2010年12月30日

傑作だけどリア充死ね 映画「キックアス」感想

Music from the Motion Picture
Music from the Motion Picture

↑ヒットガールが唄う「BAD REPUTATION」は、なぜかAMAZONのMP3ストアでは買えません。主題歌は、売ってるんですが……
iTMSでなら上記も単品で買えるので、iTMSユーザーはそちらで買うのが良いと思います。

キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)
キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)

20110225追記
↑DVD/Blu-rayの発売も決まりました。ANAZONのレビューでは、高いだの特典少ないだのボコボコに言われてますが、実売4500切る価格で、ボッタクリ呼ばわりは言い過ぎじゃないかと思います。



と言うわけで、話題作を見てきたので感想を。
ググってもなぜかトップページに出てこない、公式サイトはこちら

しっかし、映画の公式サイトはどこもかしこも、何だってトップページでクソ重いフラッシュ流しますかね?最寄りの放映館を調べたいだけの人間にとっては、最悪の嫌がらせです。

閑話休題、ダメ人間達がこぞって絶賛する、ボンクラアメコミヒーロームービー「キックアス」を観てきました。
まず、最初に感想を三行で。

1,滅茶苦茶面白い。アメコミが苦手でも十二分、造詣が深ければもっと。
2,監督は本当に変態ですね。日本人ばっかりロリコン呼ばわりすんなよ。
3,でも、中途半端なシリアスさと、主人公の描写はどうなの?


と言うわけで、以下詳細。
まず1ですが、とにかく面白いです。ボンクラ主人公を大笑いしながら見守りつつ喝采を送り、外連味の効いたアクションに手に汗握り、ダメ人間どもの愛すべき奮闘に涙を流せます。(色んな意味で)

簡単にシナリオを説明すると、アメコミマニアのダメ野郎が、通販で買ったスーツを着込み、ヒーロー活動(いわゆる「覆面をした自警団」)をやろうとするも、大失敗。リアルの壁に阻まれて酷い目に遭う物の、ダメな動機で再起。「本気の」ヒーローと協力して……やっぱり酷い目に遭う話です。
まあ、それだけではないのですが、それは後述。

とにかく、序盤から中盤にかけての「リアル」のつらさが半端ではありません。主人公は頭脳も体力もモテもないダメ人間で、特技は「女子から見えないこと」(存在を無視される的な意味で)。スーツを着てそれっぽく武装しても、「刃物」と言うこの上なく現実的な凶器の前に一撃必殺。やる気を出す理由はダメンズ好きの美女にけしかけられたからですが、本気の暴力の前では震えるだけの一般人。
対して、街に巣くうマフィアは、人を殺すことに微塵もためらいを持たない外道どもで、最初から勝負になりません。
この、弱さと強さの対比がコミカルな形で画面上に展開するので、最高のブラックジョークとなります。(「あーあー聞こえない」から「チーン」のシーンとか)

そして、後述するヒットガールの見事なアクション。勿論、体重と鍛え方の問題から、どうしても「軽い」部分は出てくるのですが、それを補うカメラワークと外連味の効いた演出で、最高に格好良いシーンになります。エロと暴力は表裏一体というか、実に変態。

ついでに、各種ギミック・小道具や、拘束されたビッグ・ダディが敵に解らないようにヒットガールに指示を出すシーンとか、アメコミに詳しいければワクワクできるであろう要素も豊富。勿論、知らなくても十分楽しめますが。


そして2ですが、ヒットガールは可愛すぎでしょう!
冒頭、「拳銃弾を胸に打ち込まれてぶっ倒れる」と言う衝撃シーンで視聴者のハートを鷲づかみ。そして、以後の流血シーンは彼女による物が8割。力の入った拳銃アクションと無造作な刃物使いで、屑どもをばったばったとなぎ倒していきます。
しかも、可愛いというかエロいです。

作中設定11歳ですが、コスチュームを着込むとさらに幼く見える、堂に入ったロリキャラぶり。アメコミ(と言うかハリウッド)的常識の対極で、胸絶壁だし。紫の短髪カツラに黒のレザースーツ、そしてなぜかチェックのスカートという、変態感覚あふれる格好が眩しすぎます。あげく、小さな体を跳ね回らせて拳銃と刃物を操り、最後はカラテ使いのマフィアと肉弾戦。何というか、どう見ても彼女が主役です。
「レオン」とか見た時も思いましたが、アメ公ども、お前等日本人の事を、ロリとかとやかく言えねえじゃねえかよ!

それにしても、「子どもらしい」格好への変装が、ケバ目のスクールガールスタイルで逆に年長に見えるってのは、一体何なのでしょうか?まあ、それに引っかかってあっさり殺されるマフィア達の姿は、最高に間抜けで素敵でしたが。

ちなみに、彼女の引き立て役である主役・キックアスの格好は、作中人物の言葉を借りれば「緑のコンドーム」。私は「可愛いモグラちゃん」と呼びたいと思います。

それにしても、こんなにエロ可愛いのに、アメ公どものフィギュアと来たら!!是非とも、とっとと日本のメーカーにライセンス生産を行わせるべきだと思います。
何ですかね、この「砲兵部隊が増援に来ると聞いて待っていたら、やってきたのがカチューシャだった」みたいなガッカリ感は。

勿論、作中の可愛さ・格好良さ・エロさがいささかも損なわれる物ではないので、みんな楽しみに観に行くといいと思います。


しかし、しかしです。3の、中途半端なシリアスと主人公のリア充変化が、もの凄い違和感を醸し出すのです。

まずこの映画、基本的な見所が、「ボンクラどもがドカーン!」「血がドバー!」「悪い奴がグシャ!」「可愛いロリキャラがバキュンバキュン!」「ついでに刃物でドカ・バキ・グシャ!」と言った、頭の悪いフレーズで表現できる類の映画です。中盤のマフィアによるボンクラ拷問シーン(被害者はボンクラな仲間)とか、笑いながら圧搾機で車ごとマフィアをぶっつぶすヒットガールとか、正にそれ。

しかし、なぜかヒットガールとその相棒には妙に暗い過去が設定されており、後半には陰惨な展開が出てきます。暴力を乾いた笑いで描くのが神髄のはずなのに、この辺でその枠をはみ出してしまいます。
だって、ラスボスの倒し方があれですよ?これまたボンクラな友人二人は、親友(と、少なくとも主人公は思っている)の拷問シーン観ながら、ナオンに抱きつかれてガッツポーズですよ?命は軽く、その事実は笑い飛ばされる世界観の中で、ビッグ・ダディの死を感動的に描かれても困ってしまうわけです。

また、主人公は最後の最後までダメ人間で、たった一箇所以外まともに活躍する機会がありません。しかも、「自分の力」は最後までないも同然ですし。
しかし、どう言う訳か彼は中盤からモテはじめ、ダメンズ好きのナオンをゲットして、リア充路線へ転換します。そして、「もう彼女もできたしヒーローとかいいや」(大意)と言い出すわけです。これ、ある意味滅茶苦茶共感できますけど、画面にポップターツ投げつけたくなる展開ですよね?

個人的には、ヒットガールの活躍に見惚れて「あの子は最高だ」「あの子が大人になるまで童貞を守るぜ!」とか言い出す、主人公の友人が最高だっただけに、非常に納得がいきませんでした。最後の大活躍によってモテるようになるならまだ解るのですが、あそこでモテてしまっては、「いいから死ね!殺されろ!頑張れマフィア!」みたいな気分になっちゃうじゃないですか。
その部分の「徹し切れなさ」だけが、微妙に引っかかって画竜点睛を欠く感じでした。

でも、その部分を除いては、本当に素晴らしく最低な作品なので、是非とも観に行くといいと思います。いや、本当に。



当BLOG内の、映画関係記事はこちら







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この記事へのコメント
親友たちはキックアスの正体を知らないんでない?
Posted by sasaki at 2011年02月25日 02:18
知りませんけど、拷問シーン横目にナオン落とせてガッツポーズは、十二分にボンクラですよね?
Posted by snow-windsnow-wind at 2011年02月25日 19:10
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