2010年08月21日

ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 とりあえずの感想

ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 ~光と影の英雄~
ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 ~光と影の英雄~

私がSLGやSRPG好きになるきっかけを作ってくれたのは、SFC版「ファイアーエムブレム 紋章の謎」でした。お子様御用達任天堂のイメージをぶっ壊す、「理由のある」高難易度は、「ゲーム」を「攻略」する楽しさを余す所無く教えてくれました。
使える人材と使えない人材を容赦なく選別し、パーセンテージと期待値を考え、移動範囲と適性を見極めて一体ずつ駒を動かす。一体、何周プレイして、何百時間プレイしたのか今となっては測るすべもありません。

で、リメイクです。ここに至るまでに、良く知られたゴタゴタがありまして……

1,メイン開発者が独立して作った作品は微妙だった(主に難易度調整やインターフェイス)
2,残ったスタッフが作った続編は、結構酷い物だった(主にシナリオと独特の雰囲気)
3,「暗黒竜と光の剣」のリメイクは、本当に酷い物だった

と言うわけで、この作品も今一期待値は低かったわけですよ。だから、メタルマックス3だのを優先してたわけです。
ですが、やっぱり自分のゲーマー人生を決定的にした一品と言う事で、手を出しました。とりあえず、半分位終わったところで感想を。
内容は、2点にまとめられます。

・まともな難易度を選択すれば、ゲームとしては普通に面白い
・改変部分は、全般的に改悪となっているが、極端に酷いわけではない

全体としては、「旧作ファンは、ヴァーチャルコンソールでSFC版プレイした方が、幸せになれる」と言う結論になります。


とりあえず、一点目から。
難易度「マニアック」以上は、選んではいけません。多くのマップが、「最適手を打った上で、乱数が味方してくれるのを待つ」と言う、ストレスフルな内容となります。典型的には、1ターン目に敵の攻撃をかわせないと即死、みたいな。
感じとしては、マニアックはベルウィックサーガみたいな難易度です。つまりFUCKです。一応マニアックで中盤までやったのですが、キャラを一人仲間にし忘れたこともあって、最初からやり直しました。難易度「ハード」だと、SFC版とほぼ同じ難易度です。

ですが、難易度をハードにすれば、いつものファイアーエムブレム。今回はリメイクで敵の手の内が割れていることもあり、サクサク進めます。初めてやる人だと、丁度良い歯ごたえになるのではないでしょうか?ネックだった戦闘時間は、SFC版と違って戦闘シーンをカットできますから、特に問題なし。シナリオ展開は元々マトモですし、説得が必要なキャラは、章ごとの準備場面でヒントが与えられます。
つまり、普通に面白い「あの」紋章の謎です。

しかし、二点目。
今回の目玉は、副題「光と影の英雄」とあるように、マルスに付き従うオリジナルキャラの使用です。ところが、あくまで内容はリメイクなので、マップやシナリオは原則変わりません。
どう言うことかというと、「単に味方ユニットが増えただけ」となります。
まあ、それ自体はいいのです。自分の分身をあの世界に送り込めるのは楽しいですし、豊富な会話も各キャラの掘り下げになっています。やたらと周囲から褒めそやされることに対する違和感が良く言われますが、実際強いし(操作しているプレーヤーが)逆境を跳ね返して勝っているので、私は気になりませんでした。
問題は、その「強い」という所です。とにかく、このオリジナルキャラは強いです。初期値は同レベル帯の全てのユニットを上回り、成長率もトップクラス。集中的に育てられる上に、全ユニットと(!!)支援関係が発生するので、一人だけ別世界の能力を発揮します。
具体的には、クラスチェンジ後すぐに複数の能力がカンストし、他も最強クラス。剣士ナバールも頼りのオグマも魔道士マリクも、こいつに比べればリカード並です。何というか、「こりゃ無いだろう……」と呟きたくなります。
しかも、こいつが全キャラとの支援関係と会話イベントをこなしてくせいで、マルスの影が恐ろしく薄くなっています。どう考えても、こいつのポジションにマルスを座らせ、会話イベント等々をこなしていくべきだったのでは?完成されたファイアーエムブレムという物語に混入した、異物になってしまっています。
と言うか、本作にはすでにマルスという主人公がいるわけですよ。そこに、新たなプレーヤーの分身、は必要だったのかと?

他には、旧作における強キャラの弱体化と、雑魚どもの大幅強化が問題。要は、「誰を使っても一緒」と言う事で、シリーズの大前提を崩す内容になっています。
そもそも、使えないキャラを愛をもって使うからこそ縛りプレイになるんですよ。逆に、オグマやナバールやパオラ、チキは、あの突出した性能だったからこそ「頼りになる」神々しさを持ってたわけです。それでバランスブレーカーになってたならともかく、決してそんな事はない。(むしろ、彼らを使うことを前提にバランスが組まれていた)
私の心に燦然と輝く英雄オグマ隊長なんて、今回普通に使ってると壁にもなりません。

その他細かい点では、「重さ」の概念が無くなったせいでどれも一緒になってしまった武器類や、(どうも、この無意味な平等化が今回のガンじゃないかともいます)フルメンバーで登場してくる暗黒竜と光の剣の仲間達、狭くなったマップなども、誉められた物ではありません。

ラディとか、戦火の中で恋をして剣を捨てたんでしたよね?バーツは海賊になっちゃったんですよね?立場を貫いたはずのオルレアン騎士団もそうですが、キャラクターの本質を歪めてまで参戦させるのは、二次創作だけにしてくれませんか?
そのくせ最大出撃人数はSFC版から2割も減ってたり、チグハグも良い所です。

支援効果とその後から見えてくるペガサス三姉妹の悲しい恋とか、そもそも「アルテミスの呪い」に彩られた英雄達の悲劇とか、そう言うどうにもならない陰をもった世界観だからこそ、マニアックな人気が出たんだと思いますが。
私の敬愛するオグマ隊長の忠実さとか、言葉にしちゃダメなんですよ!

あと、狭いくせにシナリオ開始前のマップ全体を見回すカメラ移動がないので、オブジェクトを見落としやすいのも問題でしょう。全体マップは上の画面に表示されるのですが、村や拠点を強調表示する程度の事もしていないため、頻繁に見落としが発生します。

勿論、旧作の問題点(アニメーションオフにすると見えない成長、杖の仕様による誤操作頻発)は改善されているのですが、どうにも、ねえ?
キャラ送りがLでしか行えない(上画面の切り替えに割り振られているので、Rで戻しができない)とか、どうもインターフェイスにストレスをため込む仕様が多いのも気になります。


とは言え、これらは本質的には些細な引っかかりですし、今作ではじめてプレイする人には全く気にならない所のはずです。マップの狭さは迅速な展開を可能にしますし、想像力/妄想力に頼らずきちんとキャラを描き込んだ事は、逆の場合(手間をかけない場合)と違って本来非難されるべき事ではありません。
本作は、基本的には、後年のシリーズで進化したインターフェイスで旧作をプレイできるという内容です。しかし、二分作として作り直したりする都合上キャラを増やしたり、差別化のためにオリジナルキャラを放り込んだりと、挑戦・改変が悪い方に出たと言うことでしょう。

以上の点を踏まえて、現時点(今からアンリの道に入ります)では、「諸手を挙げて誉められないけど、非難もできない。一応値段分はちゃんと楽しめる」と言った感じになります。
まあ、リメイクですから…… しかも、新規ファン獲得のためターゲットを旧作ファンだけにはしてない訳で。旧来のファンから不満が出るのは織り込み済なんだろうなあ、と取るしか無い気がします。





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