2011年07月07日

REWRITE (リライト) TERRAまで終えての感想

Rewrite 初回限定版
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多くの不安を孕んだまま、「物語」をまとめる最後のチャンスである、Terraルートをプレイしました。
シナリオはまず、朱音と小鳥にからむ、幼少期の伏線を回収します。でも、この部分って、余り伏線として強調されてきたわけでもなく、引っ張られてもちょっと困っちゃうんですよね。
確かにまあ、未処理の謎ではあるんですが、世界の行く末や主人公がどんな生活を送れるかと言った話に比べれば、大して重要な情報ではないわけですし。

あ、幼少時の小鳥は可愛いというか格好良いので、滅茶苦茶気に入りましたが。絵が可愛くないのが、あんなに効果的に作用するとは驚きです。酷いTシャツ(AIR的意味で)とかも。

それ以外でも、若き日の江坂との交流や狂ってしまう前の加島桜の片鱗が見える所など、暖かい世界観が心地よく、とてもリラックスして話を追うことができます。本来のグランド・ルートに求められるのとは少しずれているわけですが、本編が飛び道具濫発だっただけにむしろOK。要は、本編とラストで、今までとはパターンが入れ替わっているわけですね。

そして、驚くべき事に、なんとグランド・ルートに選択肢があります!
これを見た瞬間、私のテンション跳ね上がりました。つまり、本当に「選択」を行い主人公の行く末を決めるゲームは、ここから始まるわけです。それだよ、待っていたのはそれだよ!
……とか思っていたら、実はこれは単なる演出の場合がほとんどでした。ガッカリです。意味のない選択肢なら、最初から用意しなければいいのに。

で、また「18禁版までお預けだよ!」と言いたげな諸々もチラ見せしつつ、話は本編での正史を外れ、グランドエンドへ。
とにかく、ちゃんと話に落ちは付けました。さりげなく、朱音編での謎(なんで滅びの後彼らはシェルターからでなかったのか)も明かされてましたが、あれは絶対朱音編で説明し忘れてただけですよね?

さて、全部終えての感想ですが、辛い物と成らざるを得ませんでした。力は入っているし、個別に光る部分もあります。ですが、Keyのゲームに期待される圧倒的な完成度やパワーは、感じられませんでした。

こう言う大きな物語が、ギャルゲーと相性が良くないと言うのもあると思います。ですが、何より問題なのは、ギャルゲー要素や大きな物語、バトル展開などの個々の要素が、上手く連携しないままサラダボウルのように配置され、内容が散漫になっている所だと思います。

凄く期待して、3年間待ち続けただけに、このような結果になってとても残念です。最高の素材を組み合わせても、その噛み合わせがずれていてはどうしようもない、と言いますか……

あ、一応確認しておきますが、決してクソゲーというわけではありません。しかし、期待されたレベルから考えれば、とても低い水準に留まってしまっていますし、クリア後のカタルシスは余りに不足しています。

個々の要素を指摘は出来るんですよ。田中ロミオの一番悪い癖である、悪い意味でのSF趣味が出過ぎているとか、KEYお得意のあざといまでの演出(誉め言葉)を入れる余地がそもそもほとんど無いシナリオだとか。あるいはもっとストレートに、こう言う方向は、Type-moonに任せておけば良かっただろうとか。
他にも例えば、小鳥の姿が中央に来るあの告知ページのトップ絵から私が期待したのは、幼馴染の運命を救おうとあがく等身大の主人公の話でした。多分、それがKEY作品に親しんだファンが抱く、最大公約数に近かったんじゃないかと思います。日常性に基盤を置いた、非日常の物語ですね。ですが、上がってきたシナリオはただただ続く非日常。そこに、最初からギャップがある。

でも、そう言う個別の要素を取り出すことは、余り意味が無いように思えます。
結局の所、この作品の問題というのは、異種の才能を集めてビッグプロジェクトを試みたが、個々の才能のコントロールが効かずに暴走してしまった、としか言いようが無いのだと思います。
予算不足でも時間不足でもやる気の無さでもない、純粋なマネジメント機能不全(あるいは企画時点で既に)による失敗プロジェクト。そんな、悲しい印象を強く持ちました。

繰り返しますが、残念です。およそ3年に一度のお祭りなのに、こんな気分でプレイを終えねばならないなんて、余りに哀しい。KEYも田中ロミオも本当に大好きなのに、こんな事になるとは思いませんでした。
できるならば、この失敗が、次の名作を生み出す土壌となりますように……


あ、最後に。
コンプ後メニュー画面から飛べるレビュー投稿ページですが、
「投稿されたすべての内容を使用、複製、変更、翻訳、翻案、公開、2次著作物の作成、配布、あらゆるメディアに表示できる非独占的な、無償の、永続的な、取り消し不可能な、完全なサブライセンスを含む権利を許諾したものとみなします。」
とか言う、詐欺サイト顔負けの条件付けてるのは、ひょっとしてユーザーに喧嘩売ってるんですかね?どうせこんな条件法的に無効なんで鼻で笑うしかないですが、あんまりユーザー舐めない方が良いと思います。こんな文章どの道無効なわけで、こんな馬鹿にした文章を提示しても、ユーザーを不快にさせるだけで何の得もないでしょうに。
もう少し、掲載する文章(または、外注する会社)は、選んだ方が良いと思います。



夏夢夜話
夏夢夜話

今回が初ロミオだった人は、皮肉抜きでご愁傷様と言うしかないのですが、本来力のあるライターなんですよ。今回の外れっぷりは三本の指に入る代物です。
↑は、恐ろしくできの良い田中ロミオ作品なのに、ファンからは無視されている「夏夢夜話」。おとぎの国の幻想を成長の痛みとミックスし、取り返しの付かない過去とどう折り合うかを問いかける幻想譚。クレッシェンドで有名な水無神知宏氏とのタッグというのも、今となっては二度と再現しない組み合わせ。
絵(と言うより塗り)とオープニングムービーのせいでネタ扱いされることが多いですが、「ファンタジーでも行けるんじゃないか!」と膝を打つ内容です。
今確認したら、マーケットプレイスで70円とかからになってるので、興味を持った方には是非お勧めしたいところ。シナリオ構造の性格の悪さとか、本当に素晴らしいんで。(誉め言葉です)





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この記事へのコメント
感想を読みました。
自分も期待していた分かなり残念感が・・・

ゲームをプレイ時、所々に「18禁にしたかった」見たいな表現?って言えばいいのか・・エロを求めている感じが入らなかった。

最後の方は億劫過ぎてクリックするのすら面倒だった。

そして、自分も小鳥がメインかと思いきやなんか残念の極みだった。

リトバスの雰囲気、ABの世界観・・・

あんなに良かった分残念でした
Posted by もんち at 2011年07月10日 02:00
感想読ませていただいて確かに一理ある気がします。

個人的に今回の作品は斬新でしたね。

最後に隠しED見てお腹抱えて笑っただけでも全てプレイする価値はあるかと思います。

ある意味ヒロインルートのシナリオがおまけに思えるぐらいw
Posted by 通りすがり at 2011年07月10日 07:48
乙月杯日さいこー笑
Posted by 茄子男 at 2011年08月14日 22:47
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