2009年06月26日

多少良い点も? 「ふたつのスピカ」実写版 第2話 感想

前話までの感想はこちら

表題でこう書いておいてナンですが、面倒なので悪口から入ります。

佐野先生を除いて、演技が酷すぎて学芸会状態なんですが……
セリフが聞き取れないレベルのシーンは、さすがにNG出しましょうよ。アニメ版と違って、制作期間には余裕があったんでしょう?


着衣泳のシーンとか、あれじゃ溺れますって。フォームも酷いし、明らかに体力と筋力が不足している動き。なんでスタントマンを使わないのやら。
ところで、着衣泳の基本はまず靴を脱ぎ捨てることの筈なんですが、なんで靴を履いたまま泳ぐのでしょう?


また、設定や展開をいじる事自体は良いのですが、必然性がないのは本当にどうしたものか。

シュウが母親の再婚相手と折り合いが悪くて家を出ているなんて、「ハァ!?」としか言えませんよね。

マリカのツンデレ(違)ぶりのアピールにしても、グループワークで協力拒否とか、ただの馬鹿じゃないですか。ああ言う課題は、まずチームとしての成績を出した上で、個々人の貢献度を上乗せするのが常識です。協力拒否して自分の担当分だけは真面目にやりました、なんて、採点シートが真っ赤になりますよ。


それ以外については、やはり「ライオンさんがいない」という事実から派生する諸々が、作品のテーマと長所をローラー作戦で挽きつぶしています。

ライオンさんという師匠がいないので、アスミは水泳ができず、星に関する知識も甘々で、物理の教科書レベルの問題が解けない。獅子号の事故にしても、母親だけでなくもっとも近しい「ライオンさんを殺したのは父ではないのか」と言う圧迫感が出てこない。

やはり、挫折した過去の宇宙開発の象徴であるライオンさんが居ないことが、全ての改悪の起点なのでしょう。
シュウの父が絡む獅子号事故の真相も、これ幸いとパージしてるわけですし。

結局、重層的なドラマを生み出すための設定が端からパージされた結果、恐ろしく薄っぺらい「単なる青春物」しか残らなかったわけです。

ただ、トモロウがまだ宇宙事業団で遺族担当を続けていると言うのは、上手い設定でしょう。ライオンさんがいない穴をカバーする、上手い策です。

特に、桐生との絡みをトモロウが担当する事で、やっと過去の事故が物語の中心に出てくる事になるわけで。

もっともこれは、本来なら桐生のやり場のない怒りを正面から受け止めねばならなかったアスミが、ドラマ版ではとてもそんな役柄をこなせるような深みのあるキャラクターになっていないための、苦肉の策とも取れるわけですが。
あの試練で父親の力を借りるようでは、宇宙に行くなどできるものかよ、とも言いたくなってきます。

それにしても、宇宙学校の目玉はNASAへの留学とシャトルへの搭乗なんですか!?
日本独自の有人宇宙開発を推進する目玉として設立された宇宙学校が、何で?

とか思ってドラマ版の設定を良く読むと、どこにも日本独自の有人宇宙飛行計画の話は出てこないんですね。ナニソレ……

それと、桐生の設定は、原作で出てきたロボット技術者とコンパチになっているんですね。それにしても、親が宇宙飛行士だったなら、トモロウを恨むのは筋違いも良い所でしょう。落下地点で死んだ犠牲者と違って、自ら望んで危険を百も承知で乗り込むわけですから。

ただ、桐生の設定をこう変えたことで、アスミやトモロウとの対立が、宇宙開発を巡る大きなテーマと結びついてきます。

そう言った理論対立が出てくるらしい次回予告で期待を高められたので、とりあえず次回も見てみるつもりです。
この展開が上手くいけば、原作とは別の方向性で、楽しめるものになる可能性が出てきますから。

まあ、その場合でも、「原案:ふたつのスピカ」くらいにして、題名を変えておけば良かったのにという思いは捨てがたいわけですが。


ふたつのスピカ 15 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
ふたつのスピカ 15 (MFコミックス フラッパーシリーズ)


原作最新刊は、まだ通販サイトから届きません。前に書いたとおり、北海道の書籍事情は酷いものです。



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