2011年01月27日

俺の妹がこんなに可愛いわけがない DVDおまけ小説感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]


AMAZONから届いたまま放置されていた、BLU-ray第一巻をやっと取り出しまして、特典の小説を読みました。なお、アニメそのものの感想はこちら
ちなみに、ゲームはまだプレイできてません。手元にはもうあるんですが。

この小説は、原作者(伏見つかさ)の書き下ろしで、内容は、

1,一巻(アニメ版第一話)前半を、桐乃の視点から描く『あたしが兄貴に人生相談なんてするわけない』
2,初登場シーン(とオフ会)までを黒猫が回想する『堕天聖の追憶』

の2話になっています。
長さとしては、短編集(3巻とか)に入っている、短編一本分程度。ただし、装丁が、良く書店に置いてある新刊紹介の冊子みたいな体で、凄く安っぽいです……
それと、いくら建前上「非売品」だからって、「乱丁・落丁があっても交換はお断りします」は無いでしょ、メディアワークスさん。私のは別に問題無かったですが、出版物に乱丁・落丁が一定数混ざるのは、読書家なら誰でも知っている事だと思います。

閑話休題、内容はおまけとしては十分以上でした。
まず桐乃視点の『あたしが兄貴に人生相談なんてするわけない』ですが、似た者兄弟だけあって、本編と同じような文章。ただ、桐乃の「思い」についての伏線は張られており、油断できません。特に、二人が何故本編開始当初のような冷え切った状態となったか、逆に疑問が深まりました。「思春期だから」で片付けるには色々不自然な上、(未だに本編での回想シーンは一度もないですし)桐乃の文章にはある種の切実さが滲んでいます。これは、8巻以降に期待大。

一方、黒猫視点の『堕天聖の追憶』は、何というか、「作者楽しみすぎ」と言った趣。黒猫の回想と言う所で感じた嫌な予感、いや「額に第三の目を隠し持つ者のみが感じ取れる闇の気配」的なアレは、全くそのとおりに当たっています。とにかくもう、1ページ読む度に深呼吸しないと持たないような、高度に洗練されてネタと区別が付かなくなりかかっている邪気眼パワーがダダ漏れです。
しかし、オチ近辺にはしっかりと愛しさと切なさと心強さが感じられる展開で、この短編そのものがツンデレでしょうか?
そして、この内容を読むと、7巻最後のあのシーンの意味が、ちょっと違って見えてきます。これなら、8巻の内容は、三角関係がこじれてサークルクラッシュ、みたいな方向には行かないでしょう。もっとも、物語の魚の目と化している地味子の問題は、何処まで行ってもついて回りそうですが。

と言うわけで、期待以上のクオリティでした。ただ、これだけしっかり書かれているなら、シリーズ完結後の短編集か何かに、シレッと収録されるのは間違いないでしょうね。まあ、良いんです。特典って、そう言う物ですから……



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