2009年06月10日

猥褻なのは誰の心? 2歳娘の裸写真で児童ポルノ製造容疑

2歳娘の裸写真で児童ポルノ=製造容疑で母親ら逮捕-宮城県警

最初に言っておきますが、逮捕された二人を弁護するつもりはありません。
むしろ、早めに親権剥奪に持って行けるとすれば、子どもにとっては僥倖だったと言えるでしょう。
ただ、えん罪でないことだけは、切に祈りますが……

ただし、この事件には非常に大きな問題が隠れています。

つまり、「児童ポルノ」って何?と言う事です。


私の家のアルバムには、小学校に入る前の私が素っ裸になっている写真が貼られています。

では、それを撮影した私の両親は「児童ポルノ製造」のかどで、非難されるべきなのでしょうか?
それは、常識的に考えてあり得ないでしょう。

では、仮に私がその写真をスキャンして、その筋の掲示板に貼り付けたとします。
貼り付けた瞬間、その写真は間違いなく「児童ポルノ」になります。当然、単に息子の写真を撮っただけの父は、その瞬間に「児童ポルノの製造者」に他ならなくなります。
この場合、非難されるべきは誰でしょう?

あるいは、もっと単純に、暑い夏の風物詩・新聞に良く載る水遊びする子供の写真を、その筋の掲示板に貼り付けたら?

まあ、製造についてはまだマシかもしれません。
ですが、上の例で言えば、自分の昔の写真を掲示板にアップした私は、やはり提供罪になるのでしょうか?
自分の裸体をアップしたから公然猥褻、と言うのなら解ります。しかしその場合、親水公園を裸で歩き回っている幼児は公然猥褻で逮捕すべきか、と言う話になってしまいます。それを「猥褻」としなければ、犯罪の構成要件が抜けてしまうわけですから。

つまりここには、「子どもの裸を見て喜ぶキモイ連中」と「児童ポルノ」は存在しますが、「被害者」はおらず、当然「子どもを苦しめた犯罪者」も居ないのです。

つまり、この事件と上記の例を分ける物は「被害者」の存在だけ。そして、それ以上に重要な事など、何もないのです。


何が言いたいかというと、「被害者の救済」と言う原則を離れて「児童ポルノ」を語り出すと、滅茶苦茶な事になると言う事です。

何故なら、「児童ポルノ」の多くは、「ポルノ」と一般には認識されないものだからです。それを社会的法益で扱おうとすれば、もはや何でもありになってしまうわけです。

そして、一見明白に「ポルノ」(それを見て興奮するかは別として)と解るような物は、製造過程が強制猥褻や強姦罪を構成するので、わざわざ特別法を用意する必要がありません。


これは、被害児童の救済立法が、いつの間にか「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」になってしまった時からの問題です。

この法律は、名前を見れば解るとおり、本来の児童保護はオマケ扱いにされ、(法制定後、実際の施策は何も無し)当時苦々しく思われていた「援助交際」の規制と抱き合わされた奇形児です。

それが、さらに今回原理主義団体の思想と悪魔合体させられようとしているわけです。コンゴトモヨロシク?お断りします。


そして、単純所持規制や二次元規制が採用され、「被害者」保護の建前が最終的に取り払われれば、何でも出来るようになります。

我が家に限らず、二歳の子どもの裸など、アルバムにある家は珍しくありません。
デッサンをやる人であれば、まず裸を描いてそれに服を着せる、と言うのが基本的な作画法である事はご存じでしょう。どちらも、「児童ポルノ」の資格はバッチリです。

そんな事は根拠がない、とまた仰いますか?「子どもの水浴びの写真を同僚に見せたら逮捕された」と言うアメリカの有名な話を、都市伝説の類だとお思いですか?

残念ですが、外務省が注意を喚起するほど、「常識」的な事実です。
外務省 海外安全ホームページ

>『とある先進国に在住の邦人一家。現地校に通っている娘さんが、作文に「お父さんとお風呂にはいるのが楽しみです。」と書いたところ、学校から警察に通報され、父親が性的虐待の疑いで逮捕されてしまった。』

『家族で撮った写真のフィルムを現像に出したところ、子供が入浴している写真があるということで、警察に通報され事情聴取を受けた。』



これが、規制派が主張する「世界に恥ずかしくない」国の、あるべき姿です。

この点は、民主党案の取得罪でも、危険が残る所です。

年賀状や暑中見舞い子どもが裸で遊んでいる写真を送られたら、廃棄しなくてはいけませんか?
遺品を整理して出てきた、亡き家族の幼い日のアルバムは、大事に取っておくことは許されませんか?


「児童ポルノ」の単純所持規制については、ドーキンス先生もその著作の中で、不合理なキリスト教倫理に基づく無意味で有害な施策、と断罪しています。
決して、世界の常識などではないのです。





悪趣味エロ紀行
悪趣味エロ紀行

悪趣味ゲーム紀行の作者の別連載を、単行本にまとめたもの。内容は、誰が喜ぶのか、そもそもこれのどこで興奮したらいいのか全く解らないエロ物の紹介。動物姦(人間と動物ではなく、動物同士の単なる交尾)ビデオとか、何度説明されてもディスカバリーチャンネルですか?くらいしか感想を言いようが無かったり。
性的マイノリティーがいかに多様か、気持ち悪いからと言って取り締まる事がいかに無意味か、良くわかります。


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