2013年03月15日

ようこそ停滞の中世へ! 「CRUSADER KINGS II」 感想


クルセイダーキングスII WITH ソードオブイスラム【完全日本語版】

本体拡張もDL販売されているCIVILIZATION 5と違って、扱いはパッケージ版のみとなっております。まあ、STEAM経由で不完全版をやらされるくらいなら、パッケージの方がマシとも言えるでしょうが。



今まで何度か紹介してきたとおり、私はPARADOX社の歴史シミュレーションを愛好しております。二次大戦を舞台にしたHEARTS OF IRON、近世(おおむね1453~18世紀)を舞台にしたヨーロッパユニバーサリス、それに近代を舞台にしたVICTORIA。いずれも時代の空気とえげつないデータ量を武器に、楽しい試行錯誤ができるゲームです。
そして、今回のCRUSADER KINGS(クルセイダー・キングス)シリーズの舞台は中世ヨーロッパ。なお、上記3作と違い、地図上にヨーロッパ(と中東・ロシア西部くらい)しか存在しません。まあ、舞台が11世紀~1452ですから、太平洋やシルクロードを越えられちゃ困るのでしょう。8世紀くらいには中国とイスラム帝国が東西決戦やったりしてますが、所詮舞台の中心は野蛮で暗黒なヨーロッパですから、仕方ありません。

さて、本作の大きな特徴は、主役が「国家」ではなく「家系」と言う所です。他作品と違い、主人公となる個人は明確なキャラクターとして設定されており、これは他の全ての人物に当てはまります。つまり、年齢性別文化宗教から多彩な特徴までを、遺伝データまたは後天形質として持ち、その交配や主従関係が肝となるわけです。

端的には、主人公のまず第一の目標は子孫を残す事です。他の貴族・王家と、あるいは臣下と結婚して子どもを残し、「自分の血を引いた自分と同じ姓の跡継ぎ」(兄弟とかでも大丈夫ですが)に称号を引き継がせなければ、ゲームはいきなり終わります。
そして、この嫁(女性当主なら婿)選びがまたえぐい事になります。基本的に停滞した中世ヨーロッパでは、他の時代のように「隣の領地に戦争吹っかけて併合」と言う事は、出来ません。できるのは、「自分が継承権者であると主張して、その領土の正当性を主張する事」で、これが成立してはじめて併合が可能になります。(異教徒相手を除く)
従って、血統管理の第一は、「いかにして子孫に自分と他人の称号を引き継がせるか」になります。これはなれるまでかなり難しく、ゲームの取っつきにくさの中心になっているのですが、まあ馴れます。具体的には、「他家の長女と自分の長男を結婚させ、然る後に他家の男子全員を暗殺」と言った方法が一般的(!)です。あとは、「他家の領土に継承権主張(CLAIM)を持っている廷臣に土地を与えて封建騎士とし、然る後にそのCLAIMを助けて戦争を吹っかけ、配下の領地として併合。最後に称号を取り上げて領土拡張美味しいです」と言った方法ですね。

しかし、そこは悲しき封建システム。どんなに頑張ったところで、常備軍も官僚制も未整備の暗黒時代では、直轄領というのものは精々6プロヴィンス程度が限界です。具体的には、アイルランド島の半分くらいまで。あとは全て封じた配下に収めさせるしかないわけですが、国が拡大するにつれ当然この「自分が治めているわけではない領土」の比率が増えていきます。そうなると、有力な配下は勝手に領土を拡張(彼らが国内で戦争をするのは自由です。君主の配下であるという建前が保たれれば、その土地を誰が治めていても君主は口出しできません)して王権に張り合おうとし、戦争への従軍を拒否し、あげくは反乱を起こします。と言うか、代替わりの度に反乱祭りが起きるのは風物詩で、どんなに拡大した帝国も数代持つ事はまずありません。勿論プレーヤーが担当する国は、リセット(大戦争の真っ最中に君主が戦死して無能な後継者が立ったりすると、文字通り国が粉々になります)とさまざまな準備を駆使するのですが、恐ろしい事恐ろしい事。

これに対して処置しようとすると、反抗的な配下を事前に暗殺したり、無能な後継者は暗殺して優秀な次男への継承を準備したり、そもそも余計な後継者候補を皆殺しにしたりと、実に中世っぽい宮廷陰謀劇が頻発します。PARADOX社お約束「合理的に行動するとその時代の悲劇をなぞる事になる」ですね。
なんか、「それ面白いのかよ?」と言われそうですが、宮廷陰謀劇にうつつを抜かして大国の介入を招いたり、やり過ぎて教皇に破門されて反乱祭りになったりと、色々面白くて止められません。
あと、そう言うわけで君主と嫁の能力が異常に重要なので、キャラクター検索機能を使って全世界から「天才」の素質を持つ幼女・少年をかき集めて配下と嫁(後継者には、はやめに「婚約」で天才をあてがっておきましょう。天才をあてがうのと領土を分捕るための政略結婚のバランスが、ゲームのキモです)に加え、気がついたらうちの王朝みんな肌が浅黒い…… とか言う愉快な事になったりします。あと、近親婚繰り返して、王朝が天才か障害者かその両方かになったりとかな!ちなみに、システム上甥姪とまでは結婚できますよ。嫁選びが色々ままならなくて、それでもいいやと選択される事は良くあります。

とりあえず、頑張ればアイルランドの一州からはじめて大ブリテン帝国成立くらいまでは行けますので、それなりに楽しむと良いでしょう。ちなみに、英語の難しさは今までのシリーズよりだいぶ低いので、ある程度素養があるならGAMERS GATEでDL販売を使うと良いと思います。DRMフリーだし。



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