2011年08月07日

俺の妹がこんなに可愛いわけがない Blu-ray一気見 感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 8(完全生産限定版) [Blu-ray]


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基本的に、映画はともかく、一作品で7枚とかに達するテレビシリーズのBlu-rayは購入しない事にしています。価格の問題もそうですが、何より収納スペースの慢性的な不足状態は、オタライフ最大のボトルネックとなりますから。
しかし、原作愛に満ちていたアニメ序盤の展開に感動し、俺妹のBlu-rayを思わず全巻予約してしまったのが半年前。特典小説を読み、おまけディスクのキャラソン(週替わりだったエンディング曲)をiTunesに取り込んで聴いてはいたものの、本編は未視聴でした。

しかし、今回全巻揃ったため、腰を据えて一気視聴。そして、驚くべき満足感に、激しい葛藤に見舞われています。つまり、Blu-ray8枚分という大量のスペースを棚に確保して保存すべきか、それとも予定通り場所を空けるか……
次の週末までには、結論を出したいところです。

さて、何故こうも予想外の満足感となったのか。それを説明したいと思います。

まず、本編映像自体は、大して魅力的ではありません。基本的に放映版と変わらず、たまに効果音が追加され、映像がBlu-ray準拠に細密化されている程度。デジタル放送で見ていた人にとっては、余り意味が無いのではないでしょうか?
あと、やっぱり全部通してみると、原作の要素を詰め込みすぎて散漫なんですよね。麻奈美回とか原作者担当の桐乃回とか、できはすごく良いんですが、軸となるシナリオからははみ出しています。ラストも、本当にそれで良いのか?と言う内容ですし。(私は、前にちょっと書いたとおり、原作含めてあそこの展開は、シナリオの迷走と言って良いと思っています)

おまけディスクについては、キャラソンを付けてくれるのは太っ腹で凄くありがたいのですが、一番の目的だった「星くず☆うぃっちメルル」の主題歌は、結局収録されないまま。ショートバージョンがオリジナルサウンドトラックに入っただけで、フルバージョンは結局売られないようです。
つまり、期待外れも良い所。結局キャラソンは、所詮数打ちゃ当たるの濫造品ですし。いや、それなりに良いのもあるんですけどね……

では、何故こんなに満足度が高くなったのか?
それは、オーディオコメンタリーです。

あ、特典映像に痛い目に遭ってきたそこの皆さん。ちょっとお待ち下さい。これは、いつものアレとは違います。
本作の特典映像は、「作中のキャラ達が」「専用のデフォルメキャラとして登場し」「あくまでキャラとしてコメントを入れて行く上」「必ずしも本編の映像に縛られない」、独自の作品として完成しています。大体1話当たり10分程度。

そして何より重要なのは、原作者が全ての脚本を担当している、と言う点です。

このため、原作との矛盾は最小限に抑えられると共に、原作の補完やアニメ化でこぼれ落ちた物のフォローなど、様々な可能性を示す事に成功しています。

例えば、黒猫が麻奈美をベルフェゴールと呼ぶ意味について解説していたり、本編映像を放ったらかしにして「星くず☆うぃっちメルル」のキャラ達に漫才をさせていたり。ちなみに、この内容や他の部分(QBさんの映像とか)でまどか☆マギカの影響が既に見えてきていて、ニヤニヤできます。ヒット作って、こうでなくては。
他にも、原作やアニメ中の描写では内容がよく解らなかった、黒猫推奨の「マスケラ」について(マスケラの登場キャラによる)説明が為されていたり、やりたい放題です。って言うか、マスケラ普通に見たいんですけど!メルルもそうですが、15分くらいのショートムービーとか作って、どこかで売って欲しい所。

いや本当に、見所満載なんですよ。パッと思い出せるだけでも、沙織口調で親父さんとコンビを組むバジーナとか、あやせ×京介のやりとりとか、「アニメではカットされた」内容について映像つきで解説していたり、あやせと加奈子が可愛くて性格悪くてもう最高だとか、湯水のように湧いて出てきます。あやせイメージによるブラック麻奈美とか、むしろ事実じゃね?と思えるほどの説得力。
赤城兄妹の夫婦漫才なんか、良いキャラなのに出番のない彼らを、見事にアピールしていますしね。「ホモじゃないお兄ちゃんなんて、何の価値もない」は、名言過ぎると思います。

あ、ただし、あの最低最悪の第8話については、コメンタリーは内容に触れないスルーモード。仕方なかった、んでしょうかねえ?
あの8話、改めて見ても、シナリオクオリティ(主に、その一貫性とキャラの心情変化の自然さの面)を大きく損なった、本当に酷い改変だった、としか思えませんでした。
テレビで無理だったのなら、これこそDVD/Blu-rayで差し替えるのが、作品としての筋なんじゃないかと。これは、テレビじゃなくなったのに喫煙シーンがカットされたままでイベントが不自然になっている、加奈子の補導シーンもそうですが。

とまあ、本編はともかくとして、つまり、アニメその物と言うよりも原作の補完として、とても素晴らしい商品に仕上がっていました。ファンの皆さんは、是非視聴すべきだと思います。

そして、積んだままのPSP版を今度こそプレイしようと、心に決めましたよ。加奈子とあやせルート、プレイしないわけに行かないじゃないですか。
あとは、とても残念な展開(主に編集・商業サイドの都合で)に流れてしまいつつある原作が、引き延ばしによるクオリティ低下を最小限に抑え、早めに終わりに向けて着陸態勢を整えることができれば、言うことは無いのですが……
9/10の新刊を楽しみに待つと共に、不安がふくらみ続ける今日この頃です。今回のコメンタリーで、私は作者の力量を改めて認識しました。それだけに、才能が使い潰されてしまう前に、せめて綺麗に完結させた代表作を一つ残して欲しいと思うのは、後ろ向きに過ぎるでしょうか?

願わくば、この貴重な才能から、記憶に残る作品が生み出されますように。



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