2011年01月11日

アニメ版「LEVEL E」 第1話 感想

レベルE
レベルE

↑これは原作。

原作つきアニメとしては、ここ数年来最大の期待度を持って楽しみにしていた、「レベル E」の第一話"An alien on the planet"を鑑賞しました。

原作は、稀代の漫画家である冨樫義博の最高傑作である、連作短編形式のSF漫画です。ジャンプ編集部の無意味な引き延ばしに色々な物を弾けさせた富樫義博が、月刊形式・内容不干渉を条件に連載を承諾した、異例の作品です。

凄まじい緊張感と書き込みが続く氏の作品は元来短編・中編向きで、少年ジャンプとの相性は最悪。その齟齬を無理矢理すりあわせて連載された本作は、作者の天才ぶりを遺憾なく発揮する最高傑作となりました。
まあ、暗いしシナリオ展開が性悪だしで、カルト作扱いされてますけどね。でも、友情・努力・勝利の王道に飽きかかっていた 中二病初期患者 思春期の少年少女達に、少なからぬインパクトを与えた作品なわけです。

と言うわけで、今回のアニメ化です。少年ジャンプ連載作品、しかも木っ端新人と違う人気作家の原作なのに、深夜帯という扱いは、不遇と嘆くべきか、解っていると讃えるべきか。
ちなみに、黒猫さんも推薦ですよ。


オープニングは、大人っぽいシックなイメージと見せかけて、むしろシティハンターやルパン三世のエンディングを思い出させる懐かしいテイスト。連載時期はもう15年前ですし、結構正しい構成かも。


ロゴのデザインは、さすがにやり過ぎかと思いますが。


あと、舞台年代は原作の1990年代っぽいで雰囲気を残しているのが嬉しいところ。このステレオカセットとか、妙にレトロなマンションとか。

そして、愛のあるアニメ化だなあと思ったのが、原作のシーンを補完しつつ進んでいくところでしょうか?冒頭から伏線を上手く追加していますし、原作にないカットを自然に挟んで、「ああ、あそこはああなっていたのか」と言う納得感を出しています。
後の話の登場人物達もさりげなく存在をアピールしている辺りは、最近のトレンドでしょうか。


一方、発表時から思っていましたが、王子のデザインはやっぱり変ですよね。破滅的な美形という実に美味しいポジションなのに、顔が歪んでいたらぶち壊しです。今作では数少ない美少女キャラのミホさんも、ちょっとアレな感じですし、この辺はスタジオの問題ですかね。一話からこれというのは、今後一番の不安要素かも。

あとは、浪川大輔さんの声も、ちょっとねちっこすぎる感じ。まあ、これはすぐになれるでしょうが。


こう言う原作のやや解りにくかったパロディを解りやすく演出できるのも、アニメの強みでしょう。

ただ、「ため」を作らず故意にタイミングを外す原作の展開は、アニメでやると、ちょっとバタバタする印象になってしまいますね。
あとは、UFO自爆後の王子の語りシーンで、コミカルな音楽を流しちゃダメだろう、と言うところも。あれはむしろ、わざとらしいくらい沈痛な音楽で盛り上げておいて、落とすべきじゃないかと。


でも同時に、こう言う見事なアレンジも。
原作では崩し絵で表現していた王子の嫌がらせを、サウスパーク風人形で表現。ついでに声優さんの熱演を加えて、アニメならではのシーンに仕上げています。このあとの、自己回復シーンとか、漫画より数段派手で見応えがあります。

他にも、研究所の情報員の表情の描き方とか、ホラーテイストは頑張っています。美形キャラを描ききれないのが、この手の気色悪い描写を得手とするスタジオ等を使った副作用だとしたら、正しい判断ですかね。そう言う事なら、王子やミホの顔が歪んでいても許せます。


クライブの映像とかは、正に2010年代のCGなればこそ、ですしね。今までアニメ化されていなかったことを喜ぶべきかも。


エンディングも、オカルト・キワモノ好きの琴線をくすぐるセンスの映像満載で、実に味わい深くなっています。ここまで力を入れて作るなら、ゴールデンタイムでも行けたと思うんです。
とにかく、期待に違わぬ内容だったので、最優先で視聴決定。ただ、1クールだと原作を全てはできないと思うのですが、その辺どうするんですかね?是非全部やって欲しい所なのですが。



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この記事へのコメント
原作既読ですがキャラの造形はそんなに気になりませんでしたよ。
王子も中性的でユニセックスな雰囲気がよく出ていましたし
美歩も原作の美人系特有のきつい感じが可愛くアレンジされていて
取っ付き易い雰囲気になってるのが好印象でした(漫画の方も美人系で
あれはあれで好きですけどねw高嶺の花感が出ていて好きでした)
声も浪川さんの中世的で少し高い声が逆に王子のうざさを助長していて(笑)
人形劇のシーンは原作で読んで知っていたにもかかわらず爆笑しましたw
個人的に今期の中ではトップクラスの出来だったと思います。
今のところ一番気になるのが尺合わせのために削られる話があるのか?と
いう事と日記・カラレン編説明書のシーンの再現性ですね。
前者は規制の影響もあって食人エイリアンが削られそうで不安です。
後者は原作でも活字だけのあのシーンをアニメという媒体で再現出来るのか
どうかが気になります。あの活字シーンを上手く表現出来ればこのアニメは
ほぼ成功と言ってもいいんじゃないかなと。
Posted by aaa at 2011年01月12日 02:17
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