2011年07月11日

Steins;Gate 比翼恋理のだーりん クリア後感想


STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん
STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん


クリスルートの感想はこちら
萌郁、ルカ子、鈴羽、フェイリス各ルートの感想はこちら


期待度マックスで優先クリアしたREWRITEが、余りに残念な結果に終わった一方、地雷覚悟で買ったこのゲームがとても面白かったのですから、解らない物です。
と言うわけで、比翼恋理のだーりん、全編クリアして実績までコンプしました。今回は前回のようなきついフラグ管理もないので、メールの選択肢で何を選んだかだけ憶えておけば十分です。まあ、覚えるのは無理なのでメモ取った方が良いでしょうが。
メールを無視することが条件のメールもありますが、単純な1対1対応なので、迷うことはないでしょう。


と言うわけで、トリを飾るのがまゆりルート。
これは、本当に素晴らしい本編の補完でした。そもそもSteins;Gate本編のシナリオは、まゆりを救うことが大目的であったにもかかわらず、ヒロインはクリスでした。それが悪いわけではないのですが、やはりあれだけ重要であるにもかかわらず、物語的にはサブヒロインに甘んぜざるを得ないまゆりは、同情に値したわけです。あるいは、勿体ない。

しかし、本編はあの美しい構造こそ命なので、まゆりをヒロインとして救済してしまってはぶち壊しです。ところが制作陣は、ファンディスクという形で、見事にこれを補完して見せました。
ええ、これぞファンディスクの在るべき姿ですよ。本編の設定と世界観を根底から破壊し、怒りを通り越して透明な悲しみを感じてしまった、某リトルバスターズ!のスピンオフ作だって、発表段階ではこう言うのを期待していたのです。(感想がその1で止まっている辺りで、まあお察し下さい)

何が素晴らしいって、本編では描き得ない「ヒロインとしてのまゆり」を、これでもかと前面に出しているのです。オカリンのことだけを考え、精一杯力を尽くすまゆり。オカリンのことを本当にちゃんと見守っていて、一早く動けるまゆり。誰よりも岡部のことを知るが故に、笑って去ろうとするまゆり。
ええ、この子、本当に良い子だったんですよ!!

もうね、やって居て悲しくなってくるんです。「ああ、まゆりは何ていい子なんだ。そして、オカリンが本当に大好きなんだ。俺(プレーヤー)なんか、介在する余地は無いじゃないか」と。
あんな大事件が起こらず、CERNの陰謀など存在せず、彼らがそのまま時を刻んでいたら、きっといつかはたどり着いたはずの幸せな日常。幸せな未来。それは確かな存在感を示し、顕現しました。

内容自体は、べたべたの少女漫画です。個々のイベントも、単品で見れば手垢にまみれています。しかし、ちゃんと一つ一つのイベントを、お約束に頼らず真摯に描き込み、更に岡部や萌郁のキャラクターを活かして盛り上げ、見事に感情移入を誘っています。
ええ、アイデアは確かに大事ですが、物語の質を決めるのは、一つ一つの細やかな描写と丁寧な作り込みなのです。そこに手間暇を惜しまなければ、どんな凡庸なシナリオラインでも、話は盛り上がり、人は物語に感動できます。逆を言うと、手間暇をかけてシェイプアップしないと、どんな見事なアイデアも陳腐に落ちるのです。

幸せな日常と、それが永遠に続けば良いという儚い願い。深夜のラボで、涙を浮かべて思い出をたどる幼馴染。皮肉とスラングを織り交ぜて、下手くそな励ましで背中を押す仲間達。そして、本編の内容を考えると涙無しには見れない、まゆりのもう自分は必要ない、と言う言葉。

つまり、本編が大きな仕掛けと丁寧な作り込みで名作になった作品とするならば、このファンディスクは大きな仕掛けは一切入れず、丁寧な作り込みで前者の補完をする優秀なパーツと言えるでしょう。
「ファンディスク(笑)」と、痛い目を見せられてきた記憶から手を出すつもりの無かった皆さん、是非ともプレイしていただきたい。私が愛したSteins;Gateの、「あり得た可能性を浚うスピンオフの鑑」が、ここにあります。


あ、ちなみにこのシナリオ、スウィーツ脳で腐女子で経験0でマニュアル人間という、とても残念で愛らしいクリスさんの姿が拝めまして、その意味でも大満足でした。最後のダルとの掛け合いとか、最高じゃないですか。本当、残念な美少女って素晴らしいですね。おばさん臭いデザインの浴衣が滅茶苦茶似合ってる辺り、制作者もそう言う物として彼女を愛しているように見えます。

あと、絵師の特性上、立ち絵なんかは肉体のバランスが残念だったりして余りよろしくないのですが、背景の力の入り方は相変わらず。コンプ後にエキストラ画面で見れるようになる版権絵を高解像で眺めていると、立ち絵システムでない作品(白詰草話みたいな奴)だと、もの凄い力を発揮する気がします。
でも、あの系統は、手間がかかりすぎるので結局普及しなかったし、難しいんでしょうね。やるドラシリーズとかが上手く子孫を残せていれば、違っていたのかもしれませんが…… まあ、この世界線では難しそう。

あ、前に書きましたけど、ルカ子のスクロール絵とかは凄く綺麗で可愛かったですよ?
って言うか、胸の描き方がおかしくて、人体のバランスが崩れて見えるんだと思います。繰り返しますが、背景や一枚絵の雰囲気がずば抜けているので、立ち絵がおかしいのは仕方ない、で許せるレベルになるのですが。


と言うわけで、予想を大きく裏切り、「Steins;Gate 比翼恋理のだーりん」は最高の一品でした。Steins;Gateファンの方には、本当にお勧めです。

いやあ、ゲームって、やっぱり良い物ですね。





その他、「Steins;Gate」関係のエントリーはこちら







同じカテゴリー(ゲーム)の記事画像
黄昏のシンセミア 感想5 いろはルートと朱音ルート
黄昏のシンセミア 感想4 翔子ルート
黄昏のシンセミア 感想3  美里先生ルート
黄昏のシンセミア 感想2 妹ルート
黄昏のシンセミア 感想1
sugar + spice! 感想
同じカテゴリー(ゲーム)の記事
 「GUILD 02」 各作品の感想 (2013-04-01 22:01)
 一長一短/NINTENDO 3DS 「GUILD 02」 全体の感想 (2013-04-01 22:00)
 ようこそ停滞の中世へ! 「CRUSADER KINGS II」 感想 (2013-03-15 22:00)
 傑作のなり損ない『ROUTE DOUBLE』感想 (2013-02-22 22:00)
 和製ゲームの悪い癖/バイオハザード6 感想1 (2012-10-05 22:00)
 たまには当たる未来予想/ドラゴンクエストXとカイシャクエスト (2012-09-15 22:00)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。