2009年02月27日
法もルールも損得勘定
ニセ愛国者はいいかげん消えてくれ - NC-15
これを読んでいて感じたことなど。
法にしてもルールにしても、別に金科玉条という訳じゃありません。あくまでも、それが存在する・適用されることによって、社会にとってプラスになるとされているから存在し、適用されるわけです。
で、あっても・適用しても社会にマイナスになるようなら、改正したり廃止したり運用を変えるだけのこと。
上記で書かれている、フィリピン人一家(不法滞在者)の強制退去問題について言えば、法をそのまま適用したらマイナスなのは間違いないです。
これを読んでいて感じたことなど。
法にしてもルールにしても、別に金科玉条という訳じゃありません。あくまでも、それが存在する・適用されることによって、社会にとってプラスになるとされているから存在し、適用されるわけです。
で、あっても・適用しても社会にマイナスになるようなら、改正したり廃止したり運用を変えるだけのこと。
上記で書かれている、フィリピン人一家(不法滞在者)の強制退去問題について言えば、法をそのまま適用したらマイナスなのは間違いないです。
何故なら、15年間も不法滞在そのもの以外犯罪を犯さず、真面目に税金も払って社会に貢献している人間をたたき出しても、経済的にマイナスだからです。逆方向から見れば、15年間かかって日本社会が作り上げた人材・優良労働力を、捨てることに他なりません。
入国に一定の制限をかけ、要件を満たさない人間を追い返す制度には、当然意味が有ります。しかし、不法でも何でも一旦入国し、社会に根付いて周囲との関係が築かれていけば、通関で追い返すのとは状況が違ってきます。
15年間真面目な市民をやって来たという事実は、15年前には持っていなかった「滞在に値する保証」を後付で取得したと言えるかも知れません。(合法に入国・滞在しても、犯罪を犯す人間など幾らでもいる訳ですから、保証としてはそれ以上でしょうが)
繰り返しますが、入国・滞在初期段階で脱法者をたたき出すのは当然です。ですが、15年経てば前提が変わるのです。15年の間に、「何するか解らない無保証の外国人」は、「15年間真面目に働いて社会に貢献してくれた善良な市民」にクラスチェンジしているわけで。
そして、こう言う人を法律の範囲内で救うために特別在留許可という制度があるわけで、適用しなくてどうすんだという批判が法務省に出るのは当然だと思います。
まあそれ以前に、例によって裁判所がマトモに仕事せずに、ベルトコンベアで判決出したのが、一番の問題ですが。
刑法の時効の話が良く出ますが(不法滞在に時効はない)、これはむしろ民法の時効取得(違法な手段で入手したものでも、「平穏に」一定期間占有が継続すればその人の物になる)を考えると、解りやすいと思います。
あれも、概要だけ聞くと違法行為を扇動するように思えるかも知れませんが、主旨は社会にとってその方が得であることが多いため、作られているものです。(違法であっても長期間その状態が続いて、それを前提として新しい権利・利害関係ができているならば、今更元の持ち主に返させても混乱するだけの場合が多い。勿論、平穏でなく占有しているなら話は別なので、制限が入っている)
こう言う意味で私としても、自称愛国者の皆様には「そんな事してあなたたちに、もといこの国に、何の得があるの?」と言いたいです。
ああ、もったいない
入国に一定の制限をかけ、要件を満たさない人間を追い返す制度には、当然意味が有ります。しかし、不法でも何でも一旦入国し、社会に根付いて周囲との関係が築かれていけば、通関で追い返すのとは状況が違ってきます。
15年間真面目な市民をやって来たという事実は、15年前には持っていなかった「滞在に値する保証」を後付で取得したと言えるかも知れません。(合法に入国・滞在しても、犯罪を犯す人間など幾らでもいる訳ですから、保証としてはそれ以上でしょうが)
繰り返しますが、入国・滞在初期段階で脱法者をたたき出すのは当然です。ですが、15年経てば前提が変わるのです。15年の間に、「何するか解らない無保証の外国人」は、「15年間真面目に働いて社会に貢献してくれた善良な市民」にクラスチェンジしているわけで。
そして、こう言う人を法律の範囲内で救うために特別在留許可という制度があるわけで、適用しなくてどうすんだという批判が法務省に出るのは当然だと思います。
まあそれ以前に、例によって裁判所がマトモに仕事せずに、ベルトコンベアで判決出したのが、一番の問題ですが。
刑法の時効の話が良く出ますが(不法滞在に時効はない)、これはむしろ民法の時効取得(違法な手段で入手したものでも、「平穏に」一定期間占有が継続すればその人の物になる)を考えると、解りやすいと思います。
あれも、概要だけ聞くと違法行為を扇動するように思えるかも知れませんが、主旨は社会にとってその方が得であることが多いため、作られているものです。(違法であっても長期間その状態が続いて、それを前提として新しい権利・利害関係ができているならば、今更元の持ち主に返させても混乱するだけの場合が多い。勿論、平穏でなく占有しているなら話は別なので、制限が入っている)
こう言う意味で私としても、自称愛国者の皆様には「そんな事してあなたたちに、もといこの国に、何の得があるの?」と言いたいです。
ああ、もったいない
タグ :社会
Posted by snow-wind at 00:05│Comments(2)
│社会
この記事へのコメント
問題は、いちど甘い前例を作ってしまったばっかりに
その後、悪用されて歯止めが利かなくなった例が山ほどあることでしょうね。
それを警戒する気持ちもわからないでもないです。
日本のお役所仕事は「先例に倣え」が基本ですし。
そういうスキを抜け目無く狙っている悪賢い連中が日本のまわりにはウヨウヨいるのと、
脳みそを使わないお役所仕事のせいで、
本当に困ってる真面目な人が馬鹿を見るんですよね。
生活保護とかもそうですけど。
その後、悪用されて歯止めが利かなくなった例が山ほどあることでしょうね。
それを警戒する気持ちもわからないでもないです。
日本のお役所仕事は「先例に倣え」が基本ですし。
そういうスキを抜け目無く狙っている悪賢い連中が日本のまわりにはウヨウヨいるのと、
脳みそを使わないお役所仕事のせいで、
本当に困ってる真面目な人が馬鹿を見るんですよね。
生活保護とかもそうですけど。
Posted by 白川嘘一郎
at 2009年02月27日 21:05

その辺が難しいんですよね。
法律でも何でも、悪用する人間は居るんですが、穴を全部塞ごうとすると、こういう風に必要な人間も弾いちゃいますから。
生保は正にそれで、基準を厳しくすると、不正受給者一人を切るために、善良な人間を何人餓死させてもOKか、と言う損得勘定に。
あと、役所って本当は、こう言う意味で「脳みそを使」っちゃいけない部門なんですよね。(一番大事なのが、法律を忠実に執行すること。現場判断での融通は御法度)
なので私としては、元となる法律を作る政治と、監視役の司法に突っ込みたいことが多いです。
今回にしても、最高裁が付帯意見もなしに完全敗訴言い渡しちゃったら、法務省の事務方は大臣が口出さない限り、法律通り執行するしかないわけで。
法律でも何でも、悪用する人間は居るんですが、穴を全部塞ごうとすると、こういう風に必要な人間も弾いちゃいますから。
生保は正にそれで、基準を厳しくすると、不正受給者一人を切るために、善良な人間を何人餓死させてもOKか、と言う損得勘定に。
あと、役所って本当は、こう言う意味で「脳みそを使」っちゃいけない部門なんですよね。(一番大事なのが、法律を忠実に執行すること。現場判断での融通は御法度)
なので私としては、元となる法律を作る政治と、監視役の司法に突っ込みたいことが多いです。
今回にしても、最高裁が付帯意見もなしに完全敗訴言い渡しちゃったら、法務省の事務方は大臣が口出さない限り、法律通り執行するしかないわけで。
Posted by snow-wind
at 2009年02月28日 02:03
