2011年05月13日

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 5話 感想

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 3 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 3 【完全生産限定版】 [Blu-ray]

↑第1巻が1話のみの変則収録なので、この5話は3巻収録と言う事に。
それにしても、発売日が8/24で、むしろ作中時間とはリンクするんですよね。Steins;Gateと言い、なぜか今期は放映時期と作中時期がずれてる作品が…… まあ、いつもの事か。


他の回の感想はこちら


第五話「トンネル」
さて、今話は全開のラストから直結です。


この、泣きながら笑ってやるしかない、ゆきあつの醜態。
って言うか、「何故」とか聞いてやるなよ。黙って手を出せよ!と思ったのは私だけでしょうか。


一方、冷静にこの事態をゆきあつのトラウマ昇華のチャンスと捉え、周囲を止めるつるこ。みんな、本当に優しいよね。


結局ゆきあつは、慕情と嫉妬だけでなく、これまたお門違いの自己嫌悪で動けなくなっていたわけです。前回のあなるの回想もそうですが、やはり6-1人組の心の底には、罪悪感がゆたって居るのでしょう。
それにしても、化けてでるでも呪うでもいいから出てきて欲しいと言うその叫びは、主人公のひねた物言いより余程素直で心を打ちますね。

一方ここに来て初めて、めんまが「じんたんが知らない可能性のある情報」を口にしました。つまり、彼女がじんたんの妄想ではない、叙述トリックの産物ではないという可能性を提示したわけです。これは、ちょっと予想外。ただ、あくまでも可能性で、じんたんがあのセリフの持つ意味を知っていると言う線も、一応あるわけです。
でも、今まで同様曖昧なまま進めた方が、絶対面白かったと思うんですけどね。


この回想も含めてみると、つまりめんまの死のタイミングが余りにも悪かったと言う事でしょうか。
無思慮な物言いでめんまを傷つけたじんたんも、最悪のタイミングで告白をかましたゆきあつも、それをひどいやり方でふっためんまも、単に子どもだっただけ。しかし、その傷は子どもならではの回復力で、翌日に会って笑い合えばふさがるはずの物でした。しかし、その機会は訪れないままあんな事になってしまった、と。


それはこの、ゆきあつに告白するタイミングを(今のままでは)永遠に逃したことになる、つるこにしても同じ事でしょう。そして恐らく、その事でめんまを恨むには、彼女もまためんまが好きすぎるし、ゆきあつの気持ちも分かりすぎる。
この不器用さは子どものそれで、踏み出せない臆病さは大人の物。この辺のバランス感覚が、ジュブナイル物ならではでしょうか。


一方で、醜態をさらしたゆきあつにこう言う活躍をさせ、助ける物と助けられる物の関係を固定させません。つまりは、仲間集団として再生に布石を打っていきます。

このあとの表題になっているトンネルのシーンと言い、物語は一歩一歩愚直に、わかりやすすぎるほど丁寧に段階を踏んでいきます。やはり、ゆきあつの女装のような派手なネタは、ともすれば単調に落ちてしまう堅実な展開に、フレーバーを加えるためなのでしょう。
それは多分正しい判断。そうしなければ、余りに地味ですから。その地味さはとても心地よいのですが、テレビアニメというますを相手にする以上、ジュブナイル小説そのままのマイナー趣味に徹するわけにはいかないのですから。


一方、ここでぽっぽに初めてネガティブな印象が与えられる場面が出てきます。めんまの存在を悪いことと決めつけ、成仏しろと言う無遠慮さ。それは彼の持ち味である、子どもの頃から変わらない無邪気さの象徴。しかし、その言葉がめんまを、つまりそれを認識していると主張するじんたんを、いかに傷つけるか気づけない。見事な反転です。
って言うかこれ、あの駄作のあの野郎(感想はこちら)と、好対照をなす描き方ですね。どのようなキャラクターを描くにせよ、何を描くかではなくどう描くか、そしてそれを作品内でどう扱うかがポイントと解ります。


この、泣き崩れるめんまの痛々しさ。だって、めんまは(あるいはそれを見ているじんたんは)忘れてしまったお願いを適えて欲しいとは思っていても、「成仏したい」なんて、一言も言っていないのですから。
その辺をちゃんと把握できる、ゆきあつやあなるやつるこには、絶対できない態度です。
まあ、妙に必死な表情と言い、単にそれだけではないのではないかと思ってしまいますが。

いいですよね。この、キャラクターの造型を様々な側面から見せることで、多面的な評価を確立する人物描写。素晴らしい演出だと思います。

さて、これでまた一つ、物語の障害(どこを目指すにせよ)が明確になりました。
じんたんは、めんまの願いを聞けません。願いを叶えて、「成仏」されることを、例え妄想の産物と言い聞かせていても、再び彼女を失う可能性に耐えられないのです。

エンディングがどこに行き着くかは自明ですが、その過程でどうドラマを展開させるのか。次週が待ち遠しくてたまりません。
それにしても、懐かしいですねえ、「ぼっシュート」。



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