2009年06月04日

問題点整理

引き続き、表現規制についてです。

こんなエントリーの連発などしたくないのです。デススマイルズを練習したいし、インストールしたまま放置してるヘリオトロープを起動したいし、積み上がりつつあるラノベやSFの山を崩したいのです。

ですが、何か出来ることをやっていないと、後から自分を許せなくなりそうなわけで……

これを、不幸な時代と言わずになんと言いましょうか。


と言うわけで、状況を整理しましょう。
白旗掲げて軍門に下ったソフ倫のことは、とりあえず置きます。何を言っても、過去は変わりません。イタリアを罵っても西部戦線が有利になるわけではありません。


事態はここから、本陣の法規制へと突き進んでいきます。
構想されている法規制はどう見ても人権侵害なのですが、我が国の最高裁判所の偉大なる兄弟達は、この手の裁判で違憲判決など出しません。今回は、裁判にすらならなかったわけですが……

ですから、その法規制へと突き進む状況が、何に起因しているかを整理しましょう。
実はこれは、単純に以下のようにまとめられます。


1,我々が愛好するエロゲーと、我々エロゲーユーザーはキモイ
2,強い「信念」をもって、それらの表現を潰そうとしている団体がいる
3,同様に、強い「信念」を持って「正義」を貫こうとしている議員がいる
4,与党が、表現規制において上記議員と歩調を合わせている

以下、状況の整理と採るべき戦術の考察を。

まず1。これが出発点です。規制団体や例の議員達を動かす原動力は、「正義」と「不快感」です。有り体に言えば、差別です。
非常に不快な事実ですが、直視しましょう。我々は、被差別階級のマイノリティです。最初から交渉の相手とは認められていません。キモさと言うのも要するに、「黒人が黒いから」と言うようなレベルです。

子どもの被害だの、社会の風紀だの、世界からの視線などと言った物は、全て後付でしかありません。


そして2。あちこちを焚き付けて回る団体がいます。
彼らは自らの「信念」に基づき、「正義」を行っています。母体団体共々、正に「宗教戦争」を戦っており、交渉も妥協もあり得ません。何故なら、それが存在意義だからです。


続いて3。団体がつけた火に油を注ぎ、大火を演出して具体的な規制に結びつけようとする議員の存在です。
何度も紹介している野田消費者担当相や山谷えり子議員だけではなく、鳩山邦夫総務相も代表格です。現役閣僚が二人も入っている段階で、影響力がどれほどかは推して知るべしでしょう。

そして最後。閣僚であるという事実と重なりますが、彼らが大きな影響力を行使できる所属政党が、与党であると言う事実が全てを破局へと突っ走らせます。


さて、では法規制を防ぐために、何が必要なのか?

1,2,については、実はどうしようもありません。

まず1。我々エロゲーユーザーはキモイです。何故キモイいかと言えば、エロゲーをやるからです。そして、キモイと言うことは、人間扱いされないと言うことです。何しろ我々は、エロゲーに心を破壊されているそうですから。

エロゲーやめますか?人間やめますか?
黒人に、黒人をやめれば差別をやめてやる、と言うようなものです。1に対する現実的な「解決策」はただ一つ。我々がエロゲーをやめることです。


次に2。ヤン・ウェンリーではありませんが、「信念の人」を説き伏せることなどできません。彼ら・各団体の行動原理は、実利でも論理でもなく「正義」ですから、交渉は無意味です。


つまり、法規制を防ぐために取るべき方法は、3か4、どちらかを突き崩すしかありません。

3については、各議員を落選させると言う事です。牽引車を失えば、元々雑多な主義主張が入り乱れる自民党は、動きを止めます。主張するのが公明党だけなら、まだ何とかなる可能性があります。
当該選挙区に在住の方には是非とも力を尽くして頂きたいですが、住民以外は投票する方法がありません。ついでに、閣僚クラスなら、比例で簡単に復活してきます。

結局4、自民・公明をなんとかするしかない、と言うことになります。

さっきリンクを貼った請願を取り次いだのは民主党の議員ですし、児童ポルノ法の改正自体は民主党も賛成しています。ですが、どちらがマシかと言われたら、間違いなく民主です。(例えば、単純所持は確定で反対の論陣を張っています)
勿論、社民・共産という手もあります。何度も言っていますが、どちらの党もこれらの表現規制には、激しく反対しています。
各党について色々意見はあるでしょう。ですが、この表現規制問題を本当に自分にとって重要だと思うなら、選択をする必要があるわけです。

選挙以外にも勿論有効な方法はあります。
18禁ゲーム業界はあっさり降伏してしまいましたが、関連業界や団体を支援することはできます。
新聞社、出版社、漫画、アニメ、等々。もっと直接的に、表現の自由について活動している団体。そう言った団体を支援し、意見を送り、動いてもらえるように働きかけることは、各党の態度を変化させる役に立ちます。

今回のソフ倫の行動が問題だったという事につながりますが、関連業界が激しく抵抗する場合、政府与党はそう簡単に手を出せません。
抵抗される、つまり叩かれたり反対されたりすることは、人気商売・客商売である政治家にとって、もっとも嫌なことなのです。特に、文化関係の団体は権威と影響力が大きいですし。

私は、著作権関係で日本ペンクラブには言いたいことが山ほどありますが、今回のことでは土下座してでも味方になってもらう価値があるでしょう。
と言うか、自分たちに火の粉が飛ぶ可能性に気づいてもらう必要があると思います。

第三者面で規制を賛美している新聞は多くありますが、前にこの問題で非常に良心的な記事を載せた中日新聞をはじめ、訴えていく価値はあるでしょう。それこそ、投書欄に送る所から始めるとか。(良く指摘されますが、投書欄は紙面の一部であり、掲載された場合その意味は大きいのです)

とにかく、3と4を動かすことを念頭に、やれることをやっていきましょう。


それにしても、繰り返し試みられる表現規制に対して、対抗する組織が必要なのかもしれません。
別に、最初から大規模である必要はないのです。「黒人差別を考える会」や「国防婦人会」のように、笑ってしまうくらい小さな団体でも、こと言論闘争では大きな力を発揮する余地があります。
必要なのは、暇と行動力のある代表が数人。後は、そこに署名や賛助会員を集め、数の力をちらつかせて、ロビイングや偏見報道への抗議を行って行けばいいのです。「下手な報道や政策を取ろうとすると、うるさい連中がかみついてくる」その意識に、日本の報道機関や政治は非常に弱いのです。

勿論その際は、まるで大きな集団を代表し、非常に強力な団体であるかのような名称が必要ですが。(この点で失敗したのが、MIAUでしょう)

この辺りを核にして、どうにか構成できないものでしょうかね。


P.S.
2ch辺りでは、今回の規制は「極左」の仕業、などと言われていますが、本当に頭を抱えたくなります。経過を見れば解るとおり、規制派が「どんな物でも利用した結果」がこれです。
原理主義者がそんな柔軟か?と思う方もいるでしょうが、むしろ原理主義者ほど最終目的のためにはどんな相手と手を組むこともいといません。何しろ、「正義」を為すための過程なのですから。
この前から例に出している、みんな大好き・ナチスドイツが、覇権への過程でソ連と手を結んだ事をお忘れ無く。

相手がそうなのに、対抗するただでさえマイノリティの側が、左翼だのマスゴミだのという言葉を連発して内ゲバをする事が、賢い方法でしょうか?

例えばTBSについても、その後の経過を見ると捏造と言うより、ソフ倫幹部辺りが「間違いなくこの線で自主規制することになる」などと言ったのを、馬鹿正直に報道しただけに見えます。
むしろ、注目されることなく水面下で全てを終わらせようとしたソフ倫の行動を暴いてくれたわけで、賞賛すべきと言うこともできるのではないでしょうか?


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新書が読み応えのある、著者の人生の結晶だった時代の研究書。後発の婦人団体がイメージ戦略一つでのし上がっていく、非常に面白い内容です。


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ポルノ・買春問題研究会 - レイプレイ問題

 中国語訳は何処にありますか?

表現の数だけ人生が在る - イクォーリティ・ナウからお返事が来たのだけど・・・

 流し読みしたけど例によ...
レイプレイ問題 雑記【Screaming Air】at 2009年06月05日 20:10
この記事へのコメント
初めまして。

デススマと聞くとどうも内藤那津子さんを思い出して仕方がないのですが、私だけでしょうか?(ぇ
あの会社は良い意味で病気だと思います。
360欲しいですorz

しかし本当、今回の騒動ソフ倫はいらない事をしてくれたもんだと思いますね。
現に今日も日ユのセミナーで炊きつけが行われたようですし、本当に頭が痛くて仕方がないです。
記事には大体同意する点も多く、ご説明もうまいなーっと思ったりしました。
どちらにしても今回のは自民・公明、そして日ユが主犯なのは明らかですし。

ただ私個人としては民主党自身、取得罪に関して見直しを行わずに今国会で提出した等の不安要素がある分、そちらにはできれば投票したくないので、社民か共産、もしくは国民新党あたりが比例区の選択肢かなとか考えております。

とりあえずソフ倫もですが、今回の騒動でつくづくエロゲ業界って情けないとしか思えませんでしたね…。

とりあえず同人の方はDHR等はメールの返信を見る限り、まだソフ倫よりもまともそうですが、心配だったりしますね。

それでは稚拙な文申し訳ないです。
失礼しました。
Posted by りず at 2009年06月05日 00:08
りずさんはじめまして。
CAVEは良いメーカーなのですが、如何せんSTG自体がきついので、家庭用でないとなかなか手が出ません。
プロギアの嵐をワンゲーム20円という狂ったゲーセンでプレイしたのに、ステージ3辺りで積み上げていたコインが尽きたのが、未だにトラウマでして……

文章の作成は毎回試行錯誤しているので、誉めて頂けると本当に嬉しいです。ありがとうございます。
これからも、より簡潔に解りやすくできるように、心がけていきたいと思います。

投票先は、自民公明以外と言う所が重要ですが、問題は小選挙区ですよね。
京都沖縄等一部の地域でない限り、選択肢が民主党しかなくなるわけで。小選挙区制導入前から、こう言う事になるのは解っていたことですが。
Posted by snow-windsnow-wind at 2009年06月05日 02:17
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