2012年10月28日

アニメ PSYCHO-PASS #03 「飼育の作法」 感想

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↑関連商品(笑)。そういや、あの看板一話以降出てませんね。


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一週間経ちまして、"PSYCHO-PASS"第3話「飼育の作法」の感想になります。


冒頭のトレーニングシーンを見ると、監督はこの話を本当はマトリックスみたいな実写でやりたかったんじゃないかな、と思ったり。やたらと丁寧と言うか実写よりに作られた背景から、人物が浮き上がっている印象です。(筋肉の描写とか)
ただ、後述する巧みな演出と合わせて考えると、むしろ逆なのかもしれませんが。


香港化した東京の描写に、中国企業(作中の説明によると、中国式の表記がされている公営企業のようですが)の工場群。この辺、中国が台頭した未来の描写と見るべきか、アジアンテイストが基本となるサイバーパンクの様式と見るべきか。


一方、この工場主任の、歯を強調することで生まれる「アニメなのにアニメっぽくない事による気持ちの悪さ」の演出は上手いですね。胡散臭さのアピールと、現場がクローズドサークルであるという「嫌な」伏線の構築として、実に見事。逆説的にアニメでないとできない表現で、媒体の特性が良く把握されていると思います。


ドミネーターの設定解説は親父さんのセリフで為されるんですが、その前に「電波暗室から作業員を出して」とか「ドミネーターなら」と言った軽い伏線を張った上で説明が始まるので、唐突さや説明感覚はかなり軽減されています。


このおっさんは閉鎖系で人間関係調整役を担う「憎まれ屋」の逆みたいな存在ですが、これが普通なのはシビュラの問題か、それとも?
ちなみに、シビュラシステムの色相判定は、紫が最良で、赤が最悪みたいですね。って、Paranoiaじゃねえか!
まあ、コンピュータの収める ディストピア 最高に幸福なユートピアって事で、オマージュなのでしょう。


で、相棒の監視官はシビュラシステムの信奉者と。これは、人物配置として必然的です。執行官達はシステムによって犯罪予備軍の烙印を押されて強制労働に従事しており、主人公は当然システムの矛盾を見ていく立場。そうなれば、彼がシステムの熱烈な信奉者でなければ、キャラクターの意味がありません。こう言う基本的な配置を押さえているのは大切で、さすがベテラン監督ですね。


ただ、話自体はまどか☆マギカ3話のように大きく動くことはなく、極普通に主人公の違う一面を見せるだけで終わってしまいました。決してつまらなくは無いですし、むしろこう言う地味な展開を積み重ねて世界の描写を深めていく作品は大好きなのですが、話題をさらう派手さはないですね。

とりあえず、割と地味な作風であることが解ったので、落ち着いた展開を前提に、この荒んだ未来世界を来週以降も楽しんでいきたいと思います。

なお、今回の話は、よく考えると見かけよりエグイ設定が見えてきます。
つまり、工場主任が犯罪を隠蔽し、そのまま放置していたことの意味です。工場主任=シビュラシステムにとって、定期的に一人が適性を失って転属するのと、定期的に一人が殺される状況は、安定性の面で等価だと言う事なんですよね。そして、犯罪と言う事になれば操業停止期間や査察などの問題も出てくるので、隠蔽した方が効率的、と。
実に理に適った行動で、そう言った行動を推奨するシステムの問題点を示しているわけです。相手が合理性という怪物になってくるので、主人公達がシステムに疑問を持って正義を為そうとしても、それは全体から見れば悪になる。効率性が全てを飲み込む、サイバーパンクのディストピアとして、きちんと設定がされていると言う事だと思います。
そしてこう言う話になってくると、単純なハッピーエンドはあり得なくなるので、話の焦点をどこに持って行くか非常に興味深いですね。じっくり楽しんでいきましょう。





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