2011年12月18日

輪るピングドラム 第23話 感想


VCD 輪るピングドラム ペンギン2号
VCD 輪るピングドラム ペンギン2号

↑帰省した時に新宿アニメイトに飾られていたぬいぐるみ、やっと発売されるのか!と思っていたら、ぬいぐるみじゃないんですね、これ……
あいつ等は見た目からして柔らかそうな素材(?)なので、絶対ぬいぐるみが向いてると思うんですが。
ちなみに、VCDは、「ヴァイナルコレクティブルドール」の略らしいです。



前話までの感想はこちら


残り二話でどう収集がつけられる(受け身&可能)のか、ドキドキしながら視聴開始する、輪るピングドラムの第23話です。


第23話「運命の至る場所」



冒頭が回想なのはもう定型ですが、真俐って誰だっけ?と言う程度にはキャラ音痴。だって、公式ページのキャラ紹介欄以外で、名前出てきてないじゃないですか。


そして回想の背景は、朝靄の都庁や東京タワー。確かに今までも、各駅の名所を大写しにしたりしてましたが、オウムもどき事件当日と言う事で、画面の向こう側がグッと現実に近づいてきます。


そしてここで持ち出されるのが、「生存戦略」経由「運命の至る場所」と言う表示。恐ろしく解りやすい、本来なら失笑すべき演出(ここからクライマックスはじまるよ!と言うガイドマーカー)なのですが、人を食った演出の延長上で出てくるため、むしろスマート。


この辺も、EVAの夕焼け無人電車の延長線上にある、ボロ雑巾のごとく使い尽くされたセカイ系描写の延長上。ですが、ここまでの蓄積があるため、決して陳腐にはなりません。つまるところ、上手い演出とは、アイデアでは先人の知恵を借りても、実際の描き込みに当たっては手を抜かない事ではじめて成立するわけです。

ところで、普段のシーンでは記号として描かれるモブ達が、ここでは逆にちゃんと顔を持つ存在として描写されているところに注目。
前回冠葉が殺戮した警察官達は、顔がありませんでした。あれは恐らく、社会から迫害されて顔のない「敵」に囲まれた晶馬の心理・立場を反映した物。だとすれば、真俐(医者)は、周囲の社会を顔のあるものと認識した上で凶行に及んだのでしょうか?それとも、彼には「顔」が見えていなかったのか?

さて、桃果が分かたれた存在がペンギン帽で、真俐が分かたれた存在がウサギと描写されましたが、どうにもまだ理解の外。真俐は余りに医者らしくなかった事もあり、実際に主治医の部屋にいたウサギ二匹が本体と言う事なのでしょう。では、桃果の化身であるペンギン帽sは、一体何を目指していたのか?真俐の邪魔?
しかし結果的には、陽毬の命を交換条件として提示したせいで、真俐とその呪いを呼び込んでしまった感があります。


呪いと奇跡の皮が剥ぎ取られれば、残るのは陽毬の命は秒読みという現実だけ。それを受け入れ、過去を引きずらないというのが最も正しい現実的回答ですが、それを晶馬は受けいれられるのか?ペンギン帽、そして陽毬の願いは、それで間違いなさそうですが。


ペンギンも、もう芝居をする余裕無し。

セリフも、「その列車に乗ってはダメ!」とか、本当にストレートになってきました。しかし、繰り返しますが、それを陳腐に見せないだけの積み重ねが、ここまでされているのです。おかげで、散々引っ張り回されてきた視聴者は、冷笑的な態度で画面を見つめる事が、出来ません。


思えば、推理小説における謎解きフェイズというのも、同じ機能ですよね。探偵の謎解きシーンは、原則的には演出もへったくれもない説明です。しかし、それまで読者を引っ張り回すセオリーがあればこそ、そこに描写力が云々というケチが付く事は普通無いわけで。


さて、リンゴが桃果から日記を託されて決意新たと言う所が今回のヤマに見えますが、ブラフじゃないかという気配が。
まず、ペンギン帽はリンゴから日記を奪取しようとしていた側。つまり、ペンギン帽=桃果の狙いは、そもそも日記の排除だったんじゃないかと思われるわけで。
でもこれは真俐による日記悪用を防ぐためかと思っていたのですが、真俐は既に日記など関係なく大量破壊計画を推進しています。この辺が、ちょっと解らないのですよね。単にペンギン帽が見込み違いをしていた、と言うだけで良いんでしょうか?


閑話休題、ついに陽毬の仮面をかぶる事をやめた(自身が仮面ですが)桃果によって、自分たち自身の「ピングドラム」を見つけろ、と発破がかかって以下次号。
運命乗り換えツールがピングドラムなら、自身の未来を選択せよと言うとてもありきたりな話になります。まさか、単なる精神論でここまでの話をしめる訳には行かないはずなので、どう言う結論に持って行くのか、最後まで目が離せません。この胸のドキドキには、当然作品が「外れ」で終わる可能性への危惧も含まれているわけですが。
いや本当、見事なまでに最終回に全ての結論を持ち越して集約しましたね。勿論、ドラマの構成としては大正解です。逆に、最終回の評価がそのまま作品全体の評価になる事が決定的になったので、危うさもひとしお。
ま、その辺も含めて、冬眠前のクマのごとく、落ち着かない状態で来週を待ちたいと思います。


あと、エンディングにシナリオを重ねる特殊演出を、最後の機会である最終話一歩手前に投入。こう言う定型的なあざとさは本当に素敵。セカイ系全開の真俐とそれに従う冠葉が実に素敵な悪役ぶり。テーマ的に、こいつ等をなんとかするというのは、「2000年前後のアニメ等サブカル文化への総括」とか言う御託をくっつけて語る事もできるでしょうね。いや、これも良い意味でね。
そう言う少し前のメジャーに対するアンチテーゼというのは、こちらも共感しやすいですし、より一層期待が大きくなるところです。

と言うわけで、また来週。




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