2010年09月08日

けいおん!! 第2期 第23話 「放課後!」感想

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けいおん!!(第2期)


他の各話の感想はこちら

前々回でテーマ的には失速しつつ、前回で残存兵力をかき集めてできる範囲(原作から逸脱しない範囲)でのドラマ構築を行っていると思しき、けいおん!!も、もう#23。



冒頭、受験も終わり学校にも行かなくなっているであろうこの時期に、丁寧に制服にアイロンをかける唯。高校生活の終わりが近い事を、強く暗示する場面です。


終わりが間近なことを念頭にオープニングを眺めると、抱きつかれても微笑を崩さないさわちゃん先生の包容力というか暖かさに涙が。本当に、良い先生です。


小学校の頃誰もがやったであろう、ポッキーのリス食い。この期に及んでそれをやる唯はかなりの大物です。と言うか、周囲が卒業式を前にしんみりしているのに、完全なマイペース。

それにしても、授業を受けている梓を除いた四人が音楽室に集まっているのは、既に卒業後の状況提示になっているわけです。四人にとっては梓が居なくなるだけですが、梓にとっては部活と居場所そのものの消滅。

一方、音楽室でだべって「いつもどおり」をやる四人組ですが、もうそう言う事をする最後の機会なわけで、やはり落ち着かない空気が流れます。私物が持ち帰られたためか妙に空白が多く見える部屋の雰囲気は、制作者の演出か、見ている側の心情の問題か?



同じ事は、このシーンにも言えます。律は荷物を持ち帰っていなかったようですが、この教室は、既に主を失った状態。絵面としては修学旅行の時の無人の教室に近いのですが、寂しさは相当アップ。


唯が取っておいた、律からの伝言用紙。
こう言うの、確かにあとから見ると悶絶する黒歴史ですが、同時に本当に微笑ましい思い出になるんですよね。TRPGの設定資料とかね…… 痛いけど捨てられないよ!
それを欲しいと言ってちゃんと保管しようとするムギは、やっぱり解っていると思います。前に、ムギはその時間がかけがえがないことを一番良く理解しているが故に、視聴者に一番近いと書きましたが、このシーンもその典型ですね。私も、タイムマシンがあるのなら、捨ててしまった黒歴史ノートやどうでも良いメモ類は、絶対回収したいと思うところです。


さて、今回一番の萌えシーンはこの赤くなる和。写真そのものよりも、ずっと打ち込んできた生徒会活動の集大成として作ってもらえるアルバムだからこそ、恥ずかしくも嬉しいのでしょうね。
それにしても、眼鏡外すとまた方向性の違う美人さんですねえ。


この、頬杖をついて生徒会室を眺める様子は、卒業直前の心情を良く表し、共感を呼びます。あえて背中から取るカメラの配置で、「解ってる」感いや増し。


一方、ひたすら部室でお茶を飲み続ける四人組は、飽きてるけど離れがたい感じでしょうか?退屈な部室を出て行くのは簡単だけど、もう二度と戻れない。(卒業式のあとに立ち寄る位はともかく、部室でダラダラする、と言う事はできない)
でも、紅茶を飲みまくるのは、利尿作用でひどい事になるので勧めませんぜ。(実際あとからそうなってましたね)胃も荒れるし。イギリス人って、なんであんなに紅茶ばっかり飲んでるのに、消化器や口の中が荒れないんでしょうね?


掃除も終わった部室に響き渡る、放課後の到来を告げるチャイムの音。いつもなら放課後のはじまりを告げるそれが、今だけは最後の放課後、つまり放課後の終わりへ向けて響き渡るわけです。


そして、一期からアイキャッチに印象的な形で使われてきたカセットテープが、ついにここでお目見え。あざとい!カセットテープとかあざとい!!これを見て涙腺を緩めるのは、どう考えても20代後半より上の世代。やっぱり想定ターゲットはそこなんですねえ。
それと実は、物として「残す」のであれば、カセットテープは恐ろしく頑丈です。MP3は物として部室に残していくのは難しく、CDやDVDの寿命は精々十年。部員個々人が持ち続けるなら、データ化して定期的にバックアップするのが一番ですが、こう言う用途なら、案外テープは優秀です。
ただ、なんで部員達は、ラジカセの使い方をちゃんと把握してるのでしょう?別にデモテープ作ってたわけでもなさそうですが。


そして何より、カセットテープの神髄は、「目的の音楽と違う音が紛れ込んでしまう」と言う所。今回散々ネタになっていましたが、ああ言うのが、あとになって聞くと本編(?)よりも懐かしくてたまらないもんなんですよね。TRPGの記録音声に紛れ込んだ雑談や、昔のテレビを録画したビデオテープに入っていたCMとか。
ただ、このネタで共感できるのは、ライン入力ではなく直接マイクをくっつける形で録音をせざるを得なかった、30代以上の視聴者ですね。


そして、ラストショットは、今まで必ず何らかのネタが書かれていたのに、真っ白に消されたホワイトボード。放課後は終わり、彼女たちは去っていく。四人の進路を同じにしてしまったことで、切ない寂しさは大きく減衰されてしまいましたが、他の演出が全力でフォローし、見事に「終わり」を盛り上げました。


そして、次回はついに卒業式。って、らき☆すたと同じで、全26話じゃなくて24話なんですか。この予告は、主人公達を一切映さないことに加え、セリフもSEも全部カットした静かな物。この辺のセオリーというか堅実な演出は、好感度大。それにしても、ついに終わるのですねえ。
不満もあったとは言え、ちゃんとやり遂げた作品というのは、見ていて気持ちが良い物です。



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この記事へのコメント
今回も何かと突っ込みどころが多く、いささか残念な回でした。
言いたいことは多くありますが、全て言うと長くなるので2点だけ。

1、結局あの音楽室は授業に使われることは一切ないんですかね。いくらまだ4人は在学生であり、教室もちょうど授業で使ってないからといって、お茶を用意して1日じゅう借りてていいものではないと思うし、2学年・5クラス・6時間の60コマあれば、1時間くらい使うところがありそうなものなんですが・・・
最後まであそこは、軽音部専用の楽園的異空間だったんですかねえ。

2、最後の放課後、で唯が慌てる意味が分からない。「梓との放課後」は確かにこれが最後ですが、他3人との放課後はこれからも続く・・・っていうか、その為に同じ大学志望したんでしょ?「この音楽室での」という部分に重きを置いているのだとしたら、「3年間通い慣れた部室だから」以外の意味づけが無いので唐突すぎる印象です。
Posted by jp233 at 2010年09月10日 21:41
あの音楽室、正式には第二音楽室と言ってたはずなので、普段は単なる部室何じゃないですかね。けいおん部が入るまでは、倉庫状態だったみたいですし。

最後の放課後は確かに唐突(と言うか、今頃気づいたのかという)ではありましたが、昔、高校の卒業式直前に部室に入ったときの気持ちを思い出すと、割と共感できたり。直前になって、唐突に「本当に終わりなんだ」と気づくあの感じは、それなりに納得できる視聴者も一定居るんじゃないかと思います。

逆を言うと、ノスタルジーと共感一点突破で構成されているので、ピンと来ないと本当にただのダラダラした描写に見えてしまうわけですが。
Posted by snow-windsnow-wind at 2010年09月10日 22:56
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