2011年07月25日

輪るピングドラム 1~3話 感想

輪るピングドラム 1 [Blu-ray]
輪るピングドラム 1 [Blu-ray]


元々私はアニメは嗜む程度なのですが、またしても話題作に出遅れたことになります。
そもそもウテナ自体、当時ちゃんと見ていなかった(基本的に飛び飛び)ので、思い切りノーマークでした。
ところが、演出がとにかく面白いという話が聞こえてくると共に、水紋鏡の遊鬱さんが絶賛していたこともあって、視聴開始しました。


第1話「運命のベルが鳴る」


冒頭から、古くさいセンスを変な風にずらしたような画面に、セカイ系のパロディのようなモノローグ。そして、一般向け・オサレを狙って外すアニメのパロディというよりも、「人を食った」と評したくなるコラージュのようなオープニング。なるほど、ウテナの人だなあ、と納得する、眺め心地のよい映像です。


そして、良いか悪いか以前に一目で「なんか凄い」と思わせる、この映像センス。パステルカラーの背景に、極普通の(今風アニメの)人物画、そして30年前のパロディのようなわざとらしい演出。


同時に、話の飛ばし方・場面転換の仕方も人を食っています。
一方で、背景のCT画像やサンダル履きの医者など、細部のリアリティは見事。この辺のメリハリの付け方こそ、監督の美学なのでしょうね。

この、現実感の関節を外したような不思議空間は、一体何を表すのか。冒頭からカンパネルラがどうこうと伏線をぶっ放しているので、ひまりの死を前提に何かが起きているのでしょうが、さて。

しかし、ひまりへの投与支持の中でエリスロマイシンはじめ抗菌剤(?)が羅列されてると言う事は、免疫抑制状態だったんですかね。

とりあえず第1話で提示されたのは、あの世界には超常の力があり、それがひまりを延命させていると言う事。そして、それが「生存戦略」と「ピングドラム」と言うキーワードに収斂する、と言う事ですか。

それにしても凄いのは、あれだけ滅茶苦茶でやりたい放題の演出と、訳の分からない暴力的な映像描写を積み重ねながら、話の要点はきちんと伝わっているという所です。視聴者の理解を拒絶するような「芸術」に走ることなく、ひまりの置かれた状況や要求されている謎の代償など、伝えるべき部分は解りやすく提示しています。おかげで、ぶっ飛んだ描写を楽しみつつ、ちゃんと「お話」として次回への興味を繋がせています。。
パーツごとの描写の描き分けにしてもそうですが、こう言うバランス感覚が、多分一番賞賛すべきポイントだと思います。


不思議で可愛くてどこか気色の悪い魔法生物として、ペンギンを選んでるのも良いですね。
性的なメタファー山盛りなのにエロよりむしろギャグとして機能するエンディングと言い、本当にウテナの人なんだなあ、と色々記憶が蘇りました。


第2話「危険な生存戦略」
冒頭は、もう一人のヒロイン?運命に関するセカイっぽい考察も、映像が「真面目に考えても下らないだけだよ」とアピールする、意図的肩すかし演出。
でも、オープニングの歌詞は極めてセカイ系というか不安を煽る内容で、運命というキーワードがどこに転がるかはまだ不分明。


また、本編開始時に、改めて主人公三人の家庭環境をアピール。両親はどうしたのか?兄が学校に行っていないのは何故なのか?その辺はこれからですよ、と言う確認ですね。本当、演出の飛ばしっぷりと対照的に、話の進め方は馬鹿丁寧です。
もっとも、何故か今回兄貴は普通に学校行って…… いや、行ってないけど普段は登校してるみたいですね。前回はひまりに付き添ってただけですか。


ところで、この変身シーン、毎回やるんですか?

ペンギンが見えないことをいい事に、カメラくっつけて潜入作戦とか、ああ言うセンスは好きです。超常現象は、現有技術と組み合わせることでより有用性が増す!これ、大事な所です。いやまあ、単なる趣味の問題ですが。

一方、立ち読みしてる雑誌とか、普通のネタも含まれていて、飽きさせません。


で、未来日記のストーカーがピングドラムか?と言う所でこの話は終わり。ここだけは、ちょっとガッカリでした。いや、話の展開じゃなくて、未来が書かれる日記+ストーカーという組合せが、まんま未来日記すぎて。別にパクリ何て言うつもりは毛頭無いんですが、ネタかぶりはやはり興を削ぎますので。



第3話「そして華麗に私を食べて」


毎回、オープニングに☆が飛び交っているのは、単なる演出なのか意味があるんでしょうか?雰囲気としては、モノローグだと☆が飛ぶっぽいですが……


↑それよりも、可愛いは正義だが正義は正しいとは限らない、と言う好例。
って言うか、陽毬さんすっかりピンポイントのギャグ要員と化してます。シナリオ上、仕方ないところですが。


おでこも光る昭和な風情。部屋着とのギャップは一体何事?と思ったけど、後のシーンを見ると、髪型がアレなだけなんですね。むしろ、「肩出すなよ、病み上がり!」と言う方向の心配が湧いてきたり。


さて、ここで垣間見える未来日記の内容ですが、どうも完全なブラフと見て間違いなさそうです。彼女、自分の昔の日記を、何かの予言アイテムだと自分に言い聞かせている?どうもよく解りませんが、単純な未来日記でないのは間違いないでしょう。猫の記述なんかを見ると、完全な妄想でもないっぽいですし、何なんでしょうね?

とにかく3話まで見て、演出の尖り方を抜きにしても、お話として強く引き込まれるできの良い作品でした。最後まで見ること決定です。
これで来週から、週ごとの楽しみが一つ増えます。願わくば、途中で失速しませんように。



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この記事へのコメント
こんばんわー、いつも辛口な感想を目にしているだけに何とかお眼鏡に叶ったようでなによりです。

基本的には理詰めで物事を理解しようと努めるたちなので、ないものねだりで演出というか、芸術でしかなしえない跳躍・表現に憧れるんです(だからこそウテナにどっぷる嵌った口なんですが)。

昨今流行りの1クール作品全力投球で様子見てのシリーズ化ではなく、深夜アニメかつオリジナルで2クールという腰の据え方も期待せざるを得ません。

他作品に勝った負けたとかではなくて、純粋に楽しんでくれる方が周りにいるというのは嬉しいことなので最後までお付き合いのほどをー。
Posted by 遊鬱 at 2011年07月25日 23:31
いやあ、辛口を目的としてるわけじゃないのですけどね。
序盤で投げ出したような徹頭徹尾の駄作は感想すら書きませんし、メジャーな物を批判すると、各種対応で体力使いますし。

閑話休題、今の所毎週次を楽しみにワクワク待てる理想的なテレビアニメなので、どう転んでも最後まで視聴するつもりです。

あ、買った負けたは本当に下らないですね。この作品だって、別に斬新さチキンレース大会の出品作とかではないはずなのに、そう言う目でばかり見られてるみたいですし。
Posted by snow-windsnow-wind at 2011年07月26日 00:33
 三度おじゃまします。
 幾原さんが新作作ってるという話は小耳に挟んでいたのですが、多忙に紛れて完全に見落としてました。という訳でこちらの記事を見て慌てて視聴開始させていただいたのですが、銀河鉄道の夜に言及しておきながらいきなり永訣の朝で始まるろくでもなさ(誉めてます)といい、ぶっ飛びまくった演出といい本当に目が離せませんね。
 もっともこの人のぶっ飛び方は、恐ろしく重い……を通り越しておぞましいと言っていい(そして同時に悲惨で美しく滑稽な)話を視聴者に噛んで含めるように丁寧に語る手段なので、油断禁物というか覚悟はしていますが。

 ところで

>おでこも光る昭和な風情。

 どなたの未来日記ですかこれは(^^;;

 それでは。
Posted by あまね at 2011年07月29日 22:19
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