2012年07月02日

主人公とシステムが粗だらけ ロボティクスノーツ 感想3

ROBOTICS;NOTES (通常版)

これまでとこれ以降の感想は、こちら

ROBOTICS;NOTES、今回の感想範囲は、フェイズ4から1周目終了までです。

さて再開してそうそう前面に出て来る、JAXAと言う現実の組織がやけに引っかかります。種子島の射場が実質運用終了で、内之浦だけが元気とか、どうしてこう言う風になったのか良く解らない設定とか。

現在、H-IIシリーズが定期的に運用されている種子島と違い、内之浦は開店休業です。そもそも、JAXAと言う組織が、種子島系のNASADAが全く文化の違うISAS・NALを吸収し、実質的に支配下に置く形で成立した経緯ってもんがありまして…… トンデモ科学を基礎にしたSF作品(批判じゃないですよ。エンターテイメントとしてはむしろ王道です)に言うのも野暮なんですが、現実と正反対の設定を採用するなら、その理由があって然るべきだと思うのですよ。

何せ、実際はこの設定によって、引っかかる点が増えてきているのですから。例えば、種子島射場が機能を停止しているという設定のせいで、昴の父親の設定が説得力薄弱になってしまっていますし、舞台が種子島である理由が見えにくくなっています。
ロケットの夏のように、「もうロケットが飛ばなくなった場所」を舞台装置として使うのかとも思ったのですが、これも全然機能していないのですよね。ロケットに思い入れを持っているのは種子島の所長くらいで、主人公含め興味なし。良くて、男の子として憧れたことがある程度。どうにも意味が解りません。


そして、問題のキャラですが、ここまで辛うじて印象がプラスだったあき穂も、中盤以降見事に印象悪化。ガンツク1にこだわるのはいいんです。でも、それならそれで、ガンツク1を「現実に」動かすための改良なり代替案を提示すべきで、クソみたいな感情一点特化で突っ張る様子は見苦しいだけ。
スポンサーとJAXAの協力という、ある意味一番現実離れした設定を用意されて、ステッカーを貼るのも嫌・現実プランへの改良も嫌って、話が進まないでしょ?そして能力的にも問題外だと解っていくという、救いのないシナリオ……
なお、彼女の能力不足については、少なくとも今回の感想範囲では解決しません。

と言うか、何度も書いているんですが、プレーヤーは魅力的なテーマとして提示されたメインルート(巨大ロボットの建造と運用)に、早く行って欲しいわけで、それに頭の悪い突っ張りだけで横やりを入れるキャラには良い感情を持ちようが無いのですよね。
いわんや、またぞろ「俺の主義」とか言って話を展開させようとしない主人公をや……


とりあえず、この主人公造型は完全に失敗です。
ロボがテーマなのにロボに興味がなく、技術的な事は解らず、ロボ魂を象徴する幼なじみへの態度も不徹底。根本的に、主人公を張れるタマではありません。テーマに惹かれてプレイした人間を苛つかせるだけです。
それでもまだ人として魅力的ならいいんですよ。この手のプロジェクト物において、「技術的には全くだが関係者に惚れ込んで協力する」マネジメントや雑用担当者は華ですから。ですが、この主人公はそれすら欠如し、「このままだと安全性に問題が出て後輩が危険」と言う、TRPGにおける「マスター側から参加を促す助け船」すら「幼なじみ以外はどうでもいい」と拒否して見せます。(そこに力点を置くなら、それこそ幼なじみへの協力を言い訳に参加させればいいのに)本当、どうしようもありません。しかもこいつ、部外者や目上の人間に対してもこの態度なんですよね。呆れたことにタメ口ですし。ご両親はまともな人みたいなんですが、どう言う教育されてるんでしょう?
全く、良くここまで酷い脚本に出来たものだと、いっそ感心しましたよ。昴を主人公にして、海翔は台風の日に側溝に頭突っ込んで死んでるのが見つかる役とかにすれば良かったのでは?


何故こう言う細かい部分にこんなにこだわるかと言えば、話が本筋を滑り出すと、やはり面白いからです。おんぼろロボットをリセットして再出発するロボ部、熱い魂を発揮する場を与えられて輝き出す昴、成長へと歩み出す淳と、キャラクターの動きとシナリオの動きが連動して、一気に躍動感が出てきます。
自分の事を棚に上げて幼なじみに説教を始める主人公も、とりあえず話を前に進めるのであれば許せてしまえるくらいに。

しかし、プレーヤーが圧倒的に長い時間を付き合わされるのは、本筋以外の部分なのです……

どうしようもない主人公と女子連とのイチャイチャにしても、裏事情に絡むフラウのラインは悪くないのです。ところが、本筋から外れた格ゲー話だけが続く綯との絡みになると、もう苦痛しか残りません。
それと、あのミサ姉との過去設定、「越えられない壁」「取り残された悔しさ」なんて言うパーツを用意しておいて、なんで主人公をあんな風にしたんでしょうか?そこで壁を越えようとする、と言う方向にキャラ造型すれば、もっとシナリオラインはスッキリし、話もスムーズに進んだことは間違いありません。「自分がガキだと自覚する」と言うイベントを経たかったのであれば、序章でやっておくべきです。プレーヤーは、プレイを始めた瞬間から、主人公の鼻が曲がりそうな「ガキ」臭さに辟易しているのですから。

結局、豊富な人材や支援の前提はフェイズ2の序盤辺りでほぼ出そろっており、プロジェクト本格稼働が遅れるのは上記の、はっきり言って必要無い(やるにしても、1時間程度にまとめるべき)イベントがダラダラ続いて居たためなのですから。


ところで、綯さんは21歳みたいなんですが、大学出てないんでしょうか?まあ、どうせCERNだか300人委員会絡みでどうこうなんでしょうが、せめてあと2年くらい設定年代を遅らせるか、その年齢で不自然じゃない役目を割振って上げれば良かったのに。

とか思っている内に、フェイズ5が終わったところで、なんと初プレイが終わってしまいました。
ちょっと、予想外すぎてビックリです。フラグを立て損なったと言う事なのですが、あのTwitterモドキの返信パターンを解析しないと個別エンドにすらたどり着けないと!?

そして、2周目を始めて見ると、Twitterもどきの返信タイミングでスキップが停止しないという、驚愕の事実が……
これ、実質スキップ不可って事じゃないですか!!
あの、ひょっとして、喧嘩売られてますか?Steins;Gateはまだ自分でフローチャート書いて対応できましたが、今回のこりゃ無理です。とりあえずあと一周やって見て、勘所が見えなければ攻略サイト利用に移行しようかと。

繰り返しますけど、本筋の牽引力は悪くないのに、何故キャラ造型やシステム面でこんなに残念な仕様になっているのでしょうか?
なんかもう、疲れて来ました。AVGにおいて評価を決めるのはシナリオですが、それは快適なシステムと言う必要条件あってのこと。そこが蔑ろにされているので、現段階では高い評価は付けがたいです。

ただ、こう言うシナリオは、終わらせ方こそ評価の中心。そこまで行けば印象が変わるのは良くあることですから、最後まで続けてみたいと思います。



ほうかごのロケッティア (ガガガ文庫)

本作のような(理系)プロジェクト物は、SFにもジュブナイルにも名作があり、目の付け所は間違っていないのです。前に絶賛するエントリーを書いたこの↑「放課後のロケッティア」はその一角。多少主人公がクズだろうが、描き方・持って行き方一つで、見事に物語全体を魅力的にするコマにできるという好例でもあります。
同じ南の島という意味でも、本作には正にこう言うのを期待したんですがね。





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