2011年10月12日

悪くないアイデアでは? 観光庁の外国人観光客誘致策


外国人1万人に無料航空券…観光庁11億円予算(読売新聞)

あちこちでボロクソに言われているこれですが、結構悪くないのではないかと思います。

まず、大前提として、現在の外国人観光客の減少は致命的です。観光産業だけでなく、各地の電機店も大きな打撃を被っており、円高で上がった分のコストを補填するこの政策は、単純に誘致効果があるでしょう。

加えて、この金の支給先が、実質的には「外国人ではない」事に注目する必要があります。
一見外国人に金を撒いているように見えますが、実際には航空券を政府が購入するのと同じ事になります。つまり、一次的な金の流れとしては、航空会社をターゲットにした公共事業に他なりません。燃料費の高騰とテロ対策で苦しい状態に追い込まれている航空会社にとって、大きな恩恵があるでしょう。(初年度の一万人程度では、誤差の範囲でしょうが)

この辺は、実際には日本企業への公共事業に他ならなかったODAと、同じパターンですね。国士様方が喚いていたのと対照的に、アジアへの「援助」は、実際には日本のメーカーへの発注によって、国内へ資金が還流していたわけですから。

まあ、日本便がその国の航空会社しかないような場合、日本の企業に回すのは難しいかもしれませんが。ただ、対策はそう言うプランの優先度を下げるだけですみます。また、そもそもそんな国では日本旅行の前例が少ないので、バーターとなる情報発信に意味が出て来ると言う事まで考えると、チケット代より遙かに大きな意味がありそうです。

と言うわけで、ちゃんと経済効果が見込める、真っ当な公共事業だと思います。何度も書いているように、20年近く続くこの不況は需給ギャップの問題で、とにかく公共だろうが個人だろうが、「国内で」金を使ってくれないとどうしようもありません。その意味で、消費者を引っ張ってくるこういう方法論は十二分に意味があります。

と言うかですねえ、こうやって新規施策が出る度に「復興が優先」「他にやることが」と言う連中は、文句つけたいだけですよね?「穴掘って埋めるだけでも、作業員に給料払うなら何もしないよりはマシ」なんですよ。復興を旗印に消費増加を妨害する連中こそ、正に国賊に他なりません。

前に少し書いたんですが、善意の寄付や被災者への思いやり(彼らの場合は、単に他人を叩ける錦の御旗が欲しいだけでしょうが)が、真に助けになるとは限らないんですよ。経済システムは、善悪とは別の次元で良い効果や悪い効果を及ぼすんですから。

と言うわけで、霞ヶ関にしては、良い金の使い道を考えたと思ってます。結果的に日本に来た人間が、なんであれ金を国内に落としていってくれれば良いわけで、正に「国」でなければできないプランですから。

あ、そうそう。またぞろ中韓がどうこう言ってる愛国者様がうるさいんですが、そう言うセリフは、中韓の買い物旅行が減って死に体になってる、ここ札幌の小売店を見てから言えと。秋葉でデモをして、外国人に金を「落とさせている」ヨドバシを取り囲んでいたキ○ガイ集団がいましたが、あの辺のメンタリティーは本当に理解できませんね。金の流れを考えれば、国内から金を流出させている(勿論、そんなのは消費者と提供者の自由ですから、文句を付ける筋合など無いという前提は押さえた上で)海外ブランドの出店や、海外旅行に行こうとしている人間を相手にシュプレヒコールするなら、理屈としては解るのですが……


この流れで、次は外国人向け国費留学制度の整備とかをお願いしたいですね。欧米諸国が、他国の若くて優秀な人材を自国文化に同化させてガメるのに使ってる、有効戦略ですから。ま、担当が無能の代名詞・文科省になっちまいますから、まずもって無理でしょうけどね。



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タグ :社会

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