2010年10月05日

俺の妹がこんなに可愛いわけがない アニメ版 第1話 感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 1
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 1
↑アニメの絵で見ると、黒猫は背の低さが際だって、かなり印象が違ってきますね。具体的に言うと、外見イメージが可愛い生意気さに。もう、黒猫が妹でいいんじゃね?

小説版の感想はこちら


原作が好きなほど、アニメは見たくなくなる、と言う人は結構多いんじゃないかと思います。銀英伝とか、名作なのは知っていても、やはり自分の中のイメージを崩したくないので、未だに通し見はしてなかったりしますし。

しかし、この「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」については、酷いなら酷いで逆に面白いであろう代物。作品の方向性を把握した上で真面目に行われているプロモーション(いや、主題歌募集とかは、嫌な匂いがしましたが)と合わせ、アニメもゲームも楽しむ気満々で公開を待っていました。
何気に、脚本倉田さんだしね。

と言うわけで、第一話の感想です。副題は「俺が妹と恋をするわけがない」。題名の「可愛いわけがない」は反語なので、この副題はちょっと違和感がありますが、許容範囲ですかね。全てのきっかけとなる例のゲームタイトルに対応した物なわけですし。





冒頭。「妹が優しく兄を起こしに来る」と言う、原作ファンならニヤニヤと涙のどっちを垂れ流していいか解らなくなるシーン。勿論夢オチ。

このシーンにおける、妹に対する主人公の啖呵は、実に格好良くてリアルな刻の涙が見える代物。ですが、第1巻ラストのあの見事な一文の破壊力を思うと、ここで「そのセリフ」を使ってしまうのは、勿体ないなあと思ったり。
まあ、アニメは見るのに時間がかかりますし、仕方ないと同時に二度使っても変化コミで有効と判断したのでしょう。お手並み拝見(なぜか上から目線)という感じですが、それだけ変化を強調できると踏んでいるのでしょう。スタッフの自信が見えます。」


原作ではほぼ全く描写が無く、印象にも残らない主人公母も、アニメだと動いて自己主張。実は、第一話でもっとも原作とアニメの違いを意識させられた部分かもしれません。


一方、原作における「良く言って、居てもいなくてもどうでも良い奴」、ストレートに表現すれば「作劇上不要の盲腸的キャラ」である幼馴染は、アニメだと動きの可愛さ補正で「居てもいいかな」くらいにイメージアップ。
そのせいで、主人公に対する私の嫉妬が2割増しですが。でも、やっぱりキャラそのものには、惹かれないんですよねえ。私、幼馴染は本来大好物なのに。

あと、やけに幼く描写されているせいで、妹より年下に見えるのはどうした物でしょ?おかげで、これっぽっちも「普通代表」に見えません。主人公達も中学生、と言う設定なら、そう言う風にも見れるかと思うのですが。(勿論、作劇上それはダメですが)


アニメ版独自の小ネタは宮沢賢治から。古典(和歌とか)と並んで、妹萌えの必須教養ですね。


この、小説版冒頭のシーンまでで5分弱。冒頭3ページでつかみを入れる小説と、原作付きと言う事で少なくとも一話は全部見てもらえる計算のアニメでは、手法が違ってくるということです。
それにしても、桐乃は本当に可愛いですねえ。ツン状態時のとげとげしさが和らいでいるせいか、普通に愛らしく見えます。この辺のさじ加減は、難しいところでしょうね。原作準拠の刃物的鋭さを保持してしまうと、全部が画面上に描かれるアニメでは、「強すぎる」描写になってしまいますし。


そして、エールを送りたいのが、原作通りのR-18ソフト。いやあ、本来当たり前なんですよ。「やっちゃあかん事をやってるキャラ」が描ければ、創作活動なんてできやしないわけですから。
ですが昨今、未成年が飲酒してる程度の描写さえ、物言い経由自主規制がデフォになっちまってるわけで。シャットダウンしつつも漏れ聞こえてくる情報で、18禁ソフトは出るらしいと言うことは聞いてましたが、ホッと一安心。

しかしまあ、絵面がつくと、妹物エロゲーの威力はすごいですねえ。
リアル妹持ちなのに妹ゲーをやったことのある人なら、この辺の手に嫌な汗握る緊迫感は、もの凄く共感できるのでは?夜中エロゲープレイ時の不意打ち的「お兄ちゃん!」音声は、家族会議招集のベルになりかねないのですよ?


この、リアルリアリティ的緊張感と共に、描写が増えたお袋様がまた画面上で良い芝居をしています。「高坂家」のホームドラマとして、完成度を上げる方向に動いている感じ。


この、挙動不審描写とか、実に微笑ましい(?)ホームコメディの一幕です。


一方、妹の趣味発覚から「人生相談」に至る描写は、アニメ版で独自の解釈と演出強化を施され、見応えのある内容となっています。
原作で、適当にあしらうつもりで「馬鹿にしたりしねえよ」と言う主人公ですが、アニメだと声の演技に真摯な物が混じっています。つまり、一人称で構成された原作における、あの時点での主人公心の声を、「ツン」の一部として再解釈し、妹への思いやりを滲ませているのです。これは、冒頭に「可愛い妹」の夢を挿入したこととの複合でもあります。あれを主人公が心のどこかで持つ願望と見れば、首尾一貫した愛すべきツンデレとして主人公を描けることになりますから。


妹の隠し祭壇ですが、ちゃんと実在ゲームが含まれているところがもう最高。神は細部に宿るわけですよ。


あと、しっかり「みゆき」を全巻揃えている辺り、桐乃は温故知新でルーツを辿らずには居られない、コアおたくの資格ばっちりだと解ります。流石、中学生にしてYU-NOをプレイ済の人は違います。左側には、恋風も。
ただ、ちょっとエロゲーは少なめかもしれませんね。


……とか、寝言言ってすみませんでした!
純粋なエロゲ所有量では、間違いなく私超えてます。クソゲーでも売ったりしなそうだし。


後、横から見た画像だと、基本的に実在パッケージを使ってる模様。
そのせいで、「妹物」限定という設定と齟齬が見えますが、これは仕方ない所ですかね。


一方、雑誌の元ネタはなんでしょうね?シープ、と書いてありますが。

この後、主人公に受け容れられてクルクル表情を動かす桐乃とか、本当に可愛いです。言ってる内容のアレさも含めて。
原作者がこの本で言っているとおり、ダメ人のな属性は、美少女が持つと強烈きわまりない萌えポイントに化けるわけです。


これは、何というか、ゲーム版で落とすのが楽しみとしか……!


勿論、悟ったような表情でそれを見守るツンデレ主人公も、また良し。

そして最後のしんみり落としも、実に読者の共感を呼ぶツボをおさえて演出します。
好きに理由は無い。でも、それは普通じゃない。だからそれは誰にも言えず、結局疎遠な兄に白羽の矢が立つ。この作品、妹に好かれる兄以上にに、「愛すべき」オタク達である女子3人組に、強く感情移入できるのですよね。今回未登場の黒猫もそうですが、6巻(感想はこちら)で一気に漢(違)を上げた沙織も。

本当に、原作の大事な点を把握して、大切に描いて居ますね。これは、大満足でかつ今後にも期待大。


それにしても、本当にフリーダムというか、酷いなあ。


とにかく、単純に映像化するだけでも、十二分に酷くて面白い代物になる作品を、原作の理解と愛、そして高レベルの演出でまとめ上げていることは良く解りました。

いやあ、二次元って、本当に良い物ですね。では、また来週。




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この記事へのコメント
表現規制問題のことに最近あまり触れてませんがどうしたんですか?
Posted by ごーるでん at 2010年10月07日 17:29
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