2009年06月06日

いや、その理屈はおかしい ~ソフ倫について~

本当は、終わった問題についての事で、言っても何の利益にもならないのですが……


ソフ倫の全面降伏については、鳥山仁さんが、非難・要望を送るべきは、小売・流通だという事を言われています。また、クリエーター(文脈からして、作り手の企業・ソフ倫の事だと思います)には過度の期待をするなと。

ソフ倫が凌辱ゲーム規制を決意するまでの経緯

確かに、小売・流通への訴えかけは非常に重要でしょう。私も気づかなかった視点なので、頷く部分も大きいです。

ですが、小売の拒否で「陵辱ゲーム」が苦境に立たされることと、今回のソフ倫の行動は、全く別次元の問題ではないでしょうか?


ソフ倫と流通・小売の関係を考えてみましょう。
まず、ソフ倫は流通・小売に対して認証機関として、「何かあった時に責任をかぶる」役目を果たします。例えばわいせつ物陳列罪に問われた時に、「正規の認証機関が認証した商品なので、問題無いと思った」と言うことで、減刑を求めることができるわけです。そもそも、認証機関の顔に泥を塗ることになりますから、摘発可能性自体小さくなります。(少なくとも、事前に行政指導を入れるでしょう)

一方流通・小売はソフ倫等の、認証ソフトのみを扱います。建前上、内容の「売って良いか」の判断をソフ倫(や他の認証機関に)任せているわけですから。

つまり、認証機関が「大丈夫」と判断したソフトを、良くわからない団体の抗議だけで扱い中止にしてしまった小売は、既に信義則(と言うか仁義)にもとる行為をしているわけです。

当然、ソフ倫という「認証によって全責任を負っている」機関は、これに抗議しなくてはなりません。そうでなければ、自分たちが業務として行っている認証審査よりも、団体の印象が優先すると認めてしまうことになります。


つまり、小売・流通に抗議する必要があるとしたら、ソフ倫以上にその役を担わなくてはならない者はいなかったはず、と言う事です。
業界団体の存在意義は、業界を守るためにあるのですから。

この意味で、ソフ倫を擁護する余地はないでしょう。
「小売も流通もダメって言ってるから、僕もそれに従うよ」では、何のためにあるのか解りません。

しかも、世間は、「ソフ倫という正規の認証機関が主体的に、陵辱ゲームは禁止されるべきだと判断した」と評価します。
焦土作戦は、敵よりもまず、国民の財産を破壊する行為なのです。

従って、ソフ倫は、非難されて然るべき組織と言わざるを得ません。
今度の騒動が例え解散等で有耶無耶に終わったとしても、この問題を放置したままでは、いつ全面的な規制につながるか解らないでしょう。獅子身中の虫を、抱え込んでしまっているわけですから。



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この記事へのコメント
 ウン、規制の責任所在に関するスジはおっしゃる通り。
 じゃあ今度はソフ倫突っつくべきは誰?てスジ考えたら、それはまずメーカーなり流通なりでしょ?
 ユーザーじゃない。
 そもそもソフ倫は一部幹事会社が規制推進運動に関わってマッチポンプしてた前科もあるくらいだから、アテにはでけん。「あーやっぱりか」ってェ感じ。
 基本的にオタはエンドユーザーで、その立場で物言う相手はまず小売でしょ。それがスジ。
 ただ、今回の件に関してはそもそも日本の基準で作って売ったモノをイギリスの基準で切ったっつーちょー頭ハネってェ問題がある。
 しかもそれがとても目に付くカタチで行われた。
 国内の業界団体(それも決して大きくはない)がこれに抵抗するすべは正直多くないようにも思う。
Posted by 電気屋 at 2009年06月07日 11:32
今回メーカーは臨時総会で「仕方がない」と規制をスルーしてしまい、流通はそもそもソフ倫に先行して扱い自粛を打ち出しています。抗議する主体は、既にユーザーくらいしか残っていません。

小売や流通への訴えかけも重要なのは勿論ですが、ソフ倫にも抗議をしておかないと、同じ事が繰り返されてしまいます。

また、小売が扱いを中止するのと、業界団体が製造段階から禁止してしまうのでは、他の分野の表現規制論に与える影響が段違いです。
業界の利益を代表して物を言えるのは、業界団体しかいない訳ですから。
Posted by snow-windsnow-wind at 2009年06月07日 15:45
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