2011年04月20日

金を得た馬鹿最高! 映画「エンジェルウォーズ」感想

エンジェル・ウォーズ (原題「SUCKER PUNCH」)
エンジェル・ウォーズ (原題「SUCKER PUNCH」)

北海道で数少ない良いことの一つに、映画館でメンズデーがあると言うことです。デートに使うには不適切でしょうが、そんな相手が(略

と言うわけで、エンジェルウォーズ (原題「SUCKER PUNCH」)を男数人雁首揃えて鑑賞してきました。原題の意味は予想外の一撃、とか言う意味らしいですが、どうにも内容と合っているとは思えません。これは、邦題の方が良いでしょう。馬鹿っぽいのが良く合ってます。(誉め言葉)

内容は、真面目に説明すると難解に聞こえそうなので、ザックリ一言で表現しましょう。

「監督が、撮りたい映像を撮るためにつなぎ合わせたシナリオ」

話の流れも整合性も、あえて言えばクソくらえです。一瞬深いことを言っているように思えるエンディングにしても、要は「やりたい放題やったら予算尽きたから、この辺で話を畳むね」と言う事でしかありません。と言うか、多分考えるだけ無駄です。

しかし、しかしです。以上は全て誉め言葉です。


例えば、平野耕太のヘルシングに、伏線の張り方がどうこうと言う突っ込みをして意味があるでしょうか?真三国無双に向かって、人物の心理描写が云々と文句をつけるのは、多分余程のこだわりがある人だけです。

そして、この映画は正に「そう言う」映画です。
一応、売春窟に放り込まれた主人公が、3日以内の脱出を目指してアイテムを集める、と言うシナリオはあります。(予告編の範囲。裏は色々有る)しかし、彼らがアイテムを手に入れるために行動を起こす度、具体的には主人公がダンスで敵の注意を引きつけようとする(なお、主人公のダンスシーンはありません!)度に、突然世界は大転換。異世界で大バトル(妄想上の)が繰り広げられることになります。

なんでそんな事になるかって?細かい事はいいんだよ!!

だって、雪降りしきる寺院で巨大サムライ武者との斬り合いに、焼け野原のロンドンでドイツの機械化(サイボーグ的な意味で)軍団との塹壕戦、ドラゴンとの空中戦から続けざまに未来のリニアトレイン内で白兵戦ですよ?
ちなみに、主人公の格好はヘソ出しのセーラー服。(拳銃はストラップ付き)現実世界では、なんかブルマにしか見えないレオタードです。

「300」の監督と言う事で想像が付くかと思いますが、日本アニメを意識した外連味の効きまくったアクションの連続に、シナリオなんて割とどうでも良くなります。着地時のポーズやダッシュをする時の「ため」、空気や水の流れを意識したカメラワーク、それに前述のセーラー服と、監督は日本オタクなのかと疑いましたが、スタッフロールのラストでそのまんまだったと解りました。これから見に行く方は、スタッフロールは最後まで観ましょう。
いやまあ、そうでなくとも、スタッフロールは「300」同様遊び心満載で、絶対最後まで観たくなりますが。FALLOUT3を、もう一回やり直したくなりましたよ(笑)。

また、逆に言うと、戦闘シーン以外の部分は上手くそぎ落とされてキャラを立てています。特に悪役連中の格好良さは最高で、ちょび髭スーツのイタリア人に、デブできったねえ白衣のコック、銀ラメスーツに葉巻デブの市長など、一目見ただけで笑い転げること必至。とにかく、文学性とか格好良い(≠カッチョイイ)教訓とか、そう言う色気は全部捨て、「俺が好きなんだからお前等も好きだろ?」と言わんばかりの馬鹿展開に、5分に1ずつIQが下がるような楽しさを満喫できます。

とにかく、馬鹿映画、ボンクラ映画、そして純粋なアクション映画が好きな人は、絶対にお勧め。あ、アニメ方面のサブカルチャーに親しんでいる人なら、より一層楽しめるでしょう。
しかし、話の整合性とかを求めて行ってはいけません。実際、「俺の邪悪なメモ」の罪山さんは、シナリオ的にのれずに評価が下がったと書いてますね。勿論、デートムービーにも最悪です。(って言うか、この映画喜んで一緒に観てくれるような女子が居たら、三つ指ついて「つきあって下さい!」とか土下座とかしますわ)
ですが、その点にさえ気をつければ、最高の2時間が過ごせるでしょう。フルプライス払っても悔いはない代物なので、是非どうぞ。


ところで、主人公はどう見ても登場人物の中でダントツに若く、ローティーンにしか見えなかったりします。その彼女が現実世界で目に涙浮かべながら歯を食いしばりつつ、妄想世界で大暴れする姿を見て、「結局アメ公もこう言うの大好きなんじゃねえかよ」と呟きたくなりました。可愛くて格好良いんだから、こう言うのが好きなのが一定数いるのは当たり前ですよね。手ぇ出す馬鹿は別として、画面上で愛でるだけで異常者扱いではたまりません。
なお、彼女は「公式には」20歳以上です。このことを示すシーンは、「そう言う視点」で見ると、最高の皮肉に満ちあふれていて、考えさせられます。
この辺も、本当にそう言うつもりで取っている可能性があるので、この監督の場合侮れませんが。

なお、もう少しだけ詳しい解説が、「誠」の映画評コラムに載ってますので、興味があればそちらもどうぞ。



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