2011年12月13日

魔法少女まどか☆マギカ The Begining Story 感想

魔法少女まどか☆マギカ The Beginning Story
魔法少女まどか☆マギカ The Beginning Story


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本当に久しぶりに、心の底からアニメに「はまる」と言う体験をさせてくれたまどか☆マギカですが、おかげで関連支出がひどい事に。薄い本も関連商品も、手当たり次第買い漁っては地雷原徒歩横断の気分を味わっております。いや、さすがにグッズは大幅にスルーしてますけどね。ストラップだの文房具だの、使い道ないですし。

と言うわけで、これまた内容未発表時点でAMAZONカートに放り込んだ「The Begining Story」が届きました。しかし、届いてみたところ、これは脚本家が提出した企画段階のシナリオ(決定稿という扱いですが、当然ここから実際の制作過程で色々変えられています)を、多少整形した物だと判明。あ、決定稿以前の物も、一部収録されています。
で、エピソード0的な小説を勝手に想像していたため、思わずボロクソに叩くエントリーでも書いてやろうかと中身を見て(中身を見ずに感想を書くという選択肢はありません。それだけはやりません)、即座に翻意しました。

理由は2つあります。

1,虚淵氏の原稿段階での完成度が確認できる
2,そこからの微細な変更点に、制作陣の優秀さが伺える


まず1ですが、基本的にト書き調である物の、シナリオとしてほぼ完璧に仕上げられています。何しろ、シナリオに書かれていないシーンが、全く見あたりません。情報は無駄なく隙無く埋められていて、監督がユリイカの特集号(当BLOGの感想はこちら)の言う「脚本を映像にしただけ」と言うのが本当だったのかと驚愕できます。勿論、一種の偶像を作り上げるために、実際の初稿からかなりいじった物を出版した、と言うのは普通にあり得ると思いますが、素直に驚いておいた方が楽しいので置いておきます。

いや冗談じゃなく、下手なラノベよりも情報量多いですよ。改行少ないし。シーンもきちんと、概要だけでなくアクションまで指定されていますし。言わば、字で書かれた絵コンテ(形容矛盾)です。昔同系の物を見た時、結構いい加減に指定されていたのを憶えているだけに、ちょっと驚きました。
ただ、元々脚本=スクリプトがほぼそのまま画面上に表示されるゲーム畑の人なので、普通のアニメとは違うのかもしれません。

そして、2.
元の脚本から変えられているところは少ないのですが、それがとても納得の行くポイントになっています。
例えば、第一話でほむらがキュゥべえを追いかけるシーンで発射されるのは、脚本では、謎の光弾ではなく銃弾になっています。あれはネタが割れたあとになって見ると、「じゃ、結局あれってなんだったの?」と言う疑問を残しましたが、整合性より演出を取って改変していたわけですね。
ほむらが使うのがマジカルな力ではなく現代兵器の物理力であるという事実は、作品世界と暁美ほむらと言う「主人公の少年」たる立ち位置を、暴露してしまいます。(詳しくは、前の考察で書いたとおり

同様に、マミさん初戦闘シーンにおける一人戦列歩兵(マスケット一斉射撃)も、脚本段階では「マジカルマスケットを連射」を書かれています。これは画面上ではマシンガンになってしまいますから、あの段階でやってしまうと、早々に魔法少女物を逸脱してしまうという問題があったはずです。そこはきちんと変えてあります。

他に細かいところでも、さやかがバットを「体育倉庫からガメて来た」となっていたりするのが、興味深いです。恐らく、学校を含め世界の描写をああ言うデザインで行く事が決定した時に、泥臭い「体育倉庫」の語は削られたのでしょう。プロダクションノートの詳細な描写指定と合わせて、とても丁寧に世界の一貫性を保とうとしているのが見て取れます。
昔EVAがヒットしていた時に、某ガンダムのキ○ガイ監督(誉め言葉)が、「アニメってのは、元々あれくらいしっかり作るのが当たり前なんだよ!そうすりゃ面白くなるんだよ!」と吠えていたのを思い出します。


とまあ、あの作品に感動した人間にとっては、興味深い事この上ない一品でした。届いた瞬間外れ扱いして、本当にすみません。
他にも、画面には出ない情報が書いてあったり、(杏子が教会廃墟のシーンでさやかに言い返せなかったのはリンゴが盗んだ物だったから、とか、仁美の告白は成功してるとか)上手くカットしたなあと思うところがあったり、(上條と仁美の帰り道の会話内容は石ノ森章太郎。おい!)ワルプルギスの夜が「巨大怪獣ワルプルギス」と表記されていたりと、見所は色々あります。多くの人が連想したとおり、ほむらが参照していたサイトが脚本段階では「腹腹時計オンライン」だったりとかね。

まあ、余りに面白ポイントを書き連ねてしまうと営業妨害になり金無いので自重しますが、ファンなら買っても絶対に損をしたとは考えないのではないでしょうか。多少値段は高めですが、それに見合うだけの分量もありますし、一読お勧めしたいところ。

改めて作品の実力を垣間見せられて、映画が本当に待ち遠しいです。



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