2010年09月02日

けいおん!! 第2期 第22話 「受験!」感想

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けいおん!!(第2期)


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前回でがっかりさせられ、期待の七割を奪われつつ視聴を続ける、けいおん!!#22です。




題名でまさかとは思いましたが、なんとクリスマスも年末も吹っ飛ばして、いきなりバレンタインまで時空がキングクリムゾン。正直気持ちが付いていかないのですが、中盤の無駄な回をなんで少し回さなかったんでしょうか?

ところで、男子校出身者としては、バレンタインってナチュラルに存在を忘れるような代物だった(今でもか)んですが、女子校だと普通にやりとり有るんですか?二次元のリアルなのか三次元込みなのか、ちょっと気になるところです。


結局、彼らは前回の宣言通り音楽室で受験勉強。梓の居心地の悪さを思うと哀れになってきます。って言うか、居座られると練習もできないよね?最初から、一人でやっても意味が無い、と言うのもありますが。
それにしても、2月にもなって"who"と言われて関係代名詞が思い浮かばない唯は……

集中も丸っきりできてないようですし、ちょっと位「頑張ってる」描写をしてもいいと思うんですよ。今までの練習風景にしてもそうですが。


受験会場に向かう時の町の暗さ描写とかは、やっぱりいいですね。この辺のノスタルジーな絵作りはさすがです。しかし、唯は結局一夜漬けか。



これに同時進行するのが、下級生三人組の手作りチョコ作り。珍しく、きちんと描写されないまま時間軸がずれていて、解りにくい構成になってしまってますね。良く聞くと、梓のモノローグの後ろで憂が「早かったね」と言ってるので、さっきの描写の直後と解るのですが。
なお、溶けたチョコとか指につけると、ひどい火傷をする羽目になるので、純の真似をしないように。



今回の主役は、残される側である梓。四人組の受験成功、そして「ちゃんと卒業できること」を祈ることは、悲しい別れを祈ることと等しくなってしまう。この複雑な心境は、本来であれば受験を行うキャラクター全員に当てはまり、視聴者の記憶を刺激する強力な共感喚起装置と成ったはずなのですが。
結局四人組の受験は、前回書いたように、一番美味しいドラマを潰す方向に行ってしまったので、「物語」として描き甲斐があるのは梓だけですしね。



と言う話とは関係なく、純の指ぬきグローブに視線が集中。あれって、オタク用のダメアイテム(あるいは汗っかき用の運転補助具)という認識しかないのですが、女子高生がつけるようなもんなのでしょうか?



結局、第一志望以外も全員ちゃんと合格していると言う不思議さ。「本番だけは強い」で済ませては説得力の欠片もありませんが、もうどうこう言っても仕方ないか。せめて律や唯は、第一志望以外は受かっていないくらいで良かったんじゃないかと思いますけどね。本当に本番の運だけ、って言う感じで。
今のままだと、普通に勉強して実力をつけていた生徒の受験結果になっちゃってますから。

ただ、2/14の時点で結果待ちのみと言う事は、誰も国立は受験してないって事ですね。今回和の姿が見えないのは、彼女だけまだ受験真っ最中だからでしょう。



前回で私的株価が暴落したさわちゃん先生ですが、今回は女子校バレンタインを微笑ましく見守る役。本人は恋人できねえ!と悶えているわけで、その空気に既に共感を失っていても、懐かしくてたまらないのでしょう。こういう描写は、やっぱり上手いです。
後、後半で、空気を読んでさりげなく音楽室に遅れて行く所とか。「大人」の気遣いを全方位で発揮しています。ただ、それだけに、前回の進路指導の違和感もまた、非常に大きくなるのですが……



今回の山は、梓に寂しさを吐露させる鉄板展開。先輩達が、微温的な楽園の延長戦でお茶を濁してしまっただけに、卒業によって確実に「変化」に晒される梓の存在は際だちます。逆を言うと、卒業・受験という一大イベントで描かれるべき苦しさや哀しさを、梓一人に集中させてしまったと言う事でもあるのですが。



そして、寂しさを振り払い、四人の合格を祈る梓。ドラマを梓一人に集中させたのは、これを見ると正解かも知れない、と思えてきます。原作がああだから、四人一緒の大学という展開は動かせない。その中でできる限りドラマを効率的に運用しようとすれば、こう言う形にならざるを得ないとも、考えられるわけで。

それにしても、死ぬほどあっさり受験が終わってしまいましたね。一応次回は学校と言う「場所」への哀惜を中心に描くみたいですが、やっぱり片手落ちという感想否めず。「場所」からの旅立ちが同時に関係の変化を強要するからこそ、卒業はあれほどさわやかに悲しいわけで。

やはり、物語の作りとして勿体ない方法を取って居るなあ、と思わざるを得ませんでした。



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この記事へのコメント
初めまして。ABの頃からこっそり拝見させていただきました。
4人で受験の展開が「原作がああだから」というのは言い得て妙かと。
ただ原作は練習の合間に試験勉強がさりげなく挿入されていたり、学園祭から受験勉強も結構かけてたり、2年生組の関係もHTTと並列してたりしてる。
このバレンタイン回は一期と二期の中間でやる話だったんですが、都合でここに持ってきた感じですね。
原作だとさわちゃん先生と取り残される梓と、それを心配する憂と純の構図がもうちょっとしっかりしてます。

でもアニメ版はもうちょっとやる事が違ってるんですねぇ・・・。
原作ほど勉強シーンが多い訳ではない要素なので違和感が生まれてしまったのかもしれません。
結末だけが原作と同じだからフォーマットしきれてない印象は確かにありますね。
アニメ版のテーマ的には学園祭で殆ど燃え尽きてしまったのかもしれません。
Posted by 神尾そら at 2010年09月04日 02:06
はじめまして。
けいおん!!は以前から「時々出来の悪い話が混じるなあ」と思ってたんですが、20話からつるべ落としに悪化していくので、それを機にこういった感想ブログを覗くようになりました。

今回は梓の扱いがひどすぎますよね。5人に背を向けて一人でギター抱えたまま長椅子に座ってる。もしあのシーンの音楽室を天井から俯瞰したとしたら、知らない人には「陰湿ないじめの一風景」と映るかも知れません。
ぶっちゃけバレンタインのチョコどうしよう、なんて問題は、梓を適当な理由で悩ませて「本来、まだ見ぬ後輩のためにも、自分のためにも、ここでバリバリ練習していいはずの梓がまるで部外者のような扱いを受けている」って大問題を覆い隠すためのトリックにしか見えないです。
受験勉強の合間に「やっぱり楽器なしじゃ人生やってられないぜ!」とばかりに弾き始める3人。その熱意をどうして引退前に見せなかった?
今更やっても現実逃避にしか見えないでしょうが。ただでさえ一期にも「テスト勉強放り出してギターの練習に勤しむ唯」なんて描写してるのに。

先輩の進路話を耳にしちゃって「もう卒業なんだ」と今までとは違う視線で見てしまう・・・確かに分かるんです。だから、ここだけ切り取れば感動シーンなんです。でも、仮にも2年間弱のあいだ一緒に馬鹿やったり笑ったりしてきた先輩に顔も合わせられないってどうよ。だいいち、学祭後から2月まで疎外感を感じてしまう機会はたぶん毎日のようにあったと思うのですが、それがいまさらになって・・・という気持ちもありますね。
Posted by jp233 at 2010年09月04日 20:19
>神尾そらさん
あ、原作だと2年時のエピソードなんですか。どうりで違和感あったわけです。

確かに、アニメ版の真骨頂は学園祭後の部室のシーン。あれを最終話に持ってきて、それまでの練習や日常でクライマックスに向けての盛り上がりを演出していけば良かった気もしますね。

>jp233さん
練習描写に関しては、本当にひどいと思います。前のエントリーでも書いたように、「練習やってない」と言う描写ばかりを積み重ねてしまっていたわけで。

なんか、演出の連携がチグハグなんですよね。バランスというか、刈り込み不足というか。
Posted by snow-windsnow-wind at 2010年09月04日 20:44
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