2011年05月02日

「戦争」は終わるか/ビン・ラディン殺害


震災等のニュースに隠れて目立たないうちに、ビン・ラディンが死んでました。

米軍事作戦でビンラディン容疑者殺害=オバマ大統領の声明

これは確かに、朗報と言う側面はあるでしょう。大規模なテロを指揮し、今後もそうするであろう犯罪者が、それをできなくなったわけですから。
しかし、根本的な問題として、手放しで喜ぶ気など起きません。

まず、ビン・ラディンとは「犯罪者」であるという点を、改めて認識する必要があります。テロとの「戦争」とは、非常時を旗印に権限拡大を狙った各国政府のプロパガンダであり、本質はただの大規模殺戮犯です。
従って、政府が行わねばならないのは、容疑者の身柄確保と裁判、そして真相の解明です。この意味で、容疑者殺害は決定的な失敗と言う事になります。

この失敗により、日本のオウム真理教事件が好対照例になるでしょうが、「テロ」の本質である「何だか解らない恐怖」を、払拭するのに失敗したことになります。
麻原彰晃は、裁判の過程で「ただの人」であることをタマネギの皮をむくように明らかにされ、カリスマが地に墜ちると共に、日本人の恐怖を払底することになりました。皆さん忘れているかもしれませんが、麻原が逮捕されて裁判が始まるまで、「またテロが起きるのではないか」と言う恐怖は、非常に大きかったでしょう?地下鉄の売り上げなんて激減してましたし。

結局、ビン・ラディンを逮捕し損ない、「戦争」という幻影を祓えなかったアメリカは、テロに敗北したと言う事なのです。

そして何より、状況がまだ明らかになっていませんが、米軍は明確に容疑者の殺害を狙い、捕縛は目指していなかったようです。まあ、そもそも軍ってそう言う組織であり、そう言う組織をこの件の専従にしていた米国にしてみれば、当然のことでしょう。

結局、アメリカ政府は政権交代後も一貫して、テロ「戦争」を煽り続け、本当にテロの恐怖を祓って正常な市民生活を取り戻させる気は、無かったと言うことなのでしょう。
「非常時」を名目に導入された特権が、その便利さ故に恒常化され、それを正当化するためにいつしか「非常時」の継続その物が目的化する。真っ先にロシアが歓迎のメッセージを出しているのは、象徴的かと思います。

これからあの国がどう変わっていくかは、国際関係上我が国にも大きな影響があるので、注目したいところです。
インパクトとしてだいぶ小さくなったとは言え、これを機にあの国が悪夢から少しでも立ち直って、「警察国家化の輸出」(類例:革命の輸出)をやめてくれる所を祈りたいのですが…… 色々と難しいでしょうねえ。



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リトル・ブラザー
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↑この前こんなの読んだ直後にこれで、色々と考えさせられました。
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