2012年09月15日

たまには当たる未来予想/ドラゴンクエストXとカイシャクエスト

ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン (Wii USBメモリー16GB同梱版) (封入特典:ゲーム内アイテムのモーモンのぼうし同梱)


今回のエントリーの趣旨を完結に:
「ドラクエXはなんだかんだでプレイ中。MMOってやっぱりつまらないのに続けられるやな引力有り」
「で、20年前の小説を読んだら、その辺が端的に予言されていて驚いた。興味出たら読め。どうせ1円だ」



ドラクエXは毎日定期的にプレイしておりまして、現在盗賊メインでLV43。サブはそれぞれ20前後まで上げている状態です。
ゲーム部分は、率直に言って単調でつまらないんですが、LV上げの目標が設定しやすいのと、それなりにシナリオが進むので上手くつなぎ止められている感じです。

ただ、戦闘よりメインで行っている生産については、もう完全に「実績作るためにダンピングで受注しまくる自転車操業中小企業」と化しておりまして、何やってんのか解らなくなって来ております。
いや、一応赤字は出してないはずですし、バージョンアップ時に家を変える(多分。βの時は25万だったそうですが、売りの一つである以上、まさかそんな数値にしては来ないでしょうし)程度の貯蓄はしてあるのですが、やってる事はデイトレみたいなもんですしね。
バザーを頻繁に開いて原料を安値落札し、ライバルの安値出品を買い取って市場を操作。少しでも黒字が出る商品を探して3DSの補助機能を連打と、金にもならないのに経済活動そのものを展開している不毛さは、格別と言えましょう。

時間が無いときなど、ログイン → バザー確認 → 生産 → 出品補充 →ログアウト と言う、正に「出社してルーチンワークだけして帰ってくる」状態です。適切な育て方をした僧侶に適切な紹介メッセージを付与しているおかげで、それでも経験値は結構入って来るのですが。

まあ、このMMOと言う物の不毛さを見事なまでに解りやすく教えてくれるのは、RPGの伝道者たるドラクエの面目躍如と言ったところでしょうか?

「普通のRPGとして遊ばせてくれよ!」とか「どうせネットを使うのはバザーとサポートだけなんだから、MMOの意味なんかねえだろ!」と言う正論が完全に正しい辺りも、「MMOと言う物の本質を解りやすく伝える」役割の一部に違いないですよ。
じゃあやるなよと言うのも正論なんですが、あいにく遠隔地に住むリアルの旧友とプレイ(と言っても休日時間が合ったときだけですが)しているので、ダラダラ続けてしまっております。おかげで、プレイ時間に食われて積ん読・積んゲーが大変なことになってるんですが……
おジャ魔女どれみのエントリーで書いたとおり、本当に時間が食い潰されていきますね。

と、ここまでが前置きで、「なんでこんな不毛な作業を、自由時間使ってやってるかなあ」と思っていて、思い出した小説があったのです。



お父さんの会社 (ハヤカワ文庫JA)

「お父さんの会社」は、短編SFの名手・草上仁の近未来小説です。発表はなんと20年前。この世界では、ネットワークが高度に発達し、仮想世界上に築かれた会社で新入社員となって出世競争を戦う「カイシャ・クエスト」と言うゲームが流行しています。物語は、このネットゲームの運営に関わる陰謀を暴いていく話になるのですが、もうビックリするほど予言的。
大体、20年前の段階では一部の好き者がパソコン通信を馬鹿みたいな電話代を供物に遊んでいたくらいで、ネットワーク上に作られた仮想世界と言うのはSFその物でした。そこに、この内容です。細かい部分でも、男女なりすましの問題だったりNPCの機械的な挙動、それにチートと言ったと代物を一通り取り込んでいて今見るとビックリします。
ちなみに私は当時、「幾ら何でもこんなの荒唐無稽だろ」とか思って読んでました。ええ、SFファンだってそんなもんです。

しかし、ここで一番驚くべき事は、「このゲームが面白くない」事を、作中で登場人物が喝破している点です。カイシャ・クエストは、ピラミッド構造の会社組織に全員が属するため、新規プレーヤーは延々と書類整理のような雑用に追われます。これを、リアル会社員である主人公などは喜んでプレイしてやがて出世していくことに喜びを見出すのですが、ある人物は「何が楽しいのか」「下らない」とバッサリ。そして、作中の描写を見る限り、その人物の主張の方が遙かに説得力があるのです。

物語中ではこの、単純作業を繰り返したあげくできる事が現実の会社と同じ仕事と言う無間地獄のような世界を楽しめるのは、主人公達がワーカホリックの会社員だから、と言うような解釈をしています。しかし、現実のネットゲームにおいてプレーヤーがやっているのは、もっと不毛な単純作業で、にもかかわらず主観的には楽しんでプレイしている連中が沢山いるという事実は、「ワーカホリックの会社員」のような特殊カテゴリの問題ではなく、人間の本質的な「バグ」を予言してしまっていたのかもしれません。

とまあ、適当な事を言いましたが、この本は今読むと、バブル末期の世界観が垣間見えて実に趣深いことになっております。誰でもサラリーマンになる(なれる)のは当たり前で、仕事は幾らでもあり、それは少なくとも楽しくて金になることとされていた。ついでに言えば、ワーカホリックにも関わらず、主人公は会社とカイシャの二重生活を送れる程度に時間的余裕があったりとかね。

実はこの本、私の中では草上仁の作品中余り評価が高くなかったのですが、今になってみるとだいぶ見方が変わってきますね。
ちなみに、リンク先を見てみれば解りますが、AMAZONには1円出品が並んでますので、興味持ったら一読どうぞ。この値段じゃ、どうせ私にアフィリエイト収入は入りませんから、そう言うのを憎まねばならない宗派の方もお気軽にどうぞ。
なお、作者の本来の持ち味は、ゆっくりと南へのような叙情的だったりスラップスティックだったりする短編であることは付記しておきます。




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