2011年05月31日

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 配信版第15話 感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 8(完全生産限定版) [Blu-ray]
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 8(完全生産限定版) [Blu-ray]

↑最近になってやっと、Blu-rayのおまけCDにキャラソンが入っていることに気づきました。
嫌だなあ。高い金出して買ったBlu-rayを、積んだまま開けても居ないなんて、そんな事あるわけないじゃないですか。少なくとも、一巻はちゃんと開けて、おまけ小説読んでましたしね。


6/1 追記
指定が間違っていたせいで、更新したのに表示されていませんでした。って言うか、年がずれてるってどう言うことだよ……


小説版の感想はこちら


最終話「俺の妹がこれで最終回なわけがない」

原作第五巻の内容をなぞる配信版も、遂に最終話へ。「ずっと黒猫のターン」は終了し、正ヒロイン(憫笑)さんの復帰と相成ります。
ただ、原作でもこの流れは余り面白いと思わなかったので、期待はそこそこの状態で視聴開始。

ニコニコ動画の公開アドレスは、ここ


冒頭。ネットでシナリオが叩かれても超然を装う黒猫さんが眩しいのですが、これなあ…… 彼女が叩かれてもまだ平然としていられるのは、アニメ版で改変されてしまった第8話(原作3巻)で、編集者からもっと徹底的にダメ出しをされて開き直ったからです。あそこに最低の改悪を加えてしまったアニメ版の瑕疵は、最後まで尾を引きますね。


一方、妙にむかつく上から目線の主人公。
それよりも、背景の本棚に、エロゲと並んで、海外製パソコンRPGまたはボードゲームらしきパッケージがあるのに注目です。この部活、おたくにとって羨ましい濃さなんですよね。他に並んでいるのが、プログラム技術書、少女漫画、文学全集(多分国書刊行会のSF/幻想系)、フィギュアという多方向ぶり。机の上には、旧型PSやゲームキューブも見えます。
ところで、ここで黒猫が言っていた新しい企画は、原作最新刊で無残に放り出されてるんですよね。やっぱり、最新刊の内容には違和感が募ります。


逆に沙織のこの描写とか、アニメならではでさすがですよね。文章では、中々難しい表現を上手く映像で補完しています。


赤城も良いキャラなんですが、こちらはアニメでも文章でも破壊力は変わらない感じ。原作6巻のエピソードが来れば、映像と合わせて強烈な破壊力を発揮すると思いますが。


さて、本筋。
原作の展開から逆算すれば、ここで桐乃が余計なメールを打ってこなければ、未来は違っていたはずなのです。その意味でも、あの正ヒロイン、本当に余計なことを!
まあ、メールのタイミング遅れていたとしても、恐らく黒猫の最終的な行動は同じになっていたんじゃないかと思いますが。黒猫は邪気眼の痛い子ですが、人の気持ちは解る(解ってしまう)のですよね。余計なまでに。このハッとした表情から発破をかける展開など、完全な自爆技です。
それでも、発破をかけるモードに切り替えるまでの一瞬のためらいに、アニメの表現力を見た思い。


結局の所黒猫の悲劇は、初めての友達と初恋の相手が、同時にできてしまったと言う、ただそれだけのことなのです。新たに構築されるであろう人間関係より、バランスした居心地の良い場所が大切になってしまう。それは、臆病でも幼稚でもない、自然で、それ故に避けがたいデッドロックです。
つまりは、それぞれの人間関係が構築されたタイミングの問題で、黒猫には純粋に「可哀想」という思いが湧いてきたり。だって、不運としか言いようがないわけですから。
ただこの辺、「サークルクラッシャー」を嫌うおたく心理と、ファンへの配慮(ヒロイン固定せずハーレム維持)が優先された、とも解釈できるわけですが……
原作の現状が、結論出し損なっての引き延ばしモード、と言うのもまた一つの真実ですし。

この後の、主人公に悪口を連ねる時の表情を見せない演出が、また良いですね。理想的には、最後の最後まで表情を画面内に入れないまま話し続けて欲しかったですが。最後の笑顔が本当に可愛いく、またそれに続く問いかけが格好良いだけに。

後、「あなたが途中でヘタレたら、死ぬ呪い」のセリフに、声優さんの底力を見ました。凄い!黒猫の黒猫らしいセリフに込められた黒猫の心理が、原作の機微を完全に再現して発せられています。原作者も、大喜びするんじゃないですかね。


親父さんが京介に全てを託すシーンは、原作とは変えてありますが、状況(親父のデレ)を表現すると共に状況を解りやすく説明するには、仕方ないところかも知れません。


で、この時点で約半分。残りって、原作だと一瞬で済んだ内容なので、何を入れるのかと思ったのですが……


正ヒロイン(笑)を、(笑)無しの「正ヒロイン」に一気に押し上げるデレ描写を、ワンオンワンでたっぷり描写。


ここでの「デレ」の最大のポイントは、桐乃が常に保っていた強者の地位を転がり落ち、京介の言葉を受けいれる素地ができている点です。勿論、それでは前に書いた、ギャルゲーの呪いとも言うべき「相手の弱味つけ込みメソッド」にしかなりません。そこで、京介に桐乃を助けさせると同時に、それをもって桐乃を強者の地位に復帰させ、見事にバランスさせて見せます。
これは、一般的には弱者の表象で、その弱さを兄(主人公)につけ込まれる存在である「妹」の相をずらすこの作品だからこそ、できる描写でもあります。映像になると、この辺が非常に解りやすく整理されて見えてきますね。

もっとも、この辺の「強者」としての桐乃と言う重要ポイントは、アニメでは8話カタストロフの影響で抜かされちゃってるんですけどね!
後、そもそもこの展開で妹にあっさり翻意・帰国させてしまっているのは、ちょっとどうなのかとか。単純に言えば要素の詰め込みすぎと言う事になるのでしょうが、迷走に近い物があります。

ま、帰国後の会話における表情の変化とか、本当に正ヒロインさんが正ヒロインさんとして可愛く描かれていたので、そんな不満はとりあえず吹っ飛ぶわけです。(ラストの劇場版発表会場?それは見なかったことにして上げましょうよ)勿論、同時に黒猫の不憫さもまた際だってしまうわけですが。

この分だと第二期もその内作られることでしょう。それは、引き延ばされて熱的死に近づきつつある原作のことも考えると、必ずしも良いこととは言いきれませんが……

とにかく、一本のアニメとして、とても良い出来でした。「こんな事ならアニメ化なんてされなければ良かったのに」、そんな風に思わざるを得ない作品が多い中、第8話という瑕疵がありながらも水準を保ったまま完走したことにエールを。

うん、良い作品でした。




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