2011年03月14日

黄昏のシンセミア 感想1

黄昏のシンセミア 通常版
黄昏のシンセミア 通常版


地震そのものより、関連する営業自粛に打ちのめされております。
見に行く予定だった映画が「震災を想起させる場面がある」とか、訳の分からない理由で上映中止になったり、そもそも施設が開いてなかったり。
テロでも災害でも、一番効果的な復興策は「普段通りの日常を送ること」で、それ以外は二次災害に他なりません。電力不足は如何ともしがたいのですが、需要が落ちる深夜に映画館がやってなかったり、停電地域でもないのに営業自体を自粛するのは、何の意味があるのかと。
いや、客が集まらないから、と言われたらその通りかもしれませんが、週末とかに一館だけ開いてたりしたら、入れ食いだと思うんですが。こう言う空気を読む自粛は、下らないだけでなく有害だと思います。


と言うわけで、空気を読まずにエロゲーの記事です。仕方ないじゃないですか。夜出かける予定が、吹っ飛んじゃったんですから。


そもそも最近、ギャルゲーをやる数が露骨に減ってきて、自分に危機感を憶えていました。去年なんて、プレイしたのがたった10本ですよ。
でも、理由は明確なのです。元々ギャルゲーと言うジャンルは地雷源(上記10本でも、ちゃんと楽しめたのはわずか2本)の上、やたらと時間がかかります。しかも、この「時間がかかる」と言うのが、最近大量に時間を食っている洋RPGなどとは意味が違います。
つまり、シナリオ自体が滅茶苦茶長い上、大体ラストに大きな山があるので、「途中で投げ出す」というのがしにくいんですよね。たまに切りの良いところで放り投げても、「最後までやれ」と言われたりしますし。いや、別に他人にどう言われてもいいんですけど、(つまんないと判断したものを、多少の展開程度で20時間以上も続けられるか)要するに「面白さの中心」にたどり着けないという悲しいパターンが出てくるわけです。

この辺、洋RPGを中心とする、あまりシナリオを重視しないRPGでは、「もう十分楽しんだしこの辺でいいか」と言う見切りが可能になります。クリアしなかったRPG自体は、ゼノブレイドくらいしか無いんですが(つまらなかったからではなく、プレイ時間が取れずにかなり間が開いて、モチベーションが消えてしまった)こう言う「満足して中断できるか」と言う予想は結構重要だったりします。

と言うわけで、今年に入ってから1本もギャルゲっていない状況に気づき、急遽1本パソコンにぶち込みました。
物は、表題の通り「黄昏のシンセミア」です。評判が良かったんですが、やはりプレイする踏ん切りが付かずに購入予定リストで眠っていた物。値段も全然落ちていないようですし、妥当なところと判断しました。

と言うわけで、プレイ開始。
……する前に、また面倒な認証チェック。で、どこを間違ったか何度か弾かれて、思わず「黄昏のシンセミア 認証回避」とかでググりそうになりました。
ま、結局似たような単語で、NODVDパッチを仕入れるんですけどね。DVDシークタイムが、一刻も早く世界から無くなりますように……

でもまあ、この流れは囚人のジレンマ的な意味で仕方ない訳で。いつもどおり「だから、こう言うのは正規ユーザーが面倒なだけだろ!」と呟きながらプレイ開始です。
なんか、かなりロリとか聞いてたんですが、最初に出てくるヒロインは別に普通に見えますね。胸とか。あと胸とか。作中描写から見ると、かなり幼いはずなんですが。まあ、例の自主規制ですよね。ハッハ。ソフ倫の担当者は、乳に埋もれて窒息死しちゃえ!
まあ、後に、問題はこの一枚絵で、立ち絵は割と普通と判明するのですが。

好み以前の問題として、田舎にやってくる主人公のシーケンスは、幼い日の思い出を呼び起こす「ぼくの夏休み」メソッドなわけですよ。そこで出迎えるのは、幼い日の思い出、と言うかそう言う作為品の定型句である「少女」でなければ意味が無いわけで。
他の小道具からして、水田の中のバス停とラムネですからね。

と言うわけで、ノスタルジー全開の田舎生活開始です。
ちなみに、ファーストプレイは行き当たりばったりの、思うがままに選択肢を選ぶプレイ。リセットは、選択肢の意味がこちらの解釈と違った場合(つまり、予想と違う行動を主人公が始めた場合)以外は、ほぼ行わない形式です。

最初の、雑貨屋・小学校・川・神社と背景テストのような散策だけで、つかみは十分。小学校だけは、寂れた田舎の学校に見えないのが困りものですが、その程度は仕方ないでしょう。いろはの部屋とかも、多分、その、ギャップをアピール的な?

閑話休題、この手のほのぼの物は、ほのぼのしているだけに、ヤマもオチも作れなくなる可能性があります。従って、重要なのはここで展開する物語なのですが、まずはロリキャラ代表の翔子に降りかかるいじめ問題。
あとから出てくる諸問題が洒落にならない伝奇物になるだけに、この辺をフックにしたのは正解でしょう。後から考えれば、ここは揺るがない日常の一風景で、ある意味平和の象徴となるわけで。

でもねえ、この手のゲームっていつもそうですが、対処方法がなあ…… あれは、最初に目撃した段階で、有無を言わさず首謀者をボコボコにし、「うちのもんに手ぇ出したらどうなるかわかっとるんか?ああん?」と思い知らせるのが正解でしょう。特に、田舎ならなおさら。


文章は、たまに形容詞等が突然拙くなる場面が見受けらるていどで、水準以上。と言うか、この手のミスは絶対0にはならない類の物ですし。

ただ、田舎体験ツアーゲームの勘所になる背景で、指定ミスなのか準備ミスなのかが見られるのは残念。どう見ても雑貨店一軒だけの「商店街」とか、病院がジャスコ(作中ではジャコス)の背景で代替されていたりとか。線路がビルに突き刺さってるようにしか見えない駅は、あれは角度の問題なのかもしれませんが。

まあ、でもそれらは些細なこと。プレイ時間3時間程度でオープニングムービーが流れ、本格的に物語が始まると、周囲で起きる怪異と各ヒロインの描写を連動させて、上手くルート分岐を処理しています。ちゃんと、「どの怪異を追いかけるか」と「どのヒロインのルートに分岐するか」が、連動していそうなのが好感触。
これですよ、これ。周囲で非日常の事態が進行しているのに、選べる選択肢が好感度稼ぎしかないってのは、がっかりするじゃないですか。どこのEVER17とは言いませんが。(いや、あの作品も好きですよ。話が動き始めてからは)

システム面では、他でできることは一通り揃っている、優秀な方のスタンダード。ビジュアルなフローチャート画面とシナリオジャンプがついてるのが、+αでしょうか。かわりに、フローチャートのシーン名が管理ナンバー丸出しというのはちょっと苦笑しましたが。表示される達成率表示と相まって、デバッグやってる気分になるかもしれません(笑)


で、キャラ的には、確かに妹が頭一つ抜けています。


こりゃ、人気あるのもうなずけますね。

内気属性でどうしても押しが弱くなる翔子(小学生 当然18歳以上。よく考えると、登場順序的にメインヒロインはこの子か?)よりも、遙かに魅力をアピールできています。
翔子は、髪を下ろすと一気に可愛くなるのですが、立ち絵の都合で一枚絵でしか見れないのが大きなマイナスポイントでしょうか。

でも、一番素晴らしいツンデレ(沙智子)は落とせないのですか?正直、一番魅力的なんですが。
でも、ヒロインとしての魅力と言うよりも、キャラの立ち方やBGMで魅せるタイプなので、むしろ正しい立ち位置かもしれません。

……とか思っていたら、落とせちゃったのにはビックリしましたが。
でも、実際問題、「ヒロイン」としてはあんまり面白くないんですよね。ツンデレは、デレちゃったらもう終わりですから。

ま、それは置いておいて、以上の通り初クリアはツンデレで「18歳以上」(ポリティカルにコレクトな表現)の沙智子でした。

そして、更なるポリティカルコレクトネストして、「エロシーンは早いだろ」(大意)と言い放つ主人公にの正論に、思わずたじろいでしまいましたよ。正しい。眩しすぎるほど正しいよ!

反論できないだろ?でもこれ、18禁ソフトなんだぜ……?

げに、正義の反対は別の正義であり、正しさは争いしか生まないのでしょうか(逃げ)

とは言え、そう言うシーンがないのなら、そもそも「18歳以上」とアピールする意味は無いのです。つまり、エロシーン突入は必然。
攻略対象だけどエロシーンはない、と言う方法でも、別に良かった気はしますけどね。って言うか、故・KIDが出してたギャルゲー(非18禁)なんて、むしろその立場を活かして、ロリでも近親でもヒロインに放り込んでましたし。しかもそのパワーを単なる過激勝負にせず、「やりたい放題」のはずのエロゲーより、深みのある物語作っちゃってたりね。まあ、そんなソリッドなゲームに傾倒したあげくあそこは潰れ、一方エロゲ市場は萌えばかりで虫の息で生存、という現状に至るわけですが……


「社会的障壁」は、恋愛物のお約束、必須と言っても良いくらい有効なネタです。だから、主人公が「ばれたら社会的にやばいから」と言って距離を置こうとする行動が、ヒロインを死ぬほど傷つける言い訳に他ならないと気づくと言うプロセスは、実にグッド。そこに挟まれて悩んでこそ、物語が出てきます。
結局恋愛物が描く「ドラマ」とは、何を失い、何を敵に回して、それでもヒロインと添い遂げるか、と言う課題設定に他なりません。私がいわゆる萌えオンリー作品が好きでないのは、この辺が成立しないからですね。ノーリスクで手に入れられる物って、大切に思えないじゃないですか!

でも、だからこそ、このシナリオには脱力してしまったわけですが。
だって、あんだけ引っ張っておいて、「痛かったらやめる」の一言でエロシーンに突入するんですよ?今までの話はなんやねんと。盛大にずっこけましたよ。オルゴール風のBGMで大股開きでK.O.だ!と言う、往年の迷曲が、頭の中で無意味にリフレイン。

と言うか、解ってはいましたが、このルートは完全にサブルート。亡き母親の想いが垣間見えただけで終了ですね。
……ところで、ロリキャラをエピローグで成長させる奴は、ナボコフ先生の代わりにボリシェビキに吊されちまえばいいと思うわけですが。まあ、十分可愛いから、「こ、これはこれで嫌いじゃないかも。け、決して気に入ったわけじゃないんだからね!」程度の感想を述べるにやぶさかではありませんよ?

さて、やっぱり、全ルートクリアしてはじめて意味があるようなので、じっくりプレイしてみることにします。

次は、いろはさんかな?この人も、キャラ的には立っているけど、ヒロインにすると本領を発揮できなそうな感じですし。銀子さんも同様なんですが、あっちはいきなり物語の根幹が明かされちゃいそうな気配がありますし。

何にせよ、ちゃんと全クリアまで楽しめそうで、何よりです。



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この記事へのコメント
このような記事がありました

やらおん!
19日公開の【映画プリキュアオールスターズDX3』 津波のシーンが「災害を連想させる」として、一部削除して上映される。
http://yaraon.blog109.fc2.com/?mode=m&no=1142&cr=8a99b5e8d4008c595231ac8eea03d1e2
Posted by かがみん at 2011年03月15日 15:30
>かがみんさん
紹介された記事コメント欄の、「連想も何も、連日本物の津波の映像流されてるじゃないか」と言う書き込みに大笑いしました。実に正論。

なんか、災害関係の情報は、変な諸々が持ち込まれててうんざりしてきました。
東電批判が高まると同時に、個々の社員の献身的姿勢がやたら前面に出てきたりとか、何だかなあ……
無能な大本営に対する批判と、献身的で優秀な兵士に対する賞賛は、全くの別問題として共存するはずなんですが。
Posted by snow-windsnow-wind at 2011年03月16日 18:32
フローチャートのは管理ナンバーじゃなく、略称ナンバーみたいですよ
先頭の数字が日付けで次のアルファベットがキャラの頭文字で、自分が現在どこにいるかを表してるそうです

それで無機質な英字が苦手な人は、付箋モードで編集出来るようにしてあるとか。
Posted by 通りすがり at 2011年03月22日 00:59
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