2011年04月22日

魔法少女まどか☆マギカ 第12話(最終話) 感想

魔法少女まどか☆マギカ 6
魔法少女まどか☆マギカ 6


11話12話は、一続きだと長かったので二つに分けてます。
11話終了時の感想はこちら


最終話:「わたしの、最高の友達」
長かった(主にリアルの事情で)物語も、遂に最終回。11話終了時点だと、ここからのハッピーエンドは「願い」を使った強引なのものでなければ、ワルプルギス討伐後にまどかとほむらがお互いにソウルジェムを砕きあって心中、と言うような物しか思い浮かびません。

それにしても、ここまで「最後どうなるのか」が楽しみな作品は、エヴァ以来かもしれません。本当、オリジナルのストーリー物って大事ですよね。そもそも我々クソオタクが馬鹿みたいにアニメを見続けているのは、子どもの頃に体験したこう言うドキドキが、元凶のはずなのですから。

この作品を見て脳の回路に何かを埋め込まれたいたいけな青少年が、立派に道を踏み外しますように!



迷いを吹っ切った(主人公たるほむらからすれば「吹っ切ってしまった」)作品中一番の笑顔で、成約を宣言するまどか。
この「ごめんね」は、辛いよ。辛すぎるよ……


そして、まどかの願いは、端的に言えば「全ての悲劇を始まる前に終わらせること」。
そう来たか!と言うこちら側の思いは、膝を打つと言うよりも天を仰ぐ感じになります。だってそれは、決して報われることのない自己犠牲なのですから。誰も、彼女の貢献を知らない。ほむらさえ、仲間達さえ、何も憶えていないことになる。何故なら悲劇は、「最初から無かったことになる」のだから。

と思っていたら、魔女にならないように直前で止めて回る描写になりました。ただあれだと、「魔女を倒すために」魔法少女になった連中は、最初から魔法少女にならないことになります。その辺が、キュゥべえの言う因果律の歪みかもしれませんが、まあ描写としては仕方ないでしょう。歴史改変の可視化として、一番映える方法ですから、細かな矛盾は文字通り些細な問題です。

お話としては、ここで終わってエピローグに入って良い内容です。この後のシーンは、単なるアクションを描くためのサービスシーンに過ぎません。シナリオ重視のエロゲにおける、エロシーンみたいな物です(暴言)。


でも、この心象風景というか、自己内対話シーンは良かったですね。さやかが出てこないところとか!


命の樹から降り注ぐ光弾。
つまり、全ての現実(物理力)を費やして勝てなかった相手に打ち勝つもの、まがい物のデウス・エクス・マキナではないデウスそのものとして、魔法が提示されるわけです。


黒い霧が邪魔との意見もあるようですが、私はむしろ服着ていた方が綺麗なシーンだと思います。

それにしても、「いつにでもどこにでもいる」って、魔法少女ものとしては凄く正統な終わり方なんですね。物語が終わって魔法は消えるけど、その根源は偏在している。「行きて帰りし物語」として話の環は閉じ、登場人物達は、魔法を、全ての希望を含んだ日常を生きていく。考えてみれば、現代を舞台にしたファンタジーとして、魔法少女物と言うのは実にクラシックなんですね。

ところで、「忘れずにいてくれるかも」と言うと、つい一週間前にリメイクされたあれを思い出して、もの凄く嫌な予感もしてしまうわけですが。


閑話休題、この土壇場で、さやかのために尺を取る必要って、あったのでしょうか?


各キャラ個別のエピローグと言う扱いになるかとも思ったのですが、さやかだけだし。
特にさやかの場合、別の世界線ではあっさり他の男に惚れているわけで、消滅させる理由なんて無かったんじゃないかと思うんですが。


結局魔女はなくなっても魔法少女は存在を残し、正に普通の魔法少女物的世界が出現しています。これって、上で書いた行きて帰りし物語としては道を外れてしまったわけで、続編を作ってみたいという脚本家の話に現実味が出てきます。だって、物語はきちんと閉じていないのですから。

それにしても、QBの描き方はいいですね。要するに、悪質な詐欺師とは言え合理主義の極みなので、前提となる宇宙の法則が変われば、普通に共生関係を築ける、と。ウィルスみたいな連中ですが、こうなると逆に頼もしいか。

そしてラストカット。現代兵器からまどかの弓に武器を変えたほむらの姿で、物語は幕に。



Don't forget.
Always, somewhere, someone is fighting for you.
---As long as you remember her, you are not alone.

忘れないで。
いつだって、どこかで誰かが、あなたのために戦っている。
あなたが彼女を忘れない限り、あなたは一人じゃない。


このシーンは、永遠に戦い続ける、永遠の少女という運命に閉じ込められたほむらの暗示でしょうか?
何にせよ、苦みも残る、良いエンディングだと思います。

ただ、まどかを「普遍的な存在」というようなワイルドカードに変えざるを得なかったのは、やっぱり、手放しの絶賛には薄皮1枚達していないと言う感じはします。あれ、風呂敷広げすぎたSFが、苦し紛れに出す逃げ技ですから。
勿論、物語の完成度や個々の演出、圧倒的な力の入れ方で他の追随を許さないですし、自分で書いたとおり、これを越えるドキドキを与えてくれたテレビシリーズなんてここ十数年見なかったわけで、無いものねだりなんですが。
他がSランクだと、1箇所あるAランクは何だか物足りなく見えてしまう、と言うだけの話です。

とにかく、そう言う細かい部分は置いておいて、本当に楽しい視聴体験でした。Blu-ray全巻予約して悔い無しです。

願わくば、この結果が続編濫発による枯れたコンテンツ化ではなく、良質なオリジナル作品の発表機会増大という形で、業界に結果しますように。



あ、そうそう。最後に出てくるこの魔女文字を、必死に解読したら「PUELA MAGI MADOKA MAGICA」つまり「魔法少女まどかマギカ」だった件。ちなみに、このあとソウルジェムのあったところに浮かぶ文字は「OSHIMAI」つまり「おしまい」。
絶対映画化か何かの告知だと思ったのに!畜生、畜生!


なお、後日書いた追加の考察等はこちら


その他、当BLOG内のアニメ関係のエントリーはこちら





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この記事へのコメント
始めまして、いつも記事楽しませてもらってます

さやかの場合魔女になって死んだと言う結末だから、魔女との戦いの中で死んだ他の皆と違ってああなったのではないでしょうか?
そしてさやかが救われるには契約しない事にすのが一番なんでしょうが
それはこの時間の中で決意したさやかの意思そのものの否定になるんで、まどか自身としてもそれは望まなかったのでしょう。
あとさやかに尺を取ったのは、魔女となるはずだった魔法少女達が同時に新しい法則の中で
どのような形で救いのある終わりとなったのかのを表現する事にも繋がってるんではないでしょうか?
世界は何もかも完全に変わったわけでなく、ただほんの少し優しくなったんだと

ところで他の時間のさやかが他の男に惚れたシーンってありましたっけ?
今ひとつそのシーンが思い出せなかったので首を傾げてしまいましたが
Posted by 通りすがり at 2011年04月22日 22:28
どうもです。
個人的には、世界は優しくなったのではなく、QB族の合理性が人類の利害と合致する形で前提となる方程式を書き換えた、と解釈して鳥肌を立てたのですが、確かにその解釈もありだと思います。
さやかが、物語はじまってから初めて満ち足りた顔をしてましたし。

あと、さやかが惚れるというのは、公式ページの魔女図鑑ですね。
3週目のさやかの魔女化したきっかけが、上條以外の男と暗示されています。
実際、戦闘会場がバイオリンの舞台ではなくライブハウス風になってますし。
Posted by snow-windsnow-wind at 2011年04月23日 00:45
なるほどあそこですか。
自分は説明がほぼ同じで在りしの感動とあり、仁美に似た使い魔がいる事で彼女に対する複雑な心境を感じて、あの時間軸では上条君がバイオリンでなくギターを選んだんだと取りましたが、そういう解釈もありますね。
すでに過ぎ去った過去、真実を知るのは関係者達だけでしょうが、こうして出ていない部分を色々考察するのもこの作品の楽しさだったと思います。

そういった語られない部分や虚淵さんの言う尺の都合で削られたという部分は、後に出る小説版で語られるかもしれませんがそれはそれで楽しみです。
なんにせよ、改めて良い作品に出会ったとしみじみ感じました。
Posted by 通りすがり at 2011年04月23日 10:50
pixiv百科事典のオクタヴィアの項目に
「KeyAnimationNote5によるとこの時間軸では恭介はギタリストであり、TV・パッケージ版ではカットされているが作画も存在する。 」
とあります。よってさやかが他の男を好きになったというわけではない模様。
Posted by 劇場版の感想から遡って読んでます at 2012年10月24日 10:24
え、そう言う設定なんですか?
でもそうすると、ほむらのやっていることが時間遡行ではなくて、良く似た平行世界間の移動って事になっちゃいますね。基本設定が矛盾あるいは精度低下を起こししちゃうので、なんだかなあ……
もともとそう言う設定なのか、シャフトさんが画面映え重視で追加したのか解りませんが。(実際、あのシーンは良くできてますし)

そう言えば、キーアニメーションノートは、Vol4以降を買い忘れてました。
Posted by snow-windsnow-wind at 2012年10月24日 21:34
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