2012年03月07日

口実見つけて”浄化”作戦/2ch 強制捜査の件




「2ちゃんねる」強制捜査 麻薬特例法違反の幇助容疑(SANKEI EXPRESS)
「2chはネットの健全性を損なっている」──強制捜査、覚醒剤販売書き込み放置が原因(ITmedia)


はいはい、第一報が産経と言う所で、大体見えてくるかと思います。「捜査関係者への取材で分かった」は、「捜査情報が拡散目的で流されてきた」の意味であり、情報コントロールの基本です。

で、その素晴らしい内容は、麻薬情報の書き込み(と、警察が主張する物)を削除しなかったことが、麻薬取締法の「幇助罪」に該当するという、相変わらずスタイリッシュな三段論法。令状も取らずに「協力依頼」をかけて、拒否したから逮捕という流れのどこに、法的な適性手続きがあるんでしょうかね?

何が凄いって、「警察に協力しないこと」が、幇助罪だと言っているところです。削除させる法的権限があれば当然それを行使して、従わないなら法的に罰する。これが基本的な法適用の流れ。ところが、そんな権限などなく、任意の協力要請を行って、従わないなら逮捕って…… まあ、「任意」の職務質問がどう言う風に使われているかを考えれば、不思議でも何でもないでしょう。そんな状態を放置している立法と司法の問題であって、彼らは何も悪くないですよね!

でもね、一応言論機関に所属しているらしい記者さんに、一つだけ忠告してあげたいと思います。

>当局は削除の強制を控えてきた。「表現の自由」を守るために、介入を避けるべきだと考えられてきたからだ。

って在るんですけど、強制権限があるなら、行使すればいいんじゃないですか?行使したら不味い権限って、(非常大権みたいな一部例外を除いて)そもそも権限付与が問題なんであって、その強権の行使を実施機関の裁量に任せるなら、それはつまり実施機関が巨大な権力を握ると言う事になるんですから。行政は、与えられた権限に関して原則「独自の判断」をしてはならない。これは、法学政治学行政学共通の、基本原則です。(大量の例外については、あくまでも例外だよ?とだけ言っておきます)
特にですね、言う事聞いてる間は見のがしてやる、なんて言う「表現の自由」があるか!と言うのは、さすがに無恥蒙昧(誤字)な記者さんでも、突っ込んで然るべきですよね?

突破口になった、と2chを批判する声もあるようですが、こんな案件を突破口に使えるというのがまずおかしいわけで、内ゲバだけは勘弁な、と思わざるを得ません。

本当ね、警察って連中が、如何に法令を無視して各種の「協力要請」をやってくるかなんて、マスコミだったらすぐ解るはずなんですよ。各種機関に来る、個人情報保護基準で断らざるを得ない「筋の悪い」情報提供要求って、大体あそこですよ。
取材源秘匿関連で、マスコミだって他人事じゃないはずなんですが、「収容所に送られるのはユダヤ人だけ」みたいな考えでやってるとすれば、マスコミの退潮もむべなるかなという感じです。



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この記事へのコメント
 いつも記事楽しませていただいております。
 2ch警察家宅捜索の問題点、完全に同意しますが、そもそもこの話自体、昨年の『週刊朝日』12月16日号で既出で、こんな旬を外れて進展もない話をさぞ新鮮な大手柄のようにリークした警察官僚の一番の目的は、下の事件の火消しではないかと自分は思ってます。

飲酒運転検査で書類捏造の疑い 大阪府警、警部補を逮捕
http://www.47news.jp/CN/201203/CN2012030601001521.html

 前後するニュースでは、問題ではあるけど上に比べては大したことのない警察の不祥事も「なぜか」各地で大量に明らかになっていますしね…。実にわかりやすいです。
 
 まぁ捜査実績のための冤罪の大量生産という、心ある人なら薄々疑っていたようなことがはっきりと証明されてしまったわけですから(個人的には、ここまでの不祥事をなぜ隠し通せなかったのかも興味深いですけどね…よっぽどやばい人でも捕まえてしまったのかとも)、警察が必死になって話題にならないようにするのは予想の範囲内ですが、官僚にとって極めてまずい情報を抑えられなかったときにより重要度の低い情報で押し流そうとする一つのテクニックの実例がここまではっきりと見れたのは興味深いです。
Posted by はふり at 2012年03月08日 10:43
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