2011年02月07日

ゲームでやりたい/『STARDUST SQUADRON』感想

STARDUST SQUADRON 星空に一番近い場所 (1) (ファミ通文庫) STARDUST SQUADRON 星空に一番近い場所 (2) (ファミ通文庫)

STARDUST SQUADRON 星空に一番近い場所 (1) (ファミ通文庫)
STARDUST SQUADRON 星空に一番近い場所 (2) (ファミ通文庫)

『STARDUST SQUADRON 星空に一番近い場所』は、ロケットの夏のシナリオライターであるfocaがTECH GIANで連載していた作品です。
かなり今更とはなりましたが、文庫本にまとまったので読了。そして、表題の感想となります。

物語は、二次大戦末期、日本近海の孤島に作られた、戦略的にほぼ意味のない航空基地が舞台となります。基地の哨戒網に引っかかった飛行艇を撃墜した日本兵達が見つけたのは、現行テクノロジーを遙かに超える異形のポッドとロボット、そして異星人の美少女でした!と言う導入で、ファンは察しが付くかもしれませんが、上記ロケットの夏の前日譚になります。ゲーム冒頭の年表で語られる、ファーストコンタクトの部分ですね。

とは言え、ロケットの夏本編との直接的つながりはほぼなく、知らなくてもあまり問題はありません。ついでに、これまた一部に熱狂的なファンを持つ「たかみち」(公式サイト)が表紙・挿絵・設定画を担当しており、実にキャッチー(一部に)となっています。なんて言うか、この組合せでエロゲー作ってもらえませんかね?あ、ギャルゲーでもいいです。らくえんからエロ除いたら毒が消えてつまんないけど、ロケットの夏はエロはむしろ邪魔だったし。

さて小説の内容ですが、文章レベルも構成も問題ありません。イベントを時系列順に見てみれば、とても綺麗にまとまっていることが解るでしょう。ロケットの夏はもちろん「らくえん」でさえそうでしたが、この辺は本当に丁寧な作りです。ゲームではあんなに面白いのに、小説になった途端に……ゲフンゲフン!な感じのとは、一線を画しています。(なお、私はMarronのゲームは大好きですので、誤解無きよう)

ただ、小説としてみた場合、一点気になるところがあります。つまり、

「地味」

なんです。
たかみちのイラストが欠点を増強する方向に働いて居るのも面白い所ですが、とにかく地味。
基本的に80年代辺りまでの児童文学や空想科学小説のテイストで、背景は大きくても展開に派手さはなく、人物もトラウマ・病を大開陳な昨今の流行とは真逆を行きます。これ自体は嫌いじゃないのですが、シンプルな中に音楽や、本当に最低限の画面演出で感動を呼び起こしていたゲーム版と比べると、あまりに華がありません。
また、人間賛歌を基盤とする世界観が、二次大戦末期という割と洒落にならない舞台とは食い合わせが悪く、乗りにくいと言うのも大きいでしょう。とりあえず、ナチとソ連を無害化して世界秩序を再構築する道筋が見えません、みたいな。

いや、「ロケットの夏」でも、サブヒロインの中で最も良いエンディングを見せてくれたサヴォアの補完だったり、色々面白い所はあるんですよ。登場人物も結構魅力的ですし……

本当、個人の力ではどうしようもないと思いますが、作者には是非またゲームを作ってもらいたいと思います。もう、ザーリャやプレミアムボックスII関係で「死んだメーカーの年を数える」のは疲れましたし。





作者がどんな作風かは、↑にリンクを貼った、ロケットの夏のプロモムービーを見て頂ければ解るかと。



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