2011年05月27日

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 7話 感想

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 3 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
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↑Blu-rayが「完全限定版」と銘打たれるのはいつもの事ですが、それであとから手に入らなくて困った経験って、実はないですよね……


「あの花」、他の回の感想はこちら


第七話「ほんとのお願い」
前話は、伏線を張るだけ張って、一応のオチすら付けずに全て次回に投げたような終わり方でした。さて、それを受けての今回は、どう持って行くのか。



まず、あなるが秘密基地にいたのは、単なる親子げんかと判明。これ自体は肩すかしですが、前回めんまの母のほの暗い感情を垣間見せられたあとなので、普通に喧嘩ができる家庭環境に、ほっとすることができます。

一方、めんまが見えないあなるにしてみれば、この辺でけじめとしてじんたんに社会復帰を促すのも、自然な流れ。めんまの存在以外、できる限りリアルに構成されたこの話において、じんたん以外がめんまの存在を信じることは、おかしくなることと同義です。


公式でフォントも落とせるめんま日記ですが、これ凄いですね。蛍光ペンで書いた時の「止め」にじみが、ちゃんと出ています。と言うか、紙に書いたのをCG取り込みしたのかな?


それより、今回の私の最大の萌えポイントはここ。秩父名物、農民ロケット。『放課後のロケッティア』(当BLOGの感想はこちら)で、これを元ネタにした裏庭宇宙開発が描かれて居た事でもなじみ深いですね。
文字通り、天に届けとロケットを打ち上げる。それは、冷徹な科学の法則に裏打ちされた宇宙開発とはまた別の、叙情の支配する「宙への思い」の発現です。ふたつのスピカなんかがそうですね。あの作品は、雰囲気・テーマ的にもあの花にそっくりです。


さて、予告で出ていた眉寄せめんまはこれですが、じんたんはめんまを騙してるんですね。めんまを幽霊ではなく彼の妄想とする方向から考えると、これは彼の社会復帰に必要なプロセスと言えるでしょう。サボることに罪悪感があり、また表面上は行動を変えたいと思っている状態なわけですから。あとは、実際に行動を(なりたい自分に見合う方向に)変えるだけです。


その第一段階として、過去に積み残した「めんまのお願い」という引っかかりの解除は、乗り越えるべき障害として理想的。ですが、そんな風に簡単に決着をつけてしまって良いのか……?
勿論、「良い」としか言いようがないのです。だって、めんまはもう死んでいるのですから。こだわっていては、いけないのですから。しかし、それができるなら、彼らは10年も立ち止まったままのはずもなく。

ところで、火薬類はダメですけれど、Cクラスまでのモデルロケットなら、小学生でも打ち上げられますよ。三段式にして1000mくらいが限界ですけど。

あ、彼らが昔やろうとしてたこと(ロケット花火バラして1箇所に集めて)は、ダメ!絶対!!バラしただけなら燃えるだけですが、圧縮かけた日にゃ、最悪手くらい吹っ飛びますよ。


ジュブナイルの様式上「高校生」となっていますが、ここで彼らが言及しているのは、「大人」その物。何でもできるように見えた。何でもできるようになると思った。でも、手に入れた力は小さくて、むしろ自由に羽ばたく想像の力は失われる。

定型的なテーマを、定型に寄りかかることなくきちんと描き込んで心を動かすやり方は、相変わらず出色。井上純弌がいみじくも指摘しているように、基本に忠実な描写を時間と労力をかけて作り込む事を選べる制作者は、そう多くないのです。

さて、前半終了時点で前回の二大伏線の片方、めんまのお願いについての追加情報が開示。
じんたんにナイショのお願いとは、中々不思議な状況です。それがめんまの「願い」なら、何故彼はじんたんの元に現れたのか?言い換えると、それを知るはずのないじんたんが、何故「お願い」をせがむめんまを妄想するのか?どちらにせよ、これ自体はフェイクの気がします。
ただ、それを探る過程で、じんたんが何か大切な物を見つけられれば、結局その「お願い」は意味があったことになるのでしょう。めんまが、幽霊か妄想かに関わらず。
結局の所、物語が経るべき段階としては、めんまの願いが何であるかは大した意味など無いのですから。


こう言う風にね。
格好悪いけど、本当に格好悪いけど、その心意気と前に進もうとあがく様は、最高に格好良い主人公。


さて、前半で半分大人としての立場から痛みを感じていた超平和バスターズの面々ですが、後半では半分子どもの苦さを噛みしめることに。数人がかりでの20万は、社会人なら当たり前に、大学生でもちょっと無理をすれば用意できる金額。しかし、高校生にとっては高すぎる障壁です。


あ、さりげなく……ない形で、自社宣伝も入ってますね。宇宙ショーへようこそ、良いアニメなんですよ。色々詰め込みすぎですけれど、愛もたっぷり入ってるんです。


一方、ヒロインさんは今回こんな扱いばっかり……


ですが、ライトの方向を変えるという、結構大胆な動きをしています。とは言え、やはり周囲から見れば、単なる偶然というか事故みたいな物。主人公の妄想である可能性を捨てない=周囲からめんまは観測されない、と言う法則は貫徹しています。


そして次週は、めんまのことを過去にし終わった家族と、傷から血を流し続けている超平和バスターズの対決と言う事になるわけですね。傷の治療をしない(できないまま)来た超平和バスターズにとって、この物語が避けられない通過儀礼であると同時に、家族にとっては、ふさがった傷口を引っかき回す狼藉になる。
そこでキーになるのは当然、傷を塞げてなどいない母親と言う事になるわけですが……
「ふざけてるわね」の一言に込められた静かな怒りとほんの少しの優しさが、次回どう表現されるのか。そして、次回予告でめんまに語りかけられている弟は、どんな動きを見せるのか?
もともと甘いだけではあり得ない物語だけに、一つの山場として期待せざるを得ません。

今週も、30分は短くもあり、また長くもあり。早く来い来い次の週、と言う小学生気分で楽しみに待ちたいと思います。




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