2009年04月13日

結局、何がやりたいの?贈与税非課税枠増強

追加経済対策、財政支出15兆円に 贈与税、非課税枠610万円

まず最初に言っておきますが、財政出動は大歓迎です。パーティが全滅しかかっている時に、エリクサーを温存しても意味はありません。

しかし、規模が大きくなれば、当然意味の分からないものが紛れ込んでくるわけで……

記事後半の意図の良くわからない「子どもと家族応援手当」もですね。これは公明党が言っていることの方が正しいでしょう。一年間では今から子どもを作ろうとしても間に合いませんし、意図がサッパリ分かりません。

と、それはまあ置いておいて、今回注目のポイントは、贈与税非課税枠拡大。一応、前に書いたエントリーの追っかけになります。

前回、贈与税の減免については消費刺激効果が皆無で、単に資産保有層の相続税逃れにしかならない悪手、と書きました。そして今回決定した内容は、さらに迷走の度を深めています。

>住宅の購入・改修資金に充てることを条件に非課税枠を現行の110万円から610万円へ500万円上積みする。

この部分ですね。
住宅の購入は、基本的に7桁以上の買い物です。ここに500万円の非課税援助可能枠を可能にしたとして、「じゃあマンション買おう」となるでしょうか?確かに、両親二人からの援助で1000万ならそれなりに意味があるかも知れません。しかし、前回も書いたとおり、補足率絶望の小口贈与において、贈与税は贈与を障害していないという実態があります。

そして何より意味不明だと思われるのが、住宅の「改修」という部分です。

この政策は、お金のある親が子どもに援助するのを後押しし、所得移転と消費拡大を目指す、と言う物でした。しかし、親が生きているのに、子どもが「住宅改修」を必要とする場面って、どれだけあるのでしょう?

住宅は、20~30年経たないと、高額な改修というのは必要になりません。また、500万かそこらの援助が大きな意味を持つのも、子どもの年齢が低い時でしょう。年収は年齢に伴って増え、そもそもそうでない層は住宅など持てない。それが現実です。

従って、この施策で促進される「所得移転」は、むしろ親世代の住む家のリフォームを、子ども世代が援助する、と言うものになると思うのですが。親世代の家は子ども世代のそれより当然古く、また介護関連でリフォームが必要になる場合が多いですから。

結局、何が目的なのか、どんな効果が期待できるか、費用対効果はどうなのか、と言った部分をすっ飛ばし、また「政治主導」でおかしな継ぎ接ぎをやった訳ですね。別に政治家はアイデアマンである必要はないので、「断固として財政出動」のような方針を決めたら、後は専門家に任せるべきなんじゃないかと。監視・チェックは別として。
あるいは、専門家をブレーンとしてちゃんと抱えるか。(国が政策秘書の給料を負担するのは、本来そう言う目的です)

それにしても、マンションや土地の消費を増やしたいなら、住宅ローン減税を拡大すればいいと思うのですが。結局贈与税は、もともと家族単位で資産のある層しか潤わせません。所得移転促進というなら、税金という最強のツールを使い、余っているところ(高所得)から足りないところ(低所得)に移転して、金を使わせるのが筋という物です。と言うか、景気対策とか公共事業というのは、そう言うものです。

ただ、今回財務省が骨抜きにする方向で動いたのか知りませんが、意味もない代わりに害も無さそうな規模に収まっているのは評価すべき点でしょう。目的指定+非課税枠500万拡大では、どう多く見積もっても百億かそこらの歳入減で済みそうですから。


タグ :社会

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