2011年01月19日

まねきTVに、まさかの違法判決 ~いい加減にしろ最高裁~


番組のネット転送は「違法」=著作権侵害認める-テレビ局実質勝訴・最高裁(時事ドットコム)


感想:また最高裁か!

アメリカの連邦最高裁判所を「nine old men」(9人の爺ども)と呼ぶ、古式ゆかしい罵倒語がございます。
要するに、時代に対応できずに新しい国民の権利を制限するクソ野郎ども、と言う心温まる愛称ですね。違憲判決もランドマーク判決も共に出し、憲法の番人としてあれだけ機能している組織ですらそう呼ばれることに、日本人なら違和感を持つところですが。
それではさて、日本の最高裁はどう言うべきか?「15 too old fuckin' guys」とでも呼んでやるべきでしょうか?

今回の判決は、「客のテレビに設置した機器」から、「客自身のパソコン」に、テレビ放送を「リアルタイム」に「1対1」で送っていたサービスを、著作権侵害で潰した物です。これで「公衆送信」だそうですよ?
判決では、「契約は業者との関係を問わず結ばれており、利用者は不特定の『公衆』に当たる」とか、もの凄いことを言ってますね。「業者との関係を問」うて結ばれるサービス、ってよく解らないのですが、どう言うのを想定してるんでしょう?

これ、一審二審は普通に「いや、こんなもん『公衆送信』のわけないだろう」と言う判決だったんですが、まさか少数意見も付かないまま全会一致でつぶしに来るとは思いませんでした。表現の自由には徹底的に冷淡なくせに、表現を使って商売する既得権者の利益だけはガッチリガードする憲法と人権の番人様に、涙が止まりません。


で、痛切に皮肉ってやりたいのですが、知財高裁は、著作権ビジネス(笑)に携わるみなさんが、「専門技術的判断をきちんと下して欲しい」(意訳:俺等の利権守れや)と言って、設立をゴリ押ししたんでしたよね?その「専門技術的判断」を最高裁が少数意見もつけずにひっくり返し、拡大解釈甚だしい保守的な判決出しちゃってるんですが、非難声明はまだですか?


本当、何度も書きますけど、こんなサービスが脅威・利益逸失になるのは、権利者側が真っ当な競合サービス立ち上げない怠慢の結果でしかないんですよ。零細業者から量産効果もろくに効かない専用機器借りて設置するより、コンテンツホルダー自身がサービスやるほうが、遙かに廉価かつ便利な物を提供できるんですから。
それを、自分たちの既存の商売の枠組みを変えたくないという保守主義から、独占権を与えられた電波放送を囲い込み、技術の進歩を拒否してきたわけです。そもそも、地域別放送局許認可制自体が、下らないとしか言いようのない時代遅れの代物なわけですが。
それこそ、ネットなり衛星で処理しろよという話です。電波塔一個の建造費用で、通信衛星なら数機作れるわけで。

結局、こんな法律解釈のアクロバットを続けて既存産業を保護しても、誰も幸せにならないんですよ。レッシグが言っているとおりアメリカの司法がアホな農場主の「土地所有権ははるか上空まで及ぶ」と言う主張を認めていたら、航空産業は離陸前に壊滅して、20世紀の航空大国はイギリスかソ連になっていたかもしれないわけです。
勝訴してテレビ各社は万歳しているかもしれませんが、結局は「勝つべきでない戦闘に負け損なった」だけだろうと思います。インパール作戦で運良くコヒマを占領できていたとしても、その後の撤退戦はさらに悲惨になっただけだろうと言うような話ですね。

それにしても、この歪な「業界守って自由守らず」の状況は、一体いつまで続くのか…… 戦後ももう四捨五入で70年なんですが、いつまで大日本帝国憲法感覚で司法を運用するつもりなんでしょうかね。




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