2010年11月17日

表現規制を目指す都条例案の再提出と、看過できない地固め

「FALLOUT NEW VEGAS」、とても楽しいです。「タクティクスオウガ 運命の輪」、一日やって居たい気分です。毎週アニメも楽しみだし、ラノベや漫画も尽きません。

何が言いたいかというと、「いい加減にしろよ、東京都」と言う事です。こっちも、日々を楽しんだりサバイバルしたりするのに余念がないんですよ。根拠レスの妄想と、宗教的熱狂に彩られた十字軍旗を掲げて、民主主義社会を荒らし回る真似を、いつまで続けるんですか?

何度でも書きますが、洗練された近現代社会では、市民は政治に関わりたいなんて、思わないんですよ。関わるとしたら、政治の方がこちらの領域に踏み込んできた場合で、それにしたって一定の理由があるなら譲歩するのが普通です。でも、この問題にそんな理由は無く、譲歩する余地はないのです。


都の漫画規制条例、修正案を再提出へ

とりあえず、あの不毛な「非実在青少年」条例の、再提出が決定しました。
注意する必要があるのは、この記事はあくまでも観測気球だと言う事です。新聞社が一社だけ報道している状況というのは、自力でスクープを物にしたのでない限り、担当官庁から投げ渡された情報を掲載していると言う事です。

そして、「政治部」が取ってきた記事が前者である可能性は、皆無です。残念ながら、日本の新聞はそう言う物に成り下がっています。

さて、これが都庁から出た情報であることは、次の一文からも察せられます。

>これまで反対していた民主党も修正内容に同意するとみられ、条例改正の公算が大きくなった。

「同意するとみられ」と書かれると、もう話が通ったかのように見えますが、民主の反対派議員さん達に話があったと言う話すらありません。要は、「反対されていた部分を修正したので、通るに決まってんだろ」と言う傲慢な目線を引き写しただけです。

だってねえ……

>再提出案では、定義があいまいで過度な規制につながる恐れがあると指摘された「非実在青少年」との文言を削除、「18歳未満」とした、規制対象のキャラクターについても具体的な言及を避けた。

とか書いてるんですよ?

そう言う言い換えで逃げようとしているのは、ずっと前から解っていたことです。6月に書いたエントリー、「「非実在青少年」を言い換えればOK! と言う発想の愚劣さ」で詳しく書きましたので、そちらをどうぞ。
どうせ、出てくる修正案はこの時のままだと思いますんで。

とにかく、「あーあ、また始まっちまった」と言うのが正直なところ。都庁も警視庁も激務で有名だというのに、一体何をやってるのやら。下らない「こころの問題」なんぞに金をかける間に、小児病院の統廃合をなんとかしろよと言う罵倒は、投げつけて然るべきですよね。
小児科医の不足なんて、単純に給料を上げて人を集め、あとは関連スタッフ(法務とか)を充実させて訴訟リスクと問題ケース対応(企業で言う渉外部門)を徹底させれば、いくらでも改善するんですよ。要は金と資源の問題なんです。それ以上に、「子どものため」になることが有りますか?
エロ漫画の中の子どもを救う金で、現実の子どもを救えと言う話です。解らないなら、「では、その屏風の中の子どもを追い出して下さいお殿様。そうすれば如何様にもいたします」と言った方が良いですか?


さて、実はもう一つネタがあります。
読売のサイトをゲンナリしながら見ていたら、トップページに政府公報の広告が入っていました。これは別に珍しくありません。新聞の一面には、必ず政府公報が入ってますよね。マスメディアの独立としてどうなのよという話は置いておいて。

「児童ポルノは絶対に許されない!」-政府広報

これがそのリンク先。あ、URLは直接ページ指定に変えてあります。読売のトップをそのまま守ってくると、タグ(恐らく一種のアフィリエイト集計用)が大量にくっついているので。

そこの一番下に、こう言うイベントのお知らせが張られています。

児童ポルノ排除対策公開シンポジウム(事前申込必要)

で、初っ端からこれ。

>基調講演
>東郷 良尚 財団法人日本ユニセフ協会副会長
>テーマ:「児童ポルノ排除の必要性とグローバル社会」

性的な文化の問題って、絶対に「グローバル化」しちゃいけない所なんですが。だから、排除しなくてはいけないのは、児童「ポルノ」ではなく児童「虐待」。
他も、今回の騒動の黒幕である警視庁の生活安全局の課長とか、日本のAMAZONから「アメリカの判例に照らして違法」とか言う理由でアイドルビデオを「自主的に」扱わないようにさせたNPOの代表とか、そんなのばかり。
寝屋川市の市職員(「主事」というのは役無し、つまり一般職員という意味)は、恐らく寝屋川調査の件で話をするために呼ばれたのでしょう。

なお、あの調査自体は面白い内容です。岡田尊司みたいなのが喜んで引用したせいでひどい事になりましたが、調査を行ってみたことに意味があります。問題も多いんですが、それは精緻化した追試調査を行わない事の問題であって、「とにかく調べてみた」意義は失われません。とにかく社会科学って予算がなくて、この手の大規模調査はそうそう行えないので……
調査のどこがまずいかを把握していれば、ある程度補正して意味のある傾向を拾い出すこともできますし。

主催が「共生社会政策担当」と言うのは何かの悪い冗談として、国も表現規制を推し進める気満々なわけです。
って言うか、何で内閣の統制が一番効くはずの内閣府で、こんな出来レースみたいなシンポジウムが開かれるのか、理解に苦しむところです。政権交代の意味は旧来の政策を変更できる事なんですが、トラブル続きもあってまるで成果が上がらないまま終わるのは、本当に勘弁していただきたい。
可視化法だってあれだけ露呈した事実の援護射撃を受けながら棚上げのままですし、はやぶさで盛り上がった宇宙予算の改定も行き方知れず。何が最悪って、この辺は元々旧政権が嫌がっていた施策ですから、「じゃあ自民にしよう」と言う選択肢は最初からあり得ないところ。

条例の内容やシンポジウムの内容が出たら、またお手紙や寄付金を送る簡単じゃないお仕事が始まるわけですが、正直じり貧です。
どうした物かと思っても、できる事をやるしかないわけで。負けるにしても、抵抗して少しでも多くの妥協を引き出して、反撃する際の材料を残さないことには、文字通りジェノサイドされかねないわけで。



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この記事へのコメント
なんかもう、嫌になりますね……
結局思想や利権とかが問題の核なんでしょうが、規制派はそんなにポルノを忌引するならムスリムにでもなれよと言いたくなります……まぁイスラム教も幼女結婚はあったはずですが
Posted by かがみん at 2010年11月18日 15:00
民主党も尖閣やら何やらで、「もはやヲタは敵。票田にはならんから切った方がいい」と腹を決めたのでしょう
エロマンガのために尖閣を切るべきでした

つーか、
「なぜ、業界自体が公然と反対しない?」
…前回、ちばてつや先生ら大御所が抗議集会を開いたのに、当の業界人たちは事実上何もしませんでした
自分たちのせいで表現の自由そのものを危機にさらしておきながら逃げ、本来なら彼ら自身が実名素顔で抗議すべきところなのに、他人に、それも大先輩にやらせたのです
そして何の反省もなく路線変更もなく親にも見せられないような作品を描き続け、それどころか安全なブログの中で因果関係がどうこう、おかしいのは反対派の方、と上から目線で知ったかをコイたのです
(太田出版の920名署名も、当の鬼畜系はほとんど署名しませんでした)

…正直、愛想が尽きました
筆でも腕でも首でもへし折られればいいのです
Posted by 通りすがり at 2010年11月20日 10:18
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