2012年01月23日

機動戦士ガンダムAGE 第15話 感想


機動戦士ガンダムAGE 第1巻 【豪華版】(初回限定生産) [Blu-ray]
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予想はしていましたが、第一部完結に至っても欠点は是正されず、むしろ際だってしまいました。


第15話「その涙、宇宙に落ちて」



冒頭。前回突っ込んだ陸戦突入ですが、まさかブリッジ要員5名だけだなんて、さすがに思いませんでしたよ!
ええと、あんたら前線豚じゃないですよね?ぶっちゃけ銃持ってドンパチするなんて、余技の人達ですよね?しかもたった五名!?潜入任務であればまだ何とか弁護できるんですが、(データ抜くために技術要員メインとか。護衛くらい付けろよと言うツッコミは当然あるにしても)戦艦で堂々と突入しておいて何この作戦?

で、直後の場面で速攻一人蜂の巣ですしね。
司令室を占拠?突入はバレバレ、要員は非戦闘職四名で、寝言は寝て言えと言う話です。何でしょう、この、「00の作戦って凄くマトモだったんじゃないか」とか思えてくる狂いっぷりは?

で、UEのぼんくらさはそれ以上でして、要塞なのに監視カメラもないし、突入ブロックに警備兵が集まってくることもないし、司令室に戦力を集める程度の事もしない。
「こんな糞みたいな作戦が、理由もなく成功してしまう」&「あまつさえ敵の要塞守備隊を通常戦力が全滅させてしまう」と言う時点で、もう設定も演出もあったもんじゃありません。物語の前提が、大々的に破綻しています。


「見つけたぞガンダム!」って、あんた等の要塞には、内部監視装置やシャッター開閉モニターもないんですか?
ところでこの敵メカのデザインって、ベースはティラノサウルスですね。トカゲ系って事で統一は出来てるんですが、もう少し何とかなら無かった物か。何より、手の小ささが特徴の機体で、戦闘のほとんどが腕を使った白兵戦とか、やめて頂きたいところ。


「たった一人の犠牲などで騒ぐな」は全くその通りで、今まで育ったコロニーが爆発炎上しても旧友の心配もせず、僚機が落とされてもスポーツ感覚だったフリットが、ここだけぶち切れても「今更何勝手なこと言ってんだよ」としか思えません。ついでに、デシル戦で敵機体の中身が人間だと解ったはずなのに、何の葛藤もなくぶった切って回ってますしね。
これ、口先でだけ「殺したくない」とか言ってたSEEDの反吐が出る主人公と、大して変わりありませんよ。それどころか、脱出したパイロットを直接ビームサーベルで狙うとか、信じられないことまでやってます。情報収集の面からもそうですけど、誰もこいつに交戦規定教えて……ないだろうなあ。最低限の座学すら受けさせずに前線投入してるもんなあ。


ところで、いつの間にか普通に装甲越しに会話が始まってるんですが、通信なのか共感なのか、それくらい書いてくれても良いのでは?今まで散々「意思疎通が不可能な敵」って事になってたんですから。


で、一応前回それなりに綺麗に終わらせたはずのユリンとの脳内対話を、なんでこんなタイミングで再度挟むんですか?回数を重ねれば重ねるほど陳腐になる演出ですよ。

その他の演出についても、ウルフの援軍とか本当に意味不明。なんで彼は当初の予定を変えてまでフリットの援軍に行ったのか?本当、「最初苦戦してるけど危ないところで逆転」と言うラインを作るためだけに、特に理由もなくキャラを動かすから意味不明になるんですよ。エミリーがフリットの叫びを感じてたのと同じようにウルフが何かを感じるとか、せめてラーガンに「ここは何とかなりそうだからお前は援軍に行ってやれ」と言わせるとか。実際、敵の数が少なくなっている(たった戦艦四隻で、正面から敵戦力殲滅できちゃうの!?)と言うセリフがあったりするわけですしね。


今まで散々会話しておいて、今更「人間!?」とか言い出す脚本には、さすがに愛想が尽きました。
あのね、UEの正体って、第一部の中心的な謎でしょう?これでもかって位引っ張って、仰々しく明かさなきゃならない筈でしょう?視聴者が「今更何言ってんの?」としか反応のしようもないこんな展開でどうすんですか?

その後出てくるウルフさんのシーンは、それなりに映える作りになっているだけに、意味が解りません。


金星の敵司令官の話も聞かず、あまつさえ射殺しようと銃向けるドアホな主人公の姿は、なんで戦争で子どもを使っちゃいけないのか、解りやすく示してくれてますね。
「罪のない人を巻き込んで」って、お前達と肩並べて戦ってた連中と一緒じゃん。その場その場の感情でしか動けない・自分の利害関係を正義と勘違いするガキは、見てられません。

このフリットの共感でき無さを、世代交代後に、「変われない親世代(オールドタイプ)」の象徴として使うのかもしれません。でも、ごめん。そこまで付き合うのはきついですわ。


で、後半はもういいですよね?なんでロストコロニーごときが、オーバーテクノロジーでブイブイ言わせてんの?とか、その格差があるのに十数年間何やってたの?とか、戦争しなくても広報戦略でどうにでもできるだろこれ、とか、考えるだけ無駄なんですよね?戦争の戦略目標とか、政治交渉で地球圏に朝貢か領土割譲強制すれば色々全部解決するだろうとか、そんな設定多分ないんですよね?
基本設定は私の愛するナデシコを彷彿とさせますが、あれはおちゃらけて見えて、結構しっかり作ってあったのですよ。
あげくが、貴重極まる情報源である敵司令官を射殺してのける艦長様とかさあ……


つまり、あの艦長がわざわざ無茶な陸戦で乗り込んだのは、本当にただ「UEをこの手でぶっ殺してえ!」と言う、野趣溢れるバーバリアンな感情一本槍だったわけですね。ええと、やっぱり脚本家は馬鹿なんでしょうか?これじゃ、折角反乱勢力扱いされてまでついてきた部下は、良い面の皮です。
てか、司令官殺っちゃったのは勢いとしても、データか捕虜か、どっちか確保しろよ自称戦略家!

もう画像出すのも面倒になってきたんで省略しますが、スピード感命の脱出シーケンスも、相変わらずの止まった画面。背中のブースター吹かして加速する描写すら無しですよ。何のためにデザインしたんだか。
あと、あんな所に半分剥き出しで置き去りにされてたディーバは何故か無事でしたとか、鼻で笑って良いですかね?

なんか全般的に、やりたいことは解るんですが、やりたいこと・描きたいことだけ用意して、そのために必要な諸条件や盛り上げるための回路は全く描けないままなんですよ。
もう、ここで止めておくのが、一番傷が少ないと思うんですけどね。コンコルド錯誤で突き進んでも、誰も幸せにならないんじゃないでしょうか?




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この記事へのコメント
バックで要塞に突入したから脱出はスムーズでしたねw
Posted by 揚人明日野 at 2012年01月25日 00:20
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