2012年11月08日

アニメ版「リトルバスターズ!」 第5話感想



リトルバスターズ! 1 (初回生産限定版) [DVD]

新作は鳴かず飛ばずで固定ファンは漸減。過去の遺産の二次商売で辛うじて食いつなぐKeyの様子に、ファルコムやエルフと言った旧世代の市場牽引メーカー没落の歴史を思い出すのは、私だけではありますまい……


他の回の感想はこちら

もう遅れるのは定型になっておりますが、第5話「なくしものを探しに」を視聴しましたので、感想を。


やっぱり体操着姿のこいつ等は違和感バリバリなのですが、(特に、恭介は汗一つかかずに制服姿で白球をキャッチする姿が、キャラの象徴とも言えたわけで)まあこれはその内なれるでしょう。

問題は、例によってサッパリ動かない・動きで魅せない画面と、垂れ流される理樹のモノローグなわけですが。


そして、メンバーも揃わないうちに進行する小毬ルート。
キャラ1人ずつを先に掘り下げようという気概は買いますが、そもそも掴みが最低であったところに持ってきて、売りであるヒロイン達を出し惜しんでどうするのかと。
Angel Beats!の(当BLOG内の感想と言うか批判はこちら)1話のように、一山いくら状態で登場させるのは悪手ですが、これはもっと酷いですね。何より、仲間同士の関係性がテーマとなる作品である以上、早期からキャラ同士の掛け合いを見せる必要があるわけですから。

もっとも、前にも指摘したとおり、これは原作の瑕疵でもあります。個別ルートにおいてヒロインと理樹以外のキャラが消え、「仲間”達”が仲間を救えない」と言う構造になっているのは、設定上仕方ないとは言え友情物語として最大の欠点でしたから。


結局、シナリオとして意味が解らないのは、焦点が全く絞れていないためです。
現在進行しているシナリオは、

1,野球チーム・リトルバスターズ!のメンバー集め
2,何者かから課される「世界の謎」を解くためのミッション
3,小毬の失われた記憶

の三つになります。そして、これらは全くリンクしていない上に、1・2などは進める気があるのかも解らない代物です。これでは、視聴者の興味を持続させることはできません。
と言うか、原作がそうであったように、1をメインにしつつ2は視聴者に忘れられない程度(1話に1回セリフで触れるとか)に押さえつつ、それが終わるまで3は留保、という以外の選択肢は無いはずなのですが。

だいたい、流星群絡みの話では原作の伏線(恭介が流星群に対して呟くセリフ)を取り除いていたり、正直何がやりたいのか解りません。


この、最後の伏線に関わる小毬の願いも、何故こう言う風に出してしまうのか。現在進行しているシナリオとのリンクも演出も、まるでなっていません。


この展開からすると、個別ルートを見せつつ、一定話数ごとにリセットしてループさせるつもりかと思われます。

ただ、それをやるにしても、全員が早期に揃わないと言う問題を覆すほどの利益は見あたりませんし、小毬が最初という点に疑問も出てきます。
何しろ、↑のとおり、小毬は言動も行動も格好も、一番「キツイ」キャラですから。勿論、良く訓練されたKeyファンにとっては「いつものアレ」なわけですが、ゲームのファン層よりもはるかにマスな視聴者を相手にするアニメでは、先鋒には不的確。


あとこの構成の問題として、仲間内の関係を描く前に、ヒロインと理樹の二人の世界ができてしまって視聴者が困惑すると言うのがあります。
少なくとも、全員が揃うまで話を進めたあと個別ルートをやれば、仲間として好感度を積み重ねる描写をやってからになるので、いきなり恋愛関係になる唐突さは薄れます。


この、唐突なトラウマ発動にしてもね。
伏線を張り、感情の変遷を描き、関係性を積み重ねる期間が取れていないから、何もかもが唐突かつ急速で、視聴者を置き去りにする事になるのです。

その経緯から制作会社は散々京都アニメーションと比較されているわけですが、そりゃそうもなるだろうという感じです。
世間で言われる絵の細密度というのは「しっかり作っている」事の一側面でしかなく、お話をきちんと組み立て、劇としてしっかりとした物を作り、作品としての完成度を上げる堅実さこそ、一流と言われる制作者の条件なわけですから。

残念ですが、このアニメからは、そう言った堅実さや誠実さを、感じる事ができません。





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この記事へのコメント
ふと思ったのですが、制作陣は総勢10名+αのキャラクターを一度に動かすことができないのではないでしょうか?だから、メンバーの登場を出し惜しみして作画の省エネ化を図っていると・・・ちょっと深読みしすぎですかね。
Posted by sibo at 2012年11月08日 22:04
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