2011年06月11日

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 9話 感想

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 3 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
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6/17 追記
表題の話数が間違っていました。検索で10話の感想と思って飛んできた方はすみません。
10話の感想は、こちらになります。


「あの花」、他の回の感想はこちら


第九話「みんなとめんま」
前回でかなりがっかりし、先行きに不安を感じた「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」。今回は第9話の感想です。


今回は珍しく、冒頭シーンがカットされ、いきなり主題歌から開始。


で、どうなることかと思っていたら、本当にそのまんま幽霊として色々やり始めるめんま。この話のキモは、「幽霊か妄想か」を明確にしない点にあると思っていたのですが、それは単なる話の都合だったようで……

何だかなあ、と言う気分で一杯です。

もし、幽霊の実在を前提とするなら、話の勘所は「どうやってめんまの存在を信じてもらうか」にすべきでした。それでは時間が稼げない?私や他の懐疑論者が色々考えていたように、めんま実在の「証拠」を提示してもゆきあつ辺りが否定する、と言う方法で引っ張るのは、十分に可能だったはずです。

それが予定されている物語にそぐわなかったのかもしれませんが、実在を明かすなら明かすで、もっと早期にやっておくべきだったんじゃないでしょうか?残り2話、8割以上消化後に前提を引っ繰り返すのは、余り良い方法には思えません。

正直、「単に証明する気が起きなかった」と言う理由でここまで話を引っ張ったのは、意味不明としか思えません。要するにそれは、めんま非実在の可能性を残すことで緊張感を孕んでいた展開が、意図しない偶然の効果だった、と言う事に他ならないのですから。

って言うか、幽霊が人間の目の前で物を運んで、その本体がじんたん以外には見えないだけって、安っぽさも極まれりです。
ああ言う風に表現されたと言う事は、めんまが寝てたベッドはタオルケットだけ盛り上がってたという事になるわけですし、色々演出の破綻が見えてきます。2話の食事シーンも、単にぽっぽが「偶然」目線を逸らしてただけかよ!とかね。
実在するなら実在するで、3話くらいで証明を終えておけば、もっと余裕を持ってドラマを作れたはず。結果として、無駄でしかなかったことになったシーン(2話の食事とか、コーヒーを飲めと迫るゆきあつとか、めんまが見えないことから来る周囲の困惑とか)が多すぎます。


でまあ、そっちはもうどうしようもないと言う事にして、残るテーマは、生者5人の再出発をどう描くかという所。こんな安い方法でめんまを処理した以上、余り期待できないのは仕方ないところですが。
多分制作者としては、めんまが意志が直接観測できないと言うところが、最後の砦という認識なのでしょう。引き延ばしにしか見えなくなってきますが。


で、5人の関係を描く上で一番の問題となるあなる。せめてめんまが直接観測されるなら、彼女にもめんまと対決すると言う見せ場を用意できると思うのですが。このままでは不憫ですよね。何しろ彼女は、ちゃんと振って貰ってすら居ないのですから。


一方、歪みきった心で、歪みながらも真っ直ぐに障壁に突っ込んでいくゆきあつは、最高に格好良いです。
しかし、これにしても、めんまの存在を不確定にしていてこそ、意味があるんじゃないかと思うんですよね。めんまの存在が証明されるなら、ゆきあつのやるべき事など決まっています。しかし、不合理な存在を提示され、その証拠が無く、それでも断ちきれない思いから大嫌いなじんたんに協力する、と言う流れだった方が、彼の行動は、遙かに切ない痛みを伴って迫ってきたと思いませんか?
それだと彼に動機を用意できない?そんな馬鹿な。あれだけ繰り返し、ゆきあつが過去に囚われていることを描写してきたんじゃないですか。あんな安っぽい存在証明を挟まなくても、十分に伝わる画面作りは出来たはずです。

本当に、残念です。問題は、展開が三流になったことではなく、それまでの積み重ねが、とても丁寧に綺麗に描かれていたことなのです。何故美しく焼き上げたパイの上に、マーガリンとコーンスターチをぶちまけるような真似をするのか。

その後の、じんたんを介さず話せないくらいなら成仏させる、と言うこれまた歪んだ動機説明にしてもそう。存在不確定なら、「じんたんの言葉は嘘と思うが、めんまの生前の願いは叶えたい。でも、やっぱりじんたんは大嫌いだし信じられないから、”じんたんの”めんまを成仏させてやる、と偽悪を気取る」くらいの描写が出来たはずです。


いや、ゆきあつと、それを見守るつるこの描写は、すごく良いんですよ。多分、今話で一番力が入っているところだと思います。しかし、もっと上に行けたはずなんですよ。


一方、ロケット作りの描写、何というか……
この、「大けがすること必定」な竹の切り方の事じゃありません。農民ロケットって、見栄えがしないんですよ。要するに、竹を軸に使ったロケット花火でしかありませんから。そこは、嘘でも大型モデルロケットくらい出しておくべきだったんじゃないかと。ほら、チュンソフト黒歴史の一つ、「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」の印象深いエピソード、女の子のためにロケットを打ち上げる理科教師と三馬鹿トリオの話のように。あ、私は大好きですよ、このゲーム。通常版と完全版を両方買ってコンプする位には。色々良くできてますし。


それにしても、あなるの扱いは酷いですね。Pigて……
ただ、あなるについては、めんまの実在が証明されてしまったことで、輝いている面もあるのですよね。負けキャラとして。


色々やけくそ気味なゆきあつに交際を申し込まれるとか、申し分のない負け犬フラグです。


なお、ぽっぽのトラウマは、伏線だけ適当にまいて以下次号。そもそも彼のトラウマは、本筋にからむのでしょうか?


で恐らく今回のポイントは、めんまの実在を証明する一方で、じんたんに「めんまに消えて欲しくない」と言う事を自覚させる、と言う点だったのでしょう。逆を言えば、めんまの実在証明は、このテーマを引っ張り出すための小道具だったと言えるわけです。
しかし、別にそのテーマ、第三者にめんまの実在を証明することは必要は無いですし、大上段に構えて投入するには、タイミングを間違えています。何しろ、めんまの願いがロケットだという確認は取れておらず、むしろ以前の伏線で願いは他にあると示されているわけです。つまり、この後「そもそも願いが違っている」と言うオチが来るのは、見えているわけです。だから、「願いを叶えるべきか」と悩まれても「いや、そもそも今のままじゃ叶えられないでしょ、願い」としか反応しようがありません。

どうも、脚本の歯車が、細かい部分でも狂って来ています。
後2話なんですが、大外しして「Angel Beats」になる事は無いだろうと思う反面、綺麗に終わる目も余りないよなあ、と思わざるを得ません。

まあ、ここまで付き合いましたので、最後まで視聴は続けますが。
ゆきあつとつるこの描写とか、ちゃんと光ってる部分はあるわけですし。




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