2010年08月19日

けいおん!! 第2期 第20話 「またまた学園祭!」感想


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けいおん!!(第2期)


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最後の学園祭ライブと言う事で、ここで巻きを入れずにいつ入れる?と言う感じで期待の大きいけいおん!!#20です。



部室で気合を入れた後、無言で階段を駆け下るメンバーを追いかけるカメラが、そのまま窓の外の日差しを映す。この、定型的なカメラワークが、脳天気でいつもどおりの五人の様子と好対照に、「最後」のライブを演出します。



今回のステージ衣装は、オリジナルTシャツ+制服のスカートという変則型。ただ、今までで一番「学生っぽい」(有り体に言ってちぐはぐな)デザイン。後述する、懐かしさの演出を直球で出してきます。この辺、一年生時のPV風と際だった対照をなしてますね。


それにしてもこのTシャツ、一番似合ってたのはさわちゃん先生のこれだと思うんですよ。重ね着が上手くはまってます。

そして、和やクラスメートによる声援を受けて、最後の演奏が開始される暖かい演出。
ただこれは、良くも悪くも内輪のバンドであったことを、如実に表すエピソードでもあります。結局、外部から見に来た人間は、画面上に一切いない訳で。この辺りに、主題は音楽ではなく友情と言うほどハードでない、仲間グループの楽しさ・懐かしさを描くことだと言うのが良く出ています。


演奏中の画面作りが、一番解りやすいポイントでしょう。
ドラムに書かれたYAMAHAのロゴだったり、唯の上履きだったり、板目の床(典型的な体育館の床)の上を引きずられるコードだったり、「あの頃確かに日常に溢れていた」物を的確にピックアップします。音響も、「余り設備の良くない体育館で反響している」感じを出していますね。はっきり言って聞き取りにくい辺り、とても正しい「学園祭ライブ」です。
そして何より舞台を映すカメラは、常に他の生徒達や学校特有の緞帳と言った物を同時に画面に収め続けます。合っていない手拍子や、OPでもろに歌われている拙い歌詞、舞台向かって右に掲げられた多分校歌の書かれた額縁とかも、同じ効果ですね。


この、背伸びしてマイクに顔を近づける律の自然な仕草とか、「二度と戻らない」どこかの日常を徹底的に描写するという、執念みたいな物を感じたり。



中盤の、「うざったい」と言ってしまって良いであろう、唯のおしゃべりなんかも。学園祭のライブとかではよくある光景なわけです。とっとと次の曲行けよと言う、あれね。
こう言ったリアルな/自然な描写は、物語を組み立てる上では邪魔。ですが、日常萌えを突き詰めるけいおん!!は、その他を全て切り捨てて描写している。
多分、ずっとイライラさせられた1クール目終盤からの中だるみと言うのも、その辺に起因するんじゃないかともいます。リアルに日常描いてるんだよ、「物語」なんぞお呼びじゃないんだよ、という感じで。
個人的には、「このキャラはこう言うキャラだから」と言って、シナリオ引っかき回す問題プレーヤーと同じ物を感じてしまうので、余り好意的には見れない作劇法ですが……

唯は確かにダメな子ですが、ダメなところばかり強調されて画面上に出されると、萌えるものも萌えられなくなるわけで。


実際、演奏してる時間より喋ってる時間が長いという画面構成は、ちょっと酷いと思うんですよね。メンバー紹介など、各キャラの特徴や立ち位置を上手く描き分ける画面構成が出色でしたが、それはむしろライブを通して表現してこそじゃないんでしょうか?演出としては、敗北宣言に近い内容だったと思います。

「もっと演奏していたいけど」と言う言葉に、終わる高校生活と重ね合わせた切なさを乗せるためには、あんなにしゃべりに時間を割いて演奏時間を削ってしまう展開は、NGそのもの。

あと、ラストの曲がU&Iなのは、ちょっとなあという感じ。そりゃ私は憂は大好きですが、放課後ティータイムとして最後の学園祭ライブを行うのに、あの曲はちょっと違うだろうと。唯が歌う前に叫んでいる「ありがとう」を、歌詞にしていけば良かったんじゃないでしょうか?それこそ、「ありがとうさようなら」みたいな方向性の曲を作った方が、情緒にクリティカルだったんじゃないかと。


この「終わっちゃった」感溢れる雰囲気とか、凄く良くできてるだけに。


「来年の学園祭」はない。だからこそ、全力で取り組むのに…… 高校生の頃、全力で取り組んだ事も取り組み損ねたこともありますが、学園祭のあの描写(そこまでの練習も含めて)では、このシーンで思い切り泣けないです。シーン単体では、凄く上手いのに。


この描写も、本来は萌えと言うより燃え、「戦士達の休息」なわけで、もっと一所懸命やってきた描写が欲しかった所です。
「幸せそうな顔」と言うさわちゃん先生(和?)の声に、過ぎゆく物を惜しむ寂しさが混入していたり、このシーンも単品ではすごくいいんですよ。

まあ、何にせよ巻きが入り始めて、ここからがラストスパートと言った所でしょう。中だるみの影響で色々引っかかるところはありますが、次週も楽しめそうです。


次回は卒業アルバム!だそうで。
このシーンで唯が言ってる「いつもと違う」は、髪留めをつけてないからですね。和が気づかないわけがないと思うので、面倒がって無視してるのかな?まあ、男前の和さんなら、普通に気づいてないというオチもあり得ますが。



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