2012年10月07日

アニメ版「リトルバスターズ!」 第1話感想


Little Busters!/Alicemagic(初回生産限定盤)(DVD付)
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「リトルバスターズ!」は、私にとって、Key系では「ONE」に次ぐ傑作です。幻想の家族にすがりついて物語の精度を大きく落とした、と言う感想しか抱けなかったAIR・Clannadに対し、物語の軸を友情においてシナリオに「すじ」を通したと言う評価です。
とは言え、前に書いたコンシューマベタ移植版(当BLOG内の感想はこちら)からAngelBeats!(当BLOG内の感想はこちら)最新作であるRewrite(感想はこちら)に至るまで、関連諸作は死屍累々。もはや何も期待できない状況です。
しかし、元から傑作だった作品のアニメ化というのは最後に残った希望ですから、きっといつかは京アニあたりが良いアニメを作ってくれるだろう、と待ち望んでいたわけです。ですが、蓋を開ければ悪名高い制作会社と微妙なイメージイラストで、警戒警報が鳴り響く中視聴となりました。

と言うわけで、手間がかかるので最近記事を書くのを止めていた、アニメの一話ごと感想になります。


最初の映像は伏線の波紋からですが、舞い飛ぶ光は無し。ひょっとして、各キャラ毎のルートを描かないと言う事なんでしょうか?もし全ルートを1シナリオにまとめてしまうと、意味が無くなってしまうのですが。


逆に本編最初のシーンは、原作では割とどうでも良いギミックだった学園バトルを上手く使い、開始数分でキャラの立ち位置を把握させていると思います。私がもともとキャラクターを把握しているせいかもしれませんが、一通りの説明は状況に沿ってなされています。


しかし、ハチ退治のエピソードは映像にするとガチでやばいので、他の何かに差し替えた方が良かったんでは?


そして、この演出の歯切れの悪さが、「今しかできない何か」を求めてリトルバスターズを拡張していくきっかけにまで引き継がれ、余りに掴みが弱くなっているのが大問題でしょう。
客観的に見て、痛くて恥ずかしいあの行動を魅力的に見せるのが、正に演出の役割なのですが。


また、要素の取捨選択にも問題が。こう言うゲーム的な演出は排除しないと、軸がぶれるばかりです。もともと本編のお遊び要素でしかない称号システムをアニメで展開したとき、どれほど残念なことになるかは自明ですから。

あと、真人を吹っ飛ばすリンの投球は「何あの威力?」とか理樹に突っ込ませておかないと、単なる漫画的演出で流されてしまうので伏線として機能しません。と言うか、あれだけだとただの寒い意味不明ギャグですから。


こう言うゆるいギャグもねえ……
はっきり言って、原作のこの手のギャグは別に面白くないんですよ。基本的に尺稼ぎですから。5人が仲良く楽しくしている描写が必要なのは確かなのですが、それは日常の中で自然に演出すべきだと思います。ゲームと違って、アニメは25分×話数という尺が最初から決まっており、大胆にオミットすべき部分を刈り込まないとろくな事になりません。

と言うか、「掴み」となるべき第一話でこんなシーンを延々と見せ、ゆるい会話を繰り広げるのに意味があるかと言えば、むしろ有害でしょう。



この、シナリオの死荷重としか言いようのない女子寮ミッションもですよ!
第一話で必要な状況説明は「リトルバスターズの仲間を集める必要がある」であり、それ以上は不要です。リンのコミュ障や4人の愛すべき馬鹿さ加減は、繰り返しますが日常・他のキャラ達との関わりによって描写すべきで、こんな事をやっている尺はないはずです。

リトルバスターズは、各キャラクターの関係性が話のキモなのに、加入メンバーは小毬が顔見せしただけで、初期5人の描写もまともにできてないじゃないですか。


状況説明にしても、理樹のモノローグ一本ではなく、仲間内の会話などで「口では嫌々と言いながら仲間を捜す」みたいな方向に持って行った上にしない理由が解りません。また、モノローグを使うなら、この学園の設定(全寮制)とかに絞った方が良いはずなのですが。

っていうか、キャラクターの魅力をセリフで説明するな!何のための動画だ!?


しかし、本当のゴミかと言えば、エンディングのようなツボを押さえたシーンも作れるみたいなんですよ。明け方に学校を抜け出し、並んで歩く早朝の町並み。あれだけで、仲間達の絆とその日常のワクワクを存分に感じ取れます。

ならば、物語はとっとと仲間を集め、彼らが一緒に過ごす日常の輝きを見せつけて、ラストへの道程を消化していかねばならないはずです。それこそが輝く一瞬で、時間をかけて描写すべき「尊い物」なのですから。
なのに、この第一話は、原作のつまらないところ・要らないところを集めたような構成で、売る気があるのか?ファンを増やす気があるのかと真剣に疑問を感じる物でした。エンディングの描写から、ヤマとなるシーンでは良い物を作ってくれるという期待が持てるので視聴を続行しますが、かなり不安を感じる船出と言って良いでしょう。

本当、もっと強い掴みを作れたはずなだけに、残念でなりません。



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この記事へのコメント
「無駄に原作を再現した」という印象でしたね。記念すべき第1話の割にはどうにも贅肉が多く、おおっ、と思わせるところがなかったのが残念です。例えば、冒頭でrefrainの森の中を這いずるシーンを一人称視点で流しておけば、視聴者(特に原作未プレイ)に先を気にさせることもできたんじゃないかなぁと思ったり。

ただ、鈴の女子寮イベントについては、もう1度同じイベントをやり鈴の対応の変化させて、そこからループを示唆する流れになることが考えられますので、あながち無駄とも言い切れないところがあるかと思います。

やはり、視聴者は原作をプレイ済、というのが前提で作られてしまっているのでしょうか。初見の人からは、この1話は単に仲良しグループがだべって終わり、になってしまってるので、「これ本当におもしろいの?」と思われてしまうかもしれませんね。
Posted by 名無し at 2012年10月08日 04:05
エンジェルビーツと同じと感じたのは私だけ?
どちらも限りある学園生活を満足すればそれで良いんだというテーマですよね。

一応ABの方が一話の段階で「闘争」と「世界の謎」があった分、マシに見えるレベル
Posted by つか at 2012年10月09日 02:33
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