2011年01月23日
BBCが二重被爆者を、別に「嘲笑」していない件
巷で話題のニュースです。
二重被爆者を笑いの種に 日本大使館、BBCに抗議
二重被爆者の不適切放送で謝罪 BBCと制作会社
(共に時事通信)
最初ニュースを聞いた時は「イギリスらしいなあ」とか思っていたのですが、確認したらほとんどブラックジョークですら無かった件。
実際の放送は、BBCなのでYOUTUBEにアップされています。↓
http://blog.goo.ne.jp/mithrandir9/e/5d8249376ac2592288a873dcbf11e412
↑に訳出と解説がありますが、一回は元の動画を参照することを勧めます。たかが数分だし。
被爆者を「嘲笑」したと取れる部分は、当該動画の1:30付近。
司会者が、「電車は原爆が落ちた直後も動いていた」と言う点を強調(イギリスおなじみの旧国鉄ジョーク)した後、手の平をポンと置いて"bombed again"(また原爆喰らっちゃったんだ)と言っています。で、会場からは笑い声。
あとは、その直前、広島で爆撃されたと言う事を示した後、ゲストが「で、長崎の病院に入院したとか?」と茶々を入れた部分ですかね。これは、流れとして当然ですが、司会者にはスルーされてます。
確かにこの部分は不謹慎です。でも、私も見ていて笑っちゃいましたし、むしろ笑うしか無いんじゃないかと思います。
「二度も被爆した」けど同時に「長生きした」から「それほど不運でもない」「凄く幸運とも言える」は、正にそのとおりじゃないんですかね?日航機事故の生存者とか、ホロコーストの生存者とか、良くそう言う風に紹介されるわけですし。
「それほど不運でない」(not that unlucky)と言う言い方は日本語だと引っかかるんですが、別の所では普通にluckyと言ってますし、ニュアンスの違いは無いのかもしれません。
それ以前に、「運の問題じゃない」とか怒る関係者は、まあ関係者なので仕方ないとしても、実際問題運不運の問題ですよね…… 通り魔に遭うのが「不運」であるのと同様。
それと、上記の部分では笑いが起きてますが、説明が続くにつれ会場は静まりかえり、むしろ沈痛な雰囲気が出てきます。
特に、彼が公式には(officialy)二重被爆と認められていなかった、と言う部分もしっかり言及されている点は注目。
ここ、実は凄く重要だと思うんですよ。日本人なら、その事の意味は解りますよね?例の、意図的に対象者を少なくするための原爆症認定の話ですよ。勿論、イギリス人にはそんな事は解らないでしょうが、私はここに日本政府に対する皮肉を読み取りました。
そして、その皮肉を受けておいて、なんで外務省抗議してるの?恥ずかしくないの?彼を公式には認めず、被爆者手帳への記載を拒否して来たのは、BBCじゃなくて日本政府ですよ。
これが「嘲笑」なら、事もあろうに平和記念式典で核抑止力がどうこうとか口走っちゃった、首相閣下はどうなるんでしょうね?
で、その後は旧国鉄を腐すブリティッシュジョークに移っていき、この話題は終了。
少なくとも、「嘲笑」とか「笑いもの」とか言う風には、私には見えませんでした。不謹慎と言えば間違いなく不謹慎でしょうが、毎年8月中盤だけ一本調子でお涙頂戴の番組を一丁上げて、後は全部忘れている日本のマスコミより、健全なんじゃないかと思うんですよ。
少なくとも、叩いたり叩かれたりの言論活動が行われてるわけですから。正に言論の自由。イギリス自体は、市民生活が順調にファッショ化中だけど……
レイプレイ事件の時にも言いましたけど、全ての人間の反応に「配慮」して表現内容を決めるべきだというなら、イスラム圏に配慮して「神」の扱いから飲酒描写まで自主規制しますか?ヒンドゥー圏に配慮して、牛肉料理の番組は放送中止にしますか?
不快に感じた関係者が抗議するのは当然だと思いますけど、外務省がしゃしゃり出てくるのは、あんまり健全な話ではないでしょうね。
あ、共同通信のこの記事が最初みたいです。
つまり、外務省がBBCに皮肉を言われて切れて、書簡で謝罪を求めるもシカト。頭に来て、マスコミに抗議したと言う事実を通達し、意図的に「炎上」させたという流れみたいですね。なんだ、いつものメディアコントロールじゃないですか。
実際、外務省の抗議は今月七日で、当然放送はそれより前。これまでスルーされてきたことからも、どこが火をつけたかは自明ですよね。拉致がらみで外務省の情報隠しが問題になってる情報源秘匿裁判の判決が近い事が関係あるのか、とも一瞬思いましたが、それはただの陰謀論なので割愛。
ただ、こう言うニュースは煽った側の動静も視野に入れつつ、眺めるべきじゃないかとは思います。
その他の社会関連エントリーはこちら。
二重被爆者を笑いの種に 日本大使館、BBCに抗議
二重被爆者の不適切放送で謝罪 BBCと制作会社
(共に時事通信)
最初ニュースを聞いた時は「イギリスらしいなあ」とか思っていたのですが、確認したらほとんどブラックジョークですら無かった件。
実際の放送は、BBCなのでYOUTUBEにアップされています。↓
http://blog.goo.ne.jp/mithrandir9/e/5d8249376ac2592288a873dcbf11e412
↑に訳出と解説がありますが、一回は元の動画を参照することを勧めます。たかが数分だし。
被爆者を「嘲笑」したと取れる部分は、当該動画の1:30付近。
司会者が、「電車は原爆が落ちた直後も動いていた」と言う点を強調(イギリスおなじみの旧国鉄ジョーク)した後、手の平をポンと置いて"bombed again"(また原爆喰らっちゃったんだ)と言っています。で、会場からは笑い声。
あとは、その直前、広島で爆撃されたと言う事を示した後、ゲストが「で、長崎の病院に入院したとか?」と茶々を入れた部分ですかね。これは、流れとして当然ですが、司会者にはスルーされてます。
確かにこの部分は不謹慎です。でも、私も見ていて笑っちゃいましたし、むしろ笑うしか無いんじゃないかと思います。
「二度も被爆した」けど同時に「長生きした」から「それほど不運でもない」「凄く幸運とも言える」は、正にそのとおりじゃないんですかね?日航機事故の生存者とか、ホロコーストの生存者とか、良くそう言う風に紹介されるわけですし。
「それほど不運でない」(not that unlucky)と言う言い方は日本語だと引っかかるんですが、別の所では普通にluckyと言ってますし、ニュアンスの違いは無いのかもしれません。
それ以前に、「運の問題じゃない」とか怒る関係者は、まあ関係者なので仕方ないとしても、実際問題運不運の問題ですよね…… 通り魔に遭うのが「不運」であるのと同様。
それと、上記の部分では笑いが起きてますが、説明が続くにつれ会場は静まりかえり、むしろ沈痛な雰囲気が出てきます。
特に、彼が公式には(officialy)二重被爆と認められていなかった、と言う部分もしっかり言及されている点は注目。
ここ、実は凄く重要だと思うんですよ。日本人なら、その事の意味は解りますよね?例の、意図的に対象者を少なくするための原爆症認定の話ですよ。勿論、イギリス人にはそんな事は解らないでしょうが、私はここに日本政府に対する皮肉を読み取りました。
そして、その皮肉を受けておいて、なんで外務省抗議してるの?恥ずかしくないの?彼を公式には認めず、被爆者手帳への記載を拒否して来たのは、BBCじゃなくて日本政府ですよ。
これが「嘲笑」なら、事もあろうに平和記念式典で核抑止力がどうこうとか口走っちゃった、首相閣下はどうなるんでしょうね?
で、その後は旧国鉄を腐すブリティッシュジョークに移っていき、この話題は終了。
少なくとも、「嘲笑」とか「笑いもの」とか言う風には、私には見えませんでした。不謹慎と言えば間違いなく不謹慎でしょうが、毎年8月中盤だけ一本調子でお涙頂戴の番組を一丁上げて、後は全部忘れている日本のマスコミより、健全なんじゃないかと思うんですよ。
少なくとも、叩いたり叩かれたりの言論活動が行われてるわけですから。正に言論の自由。イギリス自体は、市民生活が順調にファッショ化中だけど……
レイプレイ事件の時にも言いましたけど、全ての人間の反応に「配慮」して表現内容を決めるべきだというなら、イスラム圏に配慮して「神」の扱いから飲酒描写まで自主規制しますか?ヒンドゥー圏に配慮して、牛肉料理の番組は放送中止にしますか?
不快に感じた関係者が抗議するのは当然だと思いますけど、外務省がしゃしゃり出てくるのは、あんまり健全な話ではないでしょうね。
あ、共同通信のこの記事が最初みたいです。
つまり、外務省がBBCに皮肉を言われて切れて、書簡で謝罪を求めるもシカト。頭に来て、マスコミに抗議したと言う事実を通達し、意図的に「炎上」させたという流れみたいですね。なんだ、いつものメディアコントロールじゃないですか。
実際、外務省の抗議は今月七日で、当然放送はそれより前。これまでスルーされてきたことからも、どこが火をつけたかは自明ですよね。拉致がらみで外務省の情報隠しが問題になってる情報源秘匿裁判の判決が近い事が関係あるのか、とも一瞬思いましたが、それはただの陰謀論なので割愛。
ただ、こう言うニュースは煽った側の動静も視野に入れつつ、眺めるべきじゃないかとは思います。
その他の社会関連エントリーはこちら。
Posted by snow-wind at 22:00│Comments(0)
│社会