの設けた期限を守れずバッドエンドを迎えてしまう。(第四話)

結果、未完に終わったキャンペーンは、GMを交代して続行されることになる。

しかし、以後参加した、ベルン達は問題プレーヤー/GMを地で行っている。この「うみねこの鳴くころに」全体のシナリオ的意味は、上記落とし所に行き着く道筋として、ベアトは悪としては力不足だったためだろう。ベアトは非道と描かれるが、あれは幼稚で無邪気な残酷さの描写に他ならない。
まあ、「うみねこ」と言う、物語構造そのものをメタ的に利用する「お話」全体としては、ヤマを一つプラスという意味もある。
明らかにワケありの魔女を追い詰めて論破するだけではシナリオ的に不完全燃焼なので、どうしようもない厨房/マンチキンどもを投入し、明確な敵を設定したと言う風にも言える。
ふざけたGMが引っかき回しているのを、真面目なプレーヤーが整理して、所期の謎解きや伏線の回収をしてみせるわけである。なお、このGMの行動が「問題GM」そのものなのか「問題GMを演じるGM」なのかは、考える意味は余りない。最終的にPCが「ラスボス=GM」を倒せば、全体のお話としてはまとまるわけであるし。

これが、うみねこの、もっとも大きな(真の意味でのメタレベルでの)シナリオ構造である。


と、ここまでで長くなってしまったので、今回のシナリオの感想等は明日に回します。


その他の竜騎士07関係のエントリーは、こちら





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