2012年11月14日
アニメ版「リトルバスターズ!」 第6話感想
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結局の所、Keyの地位没落に鑑みて、「どうしてこうなった?」など言う疑問は愚問でしかないのですよね。
予算も手間もスタッフのやる気も、現状では引き出すリソースがないと言うだけの話なわけですから。
他の回の感想はこちら。
第6話「みつけようすてきなこと」の、感想です。
しかし、低予算・短期間の企画でもやりようって物はあるわけで、この箸にも棒にもかからない展開・構成をフォローする必要がないのは言うまでもありません。
よく考えてみれば、こう言う個別ルート順次解決という構成を取るならば、なおさら原作の設定を一部曲げるべきだったんじゃないでしょうか?具体的には、ヒロイン達を早めに集合させると共に、トラウマ解決フェイズで他のヒロイン達に出番を与えるという方法です。
現状では、各ヒロインの描写が不足していてまるで魅力を描写できず、動画にしたことで画面の寂しさ・展開の強引さや不自然さばかりが目に付いてしまっています。
実際問題、原作で解決フェイズにヒロイン達が出てこない必然性は、特にありません。あれは、ギャルゲーという体裁を取るが為に、理樹とヒロインの一対一関係を描かざるを得ない事から来る展開でした。しかし、それが物語の瑕疵だったというのは、以前指摘したとおり。ならば、それを変えない意味はありません。
むしろ、集団としてのリトルバスターズ!の、「仲間達」の素晴らしさを謳い上げるなら、必須と言えるかもしれません。何しろ、現状ではリトルバスターズ!は気色悪い内輪ネタ集団にしか見えていないわけですから、仲間の危機に際して力を貸すという吊り橋描写でもしないと、ラストに説得力が無くなってしまいます。
このシーンとかねえ。何故出てくる(登場させる)仲間が二人だけなのか?何故二人は小毬のトラウマに触れないのか?
人数を増やすことには他にも意味があって、最初は集団に埋没しているリンが、あとのルートでは前面に出る、と言った成長を描くことも出来たはずです。その対比が、同じ構成(全員居る状態)で並べてこそ活きるものである事は、言うまでもないでしょう。
実質2話かそこらで、関係を深めもせず、唐突に意味不明のトラウマが発動し、強引なオチに持って行く。理樹の行動については、歴代Key主人公の中ではかなり筋が通っているのですが、それもわずか数分の描写。こんなのドラマじゃないですよ。
ゲームでなら、プレーヤーは、能動的にヒロインを選択しており、また繰り返されるミニゲームや豊富なテキスト量によって、ヒロインとの関係を構築しています。しかし、これはアニメで、違う手法、つまりきちんと画面で描写して見せないと話にならないのですから。
この、どう見ても「かわいそうな子の相手をして上げているお兄さん」状態の絵面とかね!何なんですか?演出舐めてるんですか?画面効果とか色調とか、仕草とか、姿勢とか、気を使うべきポイントは死ぬほどあるはずなのに……
仲間の素晴らしさが云々言っておいて、仲間がまだ揃っていないとか、そもそも「リトルバスターズ!」として活動したシーンが今まで幾つあったのかとか、なんで軟弱地盤に建て売り住宅を上空から投下するような真似しやがりますか?
本当ですね、映画でも小説でもアニメでもいいんですが、きちんと作られた作品に学んだりしないのでしょうか?とりあえず納品すりゃいいやと言う消化試合なのかもしれませんが、なるほどこう言う物を出力してしまうから、制作会社として悪評が付くんだなと嫌な納得をしつつあります。
本当に意味の解らないまま小毬ルートは終わりましたが、こりゃどこまで視聴を続行できるか難しいところですね。
当BLOG内の、その他のKey関係エントリーはこちら。
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Posted by snow-wind at 22:00│Comments(3)
│アニメ・映像系
この記事へのコメント
初めまして。毎回痛快なコメント、楽しんで読ませて頂いています。
6話の何が一番まずいかって、やはり「リトルバスターズ全員が小毬のために行動するというプロットなのに、美魚・葉留佳・クドが除け者にされている」というところだと思います。ここをぶれさせると、リトバスのテーマって何よ? という話になってしまうので、正直マイナスしか生んでいないですね。
絵本については、内容を明示したのは正解、というより逃げられない状況ではあったが納得のいく中身にしたと思います。
正直、自分も視聴にかなり苦痛を感じてきており、偉そうに「頑張って感想を綴り続けて欲しい」とは言えないところですが、なんとか完走してほしいというのが一個人の願いです。
6話の何が一番まずいかって、やはり「リトルバスターズ全員が小毬のために行動するというプロットなのに、美魚・葉留佳・クドが除け者にされている」というところだと思います。ここをぶれさせると、リトバスのテーマって何よ? という話になってしまうので、正直マイナスしか生んでいないですね。
絵本については、内容を明示したのは正解、というより逃げられない状況ではあったが納得のいく中身にしたと思います。
正直、自分も視聴にかなり苦痛を感じてきており、偉そうに「頑張って感想を綴り続けて欲しい」とは言えないところですが、なんとか完走してほしいというのが一個人の願いです。
Posted by Arqu at 2012年11月15日 10:38
はじめまして。
なかなか面白い記事でした。
私もアニメ版リトルバスターズは納得いきません。
色々参考になりました。
なかなか面白い記事でした。
私もアニメ版リトルバスターズは納得いきません。
色々参考になりました。
Posted by kiryu at 2013年03月07日 22:06
管理人さんはrefrainの視聴はされてるのでしょうか。
構成上の疑問はあるものの、1期で問題だった理樹のモノローグがほとんどなくなっており、1期特有の寒さがぐっと押さえられています。また、動画ならではの演出もなかなか良いと思います。
1話ごとの感想は難しいかもしれませんが、アニメのまとめ的感想はよろしければ拝読させて頂きたいと思っております。
構成上の疑問はあるものの、1期で問題だった理樹のモノローグがほとんどなくなっており、1期特有の寒さがぐっと押さえられています。また、動画ならではの演出もなかなか良いと思います。
1話ごとの感想は難しいかもしれませんが、アニメのまとめ的感想はよろしければ拝読させて頂きたいと思っております。
Posted by a@a at 2013年10月20日 01:10