2011年03月06日

日本人は、マゾじゃなくてサドなんじゃないの?


本エントリーは、ニートの海外就職日記さんの最新記事記事に触発されて書きました。

結論は、「結局、みんな痛みなんか好きじゃないんだよ」、「好きなのは、痛いふりして痛がってない奴を叩く事なんだよ」で。



ずっと、不思議だったことがあります。
「痛みを伴う改革」と言う、信じられないキャッチフレーズ(だって、「お前らの負担増やします」って意味ですよ?)を絶賛した日本人が、どうして消費税にはあれだけ反発するのか?

小泉だから/管だからと言うのは、あまり意味がありません。消費税への言及は、竹下から細川まで平等に支持基盤をぶっ飛ばしてきましたし。

で、そこからつらつら考えていくと、多分「日本人はマゾ」と言う良く言われる言説が、ちょっと違うんじゃないかと思い始めたわけです。
多分、実際はこう言うこと何じゃないでしょうか?

つまり、「痛みに耐えている自分」を自慢したいだけであって、別に痛みが好きなわけじゃない、と言う事です。つまるところ、『実際に』痛みを受けるのは、「自分以外の誰か」であることが大前提なのです。

「自分より軽い痛みしか受けていない(と思う)のに、痛みを訴える者」を袋だたきにする体質も、これを良く表すでしょう。

まとめると、行動原理は二つ

1,自分の痛みは過大に見せかける
2,他人の痛みは指さして大喜びする

と言う事になるかと思います。
1は、2のためと言って良いでしょう。
2を正当化するために、「俺はもっと苦労している」と言いたい。そこで、1の出番です。
勿論その前提には、「痛みに耐える」事を美徳とする、歪みきった社会認識があります。ですが、マゾヒストなんぞそんな多数のはずもなく、多くの国民は実際には痛みを受けずに「痛みに耐えている」と言う美徳を実行しているかのように見せたがります。経済学の基本ですね。同じ効用(社会的賞賛)を得るのに、より小さいコストで済ませたいのは当然です。

と言うわけで、「痛みを伴う政策」は、象徴として歓迎されます。他人が痛みを受けるのはとても有り難く、しかしそれが自分には副次的にしか降りかかってこない(と思っている)からです。
ポイントは、「自慢できる程度の自分の痛み」と「指差して笑えるほど大きな他人の痛み」がセットになっているところです。

具体的に言うと、以下のように思ってもらえれば政策策定側は勝利です。
つまり、主に給付を削られるのは過大に受け取っていた不届き者ですし、税金を取られるのは不正に逃れていた奴ですし、規制されるのは一部の行きすぎた表現だけで、勿論治安維持法は共産主義者にしか適用されません。


消費税がよろしくないのは、まず「どう見ても『痛み』が、ダイレクトに自分に来る」というのが、まず一点。普通は「痛みを伴う」などと言われても、大多数の人間はその具体像を描いて居ませんし、描いて居ても「大したことないし、痛みを主に受けるのは自分以外の連中」だと思っています。と言うか、そう思わせるのはプロパガンダの基本戦術です。「戦争のために支払う代償」と言うのを、精々戦時国債を買うことになる程度(しかも、戦後利子付きで戻ってくるのが前提で)と思わせるように。

もう一点重要なのは、「全員平等に」それがかかってしまう点です。
上で書いたのは、痛みが『自分に』来ると言う点でしたが、こちらは『自分以外にも』『平等に』降りかかってしまうのがよろしくない。「私、今度の増税でこんなに負担したんですの」と言う、マゾを装う自慢話ができないじゃないですか!それは、あまりに筋がよろしくない。

従って、消費税を上げようとするならば、前々から言われている生活必需品の免税等を組み合わせ、「痛みもあるが、主たる負担は負担できる者」みたいな形で攻めねばならなかったはずです。
あるいは、増税をするなら、高所得層の税率大幅増と、低所得層の控除減を組み合わせて、みんなが「痛みに耐えた」と言える形を整えてやるか。

え、国民馬鹿にしすぎでしょうって?実際問題そうなんだから、仕方ないじゃないですか。都知事選の出馬メンツを見て、国民が馬鹿にされてないと思うなら、それこそ馬鹿の証明だと思います。
あ、「減税日本」とか言う、開いた口がふさがらないレベルの馬鹿集団もそうですが。でも、あれがもし伸びるようなら、日本人の痛み自慢癖も、少しはマシになってきてると言えますかね?
ま、あんな連中当選させたところは、地獄へまっしぐらでしょうが。減税=行政サービスと規制の低下ですから。基本的に、ある政策を重視するかどうかはかけた金で計ることが可能で、金をかけない=やる気がないです。口先の公約なんか無視して、政権担当中の支出推移見るのが一番早い。この辺は、その内ちゃんとエントリーにしたいところですが……

閑話休題、基本的に地方自治体の中では圧倒的に「痛み」が足りていない(=豊かな)東京の場合、公約に上記のような「痛み」を盛り込むことができれば、一気に躍進できる可能性があるんじゃないかと思います。手始めに、老人パスや都立病院の更なる削減とか、いいんじゃないですかね?あとは、外郭団体の付け替え?結果はろくな事にならないでしょうけど、どうせみんな、そんな事気にしちゃいないでしょ?石原が4期も勤められるくらいだし!



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この記事へのコメント
石原、来ましたね。
「出ない」と言い続けてからの出馬・・・まあ読んでいた人は多そうですが
正直、
「勝てそうな人」「よりマシな人」がいるかどうかがツラいです今回も

松沢やワタミには入れたくないし東にでも賭けるしかないか?
Posted by Aruzya at 2011年03月11日 01:17
 どうやら石原が当確のようです。論理より感情が先走っているような人がトップにいるのですから本当に嫌になります。
Posted by garrett at 2011年04月10日 21:09
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