2011年02月04日

まるで、成長していない……「ラストストーリー」クリア

ラストストーリー
ラストストーリー


前回までの感想はこちら

最初に、システム的な補足。
まず、鬱陶しいを通り越してチャンネルを変えたくなるムービーシーンは、aボタン押しっぱなしで倍速になる場合が結構あります。音楽も音声もぶっ飛びますが、字幕がありますから問題ありません。これで、あの馬鹿馬鹿しい学芸会鑑賞のうんざり感は半減します。
次に、戦闘オプションをノーマルからマニュアルに変えれば、「敵に引っかかって延々と攻撃モーションを繰り返す」と言うバグみたいな状況は起きなくなります。カメラの動きが、言葉を飾りようもなく「クソ」なのはそのままですが、かなりアクションゲームとしてプレイアビリティが上がります。


と言うわけで、クリアしました。クリアタイムは約24時間。で、最後まで感想は変わらず。「普通の駄作」です。
結局の所、「JRPG」と言うより、SFC末期以降のスクウェアゲームの奇形的進化、あるいはどうしようもない停滞を、如実に物語る代物です。

以下、端的に列挙
・世界を描くのに、イベントの質も絶対量も足りていない。にもかかわらず、どうでもいい・無い方が良い・伏線にもなっていないイベントは大量に放り込まれている。
・適宜冗長なイベントは、ナレーションなどで軽く済まされているが、そもそも「簡単に終わらせる以前に、そのイベントは必要だったのか」が練られた様子がない。
・全ての帳尻合わせは、無理矢理盛り上げるムービーシーンとダラダラ長いだけのラストダンジョン・ボス戦に押しつけられる。結果、プレーヤーは「もういいから終われ」と言う感想しか抱けなくなる。

多分、一言で言うと「編集者の不在」です。
面白いシステムなり、魅力的な世界観なり、ゲームならではのシナリオなりがあって、そこを核に「楽しい体験」を組み上げた様子はありません。ゲームとしての「売り」を見極め、そこに+となるか-(余計なだけ)かを判断して、首尾一貫したデザインを行う責任者がいなかったのではないでしょうか?あるいは、責任者がまるでそう言う仕事が出来なかったか。
プレイしていて感じたのは、「既存のRPG」を作ろうとして、組み立て生産のように適当なパーツを組み合わせただけという印象。しかも各部の刈り込みすりあわせが不十分なので、工業製品としても出来が悪い。
あり合わせの部品・伝統芸能のような陳腐さも、真摯に作り込めば良い物ができると思うのですが、もの凄いやっつけ感が漂うのですよね。感想2にも書きましたが、いい加減ユーザーを低く見過ぎじゃありません?もう、21世紀も10年以上経過してるんですよ?

と言うわけで、取って付けたようなイベントと、必然性もなく水増しされるダンジョンと、プレイ時間延長のための戦略的に無価値な連続戦闘に疲れ果て、クリアした時は「あー、もうやらなくていいんだ」と言う気分で一杯になりました。
ある意味、「クリア時の満足感」は大きいいかもしれませんね。

で、シナリオのことばかり書きましたが、戦闘は結構面白いのですよ。障害物の当たり判定と敵のダメージインフレはストレスですが、後半の戦闘はどれも結構シビアで、実に楽しめます。それこそ、FALLOUTシリーズの戦闘なんかより、余程アドレナリンが出ます。(いや、あっちはどう戦闘を避けるかとか、どう資源を節約するかという部分が主眼で、そもそもゲーム性が違うわけですが)
しかし、本当に無意味に長時間ダンジョンを引っ張り回されて連続戦闘をさせられるため、感想は上記の通り。

それにしても、あの主人公にむかつかない・違和感を覚えないシナリオライターは別の仕事見つけた方が良いと思うんですが。だって奴、テーマと違って別に騎士になりたがってないし、テーマで傭兵を強調してるのにまるで世間知らずのお坊ちゃん状態だし、(戦場の様子に幻滅って、お前今まで何してきたの?)綺麗事と身勝手な理屈で周囲を引っかき回すのに、ご都合主義で全部OKになるし、本当に何ですかアレ?
メインシナリオの支離滅裂さと並んで、私は操作するのが苦痛でしょうがありませんでした。まあ、これまたPS以降のスクウェアでお約束だった気もしますが……

何にせよ、あまりお勧めできる一品ではありません。戦闘が面白いので、他は全部どうでも良いという人なら、安くなってから買うと言いと思いますよ。どうせ値崩れするでしょうし。



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この記事へのコメント
こんにちは、感想大変参考になりました。
JRPGにも良し悪しあると思うんですけど、そういうJRPGらしい主人公ってどの層に需要があるんでしょうね。誰も得しないというか…
戦場のヴァルキュリアの主人公にも苦言を呈されていましたが私も同意見です。手を汚したがらないお坊ちゃんはいい加減にしてほしいですね。
ロストオデッセイが結構いい脚本だったように思うのですが、あれは偶然の産物でしょうか。
Posted by 田中山 at 2011年02月07日 14:49
どうも、参考になったようで幸いです。
「JRPGらしい」を根っこまで遡ると、実はドラクエやマザー、初期FFの「喋らない主人公」の方が、本来の気もするのですけれどね。選択や分岐を重視する昨今の流れだと、ああ言う主人公の方がシステムに適合するんじゃないかと思います。
今や、そう言う主人公は洋RPGの代名詞になっちゃいましたが、ドラクエ9なんてそう言う洋RPGの良い所を取り入れつつ進化してましたし。

ロストオデッセイは結構賛否両論のようですが、機会があればやって見ようと思います。
Posted by snow-windsnow-wind at 2011年02月07日 22:03
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