2011年05月20日

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 6話 感想

secret base ~君がくれたもの~ 【初回生産限定盤】
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↑今話収録予定のBlu-ray3巻は、まだ未登録。一方、エンディングテーマはいつの間にか発売されてました。いや、私が発売日をちゃんとチェックしてなかっただけですが。
このジャケット、あなるの顔が何か怖いな……


「あの花」、他の回の感想はこちら


第六話「わすれてわすれないで」
前話ラストで、ぽっぽが何やら不穏なトラウマの存在を感じさせる、不気味な言動を見せていましたが、今話は悩むじんたんから。
単純なようですが、この「心残りの理由など思い当たらない」と言うのは、重要だと思います。
客観的に見て、「今あのタイミングで」めんまに化けて出る理由は、見あたらないのです。一方、ここまでで十分明らかなように、残された超平和バスターズの面々には、めんまに、いや過去に向き合う必要性が十分すぎるほど存在しています。


めんまはいつも笑顔で、それは幽霊となった(あるいは具現化したじんたんの妄想としても)変わらない。これは、物語開始以来、心からの笑顔を一度も見せていないサバイバーの面々(ぽっぽも先週を見る限り微妙)と、好対照をなします。


その点を意識してみると、このオープングの違和感を持って見ていたカットの意味も、とても解りやすいんですよね。ゆきあつが振り返った先で笑うめんまと、直後パンして煙だけが青空に消える。消えたのがロケット花火か他の何かかは解らず、ただ噴射炎が「何か」の存在を残すのみ。ちなみに、コマ送りで見ると、飛翔体自体も画面内に入ってはいるのですが、煙に隠れて判別は出来ないようになっています。
ただこれを手遅れとなって痕跡しか留めない過去の表象と見るならば、ゆきあつが振り返る前からそちらを見続けているつるこは、一番深く過去に囚われているのかもしれません。


さて、めんまを素直に幽霊と見るならば、この態度は母親役をやって居るようにも見えます。めんまと母、どちらもじんたんに近い死者なのに、片方だけが出てくる意味は?


そんな事より、このめんまの可愛さって本当に凄いですよ。「性的でない」ところが。
子どもが「可愛い」と言うと嫌な笑顔で応じられると言うのは、アップフェルラント物語の後書きで田中芳樹が愚痴ってた頃からのお約束。でも、このめんまの可愛さって、エロティックなそれではなく、本当に純粋に「可愛い」と言う描き方なんですよね。絵自体は、極めて現代的な萌え絵の文法に則っているのに。


今回のポイントは、あなるがゆきあつに助けられたことを、じんたんは知らないと言う事。彼の、どこか無責任な傍観者的態度はそのためですが、真相を問いただすことも庇うこともしないのですよね。
一方じんたん曰くの、「頭悪くて要領悪くて、一所懸命なのに……」と言うあなる評。つまり、無理をしてたってことですよね。


書き付けられる「助けて」と涙はわかりやすすぎる演出ですが、じんたんを動かすには、これくらいでなければならないでしょう。演出・展開は解りやすく、しかし丁寧に、と言う態度は一貫しています。ゆきあつみたいに、あえて誤解を狙った物も見られましたが。

このカット、ポアロの「クラリス奪還大作戦!」と言う曲を思い出しました。ネットには、動画すら上がっていない曲ですが、クラスのいじめられている(?)女の子をカリオストロのクラリスに擬した歌です。


そして、実行されるじんたんの自爆テロ。
多分、小学生の時の彼であれば、机を蹴っ飛ばし、「あなるをいじめるな!」の一言で悪ガキどもを黙らせることが出来たはず。しかし、彼はもうそう言う人間ではない。それでも、声を震わせ、上ずらせ、詰まりながら、格好悪く、それでも先走る思いだけを武器に、仲間を守ることができるかも知れない。とても痛々しく、それだけに転換点となりうるシーンだったと思います。最後まで向かい合わずに逃げてしまった(連れ出されてしまった)のは、今全面衝突しても話が止まってしまうからでしょうが。
あと、「眼鏡」は、大事な事なので二度言ったんですよね?

それとは別に、悪口で満たされた教室の中で黙っている&出て行くあなるを辛そうに見送る友達二人を見ると、この世界観に悪人はいないのかもしれませんね。辛さは過去の過ちや自分自身から生じ、外部から一方的にもたらされる物ではない。だからこそ、「乗り越える」事に意味がある。どこかの悪人に全ての責任を押しつければ済む話では、ないわけですから。
まあ、前回の援交サラリーマンみたいに、秩父線の線路に放り込んで、月曜日中央線ごっこに興じたくなるような奴も居ましたが。


閑話休題、後半は先週から引き続き、不自然な熱心さを見せるぽっぽ。この妙な切迫感は、かなり具体的にめんまの死に関わっており、余計なことを言われないうちに消えて欲しいと思っている、とかでしょうか?まあ、そうだとしても、多分彼の思い込みなのでしょうが。


めんまのおたく訪問。お袋さん、表札を見るとロシア人だったんですね。読み方は「イレーヌ」じゃなくて「イレーネ」になるはずですが、カタカナ化過程での改変でしょうか。
と言うか、めんまのあの髪と陶磁器っぽい雰囲気は、ハーフだったからなんですね。そう言えば、彼女以外に髪の色がアニメっぽいキャラクターは居ませんでした。まあ、弟はあんまりそうは見えませんが。


振り返ったじんたんと目があって動揺するお袋さん。彼女は、未だにカレーの度に仏壇にお供えをするほどめんまの死を引きずっています。だとすれば、その原因を作った超平和バスターズに、言いたいこともあるのでしょう。
一方で、ぬぐい去ったかのように空っぽになっためんまの部屋には、うそ寒い物を感じました。感情にまかせて処分したのでしょうか?それとも引きずり続ける妻を吹っ切らせるために、めんまの父がやったことなのでしょうか?
後半で後者だと判明しますが、単純ならざる人間模様が垣間見えます。


さて、ラストはつることゆきあつの落ち着いた会話。ゆきあつのじんたんに関する感情は、これまた解りやすくセリフで全部語られましたね。ある意味陳腐ですが、それを口に出さずには居られない&つるこに対してなら口に出せると言う部分で、彼のキャラクターを掘り下げたことになるのでアリだと思います。
そして、結局当時のことを一番きちんと憶えているのが、恐らく一歩下がった立場で場を客観的に見つめていた、つるこというのもポイント。ロールプレイ(本筋外れ)優先で話を進められないプレーヤーに混じって、淡々と謎解きに取り組むPC4、みたいな感じでしょうか。私、好きですよ。そう言うポジション。


で、めんまは母親を刺激したじんたんを責めて泣くわけですが、これは余り子どもっぽくない反応です。つまり、めんまらしくない。むしろ、めんまの母と目があって動揺し、更に家庭の軋みを目にしたじんたんの、罪悪感が反映されたように思えます。

自分に対する怒りとふがいなさを、めんまにぶつけてしまうじんたん自身の子供っぽさと合わせると、定型的な自己内対話の図にも見えます。


ところで、舞い飛ぶ雑貨と「エッチ・スケッチ・ワンタッチ!」のかけ声(?)は、今回最大のノスタルジーポイントかも。言ったなあ、その言葉。
いや、それがオチで良いのかよと言うツッコミは、さすがに入れたいところですが。

まあ、これで上手く誤魔化しましたが、日記をもったぽっぽはどこに消えたのかとか、あなるは何故戻ってきていたのかとか、「気づいた」ゆきあつ&つるこコンビの動向は、など、次回への布石が山盛りでしたね。
ここから、丁寧に描こうと思えばいくらでも話数が必要な一方、足早に進むと数話で終わらせられる話にも見える、今一読み切れない中間地点です。
何にせよ、来週を楽しみに待つとしましょう。




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